印刷用紙:A4縦 1ページの行数:52 1行の文字数(半角で):80 小学校教育評価 研究主題 学習への進歩を実感させる評価活動の在り方に関する研究 −−−単位時間において努力を認め、励ます活動を通して−−− 下記の学習指導案は指導計画に基づき、自己評価カードを使用し、認め励ます評価活 動を取り入れた4年理科の単元「もののあたたまりかたと体積」における「空気の体積変 化」2/2時のものである。 第 4 学 年 理 科 学 習 指 導 案 日時 平成5年 9月13日(月) 3校時 児童 水沢市立常盤小学校 4学年(男子20名女子20名) 授業者 長期研修生 高 橋 和 子 1 単元名 「もののあたたまりかたと体積」 「空気の体積変化」−−−−−第2次・第2時(2/5時間目) 2 本時の目標 いろいろな方法で、空気を温めたり冷やしたりすることによって起こる現象を、空 気の体積変化によるものであると理解することができる。 3 指導にあたって 本時は温度変化による空気の体積変化について、前時に理解したことをさらにいろい ろな方法で実験することにより、体積変化の意味を確かに理解させる時間である。 児童は前時に空気が温度によって体積がかわることをシャボン玉作りにより理解はし ているものの、体積がへるとかふえるの意味の理解は十分ではない。 そこで本時はいろいろな実験方法を用いて、温めたり冷やしたりしながら空気の温度 変化による現象をさまざまに観察することにより、それは空気の体積変化によるもので あることを理解させていきたい。また、学習の成果を児童に実感させるために、授業の 過程において評価の観点を明示しながら進め、学習のまとめの段階で評価カードを用い て5つの観点で自己評価させる。そしてその発表を通して、認め励ます活動をすること により、学習の成果を自己の努力として自覚し、成就感や新たな目標をもつことができ るようにさせていきたい。 4 具体的目標 +−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |関心・意欲・態度| 実験方法を選び、自分の考えをもって実験を成功させようとす| |(重点とする評価)|る。 | +−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |思考・判断 | いろいろな方法で空気を温めたり冷やしたりすることによって| |(科学的思考) |起こる現象を空気の体積変化によるものであると考えることがで| | |きる。 | +−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |技能・表現 | 自分の選んだ実験方法で、体積変化を確かめながら実験するこ| | |とができる。 | +−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |知識・理解 | 空気を温めると体積が増え、冷やすと減ることが分かる。 | +−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ 5 本時の展開 +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−+ |段階| 学 習 内 容 及 び 活 動 |指導上の留意点 | 評 価 | +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−+ |つ |1 考えてきた実験方法を見て、いろい|・ 考えてきた子ども | | |か | ろな実験方法があることに気付く。 | 全員分の掲示をする | | |む | | ことにより、学習へ | | | |2 課題を把握する。 | の意欲をもたせたい | | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−+| | | | || 自分たちが調べたい方法で、空気|| | | | ||をあたためたりひやしたりするとど|| | | | ||のようになるか、実験してみよう。|| | | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−+| | | |ふ |3 予想し、実験をする。 | | | |か |(1) 考えてきた児童の方法を聞きなが|・ アイデアのある児 | | |め | ら予想をたてる。 | 童の方法を簡単に説| | |る | ・ 温めたり冷やしたりするとどうな| 明させる。 | | | | るか。 |・ 空気を入れるとこ | | | | | ろや、何で体積変化 | | | | ラップは インクは | を調べ、それはどの | | | | | ようになるか予想を | | | | | 立てさせる。 | | | | 手ぶくろ 注射器の |・ 中の空気の体積が | | | | ピストン | 増えたり、減ったり| | | | | しておこる現象であ |思考・判断| | | | ることをおさえたい | 発表から| | | |・ 目盛りや目印を付 |学習態度 | | | ゼリー | けるとよいことに気 | 発表から| | | | 付かせる。 | | | | |・ ゼリーの方法は先 | | | | | 生の考えとする。 | | | |(2)実験をする。 |・ 2〜3人一組でや | | | |(3)実験結果と中の空気の様子を記 | りたい方法を決定さ | | | | 録する。 | せてから実験をさせ | | | |4 まとめをし、自己評価する。 | る。 | | | | |・ 興味ばかりに走ら| | | |(1)発表し、まとめる。 | ないよう、中の空気|実験・技能| |ひ |+−−−−−−−−−−−−−−−−+| を温めたり、冷やし | 実験から| |ろ || 空気をあたためたりひやしたりす|| たりすることによっ |関心・意欲| |げ ||ると中の空気の体積がふえたりへっ|| て、体積変化が起こ |・態度 | |る ||たりして、ラップや手ぶくろがふく|| ることを観察させ、 | 実験の様| | ||れたり、インクやピストンがあがっ|| 失敗したときは理由 | 子から | | ||たり、ふたやゼリーが動いたりする|| を考え、再び試みる |思考・判断| | |+−−−−−−−−−−−−−−−−+| ことを指導する。 | 記録から| | | |・ 温度変化によって | | | | | いろいろな現象がお |学習態度 | | | | こるのは、体積が増 | 発表、聞| | | | えたり減ったりした | き方 | | |(2)自己評価カードへ記録する。 | ためであることを確 |知識・理解| | | ・ 観点にそってできたところに色 | 認する。 | まとめか| | | をぬり、新しく知ったこと、友だ | |ら | | | ちの言動から学んだことや次にが | | | | | んばる目標を記録する。 |・ 自分の学習の成果は自己の努力| | | | の結果であるという意識をもたせ| | | | たい。 | | |(3)認め励ます活動をする。 |・ 評価の観点は、上記の観点を視| | | ・ 自分のカードを見ながらできた | 点にして記録させる。 | | | ところを学習の成果として発表す |・ 友達の学習の成果を聞いて、友| | | る。 | 達と比べ、自分は何が分かり何が| | | | できるようになったか、自分をふ| | | ・ 友達の発言から、学んだことを | りかえって考えられるようにする| | | 認め合う。 |・ 学習の成果を実感させ、次時の| | | | 学習の意欲に結びつけたい。 | +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+