印刷用紙:B4縦 1ページの行数:54 1行の文字数(半角で):110   −−以下 指導案本文−−   第三学年国語科学習指導案    日 時 平成八年九月二十七日(金)二校時      児 童 男子九名 女子二名 計十一名   指導者 高 薄 ひろみ 一、単元名 おもしろいと思ったところは 二、教材名 「三年とうげ」(李 錦 玉 作  光村図書 上) 三、単元の目標 ◎価値目標 ・登場人物の心の動きや場面の情景を豊かに想像しながら楽しんで音読することができる。 (理解ウオカクキ) ◎技能目標 ・民話に親しみをもち、作品のおもしろさを読み取って、文章にまとめたり、発表したりすることができ          る。         (表現イオク) ◎言語事項 ・様子を表す言葉、動きを表す言葉について理解すると同時に、語句に関心をもち、その量を増やすこと          ができる。     (言語ア(イ)エ(ア)(イ)) 四、教材について 「三年とうげ」は、「三年とうげで転んだならば、三年きりしかいきられぬ」という言い伝えにとらわれ、今にも死に  そうだったおじいさんに、トルトリが言い伝えの意味を新しく解釈して聞かせ、おじいさんを助けたという朝鮮の民話で  ある。この作品では、ものごとの解釈はいかようにでもできるのだから、ことさらに悲観的にならず、よいほうに解釈す  れば幸せになれるということが主題となっている。児童には、トルトリの知恵がおじいさんを生き返らせたことに気づか  せ、主題に迫らせたい。   この作品には、トルトリの機転、ストーリー展開、語り口、言葉や言い回し、描かれている人物など、さまざまなおも  しろさがある。児童もおもしろく読み進められるであろうし、感じるおもしろさも一人一人異なったものになるだろう。  また、言い回しや表現のおもしろさに着目させ、動作や様子を詳しく表現することによって、人物の心の動きや行動、場  面の情景などがありありと想像できるようになることに気づかせたい。そして、児童自身の表現にも役立たせたい。また  会話部分や歌の部分などには、そのときの様子や気持ちが表れていることを意識させ工夫しながら読み合い、聞き合って  理解を深めていきたい。   学習のまとめとして、グループごとに音読や劇など、表現したい方法で音読発表会をさせる。そのときには、それま  で学習したことが生かされるように、会話文の読み方や、言葉のもつ意味に気をつけさせ、それがうまく表れるように、  グループごとに工夫させ、楽しく生き生きと発表させたい。 発展学習では、日本の民話にたくさん触れたり、各国の様々な民話を読んだりといった活動にも意欲的に取り組ませた  い。そこで、小教材「本のおびを作る」で学習したことを生かし、それぞれの民話から「おもしろいな、すきだな。」と  思った部分を書き写したり、登場人物の役割などを書かせ、自分の読んだ民話を友達に紹介しあう学習を取り入れたい。 五、児童の実態 子どもたちは、これまで「本と出会う、友だちと出会う 森に生きる 今江祥智作」で写真を手掛かりに、「気持ちの  うつり かわりを考えて つり橋わたれ 長崎源之助」で言葉を手掛かりに、場面の様子や登場人物の気持ちを読み取る  学習をしてきた。そこでは、一人学びで、大事だと思うところを見つけサイドラインを引いたり、プリントを使用したり  して、自分の考えをもつことができるようになってきた。書き込みについては、まだ慣れていないため書き込めない児童  もいるが、ここでは会話文を中心に登場人物の気持ちを簡単な言葉で書き込ませてみたい。学び合いは、サイドラインを  引いたところや、プリントに書いたことを発表し合うことを中心にしてきた。ここでは、自分の考えを恥ずかしがらずに  発表させたり、友だちの発表を聞き、自分と違った考え方や感じ方があることを知らせて、一人一人の考えを大切にさせ  たい。 音読は、すらすら読む、大きな声で読む、聞き取りやすい速さで読むことを基本に練習しており、だいぶ意識して読め  るようになってきている。しかし、聞く人を意識した読み方ができる児童は少ない。また、会話文を中心に、気持ちが表  れるように読むことをし、それぞれ工夫して読めるようになってきている。しかし、全体的に表現することを恥ずかしが  る傾向にあるので、ここでは、会話文やリズミカルな歌の部分などを中心に、気持ちや様子が表れるような読み方を工夫  させ、楽しんで音読させたい。 六、指導計画(十三時間扱い) +−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+ 過程 |到達目標(時間) | 学 習 活 動 着目させたい語句など | +−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |る 全文を読み、学習の計 ・全文を読み、あらすじをつかむ。 ◇三年とうげ | |え 画を立てる。 ・新出漢字と難語句を調べる。 ◇言いつたえ | |ら | 3 ・学習計画を立てる。 | | |と | | | | +−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | 登場人物の気持ちや情 ・「三年とうげ」の様子を想像した ◇三年とうげ・なだらか | | 景を想像しながら、作 | り、「三年とうげ」という名前が ・春には〜よいながめでした。 | | 品のおもしろさを読み | ついた理由について考える。 ・秋には〜よいながめでした。 | | 取る。 | (1) ◇言いつたえ・おそるおそる | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | ・「三年とうげ」で転んでしまい、 ・ところがたいへん | | | | 言い伝えを信じて病気になってし ◇真っ青になり、がたがたふるえ | |る | | まったおじいさんの様子や気持ち ◇すっとんでいき、〜しがみつき、 | | | | を読み取る。 | おいおいなきました。・じゅみょう | |べ | | (1) ◇ごはんも食べずに〜病気になって | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | ・トルトリの機知に富んだ考えを読 ◇三年とうげでもう一度転ぶんだよ。 | |ら | | み取りながら、おじいさんの気持 ◇何度も転べば、ううんと長生きでき | | | | ちの変化や様子を想像する。 | るはずだよ。・うなずきました | |し | | 《本時》(1) ・なるほど、なるほど。 | | | | ・わざとひっくり返り転びました。 | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | ・おじいさんが「三年とうげ」で転 ・すっかりうれしくなりました。 | | | | んでいる様子や気持ちを読み取る ◇ころりん、〜転びました。 | | | 5 | (1) ◇けろけろけろっとした顔をして | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | ・言い伝えの歌と木のかげから聞こ ◇転ぶでない。三年きりしか生きられ | | | | えてきた歌の違いを考える。 | ぬ。長生きしたくも生きられぬ。 | | | | (1) ◇長生きするとは、こりゃめでたい。 | +−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |る 「三年とうげ」を音読 ・表現したい方法を選択させ、グル ・会話文、歌の部分の工夫 | |め |や劇で発表し合う。 | ープを作って練習する。 ・気持ちや様子が表れるような読み方 | |か | ・グループごとに発表会を行う。 | の工夫              | |ふ | 3 | | | +−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | 学習のまとめをする。 ・まとめの音読をし、おもしろかっ | | |る | | たことや、好きなところを簡単な | | | | | 感想文にまとめる。 | | |め 本の帯作りをする。 ・他の民話を読み、その作品の帯作 ◇帯の内容の観点 | | | | りをする。 | ・あらすじ、作者の言いたいこと、 | |ろ | | | 本文の引用、感想など | | | | ◇表現上の特徴 | |ひ | | | ・どこに、何を、どんな書き方で書 | | | | | くか | | | 2 | | ・文字の形や大きさ、どんな絵を入 | | | | | れるか | | | | | | | | | | | +−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+ 七、本時の指導  (一)目標 トルトリの機知に富んだ考えを読み取りながら、おじいさんの気持ちの変化や様子を想像すること    ができる。  (二)展開 +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+ 程 間 | 指導内容 | 予想される児童の反応 | 指導上の留意点 | 過 時 | | | | +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+ る | 一、前時の学習を想起し、本時の ・三年とうげの言い伝えを信 ・三年とうげの言い伝えを思い出 | | | | 学習課題を確認させる。 | じて、食よくがなくなり、 | させ、トルトリの考えをつかま | え | | | けっきょく病気になってし | せるときの手がかりとしたい。 | | 3 | | まった。 | | ら | | | | | | | |+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+| | | | | トルトリの話を聞いて、おじいさんの気持ちはどう変わって || | と | | いったのでしょう。 || | | | |+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+| | +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+ | | 二、本時の学習場面を読み取らせ | | | | | | る。 | | | | | | @課題について考えさせながら ・指名読み(二名) | | | | | 本時の学習場面を音読させる | | | | | | | | | | | | Aトルトリの言いたいことをみ ・三年とうげでもう一度転ぶ ・トルトリの考えにサイドライン | | | | つけさせる。 | んだよ。 | を引かせる。 | | | | ・一度転ぶと三年生きるんだ | | | | | | ろ。……何度も転べば、う ・「〜はずだよ。」に着目させ、 | | | | | うんと長生きできるはずだ | トルトリの考えであることを押 | る | | | よ。 | さえさせる。 | | | | | | | | 25 | | | | べ | | Bトルトリの話を聞いたおじい | | | | | | さんの気持ちの変化を読み取 | ・初めは信じていなかったが信じ | | | | らせる。 ・「ばかな、わしに〜」 | るようになったことを押さえて | ら | | ・おじいさんの気持ちの変化が ・しばらく考えて、 | おき、気持ちの変化を表す言葉 | | | | 分かるところを見つけ、その ・うなずきました。 | や文を見つけさせる。 | | | | ときの気持ちを書き込ませる ・「うん、なるほど、〜」 ・気持ちを書き込めない児童には | し | | (一人学び) ・ふとんからはねおきると、 | 信じていないのか、信じている | | | | ・わざとひっくり返り〜 | のかを書かせる。 | | | | | | (評価@ 書き込み) | | | | ・書き込んだことを話し合わせ 信じていない ・時間に余裕があれば、気持ちの | | | | ながら、おじいさんの気持ち | ← | 変化が表れるように、役割読み | | | | の変化をつかませる。 迷っている | をさせたい。 | | | | | ← | | | | | 信じる | | +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+ | | 四、話し合ったことをもとに読み ・それなら三年とうげに行っ ・挿絵が「そうじゃないんだよ。 | る | | 深めさせる。 | て転んでこよう。 | 〜」の部分であることをつかみ | め 10 | ・挿絵のおじいさんの言葉を考 ・一度転んだら三年生きると | おじいさんの「うん、なるほど | か | | えさせ、発表させる。 | 考えれば、何度も転べば長 | なるほど。」に続く言葉を考え | ふ | | | 生きできるわけだ。 | させる。 | | | | | | (評価Aワークシート) | +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+ | | 五、まとめの音読をさせる。 | ・おじいさんの気持ちの変化が表 | る | | ・学習したことが表れるように ・指名読み(二名) | れるように音読させたい。 | | | | 学習場面を音読させる。 | ・感想は、初めの読みと比べてど | め | | ・音読についての感想を発表さ ・感想発表 | うだったか、よかった点を具体 | | 7 | せる。 | | 的に発表させたい。 | ろ | 六、次時の課題を確認させる。 | | | | | | | | | | | | +−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ | | ひ | | | おじいさんはどうやって元気になったのでしょう。 | | | | | +−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ | | +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+  (三)評価 @おじいさんの気持ちが変化したところを見つけることができたか。 A考えが変わったおじいさんの気持ちを想像することができたか。 (四)板書計画 +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | | | 三年とうげ | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | |トルトリの話を聞いて、おじいさんの気持ちはどうかわっていったのでしょう。| | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | | トルトリの考え+−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | |一度転ぶと三年生きるのだから、 | | | |何度も転べばたくさん生きられる。| | | +−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | | | | しんじられない 「ばかな。わしに、もっと早く死ねというのか。」 | | ← | | まよっている しばらく考えていました | | ← | | しんじはじめる うなずきました。 | | ← | | ← 「うん、なるほど、なるほど。」 | | しんじる ふとんからはね起きると、 | | わざとひっくり返り、転びました。 | | | | | | そうか、三年生きられるならもっと転べばいいんだ。 | | | | なるほど、こんな考えもできるのか。 | | | | たくさん転んで長生きしよう。 | | | | | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ 教材名「   三年とうげ  」第二次の3時間目 +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | |評価@おじいさんの気持ちの変化をつかむことができたか。 | 評価Aおじいさんの言葉を考えることができたか。 | | | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | | | | |1、「ばかな。わしに、もっと早く死ねと言うのか。」 | 1、考えちがいをしていた。一度転んだら三年生 | |記|2、しばらく考えて〜 記 | きると考えればいいんだ。 | |述|3、うなずきました。 述 2、何度も転んで長生きしよう。 | |内|4、「うん、なるほど、なるほど。」 内 3、三年とうげに行って転んでこよう。 | |容|5、ふとんからはね起きると、〜 容 4、その他 | | |6、その他 | | | | | | | | | | ○ねらいに近づいた | |○ねらいに近づいた | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+