印刷用紙:B5縦 1ページの行数:55 1行の文字数(半角で):82   −−以下 指導案本文−−   第5学年国語科書写(毛筆)学習指導案                      日 時 平成8年10月16日(水)2校時                      児 童 5年1組 男16名,女20名,計36名        指導者 村 井 正 一 1.教材名   筆順と字形 「出発」 2.教材設定の理由  (1)教材観     第5学年の書写の指導事項は,(ア)書かれた文字の形,大きさ,配列などのよし    あしを見分け,文字を書くときに役立てること,(イ)毛筆を使用して,文字の組み    立て方に注意しながら,文字の形を整えて書くこと,(ウ)毛筆を使用して,文字の    大きさなどに注意しながら,字配りよく書くこと,の三つである。 筆順と字形との関連について,第4学年では,画の長さ,概形,画の接し方を中心    に学習してきた。第5学年では,文字を正しく整え,読みやすく書くために,筆順と    字形とは密接な関係があることを理解させ,筆順に気をつけ字形を整えて書くことを    ねらいとしている。本教材では,「出発」を取り上げ,字形を整える要素として筆順    に注意して書くことに重点を置くとともに,文字の中心や概形,画の方向も重要な要    素であることを理解させたい。さらに,硬筆教材として,筆順の間違えやすい文字を    取り上げることで,筆順に関心をもたせ,字形を整えて書こうとする態度を養ってい    きたい。  (2)児童観     本学級の児童は,書写の学習に意欲的に取り組み,手本から文字の中心や概形をと    らえて,意識的に整った文字を書こうする児童がふえてきている。     しかし,筆順については,正しく書こうとする意識が低く,既習の漢字でも正しく    書けない児童が多い。今年6月に行った筆順の実態調査によると,「馬」の筆順の正    当率は28%,「医」28%,「級」44%,「進」42%,「登」36%となっている。     練習では,これまで,手本をしっかりと見て書かせ,それを批正用具で評価・批正    させることをしてきたので,概形や中心については,大体の児童が気をつけて書ける    ようになってきたが,画の長さ・画の方向など細かな部分について正しく評価し,批    正できる児童は少ない。  (3)指導観     字形を整えて書くには,筆順に従って書くこと,また,練習の過程で自分の書いた    文字を正しく評価し批正できることが大切であると考える。     そこで,筆順については単元の各時間で扱い,筆順に従って書くことによって,字    形が整えやすくなることを体を通して覚えさせたい。評価・批正については,手本と    よく見比べさせ,気を付ける点を明確にさせてから書き直させ,その繰り返しの中で    正しい字形を強くイメージさせていきたい。     また,毛筆で学習したことを日常の硬筆活動にもいかしていけるように,間違えや    やすい筆順の漢字を硬筆で練習させ,定着を図りたい。 3.目標  (1)筆順に関心をもち,字形を整えて意欲的に書こうとする。(関心・意欲・態度)  (2)筆順に注意して,字形を整えて書くことができる。(知識・理解,技能)  (3)正しい筆順を理解することができる。(知識・理解) 4.指導計画(4時間扱い)  (1)正しい筆順を理解し,文字の概形や中心に注意して「出発」を書くことができる。                      (毛)1時間  (2)筆順,字形の整え方に注意して「出発」を書く。(毛)1時間・・・本時    (3)文字の概形や間隔,文字の中心などに注意して「出発」を書く。(毛・硬)1時間  (4)硬筆で,正しい筆順を理解して,筆順に従い,字形を整えて書く。(関硬)1時間 5.本時の目標  (1)目標    ○字形を整えて書くためのめあてをもち,進んで練習しようとする。    ○画の方向や部分の大きさなどに気をつけて,「出発」を書くことができる。  (2)展開 +−−−−++−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+ | 段 階 時 | | | +−−+−+| | | | |ねらい 区分 間 指 導 事 項| 学 習 内 容 | 指 導 上 の 留 意 点 | +−−+−++−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+ | | ||1.前時の想起と |1.前時の基準を確認 |・学習環境を整える。 | | 意 課 || 前時のまとめ書 | しまとめ書き作品を |・字形を整えるためのポイン | | 題 || き作品の検討 | 検討する。 | トをいくつかに絞って,各 | | 識 確 || | | 自の作品を検討させたい。 | | 認 10 2.目標の把握 |2.本時の目標をつか |・自分の作品の直すべき点を | | 化 | 分 | む。 | 明確にさせる。 | | | || +−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ | | | || |画の方向や部分の大きさに気をつけて,「出発」を書こう。 | +−−+−++−−+−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−+ | | ||3.基準理解 |3.字形を整えるため | | | | || | の基準を理解する。 | | | | || | ○筆順 |・筆順については,空書によ | |具 練 || | ○ 「出」 の1画目の | って再度確認させる。 | | | || | 縦画で仕切られる | | | | || | 空間がほぼ同じ |・手本をよく観察させ,基準 | | 習 || | ○「はつがしら」の | を気づかせたい。 | | | || | 左右のはらいを伸 | | | ・ || | びやかに |・拡大文字や分解文字を使い,| |体 | || | ○「発」の下の部分 | 視覚的に強く印象づけたい。| | 批 || | を小さめに | | | | || | ○画の方向 | | | | ||4.練習・批正 |4.基準に従い,練習 |・各自の気をつける箇所を手 | | 正 || | し批正する。 | 本に書き込ませ,練習の重 | | | || | | 点をさらに明確にさせたい。| |化 | || | |・練習→自己評価→自己批正 | | | || | | の繰り返しの中で,手本を | | | || | | しっかり見せ,正しい字形 | | | 25 | | のイメージを持たせていき | | | 分 | | たい。 | +−−+−++−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+ | | ||5.まとめ書き |5.「出発」をまとめ |・試書と同条件でまとめ書き | | | || | 書きする。 | をさせたい。 | | 総 清 ||6.自己・相互評価|6.前時のまとめ書き |・各自の良くなった点を確認 | | 合 | || | 作品と本時のまとめ | させ,できるだけ多くの児 | | ・ 書 || | 書き作品とを比較し | 童に発表させたい。 | | 一 ・ || | 自己・相互評価をす | | | 般 評 || | る。 | | | 化 価 10 7.次時の予告 |7.次時の目標の見通 |・さらに良くしたい所を考え | | | 分 | しを持つ。 | させ,意欲につなげたい。 | +−−+−++−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+ (3)評価    ○字形を整えて書くためのめあてをもち,進んで練習したか。    ○画の方向や部分の大きさなどに気をつけて,「出発」を書くことができたか。 (4)準備 拡大手本,児童用手本,分解文字,練習用紙,批正ペン,批正用具    (5)板書計画