印刷用紙:B4縦 1ページの行数:66 1行の文字数(半角で):102   −−以下 指導案本文−−   第5学年 国語科学習指導案 日 時 平成8年10月8日(火) 5校時 児 童 第5学年 男18名女13名計31名 指導者 松 田 丈 美 1 単元名 調査したことを 教材名 みんなの読書生活 2 単元について 第5学年の表現領域の目標は,「主題や要旨のはっきりした表現にするため、意図や根拠を明らかにして話 したり、全体の構成を考えて文章を書いたりすることができるようにするとともに、相手や場面の状況を考え て表現しようとする態度を育てる。」である。本単元では,身の回りから調査したい事柄を見つけ,取り上げ た課題をグループで話し合って,楽しく調査させ,集めた資料を整理することで分かりやすい調査文を書くこ とをねらいとしている。 児童はこれまで「こんな学校だったらいいな」の学習で経験したことから主題を明確に持ち,構成メモをも とにインタビューしたことを入れて,意見文を書いてきている。グループ活動で調べたことを調査文にするの は今回が初めてだが,この学習を通してグループ活動の仕方を学び「リレー物語を作ろう」における共同での 文章作成に生かされていくと考えられる。 この教材は,読書生活について調査し,その結果をもとに資料の表現を工夫しながら段落毎の要点をしっか り押さえて書いた調査文である。グループでの話し合いの場面は自分たちの調査活動に役立つものとなってい る。指導にあたっては,何のために調査するかを意識させ,調査方法を個々に選択させる。その上でグループ の調査内容にふさわしい方法かどうかを話し合わせ,考えを深めさせていきたい。また調査方法を分担・共同 する話し合いや協力しあって活動することを通して調査する楽しさを味わわせたい。また,調査した内容が読 み手に分かりやすく伝わるよう,具体的な数字を入れ事実を簡潔な文で記述できるようにさせていきたい。さ らに,文末表現や接続語の使い方を見直させ,理論的な文章になるように工夫させたい。 3 児童の実態と教師の支援 (1)児童の実態 児童は「こんな学校だったらいいな」で主題意識をもって取材し,自分なりの考えが表れる構成表を作成し て意見文を書いてきた。初めて意見文へ取り組んだが,自分自身の興味や関心に合う話題を見つけ出し,体験 や経験を思い出しながら取材メモを作ることができていた。構成についても伝えたいことの中心をはっきりさ せた構成表を作ることで,自分の考えを伝えることができる意見文の書き方を知ることができた。自由作文で とりあげた運動会の作文では構成表の大切さに気付き,それをもとに書き出しや自分の思いがはっきりと表れ る作文が書けていた。 また,学級の児童30名に作文のアンケートを行った結果,半数の児童は作文を書くことを好んでおり,そ の理由として「書きはじめると楽しくなってくる」「思ったことを自由にかける」「友達の作文を読むのが楽 しい」「先生の感想を読むのがおもしろい」等をあげている。半数の児童たちは「書き出しが思いつかない」 「題材を決められるのが嫌だ」「自分の作文を読まれるのが嫌い」「先生に注文をつけられるのが嫌だ」とい う理由をあげている。これらの結果から児童は,作文を書くこと自体は好んでいるものの,題材選び・構成の 仕方・推敲の仕方がよく分からないことがつまずきとなり,意欲的に取り組めないことが分かった。 (2)教師の支援 指導にあたっては,児童一人一人に調査の内容と方法を決定させ,それをもとにグループで話し合わせるこ とでよりよい調査方法や調査のまとめ方を学び合わせていくことが大切だと考える。事前に「今興味をもって いること」のアンケートをとり,発表会を開くことを知らせ問題意識を持たせておきたい。調査方法について は学級活動や係活動を通して,クラスのみんなにアンケートをとったり,インタビュ−をする活動をさせ,新 聞づくりなどを通して調査した資料の活用が日常的にできるようにさせておきたい。 発問については,教材文から内容を深められる話し合いの仕方に気づかせたり,手順を明確にすることでグ ループ活動の活性化を図りたい。構成の段階では教材文の構成の工夫を生かして,自分の構成表を書かせたい 記述の際には生活文と調査文の違いを見つけさせ,効果的な表現や接続語の使い方に気づかせたい。 また,評価活動については,これまで同じ形式で,1時間の学習を振り返る自己評価と,グループ活動や1 時間の学習の中で「なるほどと思わせた人」を発表する相互評価をしてきた。本単元でも同じ形式の場を設定 し,自分の頑張りや友達の考えを認め合う場を設けていきたい。特に「今日の大発見」の欄に友達や自分自身 の頑張ったことを記述させ,友達や自分のよさを見つけて,グループ活動や作文を書くことの楽しさを味わわ せたい。 4 単元の目標 <関心・意欲・態度> ・身の回りから課題を見つけ,その課題について意欲的に調査したり,話し合ったりしようとする。 <表現> ・主題(テーマ)を明確に持ち,調査結果を整理して調査文を書くことができる。 <理解> ・調査文の構成が分かり,調査結果の効果的なまとめ方を理解することができる。 <言語事項> ・接続語(順接)の効果的な使い方ができる。 5 指導計画 (10時間扱い) +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ |段階 時間 学 習 活 動 | 教 師 の 支 援 | 評 価 | +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ |理|1|+−−−−−−−−−−−−−+|・事前に「今興味をもっていること」|・学習のめあてをもつ| |解| || 研究発表会の計画を立てよ|| のアンケートをとり,生活の中で気| ことができたか。 | | | ||う。 || づいたことを発表会で知らせようと| | | | |+−−−−−−−−−−−−−+| いう意識を持たせておく。 | | | | |・教材文を読み,学習のめあてを|・教材文を活用し,学習のめあてを立| | | | | 考える。 | てる。 | | | | |・学習の計画を立てる。 | | | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ | |2|+−−−−−−−−−−−−−+|・調査の進め方や調査文の書き表し方|・調査の進め方や書き| | | || 竹沢さんの作文の工夫して|| についての特徴を理解させるため,| 表し方について理解| | | ||いる点を見つけよう。 || 意見文を提示し,その違いに気づか| できたか。 | | | |+−−−−−−−−−−−−−+| せる。 | | | | |・調査文の書き方を理解し,自分|・児童のアンケート結果を提示し,興| | | | | の作文に生かしたいところを見| 味をもっていることの中からテーマ| | | | | つける。 | を見つけさせる。 | | | | |・テーマを決める。 | | | +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ |主|3|+−−−−−−−−−−−−−+|・調査への意欲を高めるため,調査し|・調べたいテーマとそ| |題| || 自分が調べたいことの調査|| たい理由や誰に伝えたいかを発表さ| の調査方法を決める| |・| ||方法を考えよう。 || せる。 | ことができたか。 | |取|本|+−−−−−−−−−−−−−+|・理解の段階で使った紙板書を提示し| | |材|時|・グループ毎のテーマを確認し,| 調査方法の利点を想起させる。 | | | | | 理由づけして発表する。 |・グループで話し合わせることでより| | | | |・3つの調査方法(アンケート.| よい調査方法を学び合わせる。 | | | | | インタビュー.資料の調査)の|・グループの話し合いの結果を発表さ| | | | | 利点を確かめる。 | せ,表をもとに評価の観点を確かめ| | | | |・個人のテーマと調査方法につい| る。 | | | | | て班毎に話し合う。 |・簡潔な文のアンケートやインタビュ|・調査項目を考えてメ| | |4|・テーマと調査方法にしたがって| ーにするため,様式や誰に何を聞く| モし,調査準備がで| | | | 調査の準備をする。 | かを例にあげる。 | きたか。 | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ | |5|+−−−−−−−−−−−−−+|・調査結果の効果的なまとめ方を話し|・調査結果にあったま| | | || 調査結果のまとめをしよう|| 合わせる。 | とめ方ができたか。| | | || ||・表やグラフの例を示し,調査方法に| | | | |+−−−−−−−−−−−−−+| あったまとめ方を話し合わせる。 | | | | |・調査結果をまとめる。 | | | | | |・必要な表やグラフを作成する。| | | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ | |6|+−−−−−−−−−−−−−+|・「感心したこと」「工夫点」を「お|・調査結果を聞き,感| | | || 調査結果を知らせ,改善点|| 知らせカード」に書いて知らせるこ| 想や問題点を書くこ| | | ||を見つけよう。 || とで友達のよさや改善点について学| とができたか。 | | | |+−−−−−−−−−−−−−+| び合わせる。 | | | | |・班ごとに調査結果を発表する。| | | | | |・感想や問題点を見つける。 | | | +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ |構|7|+−−−−−−−−−−−−−+|・教材文には調査方法が偏りなく取り|・調査結果に沿った構| |成| || 調査結果をもとに構成表を|| 上げられていることを確認し,自分| 成表を作ることがで| | | ||作ろう。 || の調査文に生かしたいことを選択さ| きたか。 | | | |+−−−−−−−−−−−−−+| せる。 | | | | |・調査結果をメモにまとめる。 |・教材文をもとにした構成表を提示す| | | | |・構成表を作る。 | ることによって調査文の構成の仕方| | | | | | を気づかせる。 | | +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ |記|8|+−−−−−−−−−−−−−+|・教材文と生活文を比較し,事実を簡|・事実を簡潔に表現で| |述|9|| 構成表をもとに作文を書こ|| 潔に表現していることや接続語の使| きたか。 | |・| ||う。 || い方を意識づける。 |・観点を理解し,進ん| |推| |+−−−−−−−−−−−−−+|・友達と交換し読み合うことで友達の| で書くことができた| |敲| |・記述する。 | よさを自分の表現に生かすようにさ| か。 | | | |・記述した文章を見直す。 | せる。 | | +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ |活|10|+−−−−−−−−−−−−−+|・「お知らせカード」を利用し,友達|・友達のよさに気づく| |用| || 発表会を開き,友達の調査|| のよさについて学び合わせることで| ことができたか。 | | | ||を今後の生活に生かそう。 || 満足感が得られるようにする。 | | | | |+−−−−−−−−−−−−−+|・生活に生かしたいことを見つけ,記| | | | |・作文の発表をする。 | 述し,実践への意欲化を図る。 | | +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ 6 本時の学習 (1)目標 ・調べたいテーマとその調査方法を決めることができる。 (2)授業仮説 ・テーマに合った調査方法を話し合わせることによって自分の調査方法を決めることができるのではない か。 (3)展開 +−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |段階 学 習 活 動 | 発 問 | 教 師 の 支 援・評 価 | +−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |つ|1.グループのテーマ|○どんなテーマを調査したいと思って|・調査への意欲を高めるため,調査し| |か| を理由づけして発| いますか。またそれを誰に伝えたい| たい理由や誰に伝えたいかを発表さ| |む| 表する。 | ですか。理由もつけて発表しましょ| せる。 | |3| | う。 | | |分| | | | +−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |み| |・竹沢さんのグループはどんな方法で| | |と| | 調査を進めたか,確かめましょう。| | |お|2.本時の課題を確認| | | |す| する。 | | | | |+−−−−−−−−+| | | | || 自分が調べたい|| | | | ||ことの調査方法を|| | | | ||考えよう。 || | | | |+−−−−−−−−+| | | | |3.調査方法の利点を|○竹沢さんたちはどうして3つの調査|・理解の段階で使った紙板書を提示し| |7| 確かめる。 | 方法を選んだのでしょう。 | 調査方法の利点を想起させる。 | |分| | | | | | | | | +−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |あ|4.個人テーマと調査|・自分のテーマと取り組んでみたい調| | |ら| 方法を話し合い,| 査方法をワークシートに書きましょ| | |わ| まとめる。 | う。 | | |す| |◎自分のテーマが調査方法に合うか話|・グループで話し合わせることでより| | | | し合いましょう。 | よい調査方法を学び合わせる。 | | | |(課題追究をする) | | | | | | | | |5.テーマと調査方法|・グループで話し合ったことを表に整|・表の形式と項目を提示することで,| | | を発表する。 | 理しましょう。 | 話し合いの結果のまとめ方を明確に| | | | | する。 | |30| |・グループのよかったところを見つけ|・グループの話し合いの結果を発表さ| |分| | ましょう。 | せ,表をもとに評価の観点を確かめ| | | | | る。 | | | |・グループの発表をもとに表を見直し|・表への整理が早く終わったグループ| | | | ましょう。 | には調査項目を考えてよいことを知| | | | | らせる。 | | | | |◎調べたいテーマとその調査方法を決| | | | | めることができた。 | +−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |ふ|6.自己評価をする。|○今日の学習を振り返り、ワークシー|・「調べたいテーマを決めることがで| |り| | トにまとめましょう。 | きたか。」「自分の調査方法を選ん| |か| | | だ理由が見つけられたか。」の2項| |え| | | 目を丸で評価し,「今日の大発見」| |る| | | には友達や自分の頑張り,本時の学| | | | | 習で学んだことを記述させる。 | | |7.次時の予告をする|・次回はそれぞれの調査の項目を考え|・2,3名に記述した評価を発表させ| |5| | 整理し,調査の準備をしましょう。| て次時への意欲を図る。 | |分| | | | +−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+ 7 評価 ・調べたいテーマとその調査方法を決めることができたか。 板書計画 +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |調査したことを | | みんなの読書生活 | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| || 自分が調べたいことの調査方法を考えよう。 || |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | 調査方法 利点 | | ○ アンケート ・ | | | | ○ インタビュー ・ | | | | ○ 資料の調査 ・ | | | | 話し合いの手順 | | @ テーマと調査方法を決める。 | | | | A テーマに合う調査方法かを考える。 | | | | B グループで協力したり分担できるところを決める。 | | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| || グループの例(表) || || || || || || || || || || || |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ 今月は三コマ「マンガ」の短作文に挑戦です。 さあ−君のユニークな発想を生かして「ブラックX」の声を聞いてみよ う。 (X君はなんていってるのかな?「」のところに書いてみましょう。) 「 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−」 「 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−」 「 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−」 ◎チェック @ 「 」(三つ)を全部かけたか。 ( ) A 、や。をしめして読みやすい会話文を作ったか。 ( )先生か ら +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+