印刷用紙:A4縦 1ページの行数:53 1行の文字数(半角で):98   −−以下 指導案本文−−   第6学年国語科書写(毛筆)学習指導案                            日 時 平成8年10月16日(水)2校時                            児 童 6年3組男16名・女12名・計28名 指導者 牛 抱 あけみ 1.教 材 名 筆順と字形「成長」 2.教材設定の理由 1 教材観    第6学年の言語事項2書写の指導事項に「(ア)文字の形、大きさ、配列などを理解して書くこと。」   「(イ)毛筆を使用して、文字の組み立て方を理解しながら、文字の形を整えて書くこと。」とある。筆   順は字形を整える際の基本となるものであり、文字を指導する際には必要不可欠なものである。「筆順   と字形」の指導は、前回の教科書では、各教材において指導の一要素として位置付けられていた。しか   し、筆順に従って書くことによって字形が整えやすくなることを理解させ、筆順を正しく理解して字形   を整えて書こうとする態度や技能を身につけさせることをねらいとして、今回の改訂によって教材とし て位置付けられた。    本教材では、「成長]を取り上げ、字形を整える要素として筆順に注意して書くことに重点を置くと   ともに、画の長さも重要な要素であることを理解させるものである。さらに、筆順の間違えやすい文字   を硬筆教材として取り上げ、学習の総まとめとして、正しい筆順を覚えることによって、字形を整えて 書こうとする態度や技能の育成をねらっている。 2 児童観    児童は次第に文字感覚が高まり、毛筆書写の時間において、手本と試書を比較して字形を整えるため   の基準を捉えられるようになってきた。それとともに、練習の段階では、自分の書いた文字のどこをど   のように直せばよいのかに気付いて練習用紙を選択したり批正したりする態度や能力も次第に身につい てきた。    しかし、日常的に文字を書く場面では、字形を整えて書こうとする意識の高まりはあまり見られない。   また、執筆法・筆使い・筆順・字形など技能面も未熟である。新出漢字や筆順を間違えやすい漢字を書   く際に筆順を確認しているが、筆順に従って書くことの大切さを理解していないため筆順を正しく理解 しておらず、その結果、誤字を書いたり字形が整わなかったりする傾向が見られる。 3 指導観    本教材は今回の教科書改訂で新しく取り上げられた内容であり、第4・5学年の学習を踏まえずに学   習することになる。しかも、児童の実態から考えても、筆順と字形の関係を基準として捉えることは、 児童にとってかなり抵抗があるものと思われる。    指導にあたっては、筆順の大切さに気付かせるために筆順が違うと字形に影響することを視覚的に捉   えさせる。また、「成」の漢字の成り立ちから「戈(ほこづくり)より左払いを先に書く」こと、筆順   の原則「縦画に横画が接する場合は、縦画を先に書く」ことを理解させる。基準に従って文字を書く技   能や批正力を高めるために、書き込みをした手本とクリアーシートを十分に活用させるとともに、個別   指導の充実を図りたい。また、執筆法・筆使いの技能が未熟な児童への助言を行いながら、自己目標を   達成できるよう支援していく。関連硬筆で、間違えやすい筆順の文字や筆順の原則に当てはまらない文   字を学習することによって筆順を正しく覚えることの必要性を実感させ、日常、文字を書く時には筆順 に従って字形を整えて書こうとする態度を育てたい。 3.目 標 1 正しい筆順に従って書くことのよさに関心を持ち、字形を整えて文字を書こうとする。(関心・意 欲・態度) 2 筆順に注意して、字形を整えて書くことができる。(知識・理解・技能) 3 画の長さに注意して、字形を整えて書くことができる。(知識・理解・技能) 4 正しい筆順を理解することができる。(知識・理解) 4.指導計画 (4時間扱い) 1 正しい筆順を理解し、字形を整えて「成長」を書く。(毛)−−−−−−−−−−−1時間 2 画の長さに注意して、字形を整えて「成長」を書く。(毛)−−−−−−−−−−−1時間 3 筆順に従い全体を整えて「成長」と関連硬筆文字を書く。(毛・関硬)−−−−−−1時間(本時) 4 硬筆で、間違えやすい筆順に注意して、字形を整えて書く。(関硬)−−−−−−−1時間 5.本時の指導 1 目標 ・毛筆で「成長」を整えるために、自分の課題に向かって自主的に練習しようとする。 ・正しい筆順を理解し、筆順に従い全体を整えて「成長」と関連硬筆文字を書くことができる。 2 展開 +−−−−−+−+−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+ | 段 階 |時| | | | +−−+−−+ |指 導 事 項| 学 習 活 動 | 指 導 上 の 留 意 点 | |ねらい 区分 間| | | | +−−+−−+−+−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | |1.前時の想起|1.前時までどのような基準|・学習環境を整える。 | | 意 | 課 | | | に従って字形を整えてきた|・拡大手本や紙板書を活用して、短| | | | | | かについて話し合う。 | 時間で行う。 | | | 題 |5|2.目標の把握|2.