印刷用紙:A4縦 1ページの行数:40 1行の文字数(半角で):80   −−以下 指導案本文−−          第5学年国語科学習指導案                       平成8年9月9日(月) 5校時                       男子10名 女子8名 計18名                       指導者    金 子  徹 也  1 単元名 みんなで考えよう(教材名「一秒が一年をこわす」「わたしたちの生きる地球」) 2 単元について    第5学年の表現領域の目標は、「主題や要旨のはっきりした表現をするため、意図や根   拠を明らかにして話したり、全体の構成を考えて文章を書いたりすることができるように   するとともに相手や場面の状況を考えて表現しようとする態度を育てる。」である。    この単元は、説明文「一秒が一年をこわす」と、「資料1 ホタルの住む水辺」「資料   2 小学生新聞の記事の一部」からなる「わたしたちの生きる地球」の二教材で構成され   ている。第一教材「一秒が一年をこわす」では、三つのまとまり「科学技術の発達と地球   環境の悪化」「地球の誕生・人類の誕生」「人類のおごりと地球からのしっぺ返し」につ   いて読み取る。筆者の地球環境に対する考えを読み取ることを通して児童が、筆者のもの   の見方・考え方・論理の展開の仕方を正確に読み取る力を培うことをねらいとしている。    第二教材「わたしたちの生きる地球」では、第一教材の感想を踏まえて二つの資料を読   み、感想を深める。さらに、地球環境に関する資料を身の回りから集めて、調べたり考え   たりする。調査活動から得た知識・情報をもとにして、わたしたちの住む地球について、   みんなで話し合ったり、自分の考えを文章に表したりすることをねらいとしている。    児童はこれまで、「こんな学校ならいいな」で取材の方法、構成の仕方を、また「大陸   は動く」では、文章構成・要約の仕方・文章の要旨のとらえ方について学習してきている。   4附当初に比べ書くことに対する意欲は、多少高くなってきているが、全体的には、いま   だに抵抗感を持っている児童が多い。文章の構成について考えることのできる児童は18   名中11名と少なく、問題に対して自分の考えを持つことはできるが、それを明確に文章   に書き表すことのできる児童は全体の約半数程度である。また、段落相互の関係や、順序   についての認識ができていない児童も多い。環境問題に対する児童の意識調査からは、   「大変関心がある」が8名(44%)、「関心がある」が6名(33%)、「関心がない」   が4名(23%)であった。    そこでこの単元では、図書、雑誌、新聞、テレビ、ラジオ、調査報告など確かな知識・   情報を収集して、それを根拠に自分の考えを明確にする活動を大事にしたい。   「環境破壊の実態」か「環境保全のための人類の取り組み」か、ねらいに応じて収集させ、   それを調べ読みし、まとめるようにさせたい。また、筆者の説明している内容を正確に読   み取ることから一歩進め、筆者がなぜそのことを訴えようとしているか、その考えをどの   ような筋道で述べようとしたかを考えることで、「理解する」だけでなく「筆者と対話す   る」学習へと発展させたい。そして「筆者はこう言っている」という要旨を理解し、それ   をもとに「自分はこう考える」という意識をもって作文が書けるように指導したい。 3 単元目標   ◎「一秒が一年をこわす」で説明されている内容を、段落の要点や段落相互の関係に    注意して読み、文章全体を通して、筆者が述べようとしている要旨をとらえること    によって、環境問題について関心をもつことができる。   ○「わたしたちの生きる地球」を読んだり、身の回りから資料を集めたりして、わた    したちの住む地球について関心を深め、自分の考えを明確にして話し合い、自分の    考えが明確に表れるように構成を考えて書くことができる。   ○文と文、段落と段落の連接関係を考えて指示語や接続語を適切に使うことができる。  <指導事項> 表 現 +−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |取材 |コ 聞いたり読んだりした内容から素材を選び、構成や叙述などの優れて| | | いる点を参考にして表現すること。 | +−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |構成 |カ 主題や要旨が明確に表れるように、構成を考えて文章を書くこと。 | | | | +−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |記述 |オ 自分の考えを明確にし、表現することによって更に考えを確かにする| | | こと。 | | |ク 事象と感想、意見などとを区別して文章に書き表そうとすること。 | +−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |推敲 |ケ 自分の書いた文章を読み返し、叙述の仕方について工夫すること。 | +−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ 4.