印刷用紙:A4縦 1ページの行数:40 1行の文字数(半角で):80   −−以下 指導案本文−−          第 3 学 年 国 語 科 学 習 指 導 案   日 時 平成8年10月15日(火)1校時        児 童 3年2組(男子16名 女子17名 計33名)   指導者 大川原章郎 1.単元名 感想を大切に   教材名「モチモチの木」 2.単元について  1 教材について 第3学年の理解領域の目標は「内容の要点を押さえながら話を聞いたり、内容の要点 を正しく理解しながら文章を読んだりすることができるようにするとともに、いろいろ な読み物を読もうとする態度を育てる。」である。これを受けて本単元では「場面の情 景や、じさまと豆太の心情を想像しながら内容を読み取り、自分なりの感想をまとめる ことができる。」を主目標とする。この作品は、はらいたで苦しむ大好きなじさまのた めに、真夜中の道を医者様を呼びに走る豆太の人間としての優しさが、主題として描か れている。峠の猟師小屋にじさまとたった二人で暮らす5歳の豆太は、勇敢なおとうや じさまと違い、夜中に一人でしょんべんに行けないほど臆病な性格であった。小屋の前 にあるモチモチの木に対して、昼間は威張っている豆太だが、夜になるとそれが怖くて たまらなくなる。そんな臆病な豆太に対して、じさまは常に優しく愛情を持って接する。 霜月二十日の晩、じさまは豆太にモチモチの木に灯がともる話をする。その灯を見た いと思いながらも、自らを臆病だと思い込んでいる豆太は、初めからあきらめて寝てし まう。その日の真夜中、じさまはひどいはらいたになる。うなっているじさまのために 医者様を呼ぼうと、真夜中の道に夢中で飛び出していく豆太の行動は、じさまを思う優 しさによるものであった。じさまを思いながら、医者様に背負われて小屋へ戻る豆太は、 モチモチの木に灯がついているのを見る。次の朝、はらいたの治ったじさまから「人間、 やさしささえあれば」という話を聞く豆太だが、その晩からは、またもとの臆病な豆太 に戻ってしまう。一人でしょんべんもできない臆病な豆太が、一人で夜道を走るという 勇敢な行動をとった原動力は、じさまを思う優しさであり、その優しさを生み出したの は、じさまの豆太に対する常日頃からの優しさなのである。この作品は@おくびょう豆 太 Aやい、木ぃ B霜月二十日のばん C豆太は見た D弱虫でも、やさしけりゃ  の5つの場面から成り立っている。民話調のあたたかい語り口で書かれているこの物語 は、語り手の気持ちが「まったく、豆太ほどおくびょうなやつはない。」「五つになっ て『シー』なんて、みっともないやなぁ。」の文のように直接文章に表れている点が特 徴的である。また「−」ダッシュの記号により、語り手の気持ちや、豆太の臆病な様子 や気持ちを想像することができる点や、「豆太ほど…」「せっちんぐらい…」といった 強調によって豆太の臆病さを想像しやすくしている点も特徴としてあげられる。「空い っぱいのかみの毛」「霜が足にかみついた」というような擬人化を用いた情景描写は、 場面の様子を豊かに想像させるとともに、豆太の心情も表現している。さらに、豆太が 医者様を呼びに走る場面では、比喩、短い文の積み重ね、倒置法を駆使することにより 豆太の勇敢な行動を緊迫感あふれる文体で感動的に表現している。子供たちは、繰り返 し語られる豆太の臆病さに対してや、臆病な豆太のとった勇敢な行動に対して様々な感 想を持つことができると思われる。これらの点から、本教材は、単元の目標を達成する のにふさわしい教材であると考える。  2 子供について 子供たちはこれまでに「つり橋わたれ」や「三年とうげ」で、叙述に即して登場人物 の気持ちや性格について考えたり、場面の様子を想像したりする学習をしてきた。これ らの学習を通して子供たちは、大切な文や言葉に着目して、人物の気持ちを想像しよう とするようになってきている。また、場面の様子について思い描いたことを、自分なり の言葉で話そうとする子も増えている。しかし、主人公の気持ちの移り変わりを、他の 登場人物との関わりから考えたり、主人公の性格や人物像を押さえた上で考えたりする 力は十分ではない。