印刷用紙:A4縦 1ページの行数:40 1行の文字数(半角で):80   −−以下 指導案本文−−           第6学年国語科学習指導案 期 日  9月13日(金)2校時                      児 童  3組 男17,女20,計37名                      指導者  高橋 卓也                           場 所 6年3組教室  1 単元名    「1.桃花片(東京書籍 6下)」 2 単元について (1) 教材観  6学年の理解領域の重点目標は「目的に応じて効果的に話を聞いたり,目的や文    章の種類などに応じて正確な読み方で文章を読んだりすることができるようにする    とともに,適切な読み物を選んで読む習慣をつける」とある。     これを受けて本単元では「主人公のものの見方や考え方の変化に注意して,物語    を読み味わう」ことを主目標としている。これは,場面が進むにつれて変化してい    く主人公の気持ちや心の動き,優れた表現を読み味わうことを基調としながら,イ    メージ豊かに文章を読み味わうこと,また,主人公の行動や考え方について感想を    もちながら自分の考えも深めさせることをねらいとしている。     本教材は,岡野薫子が書いた中国の陶工の物語である。主人公である楊の「幼い    ころ」から「名人と言われるようになるころ」までの焼き物に注ぐ情熱,焼き物に    対する父子の相克が中心に描かれている。父親は「普段使う陶磁器」に限りない愛    情を注ぎ込んでいたが息子の楊は父のそういう創作態度に反発し「ひすいの玉のよ    うなつぼ」や「血潮のしたたるような輝く赤さや,透き通る深い青さ」などを求め    続けた。しかし,父親を失い六十才を過ぎて「名人」の称号をささげられた楊は,    しだいに不安な気持ちを抱くようになる。父親は華やかなものを作らなかったが,    色にも形にも清らかな深みのある美しさが合ったように楊は感じ始める。そんなあ    る日山あいの貧しい農家で,世にもまれな名器,ほころびそめた桃の花を思わせる    「桃花片」の水滴が発見された。楊はそれをおしいだいた。水滴の片隅につつまし    く記された刻印はまぎれもなく父親のものであり楊は驚く。楊の美を追求する姿を    描くことを通して真に美しいものとは何か,また,美しい物の価値とは何かについ    て考えさせる作品である。 (2) 児童観 《調査項目》    @ 音読をすることが好きですか   A 登場人物の心情を想像することが好きですか   B 情景を想像することがすきですか   C 書き込みをすることが好きですか   D 発表をすることが好きですか 上記の結果から,音読活動は68%の児童が好きという結果を示し,だいたい音    読活動を好んでいることが分かる。ただ,32%の児童は音読活動が嫌いという結    果を示しており,それらの児童は,音読そのものも正確に読めない児童が多い。そ    こで今後は,楽しく,しかも正しく音読できるような活動の工夫をしていかなけれ    ばならない。     登場人物の心情を想像することに対しても,68%の児童が好きという結果を示    している。情景描写を想像することについては79%の児童が好きと答えている。    これらのことから,児童は文章をもとにして心情や情景を想像しながら読み進めて    いく活動は好んで学習していると言える。     書き込み活動は,46%の児童が嫌いという傾向を示している。自分の考えたこ    とを書き込むことがめんどうだと考える児童も多く,思った通りに言葉にできない    じれったさも大きく影響しているようである。今後は作文力の強化と共に語彙力を    高め,思った通りに自由に記述できる力を養っていきたい。     発表する活動に対しても,46%の児童が嫌いという傾向を示している。人前で    話したり読んで発表したりすることが恥ずかしいという思いも強くあるようで,国    語の時間に限らず学級内で自由に話せる雰囲気をつくっていかなければならない。 以前は音読が好きな子はあまり多くなく,音読の際も特に読みの観点を持たずに    音読しているという児童が多かった。国語の授業で音読に親しむ機会を増やしてか    ら,少しずつではあるが,音読が好きになった児童が増えてきている。しかし,ま    だどのように気持ちを込めて読んだらいいのか,が良く分からず,音読をすること    に抵抗をもつ児童もいる。音読が好きではないと答えた児童の理由は,「はずかし    い」「正しく読めないから」などがあげられた。今後も指導を加え,音読する事の    楽しさを味わわせるようにしていきたい。 (3) 指導観   指導に当たっては,話が時間的な経過をたどった構成になっていないので,楊の    成長過程をもとに各場面の順序性を明らかにして読み進めさせていきたい。また,    この教材における楊と父親の関係は,美しい物は何かということについて,二つの    異なる価値観として描かれており,そのことから生じる父親に対する楊の感情の変    化,つまり信頼,反発,理解の過程を叙述に即して読み取らせていきたい。