印刷用紙:B5縦 1ページの行数:32 1行の文字数(半角で):76   −−以下 指導案本文−−   第6学年国語科学習指導案 平成8年9月9日(月) 5校時 男子13名 女子10名 計23名 指 導 者 藤 村 一 夫 1 単元名 みんなで考えよう(教材名「国境をこえる文化」「わたしたちの生きる今」) 2 単元について    第6学年の表現領域の目標は、「目的や意図に応じた表現をするため、全体を通し   て適切に話したり、組立ての効果を考えて文章を書いたりすることができるようにす   るとともに、適切で効果的な表現をしようとする態度を育てる。」である。   本単元は、理解活動のための教材「国境をこえる文化」と、活動示唆の文章と二つ   の資料からなる「わたしたちの生きる今」と題した教材とで構成されている。特にこ   の単元では、現代社会の抱える大きな課題である国際化、国際理解のあり方を理解す   るとともに、それは身近な友達とのつながり合いに関係すること、そして、それを自   らの問題としてとらえ表現することを目指している。第二教材「わたしたちの生きる   今」は、「国境をこえる文化」で読み取った筆者の考えの上に、さらに共通する話題   を取り上げた資料を二つ用意し、それらを重ねて読むことによって考えを深めさせ、   話し合ったり作文に書いたりするためのものである。   児童はこれまで、「生活を見直して」で自分の意見を述べるための根拠として資料   を活用する方法、調べたことから考えを導きまとめる方法を、また「自然を見つめて   」では、筆者の意見とそれを裏付ける具体例に目を向けて読み進めながら、要旨をと   らえることを学習してきている。ほとんどの児童が書くことに意欲を持ち、事実と考   えを区別して文章を書くことができる。しかし、自分の考えに深まりがなく、論の展   開に気を付け、自分の意見を効果的に述べることができない児童が約半数ほど見られ   る。   そこで、この単元では、第一教材において文章の構成や展開の工夫など直接・間接   に表されている筆者のものの見方や思い、願いなどをしっかり押さえ、論の展開に気   をつけながら読ませるようにしたい。そして筆者の考えに共感させたり、反発させた   りしながら自分なりの考えを持たせ、第二教材にのぞませる。第二教材では、人との   付き合い方に焦点を絞り、グループでの話し合いを持たせ自分の考えを深めさせ、自   分の主張が生かせるような文章構成を考えさせて作文に書かせたい。 3 単元目標   ◎文章の叙述に即して、事象を客観的に述べているところと、書き手の感想、    意見を述べているとことの関係を押さえながら読むことができる。   ○書き手のものの見方、考え方、感じ方などについて、自分の考えをはっきり    させながら理解することができる。   ○目的に応じて、根拠となる事象と感想、意見などを区別し、自分の考えを文    章に書き表すことができる。   ○ねらいや目的に応じて、内容や事柄などを要約したり敷衍したりして表現し、    自分の考えを深めることができる。 <指導事項> 表 現 +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |取材|エ 主題や意図をはっきりさせ、表現することによって更に自分| | | の考えを深めること。 | +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |構成|カ 全体の構成を考え、目的に応じて簡単に書いたり詳しく書い| | | たりすること。 | +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |記述|ク 根拠となる事象と感想、意見などとを区別して書き表すこと| +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |推敲|コ 文章や話の内容、事柄などを要約したり敷衍したりして表現| | | すること。 | +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ 5 本時の指導計画 (1)ねらい 自分の主張が生かせるような構想表を作ることができる。 (2)展開 +−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ | | 学習活動・内容 | 指導の手だて | 評 価 | +−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ |導|1 課題の把握 | | | |入|・学習のめあてをつかむ | | | |3|+−−−−−−−−−−+| | | |分||自分の主張が生きるよ||・前時までに事例を準備した意欲を評価|・学習のめあてが分| | ||うな構想表を作ろう。|| し、意欲化を図る。 | かり、進んで学習| | |+−−−−−−−−−−+| | に取り組もうとし| | | | | ているか。(態度)| +−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ |展|2 課題の追求 | | | |開|・教材文を音読する。 |・「国境をこえる文化」第13段落を音|・段落と構成に気を| |35| | 読し、筆者の結論はどんな事例から導| 付けて音読するこ| |分| | かれているか想起させる。 | とができたか。 | | |・構想表の書き方を確かめ|・「国境をこえる文化」の論構成の工夫| (音読) | | | る。 | を取り入れ、事例から自分の考えを述| | | | | べ結論に結び付けることを確認する。| | | | |・どんな事例を考えているかを発表させ| | | | | それが結論と結びつくか確認をする。| | | +−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ | |3 実作 | | | | |・構想表を作る。 |・書き進められない児童には、問答をし|・事例を結論と比べ| | | | ながら、組立を考えさせる。 | ながら選択してい| | | |・構想表には、項目を書いておき、児童| るか。(構想表)| | | | が迷わないように配慮する。 | | | | |・結論が、題名や事例とずれていないか| | | | | 確かめさせながらすすめさせる。 | | | | | | | +−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ |終|4 まとめ | | | |末|・書いた構想表を発表する|・2、3名の児童に発表させる。 | | |7| |・ねらいに沿って書かれているところを| | |分| | 評価する。 | | | |・自己評価する。 |・ねらいに沿って書かれているか、意欲|・観点に沿って自己| | | | 的に書いたかについて簡単な用紙をも| 評価することがで| | | | とに自己評価させる。 | きたか。(カード)| | |5 次時の予告 | | | | |・次時の学習内容を知る |・構想表をもとに、説得力のある作文を|・次時の学習に意欲| | | | 書くことを知らせ、記述に意欲が持て| を持てたか。 | | | | るようにする。 | (態度) | +−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ (3)評価 事例と結論が結びつく構想表を作ることができたか。 4 指導計画(13時間) +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | 評 価 | +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+ |次|時| 学習過程と学習内容 | 指導の手だて | 関心・意欲・態度 | 表現、言語事項 | +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+ |1|1|「わたしたちの生きる今」を読んで、本単元のねらい|・冒頭の文章と写真から、「今」をどのように考えてい|・問題意識を持って学習計画を立て|・学習のめあてが分かり、学習の| | | |を知る。 | るかを意見交換し、筆者の考えに対する自分の考えを| ようとしていたか。(挙手・発言)| 見通しを持つことができたか。| | | | | 持たせ、単元のねらいを確認する。 | | | +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+ |2|6|「国境をこえる文化」を読み取り、自分の作文の参考| | | | | | |にする。 | | | | | | |(1) 題名から内容を予想し、全文を通読して感想を持|・題名から感想を話し合ったあと、キーワードに注意し|・進んで話し合いに参加したか。 |・題名から予想したことと比べて| | | | つ。 | ながら全文を通読する。筆者の主張について話し合い| (態度・発言) | 感想を書くことができたか。 | | | | | を持ち、感想をまとめさせる。 | | (学習シート) | | | |(2) 第1の意味段落から、「国境をこえる文化」とは|・外国の事例を表にまとめさせ、第1段落があって初め|・単元を貫くテーマについて、筆者| | | | | どういうことか読み取る。 | て、第2段落の論が説得性を持って述べられているこ| の考えを理解しようとしたか。 | | | | | | とにも気づかせたい。 | (態度・発言) | | | | |(3) 第2の意味段落から、「共通の文化を持つ」こと|・事例と筆者の考えを整理させ、共通の文化を持つこと| |・事例の意味や事実から導かれる| | | | 意義を読み取り、「バベルのとう」の事例の価値を| の難しさと尊さについて気づかせる。 | | 考えを読み取り、ノートにまと| | | | 理解する。 | | | めることができたか。(ノート)| | | |(4) 第3、第4の意味段落から「みんなで考えよう」|・自分の生活を想起させ体験発表をさせながら、筆者の|・進んで話し合いに参加したか。 | | | | | のテーマについて、筆者の考えを読み取る。 | 考えに迫りたい。 | (態度・発言) | | | | |(5)「国境をこえる文化」のそれぞれの意味段落の役 |・文章構成を理解させるために、紙板書に文章構成図を| |・要点を参考にし、要旨を書くこ| | | | を考え、文章構成を理解し、要旨をまとめる。 | 用意し、全体の構成について理解させる。各段落の要| | とができたか。(ノート) | | | | | 点を参考に200字程度の要旨にまとめさせる。 | | | | | |(6) 文章構成を工夫し、簡単な意見文を書く。 |・教材文の文章構成を参考にして、共通の題材で構想表| |・事例と考えを分けて構想表にま| | | | | を書かせる。 | | とめることができたか(構想表)| +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+ |3|4| 人との違いや共通点などについて考えを深め、それ| | | | | | |を材料に作文を書く。 | | | | | | |(1) 「資料1・2」を読み自分のテーマを見つける。|・人と違うことに対してどのように思うかについて話し|・自分の経験を生かして、話し合い| | | | | | 合わせ、違いや共通点について意味をつかませたい。| に参加しているか。 | | | | | | またグループでの話し合いも持ち、テーマについて具| (態度・発言) | | | | | | 体的にイメージを持たせたい。 | | | | | |(2) 選んだテーマにもとづいて題名を考え、事例を集|・自分の主張に結びつくような事例を身近な経験から想| |・自分の主張をはっきりさせるた| | | | める。 | 起させる。 | | めの資料を準備できたか(ノート) | | | |(3) 事例をもとに構想表を作る(本時) |・事例・事例から述べること・結論に分けて考えを整理| |・自分の主張が生かせるような文| | | | | しながら構想表を作らせる。 | | 章構成を考えることができたか| | | |(4) 構想表をもとに作文を書く。 |・自分の主張がずれないようにつねに構想表に立ちかえ|・自分の主張が生きるように構想表|・自分の主張がわかりやすいよう| | | | | らせて書かせる。 | を見ながら書いているか。(態度)| に組立に注意しているか(作文)| +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+ |4|1| 自分の書いた作文を読み返し、清書する。 |・教材文を参考に事柄などを要約したり、敷衍したりし|・進んで読み返し、よりよい作品に|・要約したり敷衍したりして文章| | | | | て表現させる。 | しようと努力しているか。(態度)| を整理できたか。(作文) | +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+ |5|1| まとめの学習をする | | |・漢字の筆順や使い方について理| | | |・各自の書いた作文を発表しあいよい書き方に気づく|・友だちの作品を読み、良い点を見つけ感想を持たせる|・友だちの作品の工夫したところを| 解を深めることができたか。 | | | |・進出漢字などの言葉の学習をする。 | ようにする。 | 見つけようとしたか。(態度) | (態度) | +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+