小学校3年 理科(草木の葉のしげるころ) 指導案 仁王小学校 用紙は A4 縦  1行 92字(半角) 1ページ 49行に設定してください。            ・第・3・学・年・理・科・学・習・指・導・案                                   指導者 阿 部 祐 基 T.単元名  草木の葉のしげるころ U.単元について   これまでに、子どもたちは、学校の花壇や地域の自然の中からいろいろな植物を探したり、アサガ  オやヒマワリなどの植物の種子を蒔いて育てたりして、いつごろどんな草花を見付けたとか、いつご  ろどんな種子を蒔いたなどと、その季節が思い出せるような経験を重ねたり、植物の成長順序に気付  いたりしている。   ここでは、このような経験を基にして、暖かい季節、寒い季節における植物の成長の様子を調べな  がら、季節の特徴をはっきりとらえることができようにさせる。そして、その変化を観察したり、記  録したりできるようにするとともに、自然の変化に関心をもたせるようにする。それらの活動を通し  て、植物の成長の様子には季節によって違いがあることを理解させるのがねらいである。   学習の進め方としては、まず、春の頃から継続観察していた校庭の草木、特に樹木の様子を、花葉、  実の変化を中心に観察させる。この観察の中で、葉が大きくなって樹木全体を覆っていることや春の  頃は花だったと頃が実に変わり、その実が色づきはじめているものがあること、暑くなってきた今頃  に花を咲かせる植物があることなどに気付かせる。また、観察をさせながら、春の頃の様子と比べさ  せて、植物の成長の季節的な違いにも気付かせる。次に、観察している植物の回りに集まる小動物に  注目させ、春の頃と比べ、アリやアブラムシ、テントウムシなどの小動物が、頻繁に見られるように  なったこと、出現する小動物の種類が著しく増えたことに気付かせる。さらに、春に植えておいたヘ  チマなどの植物も、その植物体の高さ、葉の数や大きさなどを実測させて、その成長に気付かせる。  ここでは、1日ごとの成長を、茎の伸びを実測しながら確かめ、その成長のはやさにも気付かせるよ  うにする。そして、ヘチマなどの花のつくりに着目させて実のでき方について予想させ、これからも  継続して観察しようとする意欲を持たせる。温度は、観察の度に測定させるようにし、温度の上昇と  ともに植物の様子が変化していることに気付かせるようにする。最後に、今までの観察記録に、温度  の測定結果を絡ませてまとめ、暖かい季節の植物の成長について理解させる。   指導にあたっては、子どもひとりひとりに1年間継続して観察していく『わたしの木』を決めさせ  て観察に取り組ませる。この取り組みで、季節的な変化をよりとらえやすくさせるとともに、自分の  木という意識を育てながら生き物を大切にしようとする心情を育てていきたい。また、植物の成長を  温度との繋がりで考えさせるようにし、さらに、この季節の成長を植物からばかりでなく、小動物の  活動の様子や雲の形態の様子からなどでもとらえさせ、1年間の季節の中の変化としてとらえさせる  ようにする。 V.単元目標 1.知識・理解  @暖かさが増すにつれ、植物がよく成長し、葉が茂ってくることを理解させる。  A春の頃とは異なった草木に花が咲き、4月から5月に花が咲いていたものには実がなっている    ものが多いことを理解させる。  B草木の葉が茂ると、それらを食べる虫が多くなり、よく活動するようになることを理解させる。   Cヘチマは、め花のもとがふくらんで実になることを理解させる。  D日なたの土や水の温度は、日かげの土や水の温度より高いことを理解させる。  E晴れの日の土や水、空気の温度は、くもりの日より高いことを理解させる。 2.実験・観察の技能  @生物の様子や変化について、特徴をとらえた適確な記録ができるようにする。  Aヘチマのめ花とお花の花のつくりの違いを正しく記録し、実までの変化を正しく記録できるよう   にする。  B棒温度計を使って、地面の土、水、空気の温度を正しく測り、正しく記録できるようにする。 3.  科学的思考  @春に調べた草木の変化やこの頃の生物の様子を、温度と関係づけて考えることができるようにさ   せる。  Aヘチマやキュウリの茎の急な伸びを、温度と関係づけて考えることができるようにさせる。 4.関心・態度  @草木や虫のようすが春のはじめの頃と変わったことに関心を持たせ、進んで調べようとする態度   を養う。  Aこのごろの生物の様子を進んで観察し、記録しようとする態度を養う。 W.指導計画   (10時間)  第1次  草木調べ…………………………………………………………3時間   ・春のころ観察した草木は、どうなっているだろう      (本時 1/10時)   ・このごろは、どんな花が咲いているだろう   ・観察したことを春の頃とくらべて、その違いをみつけよう  第2次  虫調べ……………………………………………………………2時間   ・くさむらには、どんな虫が出てきただろう  第3次  ヘチマやキュウリの育ち………………………………………3時間   ・ヘチマやキュウリは1日にどれくらい伸びるのだろう   ・ヘチマやキュウリの花のつくりを調べよう  第4次  草木の葉のしげる頃の生き物の様子……………………2時間   ・この頃の生き物の様子をまとめよう X.本時の指導  1.教材と子ども    樹木は、季節に応じて変化する様態がはっきりしている。また、1年間かけてゆっくり変化して   いく。そのため季節的な変化をとらえさせる3年生の学習には適切であると考え、樹木観察を取り   上げることにした。    本校の校庭には約70種の樹木が植えられている。3年生の子どもたちも、入学以来、校庭の木   の季節的な変化は見てきているが、実際には、その季節的な成長にほとんど意識が向けられていな   い。アメリカキササゲなど、春先に葉が芽ぶいていない樹木は、死んでいるではないかと考えたり、   花をつける木はサクラぐらいだろうと思っていたりしている。また、サクラのつぼみを見ても、花   のつぼみと実のつぼみを分けて考えていたりしている。これらのことは、1・2年生のときに栽培   したアサガオやヒマワリの観察を通して理解した成長の順序性のきまりを、他のサクラなどの植物   へ応用することができないでいることを示している。    そこで、この子どもたちには、樹木観察の視点として、花や実、葉など、前の観察と比較させて   目立った変化を記録させるようにしてきた。その結果、樹木の変化を通して、植物の成長を順序立   てて見ることができるようになってきている。