指導計画(15時間) | 評 価 | −−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+ 次|時| 学 習 過 程 と 学 習 内 容 | 指 導 の 手 立 て | 関心・意欲・態度 | 表現・言語事項 | −−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+ 1|2| 全文を読み通した後、初発の感想をまとめ、疑問や問題点をも|・身近な生活から事例を取り上げていくことで、興味・関心を|・問題意識を持って学習計画を立て|・学習のめあてがわかり、学習の見通| | |とに学習計画を立てる。 | 高めていくようにする。 | ようとしていたか。 | しを持つことができたか。 | | |(1) 扉の文と「一秒が一年をこわす」を読んで、心に残った|・環境問題に関する科学読み物を学級に特設することで、地球| | | | | ことや疑問に思ったことをはっきりさせて感想をまとめる。 を見つめていく意識を高めるようにする。 | (挙手、発言) | (挙手、発言) | | |(2) 感想を話し合い、疑問点、問題点を明らかにし学習計画|・学習計画を話し、読解後の作文についての見通しを持たせる。 | | | | を立てる。 | | | | −−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+ 2|6| 「一秒が一年をこわす」を詳しく読み取り、自分の作文の参考|・教材文は家庭学習等で音読、視写をすすめ、文型になれさせ|・題名の工夫について自分なりの考| | | |にする。 | ておく。 | えを持つことができたか。(態度) | | |(1) 題名の工夫から、筆者が言いたいことを読み取り、形式|・「筆者がいいたいこと」を考えるとともに、「自分はどう考|・進んで教材文を読もうとしたり、|・段落相互の関係に注意して読み、要| | | 段落に分け、意味段落の小見出しをつける。 | えるか」についても常に意識させていく。 | 理解しようとしているか。 | 旨をとらえることができたか。 | | |(2)(3) 意味段落@を要約し文章を理解する。 |・文章構成を理解させるために、紙板書に文章構成図を用意し| (態度、発言) | (発言、ノ−ト) | | |(4) 意味段落ABを要約し文章を理解する。 | 全体の構成について理解させる。 |・文のつながり方を考えながら要約|・文章の構造について理解し、それを| | |(5) 文章構造と三つの段落の要旨をつかむ。 |・教材文の特質である時を表す表現に着目させ、内容の読み取| しようとしたか。(態度) | 図に表すことができたか。 | | |(6) 意味段落@の文章構成を参考に、作文を書く練習をする。 りをさせる。 |・教材文の題名の工夫や構成に着目| (ノ−ト) | | | |・聞き手を意識させながらの要約の活動を行うことで、実作の| することができたか。 |・教材文での数字を使った効果的な叙| | | | 手掛かりにさせる。 | (挙手、態度) | 述をとらえることができたか。 | | | |・意味段落@の文章構成を参考にしながら短作文を書き、文章| | (ノ−ト) | | | | 構成をとらえて、次に書く作文の練習をする。 | | | −−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+ 3|4| 身近な例をもとに、地球環境についての作文を書く。 |・題材は自由にするが、自分の体験や思い・考えを互いに発表|・環境問題についての問題意識をは|・身近な問題と結び付けてテ−マを決| | |(1) 「わたしたちの生きる地球」を読み、環境に対する問題| し合い、いろいろなテ−マがあることに気付かせていく。 | っきりもち、テ−マをもつことが| めることができたか。(用紙) | | | 意識を持ち、自分のテ−マを決定して資料を集める。 |・環境問題に関する資料やビデオをみせることで問題意識を堀| できたか。(挙手、態度) |・資料を有効に活用して、メモを作る| | |(2) 資料を整理し、構想メモにまとめる。 | り起こしていく。 |・自分の考えを明確に表す構成を考| ことができたか。(カ−ド) | | |(3) メモを付け加えながら構想表を作る。 |・色別カ−ドを使うことで、書きたいことのまとまりについて| えて書こうとしたか。 | | | |(4) 構想表をもとに作文を書く。 <本時> | 意識させる。 400〜800字程度 | (態度、自己評価) |・指示語や接続語、段落の構成に気を| | | |・構成についての書き方と、つなぎ言葉について確認する。 | | つけて書くことができたか。(作文) −−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+ 4|1| 自分の書いた作文を読み返し、清書する。 |・よりよい作文にするために読み返すことの大切さを意識づけ|・進んで読み返し、間違いを正そう|・間違いを正したり、文章を整えたり| | |(1) 観点に沿って推敲し、清書する。 | る。 | としたか。(挙手、態度) | することができたか。