印刷用紙:B4縦 1ページの行数:75 1行の文字数(半角で):100   −−以下 指導案本文−−              第3・4学年国語科学習指導案   日 時   平成8年10月30日(水)5校時   児童数   3年 男子5名 女子3名 計8名        4年 男子5名 女子2名 計7名                                   合計 男子10名 女子5名 計15名                             授業者   高 橋  浩 人                (  3  年  ) 1 単元名  場面の様子に気をつけて  教材名  ちいちゃんのかげおくり  あまん きみこ 作                                   (光村図書) 2 教材について                   1 学年目標との関連                   第3学年の理解にかかわる内容として「文章の叙述に即して、内容を正しく読み取ること」「人物の性    格や場面の情景を想像しながら読むこと」があげられる。     前単元の物語文『3年とうげ』では、視写書きこみや音読を通して、トリックスタ−の機転の面白さを    感じとる学習を行なった。本単元ではこれを受けて、場面の移り変りを押さえながら情景や人物の気持ち    を読み取り、心に残ったことをまとめる学習を行なう。そして、これが物語文の次単元『モチモチの木』    では、視写書きこみや音読を通して、場面と人物の気持ちをかかわらせて読み取り、感想をもつ学習へと    発展していく。  2 作品について     この作品の主題は、「戦争によって愛する家族を失い、命まで奪われてしまう主人公のちいちゃんが消    えいろうとする命のともしびのなかで見た強い心の絆で結ばれた家族と平和を願う気持ちである。」     この作品では、家族みんなでやった「かげおくり」とちいちゃんがひとりでやった「かげおくり」のふ    たつの様子が対照的に描写されている。戦争をモチーフとして描かれてはいるが、戦争の悲惨さを直接に    生々しく訴えた作品ではなく、かげおくりというものに、家族へのちいちゃんの思いを象徴し間接的には    戦争というものの悲惨さを表している。     児童はこの作品を読みながら、ちいちゃんと一緒にかげおくりをしたくなったり、お母さんとはぐれた    ちいちゃんの姿に涙したり、まさにちいちゃんに自分の姿を重ね合わせて読み進めることができ、そのこ    とによって平和の大切さや家族の絆を心から感じとれる作品である。 3 児童について                      児童は3年生になってから『つり橋わたれ』『三年とうげ』と2つの物語文を学習してきた。その中で    見られた児童の実態は項目ごとに次の通りである。   1 言語事項の知識(事前テスト結果から)    A 「ちいちゃんのかげおくり」の重要語句の意味が概ねわかる。              1名    B 「ちいちゃんのかげおくり」の重要語句の意味が大体わかる。              4名    C 「ちいちゃんのかげおくり」の重要語句の意味が説明されるとわかる。          3名   2 音読    A 文章の内容が表れるようにくふうして音読できる。                   0名    B 状況に応じて声の大きさ・速さで音読できる。                     3名    C 書かれている内容をはっきり音読できる。                       4名                           3 確かな読みへの手がかり    @ 視写力                      A 常に正しく丁寧に1分間に20文字程度視写できる。                 4名     B 正しく丁寧に1分間に15文字以上視写できる。                   3名     C 正しく丁寧に1分間に15文字程度視写できる。                   1名                      A 書き込み     A 課題解決につながる部分にサイドラインを引き、想像したことを書き込める。      3名     B 文にサイドラインを引き、想像したことを書き込める。                5名     C 文にサイドラインを引き意味を書くことができる。                  0名    B 書きまとめ     A 文章の叙述に即して要点を掴み、想像しながら書きまとめることができる。       2名     B 文章の叙述に即して想像しながら書きまとめることができる。             4名     C 文章の叙述に即し書きまとめることができる。                    2名 4 指導にあたって    本教材の読みとりの中心は、家族みんなでやったかげおくりとちいちゃんが1人でやったかげおくりの2   つの様子が対照的にかかれており、その共通点や相違点を考えることにより家族の絆・戦争の悲惨さをとら   えていくことである。その手がかりとして、場面の移り変りをしっかり押さえながらちいちゃんの行動や言   葉などを視写させたい。さらに、視写部分の言葉からちいちゃんの心情を想像させて書き込ませたい。その   後書き込みしたことや想像したことなどを発表によって練り合い、最後にはちいちゃんの心情を自分の言葉   でまとめて書かせることによって主題に近付けるようにしたい。 5 指導目標  <国語への関心・意欲・態度>   ・ 2つのかげおくりりからちいちゃんが望んでいたものを感じとり、あまんきみこの他の作品に興味を持    ち進んで読もうとする。  <表現>   ・ ちいちゃんの運命について1人1人が自分の感想をもち、ちいちゃんへの手紙という形で表現できる。                          (表現ク 理解ウキ 言語ウ(ウ) オ(イ) )  <理解>   ・ 場面の移り変りをおさえながら、情景や人物の気持ちを想像することができる。                          (理解ウオカ)  <言語についての知識・理解・技能>   ・ 同じ行動を表すのにもいろいろな言い表わし方があることを理解することができる。                          (表現ケ 言語エ(ア)(イ)) 6 指導計画 (12時間:第4章 単元指導構想表を参照) 7 本時の展開  1 目標   <関心・意欲・態度>     読み取ったこと・書き込んだことを積極的に発言しようとする。   