印刷用紙:B4縦 1ページの行数:54 1行の文字数(半角で):116   −−以下 指導案本文−−   第二学年国語科学習指導案     日時  平成八年九月二十七日(金)二校時 児童 男子三名 女子三名  計六名     指導者 太 田 宰 一、単元名     おもしろい ところを 見つけて 読もう 二、教材名     えいっ (三木 卓 作 光村図書 上) 三、単元の目標  ○価値目標 ・ 登場人物の気持ちや、それぞれの場面の様子と会話などに注意して音読し、意欲的に作品のおもしろいと          ころを見つけることができる。                           (理解ウエカ)  ○技能目標 ・ 場面の様子を想像して、登場人物のしたことや気持ちについて、くまの子が母さんに話すように書くこと          ができる。                              (表現エオ 言語オ〈ア〉)  ○言語事項 ・ 「どうろ」や「空」に関係ある言葉を集め、その言葉を使って短文作りをするなど言葉への関心を深める          ことができる。                                 (言語エ〈イ〉) 四、教材について 父さんの「えいっ。」の一言で変わる出来事は、初めは読み手にとっても、不思議な魔法に思える。しかし、当たり前の   ことでも不思議に思うことの多い幼児期を過ぎた今、父さんの「えいっ。」の秘密に読み手の児童たちはすぐに気付いてし   まうだろう。ところが、くまの子はなかなか気付かない。やがて父さんが「えいっ。」を繰り返すうちに少しずつ秘密に気 付くくまの子にたいし、父さんの魔法の種やしかけが分かるだけに、読み手である児童は優越感をいだきながらくまの子を かわいく思うに違いない。同時に、作品の底に流れるユーモアとほのぼのとした家族の温かさにも触れさせ、その心情を思   いやりながら楽しく音読させたい。 淡々と物語を進めて行くこの作品の叙述は、読み手の想像をかり立てる。特にくまの子の、父さんの魔法に対する反応の 言葉の変化は、そのままくまの子の魔法に対する考えの変化を示している。父さんが「えいっ。」と重ねるごとに、くまの 子がそれについて考えるためのヒントとなる出来事が起こると言う展開にもなっているので、叙述に沿って順序よく整理し ながら読み取らせたい。さらに、それぞれの場面の雰囲気や、会話のやりとりのタイミングを大切にし、場面を区切りなが   ら、会話だけでその場の様子が表現できるような役割読みをさせたりしながら、意欲化を図りたい。 また、地域内に信号がないので、この教材を通して信号の変わる順番や一番星の出る方角を日常生活とかかわって、身近 なものとして意識させたい。 この作品の優しさ、温かさ、楽しさを大事に読み味わわせ、これからの読書活動にも発展させたい。 五、児童の実態 これまでに子どもたちは、「ふきのとう」では場面の様子を想像しながら、場面に合わせた声の調子で音読を、「スイミ   ー」ではファンタスティックな描写から、場面の情景や人物の性格や気持ちを読み取ることを進めてきた。また、人物の動   きや気持ちがよく表れているところに線を引いたり視写したりして表現に着目させるとともに、様子や気持ちが音読に表れ るように工夫するなどの学習をしてきた。    ようやく長文に慣れ、物語への興味も示し意欲的に学習に取り組もうとする姿勢が芽生えつつある。女子は句読点を手掛   かりにして「意味で切る」読みができるようになってきている。男子は、文全体を滑らかに音読できない子がほとんどなの だが、いろいろなことに気を付けて読もうとする態度が見られる。    学習準備や視写の作業能力、読み取りの力に個人差が大きいので、下位の子どもたちには机間指導の際、支援していきた   い。   本単元では、登場人物のしたことを動作化したり、くまの子に先輩として教えたいことを吹き出しに書いたりして場面の   様子を想像豊かに読み取らせたい。また、それぞれの場面の雰囲気や、会話のやり取りのタイミングを大切にしながら音読   させ、優しさ、温かさ、楽しさを読み味わわせたい。 六、指導計画 (十六時間扱い) ++−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 程| | | ||到 達 目 標 (時 間)| 学 習 活 動 | 着 目 さ せ た い 語 句 な ど 過| | | ++−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− || 題名について、気付いたことを話し合う。 る|一人一人が全文を読み、 全文を読んで、簡単な感想を書く。 | え|気付いたことを元に学習 感想を発表し合う。 | ら|計画を立てる。 友達がどんな場面で、どんな感想をもっ | と| たかを知り、学習計画を立てる。 | || 新出漢字、難語句を調べる。 | || (4)| | ++−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− || ・信号を赤から青に変えるおもしろさを ◇ころあいをみはからって ||場面ごとに詳しく読み、 |読む。 ◇どんどん  ◇いくら ||おもしろさを味わう。 | ・「ふうん‥‥」 || | ・感心 || | (1) ・「ふうん‥‥‥」 || +−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− る| ・信号を次々に変えるおもしろさを読む。 ・「ねえ、父さん。」 || | ・「ふうん‥‥」 || | ・「えいっ。」 || | (1) | || | | || +−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− || ・星を出そうとする父さんの気持ちを ◇だんだん ◇あたり || |読む。 (本時 1) ◇ステッキ べ| ・父さんのしぐさと星を見つめる ・「ふうん。ぼくの父さん、なかなかだ。」 || |子ぐまのおもしろさを読む。 (1) | || | | || +−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− || ・くまの子の疑問に困る父さんのおもし ◇「星ってものは、わがままなんだよ。」 || |ろさを読む。 ◇「あれのほうが、すなおだよ。」 || | ◇こまった顔 || | (1) ◇「いや、あれは なかなか いそがしい。」 || | | || +−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ら| ・切符を買う父さんを見てまねるくまの ◇(父さんは)ボタンをおしました。 || |子、きっぷが出てきたことから考え込 ◇(父さんが)口の中で、「えいっ。」と‥‥‥ || |むくまの子がどんなことを考えたかを | || |読む。 (1) | || | | || +−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− || ・父さんの前で、「えいっ。」をやって ・にこにこ || |みせるくまの子と父さんの様子のおも ◇「なるほど。」 || |しろさを読む。 | || | (1) | || | | || +−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− し| ・くまの子が母さんに話したことを書き、| || |発表する。 | || (8)| (1) | || | | ++−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− る| | | め|これまでの学習の発展と ・登場人物の気持ちや場面の様子を考え | か|して、音読発表会をする。 |て読み取りを深め、音読練習をする。 | ふ| (2)| | ++−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− る| ・「どうろ」や「空」に関係ある言葉を | め|言葉の練習や発展読書に |集め、その言葉を使って短文作りをす | ろ|取り組む。 |る。 | ひ| (2)・三木卓の童話を読み、感想を話し合う。| ++−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 七、本時の指導  (一)目標  星を出そうとする父さんの気持ちを読み取ることができる。  (二)展開 +++−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−− 程間| 指 導 内 容 | 予 想 さ れ る 児 童 の 反 応 |指 導 上 の 留 意 点 過時| | | +++−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−− ||| | | る| 一、前時の学習を想起し、本時の学習課題 ・青から赤にならなかった。・黄色が出た。 | え|| 確認させる。 ・とうさんのようになりたい。 | ら3| +−−−−−−−−−−−−−−−+−−+ | と|| | とうさんの気持ちを考えよう。 | | ||| +−−−−−−−−−−−−−−−+−−+ | +++−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−− ||| | | || 二、本時の学習範囲を音読させる。 | | ||| ・どこに気を付けて読めばよいか。 ・句読点 ・かぎ ・会話部分を工夫させる。 ||| ・とうさんの気持ち ・役割読みの分担を早くさせる。 | ||| | | |7| ・役割読み練習 | | る|| ・役割読み(二組) | | ||| | | || 三、@とうさんの気持ちを話し合わせる。 | | ||| | | べ|| 「ねえ、また、やってみせようか。」 ・調子が出てきた。・調子に乗って。 | ||| ・子ぐまはまだ気が付かないぞ。 | |7| ・子ぐまを喜ばせようと思って。 | ||| 「空の、‥‥‥‥‥みせるから。」 ・暗くなって星が見えるころだから。 | ||| ・あの辺に出るだろう。(一番星) | ら|| | (西の空) | ||| A二回の「えいっ。」の違いを ・(一回目)自信たっぷりに ・ステッキを持って |0| 表現させる。 | 「とうさん、出ないよ。」‥担任が言う| やらせたい。 |1| ・(二回目)少しあわてて | (評価@ 発表) し|| | | +++−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−− ||| | | ||| | | || 四、とうさんの気持ちを考えさせる。 | | る|| (一人学び) ・「星が出て、よかったよ。」 | ||| @「あ、あそこだ。」の後に続けて ・「星が出て、安心したよ。」 | め|| 吹き出しに書かせる。 ・「星が出て、ほっとしたよ。」 ・とうさんの気持ちを考えて、 |0| ・「星が出ないかと、心配したよ。」 | 吹き出しに書けたか。 か1| | | (評価A プリント) ふ|| A吹き出しに書いたものを発表させる。| | ||| (学び合い)| | ||| | | +++−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−− ||| | | || 五、まとめの音読をさせる。 | ・工夫されたところと感じた る|| | | ことを発表させたい。 ||| ・役割読み(二組) | | め8| | | || 六、次時の学習課題を確認させる。 | | |||+−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | ろ|||とうさんのしぐさと星を見つめる | | | ひ||| 子ぐまの気持ちを考えよう。 | | | |||+−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | ||| | | +++−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−− (三)評価    ・お父さんの気持ちのちがいを表現できたか。 ・お父さんの気持ちを吹き出しに書けたか。。 《板書計画》 +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |えいっ | | | | +−−−−−−−−−−−−−−+ | |課題| お父さんの気持ちを考えよう。 | | +−−−−−−−−−−−−−−+ | | | | +−−−−−−+ +−−−−−+ | | | | | | | | お父さんの絵 | 子ぐまの絵 | | | | | | | | | +−−−−−−+ +−−−−−+ | | | | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | ||「ねえ、また、やってみせようか。」| | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | | 子ぐまはまだ気がつかないぞ。 | | 子ぐまをよろこばせようと思って。 | | | | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | ||「空の、あのへんを見ていてごらん。| | || 星を出して見せるから。」| | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | | あのへんにでるだろう。 | | 子ぐまはおどろくぞ。 | | くらくなって、星が出るころだから。 | | | | 「えいっ。」 自しんたっぷりに | | | | 「えいっ。」 少しあわてて | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ 評価A プリント | | | | | | | | | |◎ 「あ、あそこだ。」 | | ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 絵 | | の | | ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ん | | さ | | ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ う | | と | | ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ お | | | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ 教 材 名 「 え い っ 」 しらべる 第 3 時 星を出そうとする父さんの気持ちを読む。 +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | 評価@ |評価A | | 「えいっ。」のちがいを発表できたか。 | 「あ、あそこだ。」の後に続けて、父さんの | | | 気持ちを書けたか。 | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | | 1.1回目(自信たっぷりに)と2回目(少しあわてて) |1.「星が出て、安心したよ。」 | | が言えた。 | | | 2.どちらかの「えいっ。」を言えた。 |2.「星が出て、ほっとしたよ。」 | | | | | 3.1回目と2回目の違いが分かった。 |3.「星が出て、よかったよ。」 | | | | | |4.「星が出ないかと、心配したよ。」 | | | | | ○ ねらいに近づいた。 |○ ねらいに近づいた。 | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+