印刷用紙:B4縦 1ページの行数:90 1行の文字数(半角で):108   −−以下 指導案本文−−   第 3 ・ 4 学 年 国 語 科 学 習 指 導 案 日 時  平成8年10月16日(水) 児 童 3年男子 3名 女子3名 4年男子 2名 女子1名 計9名 指導者 和 田 幸 司 1、単元名 場面をくらべて 2、教材名 「一つの花」 (今西 祐行作) 3、単元について  (1)教材観 本単元の目標は、「言葉をおさえて、登場人物の気持ちや行動と場面の状況と人物のかかわりを比べながら、   平和の大切さとゆみ子や家族一人一人の気持ちを読み取り、感想をまとめることができる」である。 この物語は、やっと片言を言い始めたゆみ子が最初に覚えた言葉「一つだけちょうだい」の書き出しで始まる。   この言葉の持つ哀れさに我が子の将来を案ずる父親は、どうしてやることもできず「一つの花」にこの子の将来   を見守ってやりたいという思いを託して出征していく。やがて、たくさんのコスモスに囲まれてつつましいなが   らも明るく力を合わせて生き抜いていく母と子の姿が描かれている。戦争が背景になっており、親の娘に寄せる   愛情を描いている。また、戦争中と戦争後の大きく二つの時間から構成され、親子や夫婦の悲哀や憂いが叙情豊   かに描かれている。 子供たちは、自分たちの生活経験とは全くかけ離れた状況ではあるが、深い感動を味わい、作品の底を流れる   戦争の悲惨さと平和の尊さを感じ取っていくものと思われる。  (2)児童観   児童は、「ガオーッ」と「白いぼうし」の物語教材の学習を、3・4学年合同で行ってきた。児童にとっては、   多少の戸惑いもあったが、一年間の国語科学習の学び方の基礎を理解すると共に新たな学習形態に喜びを見いだ   している。  また4月以来、読みを深める具体的な方法として、学習展開の中に書く活動(サイドライン・視写・書き込み)   を位置づけたことによって物語の構成や場面に即した登場人物の気持ちがより明確に把握できるようになり、物   語文への興味・関心も高くなっている。しかし、一人学びの段階で課題解決につながる文や語句を指摘したり、   豊かな書き込みをする活動においては、まだ個人差が見られる。 (3)指導観 本単元の指導にあたっては、「一つの花」にこめられた父親の思いや願いに気づかせるとともに、幼いゆみ子 やその母親が、父の願い通りに明るくけなげに生きていく姿を読み取らせたい。そのために、書く活動を中心に 据え、文や語句に着目し、読み取ろうとする姿勢を育てたい。また、それぞれの考えをみんなで学び合う学習を 通して、自分一人では気がつかなかった読みや考えがあることを感じ取らせる学習を進めたい。   個に応じた手だてとして、これまでの各児童の読みとりの力量(語句の見つけ方、読み取りの深浅)をふり返 り、それを基にして一人一人の発言や考えを学習中に生かすような展開を目指していきたい。また、児童が単元   を通した学習の手順が分かり、見通しを持って学習が進められるようなノート作りを工夫させるとともに、毎時   間ごとの学習への一言感想も書かせながら、自分の学習の反省や次の学習への意欲化につなげたい。   (1)共通目標 書く活動を通して、要点を正しくおさえながら自分の考えや感想を深めることができる。 (2)学年目標 3  年                      4  年 ●積極的に発表したり、進んで書いたり音読しよう   ●句読点やかぎ括弧に気をつけ、登場人物の気持ちを考     とする。 (関心・意欲・態度)    えながら音読しようとする。 (関心・意欲・態度)     ●場面の移り変りを押さえながら、会話文に気をつ   ●場面を比べながら、情景や人物の気持ちを豊かに想像     けて読み、情景や人物の気持ちを豊かに想像し、    し読み物に対する関心を深めることができる。(理解)     文学など読み物に対する関心を高めることができ   ●「一つの花」という題名について一人一人が自分の感     る。 (理解)               想を持ち表現することができる。 (表現)     ●登場人物に自分の感想を持ち、表現することがで   ●同じ行動を表すにもいろいろな言い表し方があること      きる。 (表現)     を理解し、自分の表現に役立てることができる。     ●いろいろな言い表し方があることを理解し、自分    (言語) の表現に使うことができる。 (言語) 5、指導計画 13時間  第一次 全文を読み、あらすじをとらえる。 2時間  (1)全文を読み、あらすじをつかみ、初発の感想を書く。 (1)  (2)新出漢字、難語句について調べる。 (1) 第二次 あらすじや感想をもとに、くわしく読み取るためのめあてを考える。 2時間 (1)場面分けをし、感想をもとにしながら学習課題をつくる。 (1) (2)学習計画をたて、主題を予想する。        (1) 第三次 学習課題に立ち向かう。 5時間 (1)戦争末期の生活の様子とゆみ子に対する母親の気持ちを読み取ることができる。 (1) 「どうして最初に覚えた言葉は、『一つだけちょうだい』なのだろうか。」 (2)ゆみ子をめちゃめちゃに高い高いする父親の行動と心情を読み取ることができる。 (1) 「どうしてお父さんはゆみ子をめちゃめちゃに高い高いするのだろうか。」 (3)戦争に行く父と見送る母の心情を、戦争に行く日の情景から読み取ることができる。 (1) 「戦争に行くお父さんを、お母さんはどんな気持ちで見送っているのだろうか。」 本  時 (4)父親がゆみ子にわたした一輪のコスモスの花に託した思いを読み取ることができる。 (1) 「どうしてお父さんは、ゆみ子に一輪のコスモスの花をわたしたのだろうか。」  (5)戦争中と戦争後10年の暮らしを比べて読み、母親の心情を読み取ることができる。     (1) 「ゆみ子やお母さんはどんな生活をしているだろうか。」 第四次 学習のまとめをする。 3時間 (1)「ひとつの花