印刷用紙:A4縦 1ページの行数:40 1行の文字数(半角で):90   −−以下 指導案本文−−           第2学年  国語科学習指導案                          日 時 平成8年9月20日 (金) 2校時                          児 童 男子9名 女子6名 計15名                          指導者 林  裕子 1.単元名 「教材名」気もちを考えて読もう  「お手紙」 2.教材について    第2学年の表現の目標は「事柄の順序がはっきりするように、整理して話したり、語や文の続   き方に注意して文章を書いたりすることができるようにするとともに、正しく表現しようとする   態度を育てる」である。一方、理解の目標は、「事柄の順序を考えながら話を聞いたり、事柄の   順序や場面の様子の移り変わりなどに注意しながら文章を読んだりすることができるようにする   とともに、易しい読み物を進んで読もうとする意欲を高める」である。この教材により、「話す   こと・聞くこと」に関しては、指導内容の「話を最後まで聞き、内容を正しく聞き取ること」も   十分考慮しつつ、「相手の話の内容を受けて話したり、自分から進んで話すこと」を指導の重点   としていきたい。そこで、この教材を通して、文章の内容を十分に読み取った上で、考えたこと   や思ったことを簡単にまとめてから話すことを主目標にして学年目標に迫りたい。    教材「お手紙」は、大げさなところのあるがまくんと、明るく行動的なかえるくんの友情がさ   わやかに描かれていて、友達を思う素朴な優しさやほのぼのとした温かい友情を感じ取らせるこ   とのできる作品である。教材の場面構成は、 (1) がまくんの悲しみと、その姿を見て心を痛め   るかえるくん (2) 大急ぎで家に帰って手紙を書くかえるくん (3) 手紙が着くのを心待ちにし   ているかえるくんと、悲観的になっているがまくん (4) かえるくんからお手紙のことを聞いて   感激するがまくん(5)手紙をもらって幸せな思いに満たされるがまくん、からなる。場面ごと   に登場人物の行動や気持ちも大きく変わっているので、場面の移り変わりがとらえ易くなってい   る。    文章表現は、短文が多く全体的に簡潔で分かりやすい。また、かえるくんとがまくんの会話文   を中心に話が展開されていて、その中にそれぞれの人柄が表われているのも特色である。そこで、   かえるくんとがまくんの会話や行動を時間的な順序にしたがって読み進めることによって、人物   の気持ちの移り変わりや心の触れ合いをとらえさせることのできる教材である。 3.児童の実態について    6月に行ったアンケートによる意識調査の結果では、「話すこと」が好き、好きなほうだと答   えた子が15人中11名であった。分かっていても「もし間違えていたら」「恥ずかしい」という気   持ちからみんなの前で話すことを苦手としている子がいるが、発表することへの意欲は少しずつ   育ってきている。同じ考えのときはすばやくハンドサインで反応したり、「〇〇君につけたしで   す」などの言い方で友達の考えに付け足して発表できる子どもも増えてきた。    一方、「聞くこと」が好き、好きなほうだと答えた子は15人中12名であった。話す人を見なが   らただ何となく聞いているという様子の子も 多く、話の内容を正しく聞き取る力はまだ十分育   っていないと考えられる。子どもたちはこれまでに物語文を読み、筋の展開をとらえたり、人物   の気持ちや場面の様子を想像したりする学習をしてきた。これらの学習を通して、場面の様子を   思い描きながら人物の気持ちを想像し、吹き出しの形で書くことはできるようになってきている。   しかし、文や文の中の言葉を手がかりにして人物の気持ちについて考える力はまだ不十分である。   音読では、大きくはっきりした声で読もうとする態度は育ってきているが、声の調子や間に気を   つけたり、様子や気持ちが表れるように読める子は少ない。 4.指導の手だて    指導にあたっては、会話や行動を表す言葉、挿し絵を手がかりに、人物の気持ちの移り変わり   やかえるくんとがまくんの心の触れ合いをとらえさせたい。各場面での中心的な会話や行動の文   を視写させたり、人物の気持ちを吹き出しに書いたりする活動を通して、かえるくんの優しさや   がまくんの悲しみが幸せへと変わっていく心の動きを読み取らせていきたい。「話すこと」の指   導に関しては、文や言葉をもとに想像したことを進んで発表させていきたい。そのためには、音   読やサイドライン引き、視写などの活動を通してどの言葉をもとに考えていくのかしっかりおさ   えさせた上で、考える時間をとり考えを簡単にまとめてから発表させるようにしていきたい。   「聞くこと」の指導に関しては、話す人を見ながら、何を話しているかをしっかり聞き取ること   ができるようにさせていきたい。 5.指導目標 +−−−−−−−−−−−話すこと・聞くこと−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |・二人の気持ちを考え、内容を簡単にまとめてから話すことができる。 | |・話を最後まで聞き、内容を正しく聞き取ることができる。 | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+  A 関心・意欲・態度  ・登場人物の行動や気持ちを想像しながら読むことを通して、物語を読               む楽しさを知り、進んで物語を読もうとする。  B 表現        ・がまくんになったつもりでかえるくんに手紙を書き、発表することが               できる。  C 理解        ・場面の様子をとらえながら音読し、人物の気持ちの移り変わりや心の               触れ合いに関心をもつことができる。  D 言語事項      ・かぎの使い方を理解し、主述、修飾・被修飾の関係に注意すると同時               に、いろいろな言葉に興味をもつことができる。 6.指導計画(16時間扱い) +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+ |次| 学 習 内 容 |〇「話すこと」□「聞くこと」 | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+ | |・全文を読み、感想をもつ。 | | | |(1)全文を読んで、話の筋のおおよそをつかみ、簡単| | | | な初発の感想を書く。 ・・・・1時間|〇感想を持ち、進んで話す。 | |一|(2)かえるくんとがまくんの会話を中心に場面分けを|□話を最後まで聞く。 | | | する。 ・・・・1時間| | | |(3)初発の感想をもとに、学習課題を考える。1時間| | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+ | |・場面ごとに読み、かえるくんとがまくんの気持ちや様| | | | 子を読み取る。 | | | |(1)手紙をもらったことのないがまくんの悲しみと、| | | | それを聞いて心を痛めるかえるくんの悲しい気持| | | | ちを読み取る。 ・・・・1時間| | | |(2)大急ぎで家に帰って手紙を書くかえるくんの気持| | |二| ちと、張り切っているかたつむりくんの様子を読| | | | み取る。 ・・・・1時間| | | |(3)手紙を心待ちにしているかえるくんと、悲観的に|〇二人の気持ちを考え、進んで話| | | なっているがまくんの気持ちを読み取る。 | す。 | | | ・(本時)・・・・1時間|□話を最後まで聞き、内容を正し| | |(4)あきらめの気持ちを強めるがまくんと、それを何| く聞き取る。 | | | とか励まそうとするかえるくんの気持ちを読み取| | | | る。 ・・・・1時間| | | |(5)手紙を待ちきれずに打ち明けるかえるくんと、そ| | | | れを聞いたがまくんの気持ちを読み取る。1時間| | | |(6)幸せな気持ちになっていくかえるくんとがまくん| | | | の様子を読み取る。 ・・・・1時間| | | |(7)四日間待って手紙をもらって喜んでいるがまくん| | | | の満ち足りた気持ちを読み取る。・・・・1時間| | | |(8)がまくんになってかえるくんに返事を書く。1時間| | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+ | |・学習のまとめをする。 |〇感想を書き、進んで発表する。| | |(1)心に残ったところを中心に感想を書く。・1時間|〇感想をもち、内容を簡単にまと| |三|(2)登場人物の気持ちを考えながら音読する。1時間| めてから話す。 | | |(3)新出漢字、言葉の使い方を理解する。・・2時間|□話を最後まで聞き、内容を正し| | |(4)アーノルド=ローベルのほかの作品を読み、感想| く聞き取る。 | | | をもつ。 ・・・・1時間| | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+ 7.本時の指導  (1)目標 ・手紙を心待ちにしているかえるくんと、悲観的になっているがまくんの気持ちを読         み取ることができる。        ・読み取ったことを自分から進んで話すことができる。        ・話を最後まで聞き、内容を正しく聞き取ることができる。  (2)展開 +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | 学 習 活 動 | 教 師 の 支 援 (◇◆評価) | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |前|<学習課題> | |時| お手紙を書いたかえるくんの気持ちを考えよう。 | |の|<ねらい> | |学| かえるくんの「早くがまくんに手紙を届けて喜ばせてあげたい」という気持ちと、手紙を| |習| 頼まれて張り切っているかたつむりくんの様子を読み取る。 | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |1.前時の学習内容を想起する。 |・かえるくんが「悲しい気持ちでいるがま| |つ| | くんを喜ばせたい」という気持ちで、が| |か| | まくんに手紙を書いたことを想起させる| |む|2.