また,    この教材では桃花片の描写を頂点としてさまざまな焼き物の美しさを表現すること    に多くの努力が払われている。美しさについて直接記述されているところと,それ    が生み出される過程とが補い合って,その美しさが感得されるように工夫されてい    るので,このような優れた表現から場面の様子や情景を豊かに思い描かせていきた    い。また,楊の美しい物に対するものの見方や考え方,父親の仕事に対する考え方    がどのように変わっていくかということについて,読み手である自分の考え方や気    持ちの変化にも気づかせながら読み取らせていきたい。また,話し合いの中で自分    のものの見方や考え方を広げたり,深めたりできるようにさせていきたい。 3 単元の目標 (1) 単元の主目標     主人公のものの見方や考え方の変化に注意して,物語を読み味わう。 (2) 学習指導要領との関連 +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− |1 目標 | (2)目的に応じて効果的に話を聞いたり,目的や文章の種類などに応じて正確な | 読み方で文章を読んだりすることができるようにするとともに,適切な読み物 | を選んで読む習慣をつける。 |2 内容 | B 理解 | エ 文章の叙述に即して,細かい点にまで注意しながら内容を正確に読み取るこ | と。 | カ 優れた描写や叙述を味わいながら読むこと。 | キ 話し手や書き手のものの見方,考え方,感じ方などについて,自分の考えを | はっきりさせながら理解すること。 | ケ 聞いたり読んだりした内容について目的に応じて再構成して表現すること。 +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 4 活動の概要及び目標と評価 +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+ |次|時| 学習者の活動 | 教師の支援 |関心・意欲・態度 | 表  現 | 理  解 | 言 語 事 項 | +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+ | | | 題名から思い浮かんだことを話し | 題名から作品に対す | 作品に興味を持 | 中心点のはっき | | 新出漢字の読み | |第|1|合う るイメージを持たせる ち進んで感想を書 りした感想文を書 | 方が分かる | | | |+−−−−−−−−−−−−−−−+| | | | | | |一| |全文を読んで,初めの感想を書こう| ようにする こうとする くことができる | | | | | |+−−−−−−−−−−−−−−−+| | | | | | |次| | | | | | | | | | | 読んで心に残った所や疑問に思っ | | | | | | | | |た所をノートに書いて発表する | | | | | | | | | | | | | | | +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+ | | | 粗筋をつかみ場面分けをする | 学習のめあてをはっ | 疑問点や心を動 | | | | | | |+−−−−−−−−−−+ | | | | | | |第|2||学習課題を作ろう | きりさせてから,学習 かされた場面に着 | | | | | | |+−−−−−−−−−−+ | | | | | | |二| | 課題を作らせるように 目し,進んで学習 | | | | |次| | 作った学習課題を発表し学習計画を する 課題を作ろうとす | | | | | | |立てる | る | | | | | | | | | | | | | +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+ | | | | 六十才を過ぎても険 | 六十才を過ぎて | 楊の一生懸命な | 六十才を過ぎて 「ろくろ」 「おり | | | |+−−−−−−−−−−−−−−−+| | | | | | | |3|ここまではいいのだと言った楊の | しい目で一つ一つを見 もひたむきに焼き 様子を,読み方を もなお厳しい目で から」 「おかね色」 | |第| |気持ちを考えよう | つめている楊の様子に 物に打ち込む楊の 工夫することで表 作品を見つめ焼き 「絵付け」の意味 | |三| || | 着目させるようにする 気持ちに関心をも 現する 物を焼く楊の様子 が分かる | | | |+−−−−−−−−−−−−−−−+| | | | | | |次| | 焼き物の製作に情熱を傾ける楊の | ち,進んで課題解 | を理解することが | | | | |様子を読み取る | 決に取り組もうと | できる | | | | | | する | | | | | | | | | | | | | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+ | | | | 幼い頃の楊の行動に | 幼い頃の楊の行 | 幼い頃の楊の気 | 父親の姿がばか 「大げさ」「無我 | | | |+−−−−−−−−−−−−−−−+| | | | | | | |4|だまって下を向いたときの楊の気持| 着目させ,父親がする 動に関心を持ち, 持ちやそれを見守 ばかしく見えてき 夢中」「一昼夜」 | | | |地を考えよう | ことに対してどのよう 父親に対しての気 る父親の気持ちを た楊の気持ちを理 「手放す」の意味 | | | |+−−−−−−−−−−−−−−−+| | | | | | | | | 幼いころの楊の焼き物に対する考 に思っていたかを読み 持ちをを進んで考 読み方を工夫する 解することができ が分かる | | | |え方を読み取る 取らせる えようとする ことで表現する る | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+ | | | | 父親が普段使う焼き | 楊が父親の作る | 父親に対して疑 | 父親が普段使う 「はなやか]「精 | | | |+−−−−−−−−−−−−−−−+| | | | | | | |5|もっといいものが焼いてみたくない| 物ばかり精魂込めて作 物に対して不思議 問をもち始めた楊 物ばかり精魂込め こん」「観賞」「 | | | |のと言った楊の気持ちを考えよう | ることを,楊は不思議 に思い始めている の気持ちを読み方 て作ることに対し はぐらかす」「弾 | | | |+−−−−−−−−−−−−−−−+| | | | | | | | | 若者に成長した楊の焼き物に対す に思っていることに着 ことに関心をもち を工夫することで て疑問に思う楊の 力性」の意味が分 | | | |る考え方を読み取る 目させる 進んで考えようと 表現する 気持ちを理解する かる | | | | | する | ことができる | | | | | | | | | | | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+ | | | | 父親をにらみつける | 父親に反発する | 父親に反発する 父親に反発する楊 「かん」「寸前」 | | | |+−−−−−−−−−−−−−−−+| | | | | | | |6|わたしにも焼く技術を教えて下さい| 楊の態度に着目させ, 楊の気持ちを進ん 楊の気持ちを,読 の気持ちを理解す 「手放し」「なご | | | |と言った楊の気持ちを考えよう | 反発する気持ちに気づ で考えようとする み方を工夫するこ ることができる やか」の意味が分 | | | |+−−−−−−−−−−−−−−−+| | | | | | | |∧| 父親の考え方に反発しながらも, かせるようにする | とで表現する | かる | | |本|はやる気持ちを抑えられず,父親に | | | | | | | |時|焼く技術を習おうとする楊の気持ち | | | | | | | |∨|を読み取る | | | | | | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+ | | | | 楊の作った焼き物が | ろくろの段階ま | ろくろの技術と | 心にかなうよう 「きまま」「みか | | | |+−−−−−−−−−−−−−−−+| | | | | | | |7|焼き物を片はしから割ってしまった| ろくろの技術はすばら では成功していて 焼く技術が一つに な焼き物を作るこ け」 「見きわめる」 | | | |時の楊の気持ちを考えよう | しいのに,うわぐすり も,焼く段階で失 ならず心にかなう とができずに焦る 「かなう」の意味 | | | |+−−−−−−−−−−−−−−−+| | | | | | | | | 優れたろくろ技術を持ちながらも の変化を見定められず 敗してしまう楊の ような作品が生ま 楊の気持ちを理解 が分かる | | | |焼く技術が未熟なために思うような に失敗してしまうこと 気持ちに共感する れて来ないで焦る することができる | | | | |焼き物が作れないでいる楊の気持ち に着目させる ことができる 楊の気持ちを読み | | | | | |を読み取る | | 方を工夫すること | | | | | | | | で表現する | | | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+ | | | | つりだなの上に置か | 名人と言われな | 水さしと飾り皿 | 心にかなう作品 「ぼかす」 「珍重」 | | | |+−−−−−−−−−−−−−−−+| | | | | | | |8|この二つにかなうものを自分はまだ| れた焼き物を見るたび がらも心が落ち着 にかなうものをま が作れず心が落ち 「一時」 「おしむ」 | | | |作っていないような気がすると感じ| に楊はどんなことが気 かないでいる楊の だ作れずに焦る楊 着かずに焦る楊の 「打ち消す」の意 | | | |た楊の気持ちを考えよう | になって落ち着かなく 