音読については、全体的に大きくはっきりした声で読み、意欲的な 子が多い。言葉の意味や様子を思い描きながら音読するとともに、読み取ったことを音 読に生かそうとする態度は育ってきているが、まだ十分ではない。子供たちは、これま  でサイドライン引きや視写をするとともに、言葉に着目した書き込みを一人読みで行っ  てきた。書き込みにおいては自分の考えを書くことができるようになってきているのだ  が、視写の速さや文字を丁寧に書く力には大きな差が見られる。学び合いでは、友達の  発言を聞いて、それを手がかりに自分の考えを深めようとする子供も見られるが、ほと  んどの子供は発表をするだけで終わってしまっている。  3 指導にあたって 指導にあたっては、豆太の気持ちの読み取りを中心に進めていきたい。そのために、 豆太の臆病さをダッシュや比喩、擬人化による情景描写、そして語り手の表現から読み 取らせていきたい。そして、場面毎に豆太の気持ちの想像できる文を視写させ、大事な 言葉を見つけてサイドラインを引いたり書き込みをさせたりしながら、叙述に即して読 み深めさせていくようにしたい。また、この作品には、全体を通して豆太に対するじさ まの優しさが描かれている。そこで、じさまの豆太に対する優しさを押さえた上で、臆 病である豆太の勇敢な行動の原動力が、じさまを思う優しさであることをとらえさせた い。そして、豆太の優しさが、じさまの優しさを受けて生じたものであることをとらえ させるとともに、人間としての優しさについて考えさせていきたい。音読では、民話調 の語り口のあたたかさに親しむとともに、登場人物や語り手の心情が分かるように工夫 して音読する態度を育てていきたい。 一人読みでは、豆太の様子や気持ちの書かれている部分を視写し、読み取ったことを 書き込みさせて自分の考えを持たせていきたい。そして、学び合いでは、友達の発言と 関連づけて自分の考えを発表することを心がけさせながら、豆太の気持ちについて読み 深めさせるとともに、全ての場面で書かれているじさまの豆太への優しさについても読 み取らせたい。 3.単元の目標  1 関心・意欲・態度   民話調の語り口に関心を持ち、登場人物の気持ちになって 進んで読み味わおうとする。  2 表現の能力 心に残った言葉や優れた描写の部分を視写して、いろいろ な表現の仕方があることに気付き、自分の作文に生かすこ とができる。]  3 理解の能力 場面の情景や、じさまと豆太の心情を想像しながら内容を 読み取り、自分なりの感想をまとめることができる。  4 言語事項 登場人物の行動や語り手の思いが分かるように、適切な声 の大きさや速さを考えて、音読を工夫することができる。 4.単元の学習指導計画  (13時間) +−−+−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |過程|時間| 学習活動と内容 | 指導の工夫、評価 | +−−+−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | 1|○題名について話し合った後、全文を読んで粗|・登場人物や物語の舞台についてしっかりと押さ| | つ| | 筋をつかみ初発の感想を書く。 | えさせ自分なりの読みのめあてを持たせる。 | | | 1|○新出漢字の筆順と読み、使い方を学習し、難|・漢字についての学習をするとともに、難語句の| | か| | 語句を確かめる。 | 意味、用法についても理解させる。 | | | 1|○感想や小見出しを手がかりに、学習計画をつ|・小見出しの意味について考えるとともに、感想| | む| | くる。 | と小見出しをもとに各場面ごとの課題をつくっ | | | | ていく。 | | | | |◇民話調の語り口で語られる物語の世界やその展| | | | | 開に関心を持ち、進んで読み味わおうとするこ | | | | とができたか。(関心・意欲・態度) | +−−+−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | 1|○「おくびょう豆太」の場面を読み、豆太の臆|・語り手が豆太を臆病だと決めつけていることに| | | | 病ぶりとじさまの優しさを読み取る。 | 気付かせた上で、豆太の臆病さとじさまの優し | | | | さについてとらえさせる。 | | | 1|○「やい、木ぃ」の場面を読み、豆太のモチモ|・モチモチの木がどんな木なのかを押さえた上で| | ふ| | チの木に対する気持ちと、じさまの豆太に対| 豆太の昼と夜とでの木への対し方の違いをとら | | | する優しさを読み取る。 | えさせるとともに、会話文からじさまの豆太へ | | | | の優しさを読み取らせる。 | | | 1|○「霜月二十日のばん」を読み、モチモチの木|・じさまの話を聞いた後の豆太の言動をもとに、| | か| | に灯がともる話を聞いたときの豆太の心情と| 豆太が自分で自分のことを臆病だと思っている | | | 様子を読み取る。 | ことに気付かせる。 | | | 1|○「豆太は見た」の前半を読み、じさまのため|・豆太を心配させまいとするじさまの優しさに気| | |(本時) に、医者様を呼びに夜道を走る豆太の様子と 付かせた上で、医者様を呼びに走る豆太の、じ | め| | 心情を読み取る。 | さまを思う気持ちの強さをとらえさせる。 | | | 1|○「豆太は見た」の後半を読み、医者様におぶ|・豆太がモチモチの木に灯がついているのを見る| | | | われて小屋へ上る豆太の心情と、モチモチの| ことができた理由を考えるとともに、その時の | | | 木に灯がついたのを見た豆太の心情を想像す| 気持ちを想像させる。 | | る| | る。 | | | | 1|○「弱虫でも、やさしけりゃ」を読み、じさま|・豆太のとった行動をもとに、じさまの言葉の意| | | | の言葉の意味について考える。 | 味について考えさせる。 | | | | |◇豆太とじさまの心情や、語り手の思いについて| | | | | 読み取ることができたか。(理解) | | | | |◇豆太とじさまの心情や行動、語り手の思いが分| | | | | かるように工夫して音読することができたか。 | | | | (言語事項) | +−−+−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | ま| 1|○読後の感想を書き、発表しあう。 |・これまで毎時書きためた各場面でのまとめを参| | | | | 考に感想を書き、発表させる。 | | と| 1|○新出漢字の使い方や文字や言葉のまとめをし|・豆太が医者様を迎えに行く場面をもう一度読み、 | | | たり、短い文を重ねた効果的な表現について| どのような効果を生み出していたか考えるとと | め| | 学習したりする。 | もに、実際に短作文を書かせる。 | | | | |◇学習したことを生かし、自分なりの考えを持っ| | る| | | て感想を書くことができたか。(表現) | | | | |◇新出漢字の筆順や使い方が分かるとともに、短| | | | | 文づくりをすることができたか。(言語事項) +−−+−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | ひ| 2|○斎藤隆介の他の作品を読み、紹介文を書く。|・斎藤隆介の作品から一つを選ばせ、感想を交え| | ろ| | | た紹介文を書かせる。 | | げ| | |◇斎藤隆介の他の作品を興味を持って読み、感想| | る| | | を交えた紹介文を書くことができたか。 | | | | | (関心・意欲・態度) | +−−+−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ 5.本時の授業  1 授業仮説 @ 豆太が医者様を呼びに走っている部分を視写し、走っている時の様子や気持ちについて書き込みさせれば、子    供一人一人が叙述に即した一人読みができるであろう。   A 一人読みで考えた豆太の様子や気持ちをもとに、「こわい」と思いながらも豆太が走り続ける理由を話し合わ    せれば、豆太のじさまを思う強い気持ちについて学び合いができ、一人一人の読みが深まるであろう。  