本時の学習課題を確認する。 |◆課題をつかむことができたか。 | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| (挙手・観察)| |7|| お手紙が来るのをまっているかえるくん||・話すこと・聞くことのめあてを確認する| |分||はどんな気もちでいるのでしょう。 || 〔進んで話す〕 | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| 〔最後までしっかり聞く〕 | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |3.お手紙を待っているかえるくんとがまくん| | | | の会話から、二人の気持ちを読み取る。 | | |ふ|(1)学習場面を音読する。 |・姿勢や発音に注意して、はっきりと読む| |か| ・三の場面の前半 | ようにさせる。 | |め|(2)かえるくんとがまくんの会話を探し発表|・「いやだよ」「〜あきあきしたよ」「〜| |る| する。 | あるものかい」などの表現から、手紙な| | |(3)二人の会話文から、手紙を待つ気持ちの| んか来るはずがないとあきらめているが| | | 違いを話し合う。 | まくんの気持ちに気づかせたい。 | | |4.かたつむりくんを待つかえるくんの気持ち|・かえるくんの会話から、かえるくんの優| | | を読み取る。 | しさに気づかせたい。 | |33|(1)「かえるくんは、〜見ました。」「かえ|・挿し絵も手がかりとして活用する。 | |分| るくんは、〜のぞきました。」を視写し|◆手紙を心待ちにしているかえるくんの気| | | かえるくんの気持ちを話しあう。 | 持ちを読み取り、吹き出しに書くことが| | |(2)かえるくんの気持ちを吹き出しに書く。| できたか。(プリント) | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |ま|5.本時の学習のまとめをする。 | | |と| ・音読 |・二人の気持ちが表れるように音読させる| |め| ・「話すこと・聞くこと」のめあての反省|◇話し方、聞き方に気をつけて学習するこ| |る| | とができたか。(評価カード) | | |6.次時の学習内容を確認する。 |・次時もお手紙が来るのを待っているかえ| |5| | るくんの気持ちを考えていくことを確認| |分| | する。 | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |次|<学習課題> | |時| お手紙が来るのを待っているかえるくんは、どんな気持ちでいるのでしょう。 | |の|<ねらい> | |学| あきらめの気持ちを強めるがまくんと、それを何とか励まそうとするかえるくんの気持ち| |習| を読み取る。 | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+  (3)評価 ・手紙を心待ちにしているかえるくんと、悲観的になっているがまくんの気持ちを読         み取ることができたか。        ・読み取ったことを自分から進んで話すことができたか。        ・話を最後まで聞き、内容を正しく聞き取ることができたか。  (4)板書計画 +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | か +−−+ +−−−+ +−−+ +−−+三 +−+ | | え |のか| | ¬| |ゆか| | ¬|の | | | | る |ぞえ| |もきひ| |うえ| |がき|場 | | | | く |きる| |・みょ| |びる| |来み|面+−−+| | | | ん |まく| |・にっ| |んく| |る`| |さす||学| | | の |しん| |・おと| |うん| |のお| |いす||習| | | 絵 |たは| |・手し| |けは| |をき| |ごん||の|お| | +−−−+ | `| | 紙て| |を`| |・て| |まで||め|手| | | | | ま| | を`| |見ま| |・さ| |で話||あ|紙| | | ふ | ど| | くだ| |みど| |・`| |しす||て| | | | き | か| | れれ| |まか| |・お| |っ || | | | | だ | ら| | るか| |しら| |・手| |か || | | | | し | | | かが| |た。| | 紙| |り || | | | | | +−−+ +−−−+ +−−+ +−−+ |聞 || | | | | | +−−−++−+ +−−−++−+が |く || | | | | | | ¬||¬| | ¬||¬|ま | |+−+ | | | | |んをぼ||そ| |・まぼ||い|く +−−+ | | | | |てくく||ん| |・っく||や|ん | | | | |・れに||な| |・て`||だ|の | | +−−−+ |・るお||こ| |・いも||よ|絵 | | |・人手||と| | るう|| | | | | な紙||・| | の`|| | | | +−−−++−+ +−−−++−+ | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+