印刷用紙:B4縦 1ページの行数:57 1行の文字数(半角で):100   −−以下 指導案本文−−         第2学年  国語科学習指導案  日 時 平成8年10月8日(火)5校時  児 童 第2学年 男11名 女16名 計27名    指導者 千 葉  仁 1 教材名 「このごろ,どんなことがあったの?」(生活文) 2 教材について    第2学年の表現領域の目標は,「事柄の順序がはっきりするように、整理して話したり、語や文の続き方   に注意して文章を書いたりすることができるようにするとともに、正しく表現しようとする態度を育てる」   である。    子供たちは,単元作文「たのしかったこと」の中で,どこからどこまで書くかを考えた,簡単な作文メモ   の書き方を学習してきた。また,自由作文の中では,時間の順序に書く構成の仕方や会話文の使い方などを   繰り返し学習してきた。日常的には,作文の時間や日記を通し,自分の身の回りから題材を見つけ,よく見   たことやよく聞いたことを,会話文を使いながら,そのときのことを思い出して,作文に書いてきた。    本教材を設定した意図は,まず,「このごろ,どんなことがあったの?」というテーマを与え,子供が自   らの力で,学校や家での生活の中で,友達とかかわり,どきどきしたことや楽しかったこと,うれしかった   こと,いやだったことなどを題材として見つけさせることにある。そのことによって,意欲的に書き進め,   作文の楽しさを味わうことができるだけでなく,自分のした通り,見た通り,思った通りに書くことができ   る力をつけられるものと考えたためである。また,ていねいに思い出させながら,書き進めることも,ねら   いの一つと考えている。そのためには,「そして,何をしたかなあ。それから何をしたかなあ。」と,した   ことを時間の順に思い出させるとともに,具体的な描写の仕方に慣れていくことか大事になってくる。とも   すると,作文のテーマからはずれたり,肝心なことが書かれなかったり,適当に書いたりしがちになるもの   である。「だれと何をしたのか」「どのようにしたのか」「そのとき話したこと」「そのときの色は・・・」 「そのときの形は・・・」「そのときの大きさは・・・」ということを意識して書くことが,ていねいに書くこと   につながっていくものと考える。 3 児童の実態と教師の支援  (1)児童の実態    子供たちは,日常的な活動や単元作文の指導を通し,題材を見つけ選ぶことはだいたいできている。昨日   したことが思い出せないで,担任の力を借りないとなかなか題材を見つけられない子も数名いる。しかし,   担任と話し合っていくうちに,自分から見つけることができるようになってきた。短作文の時間を活用し,   練習してきた会話文も,ほとんどの子が使えるようになってきたし,そうでない子も書こうという意識をも   ってきている。書き慣れた子は,時間の順序が逆さまになることはないが,まだまだ順序よく書くまでに至   っていない子も見られる。また,ていねいに書かれず,具体的な描写ができず,様子や気持ちが十分に伝わ   らないことが,1学期を終えた時点での,どの子にも共通した課題となっており,したことをていねいに思   い出すことの指導が必要である。    作文についての意識調査の結果,「作文を書くことがすき」あるいは「好きなほう」と答えたのは,全体   の92.6%になっている。特に,日常的に書くことがたくさんある子ほど,楽しいし好きと答えている。   きらいな子は,めんどうなことを嫌がる子に多くなっており,これは,作文に限ったことではない。  (2)教師の支援    指導にあたっては,本教材の理解の段階や作文の時間,短作文の時間を活用し,参考作品をたくさん読み   合う中で,読み手として作者の思いに共感し,ていねいに思い出して書くよさを理解させていきたい。さら   に,構成表を工夫し,主題意識を持たせ、ていねいに書きたいことを考えさせていきたい。    また,生活科や体育科の中で,探検活動や遊び指導など,題材をたくさん準備しておき,友達とのかかわ   りの中から,題材を捜し出せ,「あれも書きたい。」「こっちも書きたい。」と目を輝かして書くための環   境作りをしたい。本時の中では,記述に十分時間を取り,じっくりと思い出し考える場を設定したい。    発問の中心は「ていねいに書こう。」である。これは,2学期を通しての大きな課題と考えており,本教   材では,「ていねいに思い出して書くんだ」と,意識して書くことができればよい。「ていねい」という言   葉を通して,具体的な描写を意識し書くことで,自分のしたことや友達とのことをもう一度思い出し,自分   や友達のやさしさやよさに気づくことができるのである。そのための補助的発問として「そのときの色や形  大きさは・・・。」,「話したことは。」と,具体的描写を促すものを考えた。    