また、どんな樹木にも、サクラや草と同じように花   が咲き、実がなることに驚きをもって見るようになってきた。   今までの観察の中で、子どもたちには、次に上げるような気付き方に差が見られている。    ・教師や友だちから指摘されないと、成長の違いに気付くことができない。                         (このような子どもをA群とする。)    ・友だちと指摘し合いながら、成長の違いに気付くことができる。                         (同じくB群とする。)    ・自分から成長の違いに気付き、友だちや教師に正確に伝えることができる。                         (同じくC群とする。)    このような多様な気付き方をしている子どもたちに、温度の変化と植物の成長との関係を追究さ   せ、その関係をとらえることができるようにさせたい。そこで、子どもひとりひとりが、1年間を   通じて変化していく植物の様子の何に注目するのかをはっきりさせるように留意するとともに、上   記のA、B、C群から抽出児を設定して窓口としながら指導したいと考える。  2.ねらい    観察したことを基にして、この頃の草木の成長の様子を春の頃と比べながら、温度の上昇ととも   に草木が成長してきていることに気付かせる。  3.展  開 --------------------------------------------------+---+---------------------------------  学習  学習活動                  | 時|                            |  | 指導上の留意点     準備等   内容 教師のはたらきかけ   期待される子どもの反応| 間| --------------------------------------------------+---+---------------------------------  問題 1.春の頃と比べて、植物 ・花が咲いている。  | 3| ◎前単元「あたたかくな 移動黒   把握  の様子がどのように変 ・葉の数が多くなった。|  |  って」の学習を想起さ 板      わってきたか考えさせ、・葉が大きくなった。 |  |  せながら、今まで観察      発表させる。     ・実がたくさんついてい|  |  してきた草木がどのよ                  る。        |  |  うになっているだろう                            |  |  かという疑問を持たせ     2.本時の問題を把握させ ・このごろの草木の様子|  |  て、問題に導くように      る。          を調べたい。    |  |  する。 | |      春のころとくらべて、このごろの草木はどのよ | |      うにかわってきただろうか。・ | |  予想 3.今の校庭の様子を、春 ・花の咲いていなかった| 7| ◎日常、校庭を見ていて 今まで       の頃と比べて、どこが  ものでも、花をつけて|  |  気付いていることや、 のスケ       どう変わってきたか、  いるものがある。  |  |  今までの観察結果から ッチ        予想させる。     ・葉が大きくなっている|  |  予想させる。                  だろう。 | |                 ・葉の数が多くなってい| |                  るだろう。 | |                 ・背丈が高くなっている| |                  だろう。 | | | | ★----- 3.自分の木の観察をさせ、・花が咲いている。  | 25| ◎観察は、同じ木ごとに 棒温度  の共有   発見したことをノート  (--------- 等) |  |  グループをつくらせて 計         にまとめさせる。   ・葉の数が多くなった。|  |  行わせ、自分の木を中 ノート                  ・葉が大きくなった。 |  |  心に観察させるように 筆記用                  (--------- 等)   |  |  する。        具                    ・実がたくさんついてい| | ◎グループの中でお互い                       る。        |  |  に発見したことを教え                  (----------- 等) | | 合いながら観察させる                  ・実が色づいている。 |  |  ようにする。                      (------ 等)    |  |             | | ★----- 4.観察してわかったこと            | 10| ◎まとめのグループは、 今まで  の共有   をグループごとに整理            | | 観察した木が違う子ど のスケ       する。                   |  |  もたちで構成し、お互 ッチ                            |  | いの観察結果を基にし 本時で                             |  | て、このごろの植物の のスケ                             |  | 様子について、春との ッチ                            |  | 違いをはっきりさせて                            |  | まとめさせる。 | | まとめ  5.学習をまとめさせる。            | | ◎まとめたことは、画用 振り返り                        | |  紙等に書かせて黒板に     このごろの草木は、春のころとくらべると、葉  | |  掲示し、全体にも意識     が多くなったり、大きくなったりしている。ま  |  |  づける。     た、実をつけているものも多い。        |  | ◎本時の追究の態度を振 振り返                            |  |  り返りカードに記入さ りカー                            |  | せる。        ド --------------------------------------------------+---+---------------------------------