2 本時の目標    会話文や医者様を呼びに走っている様子を手がかりに、医者様を呼びに走る豆太の、じさまを思う気持ちの強さ   を読み取ることができる。  3 本時の展開   +−+−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓 |過|時| 学 習 活 動 | 教師の働きかけ | 予想される反応 〓 指導上の留意点  〓 |程|間| | ○主発問 | 〓 (◇評価)   〓 +−+−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−〓−−−−−−−−−−〓 | |2|1.前時の想起をす|・前場面までに繰り返され|・夜中に一人でせっちん〓・豆太が自分自身をお〓 | | | る。 | てきた豆太のおくびょう| に行けない。 〓 くびょうだと思って〓 | | | | さを押さえさせる。 |・「−それじゃぁ、お  〓| いること、そのため〓 |つ| | | | らは、とってもだめ 〓 にモチモチの木に灯〓 | | | | | だ−。」       〓| がともるのを見るこ〓 | | | | |・夜なんて考えただけで〓 とをあきらめて寝て〓 | | | | | おしっこをもらしちま〓 しまったことを押さ〓 |か| | | | いそう。 〓 えさせる。 〓 | |1|2.本時の場面と学|・本時の場面と学習課題を| 〓 〓 | | | 習課題を確認する。 確認させる。 | 〓 〓 | | | | +−−−−−−−−−+−−−−−−−−+ 〓 〓 |む| | | | 医者様をよびに走っている時、豆太は| 〓 〓 | | | | |どんな気持ちだったのだろう。 | 〓 〓 | | | | +−−−−−−−−−+−−−−−−−−+ 〓 〓 | |2|3.読みの視点を確|・課題を解決するための読|・豆太が走っている時の〓◇学習課題と読みの視〓 | | | 認する。 | みの視点を考えさせる。| 様子。 〓 点をつかむことがで〓 | | | | |・豆太の会話文。 〓 きたか。 〓 +−+−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−〓−−−−−−−−−−〓 | |2|4.学習場面を音読|・豆太とじさまの会話文と|(指名読み) 〓 〓 | | | する。 | 豆太の行動描写に気を付| 〓 〓 | | | | けさせながら音読させる。 〓 〓 |ふ|5|5.はらいたでうな|・真夜中に豆太が目をさま|・くまみたいに体を丸め〓・じさまの激しい痛み〓 | | | っているじさまの| すと、じさまはどんな様| てうなっていた。 〓 をとらえるとともに〓 | | | 様子を読み取る。| 子でしたか。 |・ころりとたたみに転げ〓 じさまの言葉から豆〓 | | | | | た。 〓 太を心配させまいと〓 |か| | | |・歯を食いしばってます〓 する優しさを読み取〓 | | | | | ますすごくうなった。〓 る。 〓 | | | |・じさまの痛みはどれくら|・死にそうなくらいにす〓 〓 | | | | いなのでしょうか。 | ごい痛さ。 〓 〓 |め| | | |・がまんができないくら〓 〓 | | | | | いの痛さ。 〓 〓 | | | |・それを見た豆太はどんな|・大変だ。どうしよう。〓・豆太の会話文にも着〓 | | | | ことを考えたのでしょう。・死んじゃうかもしれな〓 目させる。 〓 |る| | | | い。 〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓 | | | | |・医者様を呼びに行こう。 | | | |6.医者様を呼びに| 〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓 | | | | 走る豆太の様子を| 〓 〓 | | | | 読み取る。 | 〓 〓 | | |9| 1一人読みをする。・豆太はどんな様子で走り〓・小犬みたいに体を丸め〓・行動描写から豆太の| | | | | 出しましたか。 〓 て、表戸を体でふっと〓 無我夢中な様子に気| | | | | 〓 ばして走り出した。 