評価については,本時では,頑張ったことの確認としての自己評価をさせていく,相互評価については,   推敲段階で,友達の作文のよさを見つける中で,行っていく。 4 教材の目標  《関心・意欲・態度》    身の回りの生活から書きたいことを題材として見つけ,ていねいに思い出して書こうと意識して,作文を   書くことができる。 《表現》 自分の心に残ったことを時間の順序に,自分の書きたいことにしたがってていねいに書くことができる。 5 指導計画(4時間扱い) 段階|時間| 学 習 活 動 | 教 師 の 支 援 | 評 価 | | 1 | ・文集を作るという目的意識を ・学習計画を理解したか。 理 | | 10月の文集を作る計画 | もたせるとともに,作文への | | | | を立てよう | 意欲付けを図る。 | +−+−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−− 解 | |・学習計画を立てる。 ・計画を立てることにより,学 | | | |・構成表の書き方を確かめる。| 習の見通しを持たせる。 | | | |・ていねいな作文の書き方に | | | | | ついて知る。 | 主 | 2 | | | 題 | | このごろしたことの中で, ・簡単に構成表を書かせること ・構成表を書くことができた ・ | |一ばん心にのこっていること | により,書きたいことや場面 |か。 +−+−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−− 構 | |を題にして,作文を書こう | の切り取りを行なわせ,作文 | 成 | |・このごろしたことを思い出す| の見通しを持たせる。 | | | |・構成表にまとめる。 ・友だちと遊んだときのことや | | | | || 勉強のことなど,具体的な様 | | | | || 子を思い出させる。 | +−+−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−− 記 | 3 | このごろしたことの中で, ・前時に書いた構成表をもとに ・ていねいに思い出して書こ | |(本時) 一ばん心にのこっていること | 作文を書かせる。 |うとしたか。 述 | | を,ていねいに思い出して書 | | | | | こう | | | | |・記述する。 | | +−+−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−− 推  4 ・観点を明確にして,間違いを ・友達の作文のよいところを      まちがいをなおして,せい 直す。  見つけることができたか  敲 書しよう       ・友達と交換し読み合うことで, | | ・誤字,脱字を直し,清書す| いいところを見つけさせるこ| | | る。 | とにより,相互評価をさせる。 | | | | 6 本時の指導 | | (1)ねらい ・自分が書きたいことにそって,ていねいに思い出して書くことができる。 (2)授業仮説 ・書く観点を明確にすることにより,ていねいに書けるようになるのではないか。 (3)展開 段階     学 習 活 動 | 発  問 | 教師の支援・評価 |つ|1 前時の学習内容を確認する。 ・構成表を書けた人は手を挙げて |か| | 下さい。 | |む| 2 本時の課題を確認する。 ○どんなことを書きますか。発表・構成表をもとに,書きたい |み| このごろしたことの中で,一 | して下さい。 | こと,題を発表させること |と| ばん心にのこっていることをて ・書きたいことは? | により,書く内容を再確認 |お| いねいに思い出して書こう ・だいは? | させるとともに,意欲付け |す| | | を行う。 |10|3 書く観点を確かめる。 ◎ていねいに書くとき,気をつけ・掲示をもとに発表させる。 |分| | ることは,何でしたか。 | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−− |あ|4 記述する。 ・自分のきめた題でていねいに思・書き進められない子には, |ら| | い出しながら書いていきましょ 机間巡視の中で,話し合い |わ| | う。 | 見つけさせていく。 |す| | ・書き終えた子には,見直し | | | | をさせる。 |30| | ◎書いたり考えたりしている 分 か。 ふ 5 作文を発表する。    ○書いた作文を発表して下さい。 ・書き終わらない子は,家庭 り        学習にする。 か 6 自己評価をする。   ・自己評価をしましょう。   ・簡単な項目で評価させる。 え 7 次時の予告をする。   ・次は,もう一度自分の作文を読 る み直し,清書をしましょう。 5分       7 評価 ・構成表をもとに,作文に仕上げることができたか。 ・ていねいに思い出して書くことができたか。