印刷用紙:B4縦 1ページの行数:69 1行の文字数(半角で):108   −−以下 指導案本文−−   第 1 学 年 国 語 科 学 習 指 導 案 日 時  平成8年10月16日(水) 児 童 男子4名 女子3名 計7名 指導者 佐 々 木 夕 美  1、単元名 ようすをおもいうかべてよもう  2、教材名 「たぬきの糸車」 (岸 なみ作)  3、単元について  (1)教材観 本単元の主なねらいは、「人物の動作や表現などに気をつけ、場面の様子を想像しながら読む」ことである。 この作品は、伊豆地方の風土の中で生まれた素朴でぬくもりのある民話である。いたずらものだがにくめない たぬきと人のよいおかみさんとの温かい心の交流の姿が描かれている。いたずらもののたぬきがおかみさんの糸 車に興味を持ち、毎晩訪ねて来る姿にいつの間にか親しみとかわいらしさを感じ、ついには、わなにかかったた ぬきを逃がしてやるおかみさんの優しい人柄が伝わってくる。また、たぬきが、おかみさんのまねをする様子や 糸車を繰る様子に、児童はごく自然に共感し、たぬきと一体化して自由な想像の世界を広げていくことができる 作品だと思われる。さらに、本教材は、ユーモラスな楽しさにあふれた作品なので、読み手である子どもたちに とって興味を持って読み進めながら、物語の展開のおもしろさに気づく教材であると考える。  (2)児童観   児童は、これまでに「おむすびころりん」、「大きなかぶ」、「くじらぐも」の物語教材で、挿絵と文とを手   がかりにしながら、書いてある事柄の順序に気をつけたり、話の全体をつかみ人物の気持ちや場面の様子を思い  浮かべながら読むことを学習してきた。しかし、挿絵に頼り、直感的な読みをする児童が多く、登場人物の言動 に着目して気持ちを考えたり、様子を表す言葉からイメージを広げることには、まだ慣れていない。読む活動に  ついては、句読点に気をつけたり、語や文としてまとめて読むことを指導してきている。しかし、まだ拾い読み をする児童や声量が十分でない児童が見られる。書く活動については、吹き出しに書くことや部分視写について は大分慣れてきているものの、促音、長音、拗音を正しく書き表せない児童も見られる。 (3)指導観 本単元の指導にあたっては、たぬきやおかみさんの動作や表情を表す言葉に注目させて、場面の様子を想像し ながら読み取らせていきたい。おかみさんの様子を確かに読むことがおかみさんのまねをするたぬきの様子をと らえることにつながるので、行動の対比の中でたぬきとおかみさんの心の交流をとらえさせていきたい。その上 で気持ちや性格を考えさせていきたい。その方法として場面の様子を視写したり、たぬきやおかみさんの気持ち を吹き出しに書くという活動と関連させて指導していきたい。また、おかみさんの糸車を回す様子や、たぬきの かわいらしい動作や表情を動作化することで、楽しく作品を読ませるようにしていきたい。 個に応じる手だてとして、音読を通して「キーカラカラ」「くりくりした」「くるりくるり」など擬音語や擬 態語に親しませるとともに、リズミカルな表現に気付かせながら、民話の持つ、素朴で優しい雰囲気に浸らせて いきたいと考える。