(態度、作文) −−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+ 5|2| まとめと言葉の学習をする。 |・友達の作品を読み、よい点を見付け、感想を持たせるように|・友達の作文の工夫したところを見|・漢字の筆順や使い方について理解を| | |(1) 各自の書いた作文を発表し合い、よい書き方に気付く。| する。 | 付けようとしたか。 | 深めることができたか。 | | |(2) 新出漢字などの言葉の練習をする。 | | (態度) | (態度、ノ−ト) | | | | | | | −−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+ 5 本時の指導計画  (1)ねらい     分かりやすく構成された意見文を書くことができる。  (2)展開 −+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+ | 学習活動・内容 | 指 導 の 手 だ て | 評 価 | −+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+ |1 課題の把握 | | | 導|・学習のめあてをつかむ|・一斉読みをすることで意識づける。 |・学習のめあてが分かり、進ん| | | | で学習に取り組もうとしてい| 入|身近な例を取りあげて | | るか。 | 3|読み手に分かりやすい | | (態度・挙手) | 分|作文を書こう。 | | | −+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+ |2 課題の追求 | | | ・教材文を音読させる。 |・筆者が訴えたいことは何かを確かめる。 |・構成に気をつけて音読するこ| 展| | | とができたか。 | ・記述の観点を確かめる。|・段落と段落のつながり方、構成について確| (音読、観察) | 開| | かめる。 | | | |・指示語や接続語の使い方について確認する。・作文の書き方を理解し、見通| | (12分) | | しを持つことができたか。 | | |・机間巡視において声をかけていく。 | (発言、観察) | |3 実 作 | | | 32| |・書き進められない児童には、問答をしなが|・構想表を見ながら作文を書き| 分・構想表をもとに作文を書| ら、具体的な言葉を引き出すようにする。| 進めることができたか。 | |く。 |・原稿用紙の使い方を迷う児童には、構想表| (観察) | | (20分) | と教材文を確認するように指示し、自信を| | | | 持って書けるようにする。 | | | |・書き終えた子には、読み返しをさせ、段落| | | | のつながり、文末表現などについて見直し| | | | をさせる。 | | −+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+ 終|4 まとめ | |・はっきりと作文を読むことが| |・書いた作文を発表する。・2、3名の児童に発表させる。 | できたか。(観察) | 末| |・ねらいに沿って書かれている所を評価する。・友達の作文のよい所を見つけ| | | | ることができたか。(挙手)| |・自己評価する。 |・ねらいに沿って書かれているか、意欲的に|・ねらいに沿って自己評価をす| 10| | 書いたかについて、簡単な用紙をもとに自| ることができたか。 | 分| | 己評価させる。 | (カ−ド、挙手) | |5 次時の予告 | | | |・次時の学習内容を知る。・発表会に向けて、推敲することを意欲づけ| | | | る。 | | −+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+ (3)評価    分かりやすく構成された意見文を書くことができたか。                     6 板書計画 +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | +−−−−−+ | | +−−−−−−−+ +−−−−−+ +−−−−−−+|う て | | | | まとめ | |資料説明 | |問題提示文 || に 身| わ | | 題 |・言いたいこと| +−−−−−+ +−−−−−−+| 分 近|学 た | | +−−−−−−−+ | | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| か な|習 し | | 名 | || り 例|課 た | | | || や を|題 ち | | の | 文 章 構 成 図 || す 取| の | | | || い り| 生 | | 工 | || 作 あ| き | | | || 文 げ| る | | 夫 | || を て| 地 | | | || 書 読| 球 | | | || こ み| | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−++−−−−−+ | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+