印刷用紙:B4縦 1ページの行数:64 1行の文字数(半角で):98   −−以下 指導案本文−−   第1学年  国語科学習指導案 日 時 平成8年10月8日(火)5校時 児 童 第1学年 男11名女15名計26名 指導者 佐 々 木     桂 1 単元名  どんな こと,かこうかな 教材名 わたしが つくった カレンダー 2 単元について    第1学年の表現領域における目標は,「経験した事が分かるように、順序を考えて話したり、文と文と   を続けて簡単な文章を書いたりすることができるようにするとともに、進んで表現しようとする態度を育   てる。」である。本単元では,進んでカレンダーに書きたいことを選び,したことの順序をたどって簡単   な文章を書いたり,好きなことを書く楽しさを味わったりすることをねらいとしている。 児童はこれまでに6月教材「おはなしきいて」,「すきなもの,おしえて」において,先生や身近な人   に自分が経験したことを話す(聞く)学習をしてきた。また,7月教材「せんせい,あのね」において, 身の回りの出来事を手紙形式で書くことを学び,「はながさいたよ」において植物を観察して様子を絵作   文にすることを学んだ。さらに,9月教材「かいてくらべよう」では,学校の施設について説明する文章   を書く学習をしてきている。このように話す学習から口頭作文,そして絵作文へとスモールステップで作   文学習を進めることによって,文章料も一文から二文,三文以上へと一歩ずつ増えてきた。 この教材は,自分だけのカレンダーを作るという目的意識がはっきりしており,児童が意欲をもって取   り組めるようになっている。カレンダーにのせる文種は特に限定されておらず,視写,12月の出来事,最   近印象に残ったことなどの作文例が挙げてあり,素材が様々あることを示している。さらに,読み直しの   観点が挙げてあるので,推敲の初歩が学べるようになっている。指導にあたっては,秋のイメージをふく らませることで取材の目を広げさせ,その中から自分の書きたいことを選ぶことによって題材の選び方を 学ばせたい。また作品例の学習を通して,詳しくしている言葉や会話文の効果,「」の書き方を理解させ 自分の作品に生かせるようにさせたい。 3 児童の実態と教師の支援 (1)児童の実態 児童は今までに,入学してからできるようになったことや学校での楽しかったことなどを家族や担任に   向けて手紙形式で書くことによって,書く楽しみを味わうことができた。また,その返事をもらうことで   書いたものが認められる満足感も得られた。また,5月から連絡帳に連絡事項を視聴写したり,2学期か   ら日記を書いたりしてきたので,書くことに対して抵抗感をあまり感じていないようである。文量は三, 四文程度であるが,どんどん書き進められる児童もいる。標記の面では句読点や一字下がり,主述の整合   性などを意識して書こうとする気持ちも出てきている。 さらに,児童に作文に関するアンケートを行ったところ,作文を書くこと,読み直すこと,読まれるこ   となど,どの項目についても80%以上の児童が「すきだ」あるいは「すきなほう」と答えており,全体的   に大変意欲的であるという結果になった。 (2)教師の支援 指導にあたっては,見慣れてはいるもののなじみの少ないカレンダー作りをするので,意欲的に取り組   めるようにすることが大切だと考える。そのために,いろいろなスタイルのカレンダーを集めて見比べる   ことから始め,一人一人のイメージを十分ふくらませる環境を整えたい。また,「世界でたった一つのカ   レンダー」という表現を用いたり,完成したら校内の好きな場所に貼ることを約束したりすることによっ   て,意欲を持たせ,楽しさを味わわせたい。表記の面では,「は」,「へ」,「を」,「」,句読点,主   述の整合性などを項目ごとにチェックできる「だいじょうぶカード」を用意し,推敲の意識をもたせなが   ら学習を進めたい。 発問については,詳しくする言葉や会話文が入った文を「かっこいい文」と表現し,みんなの目に触れ   るカレンダーを作るのだから「かっこいい文」を書こうと意識させることによって,楽しみながら工夫し   た表現ができるようにさせたい。また,「秋集め競争をしよう。」と投げかけることによって,秋から連   想されるものを発表し,秋のイメージをどんどんふくらませ,課題追究へとつなげたい。 