〓 付かせる。 | +−+−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓−−−−−−−−−−+ +−+−〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ | | 〓 〓 |・ねまきのまんま。 | | | | 〓 〓 |・はだしで。 | | | | 〓 〓・医者様を呼びに走ってい|+−−−−−−−−−+| | | | 〓 〓 る豆太の様子や気持ちが||霜が足にかみついた。| | | | 〓 〓 書かれている部分を視写||足からは血が出た。|| | | | 〓 〓 しましょう。 ||豆太は、なきなき走|| | |ふ| 〓 〓 ||った。いたくて、寒|| | | | 〓 〓 ||くて、こわかったか|| | | | 〓 〓 ||らなぁ。 || | | | 〓 〓 |+−−−−−−−−−+| | | | 〓 〓・どういうふうに走ってい|・霜が足にかみついた。 |・豆太の様子や気持ち| |か| 〓 〓 るのでしょうか。分かる|・足からは血が出た。 | が分かる言葉に線を| | | 〓 〓 言葉に線を引き、その時|・なきなき走った。 | 引き、書き込ませる。 | | 〓 〓 の様子や気持ちを書き込|・こわかったからなぁ。|◇視写文に進んで書き| | | 〓 〓 んでみましょう。 | | 込みをしているか。| | |12〓 2学び合う。 〓・書き込んだところを発表|「霜が足にかみついた。」 |・友達の発表を自分の| |め| 〓 〓 してください。 |・すごくつめたい。 | 書き込みと比べて聞| | | 〓 〓 |・足に刺さるようだ。 | くようにさせたい。| | | 〓 〓 |・霜が生き物みたい。 | | | | 〓 〓 |「足からは血が出た。」 | | | | 〓 〓 |・いたいよう。 | | |る| 〓 〓 |・一所懸命な様子。 | | | | 〓 〓 |「なきなき走った。」 | | | | 〓 〓 |・足がいたいよう。 | | | | 〓 〓 |・すごくないている。 | | | | 〓 〓 |・一所懸命な様子。 | | | | 〓 〓 |「こわかったからなぁ。」 | | | | 〓 〓 |・夜のモチモチの木がこ| | | | 〓 〓 | わい。 | | | | 〓 〓 |・夜がこわい。 | | | | 〓 〓・こわいのに、どうして走|・大好きなじさまの死ん| | | | 〓 〓 り続けたのでしょう。 | じまうほうが、もっと| | | | 〓 〓 | こわかったから。 | | | | 〓 〓○なぜじさまの死んじまう|・じさまのことが大好き|◇夜のこわさよりも、| | | 〓 〓 ほうが「もっとこわい」| だから。 | じさまを失うこわさ| | | 〓 〓 のでしょうか。 |・豆太に対してとても優| の方が強いことに気| | | 〓 〓 | しいじさまだから。 | 付くことができたか。 | | 〓 〓 |・じさまが死んだら、独| | | | 〓 〓 | りぼっちになってしま| | | | 〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓 | うから。 | | 〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓 〓 | |7.本時のまとめを|・板書をもとに振り返り本| | 〓 〓 | | する。 | 時のまとめをさせる。 | | 〓 〓ま|7| 1豆太の気持ちを|・豆太への手紙や本時の感|・じさまのことが本当に|◇豆太のじさまを思う〓 〓 | | 押さえた上で学| 想などの形で学習のまと| 大好きなんだね。 | 気持ちの強さを読み〓 〓 | | 習のまとめを書| めをさせる。 |・じさまのためにこわく| 取り、まとめている〓 〓と| | く。 | | てもがんばれ。 | か。       〓 〓 | | | |・豆太のことを見直した| 〓 〓 | | | | よ。 | 〓 〓め|2| 2まとめの音読を|・まとめの音読をさせる。|(指名読み) | 〓 〓 | | する。 | | | 〓 〓 |2| 3自己評価をする。・学習の振り返りカードを| | 〓 〓る| | | 使って自己評価させる。| | 〓 〓 |1|8.次時の学習につ|・次時の学習場面と課題に| | 〓 〓 | | いて確かめる。 | ついて確認させる。 | | 〓 〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓       「 モ チ モ チ の 木 」教 材 構 造 図 【 主 題 】 はらいたで苦しむ大好きなじさまのために、真夜中の道を医者様を呼びに走る豆太の人間としての優しさ。 【理解の目標】 場面の情景や、じさまと豆太の心情を想像しながら内容を読み取り、自分なりの感想をまとめることができる。 (理解オ カ キ) 【表現の目標】 心に残った言葉や優れた描写の部分を視写して、いろいろな表現の仕方があることに気付き、自分の作文に生か すことができる。(表現ク ケ) 【 言語事項 】 登場人物の行動や語り手の思いが分かるように、適切な声の大きさや速さを考えて、音読を工夫することができる。 (言語ア【イ】) −−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+ |場面の内容 | 育てたい技能 | 言語事項 | +−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+ 一 おくびょう豆太 |○豆太の人物像や臆病さについて読み取る。(理カ) |・まったく、…ほど…はない。 | 峠の猟師小屋に、じさまと| ・五つ ・(夜中には)一人じゃしょうべんもできない |・もう五つにもなった | |たった二人で暮らす5歳の豆| ・(じさまと)いっしょにねている |・せっちんぐらいに行けたっ| |太。勇敢なおとうやじさまと| ・自分(じさま)とたった二人でくらしている | ていい。 | |違い、夜中に一人でしょんべ| ・(おとうは)くまと組みうちして、頭をぶっさかれて死んだ |・「じさまぁ。」 | |んにいけないほど臆病な豆太|○じさまの人物像や優しさについて読み取る。(理カ) |・「しょんべんか。」 | |だが、じさまの優しさに包ま| ・すぐ目をさましてくれる。 |・いいからなぁ。 | |れて生活していた。 | ・豆太が、かわいそうで、かわいかった ・六十四 |・それなのに、どうして | | | ・青じしをおっかけて、〜 岩から岩へのとびうつり | 〜 なんだろうか−。 | |○豆太から見た、モチモチの木の怖いイメージを読み取る。(理カ)| | | | ・空いっぱいのかみの毛をバサバサ | | | | ・両手を「わあっ。」とあげる | | +−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+ 二 やい、木ぃ |○昼と夜とで変わるモチモチの木に対する豆太の様子を読み取る。|・「やい、木ぃ、モチモチの| | 小屋の前にあるモチモチの| ・昼間は 〜 いばってさいそく (理カ)| 木ぃ、実ぃ落とせぇ。」| |木に対して、昼間は威張って| ・(夜)もう、しょんべんなんか出なくなっちまう。 |・「ああ、いい夜だ。 | |いる豆太。しかし、夜になる|○豆太に対するじさまの優しさを読み取る。(理カ) | 〜 それ、シイーッ。」| |とそれが怖くてたまらなくな| ・しゃがんだひざの中に豆太をかかえて |・みっともないやなぁ。 | |る。夜、膝の中に、しょんべ| ・「ああ、いい夜だ。〜 それ、シイーッ。」 | | |んをする豆太を抱えるじさま| ・かならずそうしてくれる | | |は、どこまでも優しく豆太を|○秋の恵みの木と夜のお化けの木という、モチモチの木の二つのイ| | |包み込む。 | メージを読み取る。(理オ) | | | | ・秋になると、茶色いぴかぴか光った実 | | | | ・ほっぺたが落っこちるほどうまい | | | | ・(夜)両手で、「お化けぇ。」