〈表 現〉     家族一緒ににかげおくりができないことをいくさの激しさと関わらせてまとめ書きできる。   〈理 解〉     お父さんの出征と青い空が恐い所に変わったことから戦況の悪化を読み取る事ができる。   〈言語事項に関する知識・理解・技能〉     「ぽつんと」という副詞のはたらきをわかる。  2 展開 +−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−+−+ | | 学習活動 | 主な発問 | 予想される反応 |指導上の留意点|形| +−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−+−+ | |1 前時の想起をす| 家族4人でやったかげお| 楽しい | |0| |意| る |くりはどんなかげおくりで| 家族全員の記念写真 | | | |識| |したか。 | 初めてですごい | | | |を|2 本時の学習課題| 今日の学習課題は何です| | | | |持| を確認する |か。 | | | | |つ|+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+| | | | || どうしてちいちゃんはかげおくりができなくなったのだろうか。 || | | | |+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+| | | +−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−+ | |見|3 学習の見通しを| いくさの様子がどうなっ| | | | |通| 持つ |たのかに気をつけて学習し| | | | |し| |ていきます。 | | | | |を| | | | | | |持| | | | | | |つ| | | | | | +−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−+ | | |4 学習場面を読み| | | | | | | 深める | | | | | | |・微音読をする | 話の進み方に気をつけて| | | | | | |微音読します | | | | | |・サイドライン | いくさの様子がわかると| 「体の弱いお父さんまで、い| | | | | |ころにサイドラインを引き|くさに行かなければならないな| |10| | |・視写 |視写・書き込みをしなさい|んて。」 | | | | | | | この町の空にも、しょういだ| | | | |・書き込み | |んやばくだんをつんだひこうき| | | | | | |がとんでくるようになりました| | | | | | | 広い空は、楽しい所ではなく| | | | | | |とてもこわい所にかわりました| | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | |深| | | | | | |め| | | | | | |る| | | | | | | |○ お母さんの一言| ちいちゃんは何をして遊| お兄ちゃんとかげおくり | |22| | | にこめられた気持|んでましたか | | | | | | ちを読み取る | | | | | | | | どうして体の弱いお父さ| 人が足りないから | | | | | |んまでいくさに行かなけれ| いくさがはげしくなったから| | | | | |ばならなかったのでしょう| | | | | | | お母さんはどう思ったで| 行ってほしくない | | | | | |しょうか。 | これから大変 | | | | | | | さびしくなる | | | | | | | いくさはいやだなあ | | | | |○ 空の様子の変化| 広い空はどうなりました| 楽しい所では無くなった | | | | | を読み取る。 |か | ひこうきが来るようになった| | | | | | | とてもこわい所にかわった。| | | | | | かげおくりができなくな| つまらない | | | | | |ってちいちゃんはどう思っ| やりたいけどこわい。 | | | | | |ただろう。 | いくさがなければできるのに| | | +−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−+ | | |5 学習のまとめを| | | | | | | する | | | | | | |・ まとめ書きをす| どうして家族揃ってかげ| |確かな読みの | | | | る。 |おくりができなくなったの| | 観点|35| | | |かまとめ書きしましょう。| |1 いくさが激| | | | | | | しくなった。| | | | | | |2 空が恐い所| | | | | | | に変わってし| | +−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−+−+ | | | | | まい、かげお| | |ま| | | | くりをする場| | |と| | | | 所がうばわれ| | |め| | | | るくらいにな| | |る| | | | ったいくさ。| | | | | | |3 体の弱いお| | | | | | | 父さんまでも| | | | | | | 召集されてし| | | | | | | まういくさの| | | | | | | 激化。 | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | |42| | | | |42| | |6 学習場面を音読| | | | | | | する | | | | | | |7 次時の予告をす| 次の時間は空襲にあって| | 簡潔に済ませ| | | | る |3人が逃げ回る場面を学習| |る。 | | |45| |します。 | | |45| +−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−+−+  3 評価                                                <関心・意欲・態度>     読み取ったこと・書き込んだことを積極的に発言しようとしたか。    〈表 現〉     家族一緒ににかげおくりができないことをいくさの激しさと関わらせてまとめ書きできたか。   〈理 解〉     お父さんの出征と青い空が恐い所に変わったことから戦況の悪化を読み取る事ができたか。   〈言語事項に関する知識・理解・技能〉     「ぽつんと」という副詞のはたらきをわかったか。