また,評価については,友達の作品を読み(聞き)よいところを見つけ認め合うことで,相互評価とし   たい。そして,最後にねらいが達成されたかどうか項目ごとに確認することを自己評価として位置づけ,   次時への励みにしたいと考える。 4 単元の目標 <関心・意欲・態度> ・進んで書きたいことを選び,自分だけのカレンダーを作るという目的意識をもって,意欲的に書こ      うとする。 <表現> ・経験したことなどを思い浮かべながら,主述の整った文を書くことができる。 <理解> ・ 詳しくする言葉や会話文の表現効果について,気づくことができる。 < 言語事項> ・ 書いた文章を読み返し,漢字や句読点,「」のつけ誤りなどを正すことができる。 5 指導計画(8時間扱い) 段階時間 学 習 活 動 | 教 師 の 支 援 | 評 価 | | | | | | | | せかいでたったひとつのカレン ・「世界でたった一つ」という表現を用・自分の作りたいカレ | | | ダーをつくろう。 | いたり,校内の好きな場所に貼るのを ンダーの形や構成を | | ・教材文を読んで,自分だけのカレ 約束したりすることで,意欲化を図る。 思い浮かべることが |理| | ンダーを作ることを知る。 ・持ち寄ったカレンダーを見ることで, できたか。 | |1| | 自分の作りたいカレンダーのイメージ | +−+−−−−−−−−−−−−−−−+ をふくらませる。 −−−−−−−−+−−−−−−−−−− | | || | ・カレンダーができるまでの秘密を探る | | | | ことによって,学習の進め方を考え, | | | | 見通しを持たせる。 | | | | | | | | | かっこいいぶんをさがそう。 ・何例か一緒に探し,残りは自分の力で・詳しくする言葉を探 | | ・教材文の中から詳しくする言葉を 探させる。 | すことができたか。 | +2+ 見つける。 −−−−−−−−− ・詳しくする言葉を抜いたワークシート・工夫した表現がある | | ・詳しくする言葉があるのとないの を用意しておき,抜いた言葉を記入さ と,様子がよくわか | | | とではどう違うか比べる。 | せて,比較しやすくする。 | ることが理解できた | | ・会話文の効果について,話し合う。 | か。 | | | おはなししたことをかこう。 ・会話文を探させ,「」を使って表され・会話文を探すことが |解| ・「」の書き方を練習する。 | ていることに気づかせる。 | できたか。 | | | ・改行時の一字下げや「」の書き方をわ +−+3+−−−−−−−−−−−−−−−+ かりやすくするため,ます目黒板を用・「」の使い方がわかっ | | || | いる。 | たか。 | | | ・「」の書き方がわかりやすいワークシ | | | | ートを用意する。 | |主| | ぼくのあき,わたしのあきをみ ・秋を感じられるような掲示をする。 ・カレンダーに書く事 | | |つけて,たくさんメモをかこう。 ・「秋集め競争をしよう。」と投げかける 柄を決められたか。 |題| ・カレンダーに書きたいことを決め ことで,秋から連想するものをたくさ +・+4+ る。 −−−−−−−−−−−−+ ん挙げさせて,イメージをふくらませ・簡単なメモを書くこ| |取| ・思ったことや見たことなどのマー る。 | とができたか。 | | | クをもとに,簡単なメモを書く。・五感を生かしてメモを書かせるため, |材 本時 | 色別の付戔紙を用意し,一枚につき一 | | | | つ書かせる。 | |構| | メモをさくぶんにへんしんさせ ・「変身」という表現を用いることによ・工夫した表現を使っ | | |よう。 | って,メモをもとに楽しく作文を書か て書こうとしている |成| | | せる。 | か。 +・+5+−−−−−−−−−−−−−−− ・読み返しさせるため,「だいじょうぶ・主述の整った文を書 |記|・|| | カード」を用いて誤字・脱字などをチ くことができたか。 | |6| | ェックさせる。 | |述| | ・終わった児童については,絵を描くこ | | | | とを認める。 | +推+−+カレンダーをかんせいさせよう。 ・教師の作文を推敲することで推敲の観・推敲の観点がわかっ | | ・教師の作文を共同で推敲し,推敲 点をつかみ,推敲するとさらによくな たか。 | |7| の観点をつかむ。 | ることに気づく。 ・自分の作文を推敲す | | ・自分の作文を推敲する。 ・書き直しできるように,用紙はたくさ ることができたか。 |敲| ・作文にふさわしい絵を描く。 | ん用意しておく。 | +活+−+はっぴょうかいをしよう。−−− ・話す順序がわかるように,発表の仕方・自分なりに工夫した ・カレンダーの発表会をする。 を書いた模造紙を貼っておく。 ことが言えたか。 8 ・友達のよい表現を見つけ合う。 ・聞き方のポイントを掲示したり,カー・友達の作文のよいと ドにしたりして,よいところを見つけ ころを見つけること 用 やすくする。 ができたか。 6 本時の学習 (1)目標 +−+・カレンダーに書く事柄を決め,短く簡単なメモを書くことができる。−−−−−−−−−−−−−− (2)授業仮説 | | +−+・秋集め競争をすることで,自分の書きたいことが見つけやすくなるのではないか。−−−−−−−− | |・取材の観点を色別にしたカードにメモさせることにより,いろいろな視点で取材できるのではないか。 (3)展開 | | | | | | 段階 − 学 習 活 動 −+−発−−−−−−−−−−−− 問 −+ 教 師 の 支 援 ・ 評 価 − | | | | |つ 1 世界でたった一つの○どんな形のカレンダーにしますか。 ・形や貼る場所を確認することで,意 | |+−−−−−−−−−+ | |か3 カレンダーを作ること○カレンダーをどこに貼りますか。 | 欲を喚起したい。 |む分 を想起する。 | | | || | | | |+−−−−−−−−−+ | |み 2 本時の課題を確認す ・活動の見通しをもつことで,意欲を | | る。 | | 持たせたい。 |と| ぼくのあき,わたし| | | |のあきをみつけて,た| | |お|くさんメモをかこう。 ◎秋集め競争をします。 ・たくさん挙げさせることで,秋のイ | | (課題追究のために,イメージをふくら メージをふくらませたい。 |す| | ませる。) | +− 3 書く事柄を決める。・一つだけ,書きたい秋を決めて,絵を◎書く事柄が決められたか。 −−−− |15| | 描きましょう。 | |分 4 メモの書き方を確か◎先生の絵を見て,みんなでメモを作り・教師の例を出し,共同でメモを作る | | める。 | ましょう。 | ことによって,五感を意識して書く | | (課題追究させる。) | ことを確認する。 | | | | |あ 5 メモを書く。 ・絵ではわからないことをメモに書きま・書くことを見つけられない児童につ | | | しょう。 | いては,絵を見ながら一つ一つ尋ね |ら| | | て書かせる。 | | | ・長く書く児童については,板書を参 |わ| | | 考にさせる。 | | | ・早く書き終わった児童については, |す| | | 見直して付け足しがないか考えさせ | | | | たり,違う題材で書いてもよいこと | | | | にする。 | | | ・五感を生かして書かせるため,マー |20| | | クごとに色別の付戔紙を用意し,一 |分| | | 枚につき,一つの事柄を書かせる。 +−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−− ◎2〜3種類のメモが書けたか。 −− | 6 友達のメモから,書○○○さんのメモを見て,何のことを書・いろいろな種類のカードを使った児 | | いた事柄を想像する。 いたのか当てましょう。 | 童のメモを提示し,様々な観点から | | | | メモを書くと題材がよくわかること | | | | をつかませたい。 | | | | |ふ 7 隣どうしメモを見せ・二つよりたくさん色が使えた人には,・かえるのマークを使い,楽しく評価 +り+ 合う。 −−−−−−+ にこにこかえるさんにしてあげましょ させる。 −−−−−−−−−−−− か う。 え 8 自己評価する。 ・今日勉強したことを振り返り,「ふり・めあてについて項目ごとに「ふりか る かえるカード」に書きましょう。 えるカード」にマークを書かせ,意 7 9 次時の予告をする。・次は,メモを作文に変身させます。 欲化を図る。  分 7 評価 ・カレンダーに書く事柄を決められたか。 ・簡単なメモを書くことができたか。