印刷用紙:B4縦 1ページの行数:47 1行の文字数(半角で):122   −−以下 指導案本文−−             第四学年国語科学習指導案                                       日時   平成八年九月二十七日(金) 二校時                                       児童   男子八名  女子三名  計十一名                                       指導者  佐藤 阿津子 一、単元名     作品のおもしろさを     物語 二、教材名     アナトール、工場へ行く(イブ=タイタス作 田谷多枝子 訳) 三、単元の目標  ○価値目標 ・ストーリーの展開に沿って登場人物の行動や気持ちを想像しながら読み、物語を読む楽しさを体験することがで         きる。(理解オカ)  ○技能目標 ・場面や様子、会話などが、聞く人によく分かるように音読することができる。(理解ウ 言語アアイ)  ○言語事項 ・動作から気持ちを表現する言葉に気付き、自分の表現に生かしながら、あらすじや感想を書くことができる。         (表現ウオケ 言語エア) 四、教材について    この作品は、ねずみを主人公にしていて、ストーリーの展開がおもしろく、ハッピーエンドで終わる明るい物語になっている。主   人公アナトールは、家族と共に暮らす「フランス一、幸せ者」であった。ある日、人間がねずみを「フランス中のはじ」とうわさを   しているのを聞き驚くが、親友のガストンは気にもとめない。アナトールは、人間に何かおかえしがしたいと思いチーズ工場にしの   びこみチーズ作りのアドバイスをする。その結果、アナトールは自分の正体を知られないまま、試食部の部長に任命される。「りっ   ぱなサラリーマンねずみ」となり、自分の生活を変えていったアナトールは今、「フランス一、幸せ者」になる。アナトールには、   現状に満足せず、よりよく生きようとする向上心、自立心が強く見られる。また、自分がねずみであるということに自信と誇りを持   って生きている。さらに、労働の正当な報酬によって生活を立てようとする姿には、生活を充実させたい、また、幸福に生きたいと   する姿が表れている。だが、アナトールの親友であり、普通のねずみの代表としてとらえられるガストンは、人間の残り物をあさる   ような生活に満足し、人間の言葉にも関心を示さず、自らの力で生きていこうとする自立心や向上心も見られないこの二匹の行動や   考え方を対比させることにより、アナトールのとった行動のすばらしさや、人間に嫌われていたはずのねずみが信頼され尊敬される   という話のおもしろさがより理解されるであろう。このように、登場人物の考え方や生活の仕方、主人公の考え方と生活の変化など   対比することで理解できることが多い。    そこで、本教材では対比を用いて読む読み方を取り入れたり、逆転の発想を用いた物語のおもしろさを引き出す表現の工夫に着目   させ、考えたり話し合ったりしながら楽しく読み進められるようにしたい。 五、児童の実態    子どもたちは四月に「ガオーッ 斉藤洋作」で課題を設定して読み深める学習してきた。また「白いぼうし あまんきみこ作」で   は、一人学びにより一人一人が自分の考えを持って読み進める学習をしてきた。会話文や動作から気持ちを読み取ったり音読で表し   たりしながら楽しく読み進めることができた。一人学びは、視写・書き込みを中心に進めてきた。書き込みでは音読記号を入れたり   言葉を置き換えたりと自由な発想で行い、のびのびと読み取るようになってきた。また、教科書の中の言葉に着目しながら発想を広   げる読みをしたり、学び合いで友達の考えを聞き、自分の考えを修正したり、深めたりする活動も見られるようになってきた。しか   し、自分の考えを発表することには積極的だが、他の考えと比べたりしながら話し合いを組織していくまでには至っていない。作業   能力や読み取りの力に個人差が大きく中には一人で課題に取り組むのが困難な児童もいる。そのため、一人学びに入る前に十分に課   題について理解させ、サイドラインや重要語の抽出など個に応じた方法で一人学びに取り組ませたい。また机間指導によりつまづい   ている子には個別に視点を与えるなど積極的に指導・援助をしていきたい。 六、指導計画  (十三時間扱い) +−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |程| | | | | |到達目標 (時間) | 学習活動 (時間) | 着目させたい語句など | |過| | | | +−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |る|全文を読み学習の計画を立|・全文を読み初発の感想を書く。 | | |え|てる。 | | | |ら| |・学習課題を立てる。 | | |と| | | | | | 3|・新出漢字と難語句を調べる。 3| | +−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |学習課題を解決しながら、|・ねずみの生活を読み取り、人間との関係|・フランス ・パリ ・フランス一、幸せ者 | | |アナトールの行動と結果を| をとらえる。 |◇自転車に乗って ◇家族のため | | |読み取る。 | |◇食べ物をさがす | | | | 1|◇ひみつのろうかをちょろちょろとぬけて | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | |・人間の立場と、アナトールとガストンの|・残り物をあさっている ・いやらしいねずみ | | | | 受け止め方を対比させながら読み取る。