印刷用紙:A4縦 1ページの行数:45 1行の文字数(半角で):96   −−以下 指導案本文−−           第6学年  国語科学習指導案                              日 時 平成8年9月20日(金)2校時                              児 童 男子7名 女子11名 計18名                              指導者 佐 藤 和 範 1.単元名「教材名」 言葉と文化のつながりを考えて「外来語と日本文化」 2.教材について   第6学年の表現の目標は、「目的や意図に応じた表現をするため、全体を通して適切に話したり、組立  ての効果を考えて文章を書いたりすることができるようにするとともに、適切で効果的な表現をしようと  する態度を育てる」である。一方、理解の目標は、「目的に応じて効果的に話を聞いたり、目的や文章の  種類などに応じて正確な読み方で文章を読んだりすることができるようにするとともに、適切な読み物を  選んで読む習慣をつける」とある。この教材により児童の「話す力・聞く力」の育成をねらう立場として  は、理解目標の「目的に応じて効果的に話を聞く」をも十分視野にとどめつつ、「全体を通して適切に話  す」ことを指導の重点として行きたい。と同時に、表現しようとすることの明確な把握のためにも本教材  の読解・要旨把握は実態に即し、具体的に進める必要があると思う。そこで、指導にあたっては、筆者の  考えにできるだけ接近し、それをもとに自らの考えを明確にし、読み進める中で、目的に応じた表現や理  解をさせることを主目標として学年目標にせまりたい。   本単元は、説明文教材であるとともに、言語そのものを教材に、国語に対する関心を深め、国語につい  ての様々な知識を身につけることを意図している。すなわち、ここでは、「文章の構成をとらえる説明文  教材」、「言葉と文化のつながりを考える言語教材」として、二つの学習が同時に行われることが期待さ  れる。   本教材は、内容が言葉と文化のつながりを考えるものであることから、表現や文章だけでなく内容も、  手段であると同時に目的となる。本教材では、これまでに培った説明文を読む力のすべてを用いた学習を  も意図しており、言語教材として、言葉と文化のつながりを考えることに力点を置く学習が望まれる。ま  た、表現活動への発展として、単元の「言葉と文化のつながりを考えて」から、外来語について問題意識  を高め、情報収集する中で、前述の力を育成して行くことが期待できる。 3.児童の実態について   6月に行ったアンケ−トによる国語意識調査の「話すこと」については、勉強に役立つと思う子が17名  であったが、みんなの前で話すことが、きらいなほうだが7名、にがてなほうだが11名という結果であっ  た。一方、「聞くこと」については、大切な勉強だと思う子が17名であったが、がんばらないほうだが4  名、にがてなほうだが4名いた。その主な理由は、「はずかしい」「うまくいえない」「まちがうとはず  かしい」ということである。家や友達とはよく話すのに、あらたまった場や知らない人の前になると緊張  感が増し、話せなくなるという児童が多い。反面、積極的に話しかけてきたり、授業で積極的に発言する  児童もいる。ただうなずいたり、返事だけを返すという児童も数名おり、手立てを組んでいかなければな  らない。   4月の学力検査では、目的や意図に即して話すことの項目は、良い結果だったが、話しの内容を正確に  聞き取ることは、やや劣るという結果であった。説明文の問題では、指示語がさす内容、細部にわたる読  み取り、段落の中の文の構成理解、は優れていたが、要点の読み取り、接続語の使い方、文章に即した読  み取り、修飾・被修飾の理解が劣るという結果であった。   子どもたちは、これまで「自然を見つめて」や「みんなで考えよう」をテ−マにした長短の説明文教材  を学んできており、これまでの教材や学習を振りかえり、読み進めることは意味のあることである。また、  聞く・話すの実態から、話すことや聞くことの必要性や必然性を持たせながら、読む活動の発展として指  導して行くことは、意味のあることだと思われる。 4.指導の手だて   指導にあたっては、まず「話す・聞く」力を目の前にいる児童につけて行くため、この教材をどう生か  すのか、その視点を明確に設定しておく必要がある。   基盤となるのは、学習活動につながる意欲である。「話したくなる」、そしてそのため「聞いてみたく  なる」状況が生まれるよう、教材の特性を有効に生かして行く必要がある。要旨の想定、各段落の要点の  把握、要旨の確認等基本的な読解パタ−ンを経て、文章を再構成したり、表現する活動へ発展させる。   「話すこと・聞くこと」の指導に関しては、実態とも落ち込んでおり、指導事項系統表の「聞いたり読  んだりした内容については、目的に応じて再構成して表現する」ことに着目して、手立てを組んで行くこ  とにする。そのためには、適切な語句の選択、語句と語句との関連、その組立て等総体的な把握が必要に  なってくる。