本時の全体目標を確認し|・個々の課題は前時のまとめ書きを| | 識 | | | | 個々の課題を自己決定する| 参考にして設定させ、挙手によっ| | | 確 | |+−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−+て自己決定させる。 | | | |分|| 毛筆で字形を整えて「成長」を清書し、硬筆でも| | | 化 | 認 | ||筆順に従って字形を整えて書けるようになろう。| | | | | |+−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−+ | +−−+−−+−+−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | |3.基準理解 |3.基準を理解し、クリアー|・毛筆学習のまとめとして、「成長」| | 具 | 練 | | | シートに基準を書き込む。| 全体を整えるための基準について| | | | | | ・中心 | 話し合わせる。特に、文字の中心| | | |20| | ・文字の大きさ | は目安となる画がないため捉えに| | | 習 | | | ・上下左右の余白、字間 | くい。分解文字を使って理解させ| | 体 | ・ | | | | る。 | | | 批 | |4.練習・批正|4.課題に向かって練習する|・個別指導によって、執筆法・筆使| | | |分| | ・練習用紙を選択し、練習| いの技能について指導するととも| | | | | | する。 | に、批正個所や批正の仕方が適切| | 化 | 正 | | | ・クリアーシートを使って| であるか助言する。 | | | | | | 基準に従って批正する。| | +−−+−−+−+−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | |5.清書 |5.「成長」を毛筆で清書す|・試書と同一条件で清書する。 | | | | | | る。 | | | 総 | 清 | |6.自己・相互|6.清書と試書を比較し、学|・上達したところを確かめさせ、成| | | | | 評価 | 習の成果を認め合う。 | 就感を味わわせるとともに、硬筆| | 合 | |20| | | 書写への意欲を持たせる。 | | ・ | 書 | |7.硬筆への応|7.硬筆関連文字「盛」「 誠」|・文字カードで筆順を確認するとと| | 一 | ・ | | 用 | 「帳」「駅」の筆順を確かめ| もに漢字の組立て方についても確| | | 評 | | | 筆順に従って丁寧に書く。| 認し、譲り合いに気を付けて書く| | 般 | |分| | | ようにさせる。 | | | | |8.次時の予告|8.次時は、筆順の間違えや| | | 化 | 価 | | | すい文字の正しい筆順を理| | | | | | | 解して字形を整えて書くこ| | | | | | | とを知る。 | | +−−+−−+−+−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+ 3 評価 ・毛筆で、「成長」を整えるために自分の課題に向かって自主的に練習しようとしたか。   ・正しい筆順を理解し、筆順に従い全体を整えて「成長」と関連硬筆文字を書くことができたか。 4 準備 拡大手本 児童用手本 練習用紙 水書板 批正ペン クリアーシート 硬筆用文字カード 硬筆学習プリント 分解文字 5 板書計画 +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | 筆順と字形 | |めあて | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| ||毛筆で字形を整えて「成長」を清書し、硬筆でも・・・ || |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| |基準 ◎ 筆順(画の接し方) ◎ 画の間隔 | | ◎ 長く書く画(概形) ◎ 画の方向 | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | | | | | | | | | | | | | 拡 大 手 本 | | | | | | | | | | | | | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |批正 ◎ 中心 ◎ 字間 | | ◎ 大きさ ◎ 余白 | |硬筆 | | +−−−−−+ +−−−−−+ +−−−−−+ +−−−−−+ | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | +−−−−−+ +−−−−−+ +−−−−−+ +−−−−−+ | | +−−−−−−−+ +−−−−−−−+ | | |A | |A | | | |書 | |書 | | | |試 | |清 | | | +−−−−−−−+ +−−−−−−−+ | | +−−−−−−−+ +−−−−−−−+ | | |B | |B | | | |書 | |書 | | | |試 | |清 | | | +−−−−−−−+ +−−−−−−−+ | 画| +−−−−−−−+ +−−−−−−−+ | 計| |C | |C | | 書| |書 | |書 | | 板| |試 | |清 | | 5| +−−−−−−−+ +−−−−−−−+ | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+