|・ほんとにきたない ・フランスじゅうのはじだ | | | | |・どろぼうとおんなじ | | | | |◇ぴんと耳を立てました ◇とてもびっくりして | | | | |◇鼻の先で言う ◇あんな言い方 ◇悲しそう | | | | 本時 1|◇さもくだらないと言わんばかりに | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | |・ドセットの優しさとアナトールの思いつ|◇悲しそうに | |る| | きを読み取る。 |◇何かお返しができれば | | | | |◇はっととび上がって、〜引っぱって、部屋じゅう| | | | | をおどり回りました | | | | 1|・思いつき | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |べ| |・チーズ工場でのアナトールの仕事の様子|・タイプライター ・書類かばん | | | | を読み取る。 |・こっそりとやらなくちゃならない仕事 | | | | |・友達は、おたがいに信じ合わなくちゃ | | | | |◇すばらしいにおい ◇やっと、さがしていた | | | | |◇チーズの味見にかけては世界一 | |ら| | 1|◇りっぱに働いてかせいだ物 | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | |・チーズ工場でのさわぎの様子を読み取る|・首をかしげる | | | | |◇アナトールって人 | | | | |◇これは参った | |し| | 1|◇アナトール式にチーズを作る | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | |・アナトール捜しに必死になる社長の様子|・大はんじょう ・デュバルチーズしか〜ない | | | | を読み取り、手紙の内容について考える|◇まったくかれのおかげ | | | | |◇ぜひ会いたい | | | | |◇アナトールという名の社員 | | | | |◇おかげで ◇お返しがしたい | | | | 1|◇チーズ試食部の部長 | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | |・手紙を読んだアナトールと家族たちの様|・われがちに | | | | 子や気持ちを読み取る。 |◇あんなことは、もうたくさん | | | | |◇世界一かしこいねずみだわ | | | | 1|◇りっぱなサラリーマンねずみ | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | |・ガストンを誘うアナトールの気持ちと、|◇いっしょに働かないか | | | | ガストンの気持ちの変化を読み取る。 |◇ぴょこりと頭を下げて | | | | |◇アナトール、ばんざあい。〜ねずみの王様、アナ| | | | | トール | | | | |・ひみつはずっと続きました | | | 8| 1|◇フランス一、幸せ者 | +−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |る|主題について考え感想文を|・作品のおもしろさを中心に感想文を書い| | |め|書く。 | て発表し合い、読みの変化や深まりを確| | |か| | かめる。 | | |ふ| | | | | | 1| 1| | +−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |る|音読発表会をする。 |・好きな場面を選び、様子がよく表れるよ| | |め| | うに工夫しながら音読をしたり、聞き合| | |ろ| | ったりする。 | | |ひ| | | | | | 1| 1| | +−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ 七、本時の指導  (一)目標  ・人間から嫌われていることを知ったアナトールの気持ちとガストンの気持ちの違いを読み取る。  (二)展開 +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+ |程|間| | | | | | | 指導内容 | 予想される児童の反応 | 指導上の留意点 | |過|時| | | | +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | |一、前時の学習を想起し、本時の学習課|・家族に囲まれ幸せに暮らしていた。 | | |る| | 題を確認させる。 | | | |え| | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | |ら|3| |人間のうわさ話を聞いた時の、アナトールの気持ちを考えよう| | | |と| | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |・課題をはっきりつかませるため、| | | | | | 課題文を一斉読みさせる。 | +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | |二、本時の学習場面を読み取らせる。 | | | | | | @学習の見通しを持たせる。 | | | | |1| ・どんなところに着目して読み進めれ|・行動 |・一人学びにつなげるような見通し| |る| | ば良いか。 |・会話文 | を持たせる。 | | | | |・様子 | | | |3| A課題について考えさせながら本時の|・指名読み (二名) | | | | | 学習場面を音読させる。 | |・読み方の良い点を認める。 | |べ| | | | | | |5| B学習場面の状況を確認させる。 | | | | | | ・人間はねずみのことをなんとうわさ|・いやらしいねずみ | | | | | していただろう。 |・フランスじゅうのはじ | | |ら| | |・どろぼうとおんなじ |・次の課題読みにかかわるところな| | | | ・それはなぜか。 |・残り物をあさっているから。 | のでしっかりおさえさせたい。 | | | | |・ごみ箱をひっかき回すから。 | | | | | |・きたないから。 | | |し| | | | | | |0| C課題について、一人学びをする。 |・会話文に着目して、視写・書き込み。|・方法を掲示しておく。 | | |1| ・人間のうわさ話を聞いたアナトール|・アナトールの様子に着目して視写・書|・着目点が見つけられない児童には| | | | はどう考えただろう。 | き込み | 視点を与え考えさせるようにする| | | | | |・早く終わった児童にはガストンに| | | | | | ついて考えるよう指示する。 | | | | | | (評価@ ノート)| +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |3| D一人学びしたことをもとに、話し合|・びっくりしてぴんと耳を立てたと思う|・お互いの意見を関連づけられるよ| | |1| わせながら読み深めさせる。 |・「あんな言い方」から、人間がひどい| うに評価@をもとに意図的に指名| |る| | | 言い方をしたことととても気にしてい| していく。 | | | | | ることが分かる。 | | |め| | |・初めて気付いたのでとてもびっくりし|・ガストンについても考えさせなが| | | | | たのだと思う。 | ら、アナトールの驚きをとらえさ| |か| | |・ガストンは気にもしていない。 | せたい。 | | | | | | (評価A 発表)| |ふ| | | |・アナトールになったつもりでノー| | |3| Eアナトールの考えをまとめ、発表さ| | トに気持ちをまとめさせる。 | | | | せる。 | | (評価B ノート)| +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | |三、まとめをさせる。 | | | |る| | まとめの音読をさせる。 |・指名読み (二名) |・アナトールやガストンの気持ちが| | | | | | よく表れるように、練習時間を取| |め| | | | ってから音読させたい。 | | |7| | |・読み方について感想を発表させる| |ろ| |四、次時の学習課題を確認させる。 | | | | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | |ひ| | |ドセットの言葉でアナトールの気持ちはどう変わっただろう| | | | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+  (三)評価    @一人学びにより課題に対する自分の考えを持つことができたか。    A一人学びしたことをもとに話し合い、考えを深めることができたか。    B学んだことをもとに、驚き悲しむアナトールの気持ちをまとめることができたか。  (四)板書計画 +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | アナトール工場へ行く | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | |人間のうわさ話を聞いた時の、アナトールの気持ちを考えよう| | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | | | | 人間の話 | | いやらしいねずみ きたない | | フランスじゅうのはじ | 残り物をさらう | | どろぼうとおんなじ | | | | (アナトールの考え) (ガストンの考え) | | びっくり 気にもしていない | | 初めて気付いた 人は人 | | とても気にしている どうでもいい | | 悲しい | | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | |ねずみにもめいよってものがある | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | ほこり | | | | | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ 教材名「アナトール工場へ行く」 第5時 +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |評価@ 一人学びにより課題に対する自分の考えを持つことができたか。 |評価A一人学びしたことをもとに話し合い、考えを深めることができたか。 | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |1 とてもびっくりして(初めて気付いてびっくりした。) | |1 他の意見と自分の意見を比べながら発表する。 | | | | | | |記|2 あんな言い方をするとは(人間のひどい言い方をとても気にしている。) |評|2 自分の考えを根拠を加えながら発表する。 | | | | | | |述|3 悲しそうに(ねずみの名誉を傷つけられ悲しい気持ちになっている。) |価|3 自分の考えを発表する。 | | | | | | |内|4 なあんだ。そんなことか。鼻の先で(ガストンはまったく気にしていない。)|内| | | | | |○ ねらいに近づいた発表 | |容|5 その他 |容| | | | | | | | |○ ねらいに近い記述 | | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+