また、話し方のねらいについて、個人差に応じたものを設定し、必要に応じてメモを取り発  表させたり、教材文で使われている語句、接続語等を積極的に使わせるなどの配慮や準備が必要となろう。   本単元で取り上げる言葉と文化のつながりを考えるという視点から、単元の中に、調査、聞き取り、話  し合い等、多様な活動を取り入れ、単元のテ−マにせまって行きたい。特に、討論会では、方法的な指導  を進めるとともに、話し合う素材を、教科書教材をもとに調べたり、それに関連した内容を積極的に取り  入れ、自己の考えを明確に持たせ、相手を説得する力や思考の論理性を高めようとするねらいも合わせて  追求したい。 5.指導目標 +−−−−−−−−−−−−−−−−−−話すこと・聞くこと−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |・根拠を明らかにしながら、自分の考えを明確に述べることができる。 | |・要点を正しく聞き取り、話の内容を自分の考えと比べながら聞くことができる。 | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+  A.関心・意欲・態度   ・外来語の由来に関心をもち、進んで調べたり適切に使ったりしようとする。 B.表現   ・日常何気なく使っている言葉を文化とのかかわりからとらえ直し、言語についての理解を深めるとと    もに、自分の意見を書くことができる。  C.理解   ・事象と感想・意見との関係を押さえながら、内容を正確に読み取るとともに、自分の考えをはっきり    させながら理解することができる。  D.言語事項   ・言語の由来や特質について理解し、生活の中での外来語について興味を持つことができる。 6.指導計画(9時間扱い) +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |次| 学 習 内 容 |○「話すこと」□「聞くこと」 | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |一|・全文を読み「外来語と日本文化」について話し合い、言| | | | 葉への課題意識を持つ。 | | | |(1)外来語の使われ方に目を向け、言葉と文化とのつな|○外来語で話してるものを挙げ、気づ| | | がりに興味を持つ。・・・・・・・・・・・・1時間| いたことを話し合う。 | | |(2)メモをもとに話し合い、課題を整理しながら全文を|○教科書を読んで分かったこと、もっ| | | 概観する。・・・・・・・・・・・・・・・・1時間| と知りたいことを発表する。 | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |二|・教材文を資料にして「言葉の由来や文化的背景」を理解| | | | し、自分で課題を解決する。 | | | |(1)「外来語と日本文化」を読み、言葉の由来や関係な|○新しく知ったことやそれに対する感| | | どについて理解する。・・・・・・・・・・・2時間| 想をもとに話し合うことができる。| +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |三|・「外来語は使うべきか」について討論会をし、外来語に| | | | 対する自分の考えをまとめる。 | | | |(1)討論会に向け、資料や教科書をもとに、自分の意見| | | | やグル−プの意見をまとめる。・・・・・・2時間| | | |(2)討論会にそなえ、発表の仕方を工夫し練習する。 |○根拠を明らかにしながら、自分の考| | | ・・・・・・1時間| えを明確に述べる。 | | |(3)討論会をし、外来語に対する自分の考えをまとめる。|□要点を正しく聞き取り、話の内容を| | | (本時)・・・・・・1時間| 自分の考えと比べながら聞く。 | | |(4)討論会やまとめたものをもとに、単元のまとめや反| | | | 省をする。 ・・・・・・1時間| | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+ 7.本時の指導  (1)目標    ・相手のよい考えや発表の仕方を進んで得ようとする。    ・根拠を明らかにしながら、自分の考えを明確に述べることができる。    ・要点を正しく聞き取り、話の内容を自分の考えと比べながら聞くことができる。    ・音量、抑揚、強弱等を工夫し、相手の反応を確認しながら話す。  (2)展開 +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |段階 学 習 活 動 | 教師の支援(◇◆評価) | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |前|〈学習課題〉 | |時|・討論会にそなえ、発表の仕方を工夫し練習をしよう。 | |の|〈ねらい〉 | |学|・討論会にそなえ、発表の仕方を工夫し練習する。 | |習| | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |1.前時の学習内容を想起する。 |・各グル−プで、討論会に向け工夫して練習し| |つ| | たことを発表させる。 | |か| | | |む|2.本時の学習課題を確認する。 | | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+|・話すこと・聞くことのめあてを確認する。 | | | |外来語に対する自分の考えをまとめよう。|| [根拠を明らかにし、自分の考えを明確に述| | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| べる。] | | | | [要点を正しく聞き取り、話の内容を自分の| | | | 考えと比べながら聞く。] | |5| |◆学習課題やめあてを確認し、討論会をしよう| |分| | としているか。(挙手・観察) | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |3.討論会をする。 |・討論会の進め方を確認する。 | | | 1「使うべきだ」と思われる意見を発表する。|・各グル−プの意見を代表者に発表させる。 | | | 2「使うべきでない」と思われる意見を発表す|・異なる意見には、メモをとらせ質問にそなえ| | | る。 | させる。 | |ふ| |◇外来語について、要点を正しく聞き取り、話| |か| | の内容を自分の考え方と比べながら聞くこと| |め| | ができたか。(メモ・質問内容) | |る| 3質問したいことを整理する。 |・グル−プで、質問したいことを相談させる。| | | | | | | 4「使うべきだ」と思われる意見へ質問する。|・答えられない場合や質問が明確にならないと| | | 5「使うべきでない」と思われる意見へ質問す| きは、再考させる。 | | | る。 | | | |4.外来語に対する自分の考えを、再度まとめる。|・それぞれの意見の良い点を取り入れさせ、ま| | | | とめさせる。 | |35|5.まとめたものを発表する。 |◇外来語に対する、自分の考えをまとめ発表す| |分| | ることができたか。(プリント・発表) | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |ま|6.討論会の内容や感想を発表する。 | | |と| 1 本時の討論会についての反省をプリントに|・討論会での、話し方や聞き方について反省を| |め| 書く。 | 書き、発表させる。 | |る| 2 内容や感想を発表する。 |◇討論会での、話し方や聞き方いついて反省を| |5| | 書き、発表できたか。(プリント・発表) | |分|7.次時の予告をする。 | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |次|〈学習課題〉 | |時|・討論会やまとめたものをもとに、単元のまとめや反省をしよう。 | |の|〈ねらい〉 | |学|・討論会やまとめたものをもとに、単元のまとめや反省をする。 | |習| | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+  (3)評価    ・相手のよい考えや発表の仕方を進んで得ようとしていたか。    ・根拠を明らかにしながら、自分の考えを明確に述べることができたか。    ・要点を正しく聞き取り、話の内容を自分の考えと比べながら聞くことができたか。    ・音量、抑揚、強弱等を工夫し、相手の反応を確認しながら話すことができたか。  (4)板書計画 +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | 4+−−−−−−+−−−−−−+−−−−−−−+−+3 +−−+2 1 | | 反| 最終意見 | 質問 | 意見 | |討 |め外|学 発 外 | | 省+−−−−−−+−−−−−−+−−−−−−−+−+論 |よ来|習 表 来 | | | | | |使|会 聞 話|う語|課 の 語 | | | | | |う|・ く す| に|題 工 と | | | | | |べ|・ ・ ・| 対| 夫 日 | | | | | |き|・ ・ ・| す| 本 | | | | | |だ|外 ・ ・| る| 文 | | | +−−−−−−+−−−−−−−+−+来 自要考根| 自| 化 | | | | | |使|語 分点え拠| 分| | | | | | |う|は のををを| の| | | | | | |べ| 考正は明| 考| | | | | | |き| えしっら| え| | | | | | |で| とくきか| を| | | | | | |な| 比 りに| ま| | | | | | |い| べ し| と| | | +−−−−−−+−−−−−−+−−−−−−−+−+ て+−−+ | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+