気持ちに関心を持 の気持ちを,読み 気持ちを理解する 味が分かる | | | |+−−−−−−−−−−−−−−−+| | | | | | | | | 楊が人々から名人と呼ばれるよう なったのかを考えさせ つことができる 方を工夫すること ことができる | | | | |になった気持ちを読み取る るようにする | で表現する | | | | | | 名人と呼ばれながらも心の中には | | | | | | | | |それを疑う気持ちが頭をもたげ落ち | | | | | | | | |着かない楊の気持ちを読み取る | | | | | | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+ | | | | 農家の若者の話に着 | 水滴の使いやす | 真に美しい水滴 | 水滴が父親の作 「かきたてる」「 | | | |+−−−−−−−−−−−−−−−+| | | | | | | |9|つつましく記された刻印が父親の物| 目させ,いかに使いや さや真の美しさに に感動する楊の気 品であったことに まれ」「ほころび | | | |であることに気づいた楊の気持ちを| すい水滴であったかを ついて考える楊の 持ちを,読み方を 気づいた時の楊の る」「ぼくとつ」 | | | |考えよう | とらえさせ,真の美し 気持ちを進んで考 工夫することで表 気持ちを理解する 「つつましい」の | | | |+−−−−−−−−−−−−−−−+| | | | | | | | | 桃花片の水滴に真の美しさを見い さとは何かを考えさせ えようとする 現する ことができる 意味が分かる | | | |だし,しかもそれが父親の作品であ たい | | | | | | | |ることを知った楊の気持ちを読み取 | | | | | | | | |る | | | | | | +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+ | | | | 第一次に話し合った | 進んで感想を書 | 第一次の感想と | | | | | |+−−−−−−−−−−−−−−−+| | | | | | | |10|主題を考えながら感想を書こう | 内容を思い出させ,初 き発表しようとす 比較しながら,感 | | | | | |+−−−−−−−−−−−−−−−+| | | | | | | | | 稲毛さんの行動を振り返る 発の感想とどう変わっ る 想を書くことがで | | | | | | 作者の考えを考えながら書く たか考える | きる | | | |第| | | | | | | | |四| | | | | | | | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+ |次| | | 情景描写の美しさや | 情景描写の表現 | | | 倒置法の工夫, | | | |+−−−−−−−−−−−−−−−+| | | | | | | |11|言葉のまとめをしよう | 文末表現の工夫につい につて関心を持つ | | 文末表現の効果や | | | |+−−−−−−−−−−−−−−−+| | | | | | | | | 情景の描写で工夫しているところ て考える ことができる | | 役割が分かる | | | |を考える | | | | | | | | | 文末の書き表し方について考える | | | | | | | | | | | | | | | +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−+ 5 本時の指導 (1) 本時の目標     父親の考え方にに反発しながらも,自分を押し出した作品を焼こうとする楊の気    持ちをを読み取る。 (2) 指導上工夫したこと     自力解決の場面では,どのように音読したいかを,教科書に音読記号や言葉を書    き込みをさせ音読を工夫させながら読み取りをしていく。その際に,重要語句を確    認して,音読記号をつけるポイントを絞っていく。自分の考えた読み方を発表する    場面では,読みの工夫やその理由づけを促す発問をし,児童の考えた読み取りを発    表させていく。発表し合う場面では,自分の思い通りに読めない児童や,記号どお    りに読めない児童がいると思われるので,読みのうまさよりも記号をつけた根拠を    語らせる事に重点を置く。どの読みも根拠が叙述に即したものであれば共感的に受    け止めるようにしていきたい。学び合いの場面では,討論を活性化させる発問を準    備し,児童が自他の考えを比較,検討しながら読みを深めていくようにしていく。    授業の最後には,自分の音読を振り返る発問で,自分の考えの再構成を促していき    たい。 (3) 本時の展開 +−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−− 段階     学習活動 |予想される児童の反応| 活動への支援・評価 +−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−− | |1 前時の学習内容を確認する | | 普段使う物ばかり作る |つ| | |父親に対する楊の気持ち | |2 本時の学習課題を確認する | |を確認する | | +−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−+ |か| | 「焼く技術を教えて下さい」と言った楊の気持ちを考えよう | | | +−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−+ | | | | | +−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−− | |3 学習場面を音読する |指名読みをする | 本時の学習場面を音読 |む| | |する | |4 見通しを持つ |だまって〜にらみ | 課題にもとづいて,楊 | | ◎楊の気持ちが特に表れてい|大したものをのこすこ|の気持ちがよく表れてい |10| ると思う所にサイドラインを|とができない |ると思う所にサイドライ |分| 引いて下さい |ただの職人 |ンを引かせる | | |着せてみたい | +−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−− | |5 学習場面を読み深める | | | | | |(評)重要語に音読記号 | |+−−−−+ | | | |ひとり読み| | |をつけることができたか | |+−−−−+ | | | |(1)自力解決をする | | 楊の気持ちがよく表れ | | ◎楊の気持ちが特に表れてい|微音読をする |るように,音読記号をつ | | る所に微音読をしながら音読|音読記号をつける |けながら読み方を考えさ | | 記号をつけて下さい |書き込みをする |せる | | | | | |+−−−−+ | | | |なかま読み| | | 音読記号をつけたとこ | |+−−−−+ | | |ふ|(2)読み方の工夫を通して学| |ろを発表し合う | | び合う | | | | | |(評)友達の考えを聞い | |@父親に厳しすぎると言われた| お父さんの考えに反|たり,自分の考えを発表 | | 楊の気持ちを考える |対だ |したりすることができた | | ◎厳しすぎると言われて楊は| 自分を押し出すこと|か | | どう思いましたか |の方が大切だ | 音読記号をつけた理由 | |A言い返す代わりに別の言葉を| 早く自分の焼き物を|を発表する事によって, | | 選んだ楊の気持ちを考える |立派な物にしたい |文に対するその児童なり |か| ◎焼く技術を教えて下さいと| いろいろな色の焼き|の解釈が表れるのでよく | | 言った楊はどんな気持ちだっ|物に仕上げたい |聞くようにさせる | | たのか | | 音読記号や,読み方 | | ○自分がつけた読み方の工夫| にらみつけたを強く|に対する感想を発表しあ | | を発表して下さい |読みたい |いながら,学び合いをし | | (読み方の工夫) | 理由は,悔しい気持|ていく | | ○そのように,読み方を工夫|ちを込めたいから | | | した理由を,発表して下さい| | | | (読み方の意味づけ) | | | | ○自分で考えた読み方をして| |(評)友達の意見を聞い |め| みて下さい | |て自分の読み方に生かそ | | ○今の読み方を聞いてどう思| 今の意見に賛成だ |うとすることができたか | | いましたか | 今の意見に反対だ | | | (意見交換のうながし) | | | | ○自分の読み取りと比べて下| 悔しさを込めたいの| この時間の自分の音読 | | さい。どこが同じで,どこが|は同じだが,読み方は|記号の変化を振り返り, | | 違いましたか |〜に読みたい |なぜ読み方が変わったの | | (自他の意見の比較検討) | |かを考える活動を位置づ | |+−−−−+ | | | |ふり返り | | |け評価とする | |+−−−−+ | | |る|(3)自分の読みをふり返り自| | | | 己評価をする | | | | ◎みんなの意見を聞いて,最| 最初は高く読んでい| 音読記号の変化にだけ | | 初の考えをもう一度考え直し|たが低く,落ち着いて|とらわれずに,なぜその | | て,音読記号を赤ペンでつけ|読む方が気持ちが伝わ|ように記号を変えたのか | | て下さい |るようだ |という理由付けも大切に | | (自分の考えの再構成) | 理由はみんなの意見|とりあげたい |30| ○自分の読み方がなぜ変わっ|を聞いて,その方が悔| |分| たのか,理由を考えてみて下|しさがさらに表れるよ| | | さい |うな気がしたからです| +−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−− |ひ| | | 登場人物の気持ちが伝 | |+−−−−+ | | | |ひろめ読み| | |わるように,再度工夫し | |+−−−−+ | | |ろ| | |た音読をする | |6 修正後の自分なりの読み方を| 各自の自由な音読を| 各自が自由に読んだ後 |め| する |してみる |指名読みをする。 | | | |(評)自分なりに読み方 |る|7 次時の学習課題を確認する | 焼き物を片はしから|を修正し,工夫できたか | | |割ってしまう場面を学| 次の場面を読み取って |5| |習することを確認する|いくための意欲づけを図 |分| | |る +−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−− 6 板書計画 +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | 桃花片 | | 岡野薫子 | | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | ||学習課題 | | || 「焼く技術を教えて下さい」といった楊の気持ちを考えよう | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | |+−−−−−−−−+ | ||楊の考え | | |+−−−−−−−−+ | | 真っ赤になり、だまって父親をにらみつけた | | 何を言っているのだろうか | | お父さんは、大したものをのこすことができないんだ | | 暮らしのためにしているだけ | | ただの職人のくせに | | | |+−−−−−−−−+ | |別の言葉を選んだ | | |+−−−−−−−−+ | | | | そろそろ焼く技術を教えて下さい | | | | ひすいのたまのようなつぼ | | 血潮のしたたるようなかがやく赤さ | | すきとおる深い青さ | | わたしのつぼにも着せてみたい | | | | 興奮のあまり、声をうわずらせた | | | |+−−−−−−−−−−+ | | 父親の考え | | |+−−−−−−−−−−+ | | | | はやる気持ちが、つぼをそこなっている | | はだかのつぼは、ごまかしはきかない | | | |−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− | | みんなの意見を聞いて | |−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− | | | | ・楊は焼く技術にばかりきもちがはやっている | | ・父親の考えとちがっている | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ 「桃花片」 教材分析表 +−+−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−+ |面|文 章 の| 構 成 要 素 |読 み 取 ら せ た い|言語事項| | | +−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+ | | |場|構 成 | 情 景 | 楊 | 父     親 |内 容 |語句 | +−+−−−−+−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−+ | |美しいも|うす暗い |かがみこむようにして | |六十才を過ぎてもなお|ろくろ | | |のを追い|小さな | ろくろを回し続けている | |焼き物作りに情熱を傾|おりから| | |求める年| 仕事場 |目も息もつちの中に | |ける楊の姿 |あかね色| | |老いた楊|入り日の | 吸いこませたまま | | |絵付け | | | | 照り返し |厳しい目 険しい目 | |うす暗い小さな仕事場| | | | |明るく |「ここまではいいのだ」 | |の様子 | | | | | 燃えたった|にわかに年とって | | | | |1| |あかねいろに|六十才 重くのしかかる | |年をとった楊の様子 | | | | | そまった空|「つぼを二十に皿を十」 | | | | | | |おだやかな | 歌うようにくり返し | | | | | | | 夕やみ | | | | | | | |暗い土間 | | | | | | | |ひっそりと | | | | | | | | かげ | | | | | +−+−−−−+−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−+ | |幼い頃の|芽をふく |つちをにぎりながらいつも一人 |つりあいがとれるように |普段使う陶磁器に限り|大げさ | | |楊 |柳の木の下 || 運び板の手伝い↓ |いかにも楽しそうに働いて |ない愛情を注ぐ父親の|無我夢中| | | |にわとり かげぼうしを見てうれしい |手元から不思議なリズムで生まれ|様子 |一昼夜 | | | |登りがま うとうとねむりにおちた  ↑ |額からぽとぽとあせ | |手放す | | | |ごうごうと さびしいとも思わなかった |はじめて子供をふり返った |ふだん使うものばかり| | | | | うなり || |「いいもの見せてあげるから」 |を作る父親が何だかば| | | | |りゅうのよう| |「子供のことだ」 |かばかしく見えてきた| | |2| |白い炎の舌 |「なあんだ茶わんなの」 |普段使う陶磁器に限りない愛情 |楊の気持ち | | | | |すさまじい |父親の姿がばかばかしく見えた |気に入り作品↓親指のつめで刻印| | | | | | うなり声 |赤い顔になり |焼きあがりが気に入らない時は、| | | | | | |だまって下を向いてしまった |おしげもなく割って捨てた | | | +−+−−−−+−−−−−−+−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−+ | |若者に成|冬でも汗が |「もっといいものが焼いてみた |はなやかなかざりつぼを焼いたの|普段使うものばかり精|はなやか| | |長して仕| にじむ |くないの」↓しきりに言う |はたった一度 |魂込めて作る父親に対|精こん | | |事に励む|土もみ台 |ふだん使う焼き物ばかり |「何かに使うからといって値打ち|して疑問に思う楊の気|観賞 | |3|楊 |きゅうきゅう|焼き物そのものを観賞できるのが| は下がりはしない」 |持ち |はぐらか| | | | きしみ ほ んとうの値打ち | | |す | | | | |父親ができないことを、 | |焼き物そのものが観賞|弾力性 | | | | | 今に自分がする |自分の息子の体に生まれながら陶|できるものが価値ある| | | | | |熱心に仕事 |工の血が流れていることを知った|ものだと考える楊の気| | | | | |つちに命が通い出すのを感じる | |持ち | | +−+−−−−+−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−+ | |父親の考|ろくろの前 |だまってにらみつけた |おまえのつぼは厳しすぎるな |父に反発する楊の考え|かん | | |え方に反| |父さんは大したものを残すことが|おまえのつぼは自分をおし出しす|焼く技術を教わりたい|寸前 | | |発しなが|ごうごうと白|できないんだ |ぎている |とはやる楊の気持ち |手放し | |4|らも美し|いほのおを上|ただの職人のくせに |はやる気持ちがつぼを損なってい| |なごやか| | |いものを|げるかま |わたしのつぼにも着せてみたい |る |厳しすぎると言ったり| | | |追求する| |焼く技術を教えてください |後からいくら飾ったところでごま|ごまかせないと言った| | | |楊 | |興奮のあまり声をうわずらせた |かしきれるものではない |父親の気持ち | | +−+−−−−+−−−−−−++−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−+ | |思うよう|神秘な世界 |父親に遠く及ばないことを知って| |ろくろの技術と焼く技| | | |な焼き物|風の通り方 | 暗い気持ちになった | |術が一つにならず心に| | |5|ができず|かまのなかの|快い感じを思い出した | |かなう焼き物が作れな| | | |焼き物を|熱気 |ほのおに血走った目 |そんな息子の姿を |い楊の気持ち |きまま | | |割る楊 |形を変えた |焼き物を片はしから割って ↓| 暗い気持ちでながめていた | |みかけ | +−+−−−−+−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−+ | |名人の称|仕事場に続く|満ち足りた日 |父の死 |登りつめたと思う楊の|ぼかす | |6|号をうけ|居間のつり棚|「ほんとうにそうだろうか」 | |満ち足りた気持ち |珍重 | | |ても心が|うっすらとほ| | と疑う気持ち | | |一時 | | |落ち着か|こりをかぶっ|心は落ち着かない | |本当にそうだろうかと|おしむ | | |ず焦る楊。て |二つにかなうものを、まだ | |疑問に思う楊の気持ち|打ち消す| | | | |作っていないような気さえする | | | | +−+−−−−+−−−−−−+−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−+ | |父の作っ|春が巡って |何としても自分の目で | |自分の目で確かめたい|かきたて| |7|た桃花片|古い柳の木は|見て確かめたい | |と思う楊の気持ち |る | | |の水滴に|柔らかに芽ぶ|身も心も吸い込まれたまま | |水滴に見入る楊の気持|まれ | | |出会う楊|いた |立ちつくした | |ち |ぼくとつ| | | | |たましいにはだでふれた思い |水滴の片すみにつつましく記され| |つつまし| | | | |水滴をおしいだくようにした |た刻印は、まぎれもなく父親のも|水滴の刻印を見たとき|い | | | | |あっとおどろいた ↓|のであった |の楊の気持ち | | +−+−−−−+−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−+