って、上からおどかす | | +−−−−−−−−−−−−−〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓−−−−−−−−−−−−−+ 三 霜月二十日のばん    〓○豆太が自分で自分を弱虫だと思っていることを読み取る。(理カ)〓・「−それじゃぁ、おらは、| | 霜月二十日の晩、モチモチ〓 ・「−それじゃぁ、おらは、とってもだめだ−。」 〓 | とってもだめだ−。」 | |の木に灯がともる話をするじ〓 ・ちっちゃい声で、なきそうに言った。 〓・「昼間だったら、見てえ | |さま。その灯を見たいと思い〓 ・「昼間だったら、見てえなぁ−。」 〓| なぁ−。」 | |ながらも、初めからあきらめ〓 ・おしっこをもらしちまいそうだ−。 〓| | |てしまう豆太。豆太が灯を見〓 ・はじめっからあきらめて、 〓 | |ることを望むじさまだが、宵〓○豆太がモチモチの木に灯がともるのを見ることを願うじさまの気〓 | |の口から寝てしまった豆太に〓 持ちを想像する。(理カ) 〓 | |変わらない優しさで接する。〓 ・そりゃぁ、きれいだ。 〓 | | 〓 ・おらも、子どものころに見たことがある。死んだお前のおとう〓 | | 〓 も見たそうだ。 ・山の神様のお祭りなんだ。 〓 | | 〓 ・一人の子どもしか ・勇気のある子どもだけ (理カ)〓 | | 〓○豆太の想像したモチモチの木の美しいイメージを読み取る。 〓 | | 〓 ・えだえだの細かいところにまで、みんな灯がともって 〓 | | 〓 ・明るくぼうっとかがやいて ・ゆめみてえにきれい 〓 | +−−−−−−−−−−−−−〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓−−−−−−−−−−−−−+ 四 豆太は見た |○苦しんでいるじさまの様子を読み取る。(理カ) |・「じさまぁっ。」 | | 真夜中、はらいたでうなっ| ・くまのうなり声 ・くまみたいに体を丸めてうなっていた |・「じさまっ。」 | |ているじさまのために医者様| ・ころりとたたみに転げると、〜 ますますすごくうなる |・「医者様をよばなくっちゃ」 |を呼ぼうと、夢中で飛び出し|○医者様を呼びに行く豆太の様子や気持ちを読み取る。(理カ) |・こわかったからなぁ。 | |ていく豆太。大好きなじさま| ・小犬みたいに体を丸めて、表戸を体でふっとばして走りだした|・「おう、おう−。」 | |を思いながら、医者様に背負| ・ねまきのまんま。はだしで。 ・足からは血が出た |・「モチモチの木に、灯がつ| |われて小屋へ戻る豆太は、モ| ・なきなき走った。 ・いたくて、寒くて、こわかった | いている。」 | |チモチの木に灯がついている| ・大すきなじさまの死んじまうほうが、もっとこわかった | | |のを見る。 |○医者様の背で、じさまを心配する豆太の気持ちを読み取る。 | | | | ・医者様のこしを、足でドンドンけとばした。 (理カ)| | | | ・死んじまいそうな気がした | | | |○霜月二十日の晩の情景について読み取る。(理オ) | | | | ・すごい星で、月も出ていた | | | | ・一面の真っ白い霜で、雪みたい | | | | ・月が出てるのに、雪がふり始めた | | | |○モチモチの木に灯がついているのを見た豆太の気持ちを想像する。 | | | ・「モチモチの木に、灯がついている。」 (理カ)| | +−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+ 五 弱虫でも、やさしけりゃ |○じさまの言葉の意味を考えて感想を持つ。(理キ) |・「じさまぁ。」 | | 次の朝、はらいたの治った| ・人間、やさしささえあれば、やらなきゃならねえことは、きっ|・起こしたとさ | |じさまから「人間、優しささ| とやるもんだ。 | | |えあれば」という話を聞く豆|○じさまが元気になった後の豆太の様子を想像する。(理カ) | | |太。しかし、その晩からは、| ・しょんべんにじさまを起こした | | |またもとの臆病な豆太に戻っ| | | |てしまう。 | | | +−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+