印刷用紙:A4縦 1ページの行数:40 1行の文字数(半角で):80   −−以下 指導案本文−−            第5学年理科学習指導案                        期 日 9月13日(金)1校時                        児 童 3組 男22,女14 計36名                        指導者 及川 登志彦                        場 所 5年3組教室 1 単元名  「5.動物と人のたんじょう (東京書籍 5上)」 2 単元について (1) 教材観     これまで子供たちは人体について,第3学年「人のからだをしらべよう」の学習    の中で,目・耳・皮膚などの感覚器官のはたらきや骨・筋肉のはたらきについて調    べてきている。また,第4学年「生きものの1日と人のからだ」を通して,運動前    後の脈拍や体温の変化について調べ,さらに第5学年「魚のたまごの成長」におい    て,動物には雌雄があり魚は卵の中の様子が変化してかえること等,生命誕生の神    秘性について気づいてきている。     この単元ではまず,いろいろな動物について親から生まれてくるときの姿につい    て資料を通して調べた後,動物には卵から生まれてくる動物と親と似た姿で生まれ    てくる動物があることをとらえさせる。また,動物の雄と雌の体の違いを調べなが    ら,生命誕生とは動物の雌の卵と雄の精子が結びつくことであることに目を向けさ    せる。     次に,人の女性と男性のからだの違いについても調べ,人の誕生も他の動物と同    じように受精から始まることをとらえさせた後,子宮内のつくりについて着目させ    る。さらに,胎児の形や大きさの変化,母体のしくみについて資料で調べる活動を    通して母体のつくりの巧みさや生命の連続についての見方や考え方を育てていく。 (2) 児童観     子供たちの実態調査(36名)を行った結果,@「お母さんは赤ちゃんを産むと    き,どんな思いをすると思いますか」という設問(自由記述,複数回答)に対し,    「うれしい」という回答が24名(67%),「楽しみにしている」が6名(17    %),「いたい」が20名(56%),「苦しい」が21名(58%),「つらい」    が12名(33%)であった。このことから児童の多くは「母親は感動や期待感を    抱いて出産に臨む反面,それは苦痛や不安を伴うものである」ことに気づいている    といえる。〈図 1〉     A「赤ちゃんがお母さんのおなかの中でくらしているとき,どのようにして栄養    をとっていると思いますか」という設問(自由記述)に対する回答は,「お母さん    から」と回答した子が9名(25%)「お母さんが食べたものを食べている」が5    名(14%)「お母さんが食べたものが栄養になり,それを赤ちゃんが食べる」が    1名(3%),「へそから」が1名(3%),「お母さんから赤ちゃんにつながっ    ている通路から」が1名(3%)「へその緒から」が19名(53%)であった。     このことから,児童は胎児が成長していくために必要な養分を母親から受け取っ    ていることには気づいているものの,それがどのようにして行われているかという    ところまでには至っていないということがわかる。     次に,B「赤ちゃんがお母さんのおなかの中でくらしているとき,どのようにし    て息をしていると思いますか」という設問(自由記述)に対しては,「息はしてい    ない」が1名(3%),「お母さんのおなかの中に空気があり,息をしている」と    いう旨の回答が21名(58%),「食物と一緒に送られる」が1名(3%)「お    母さんのした息をへその緒で吸う」が1名(3%)「へその緒で」が3名(8%),    「その他」が3名(8%),無答が6名(17%)であった。胎児のまわりには空    気があり,それを自分たちと同じように吸ったりはいたりしているととらえている    児童が多くいることがわかるとともに,羊水の存在にはほとんど気づいていないと    いえる。 (3) 指導観     本単元は受精から母体の中の胎児の成長,出生までを取り扱う学習のために,観    察・実験等を直接児童に経験させることが難しい。そこで,資料活用を中心とした    活動を展開していくが,本学級の児童は,そのような活動に関してまだ初期の段階    であり,ただ資料活用を中心とした学習を展開するだけでは自分が必要とする資料    を探すだけで精一杯だったり,あるいは単に文献を写すだけに終わってしまい,十    分な理解までには至らなかったりする場合が考えられる。     そこで,児童に自分が調べたいテーマについて自己決定させ,テーマに即した資    料を教師が学習雑誌,図鑑,婦人雑誌,科学雑誌等から児童にとってわかりやすい    と思われる内容のものを抜粋して与えることによって理解をより深めさせたい。    さらに,本単元はその内容上,どうしても児童の五感を通しての活動が少なくな    りがちになるので,効果的にVTRや図を活用しながら視覚的にとらえさせたり,    胎児の粘土模型の作成や育児指導用の人形(誕生時の身長及び体重が同程度)の活    用を取り入れながら,児童の実感に近づけていくように配慮していきたい。     そして,児童の家庭環境には十分配慮しつつ,お腹に赤ちゃんがいるときの母親    の思いを家の人からインタビューする等の活動を取り入れることによって,単なる    知識の注入にとどまることなく,生命の尊さに気づかせながら生命尊重の態度を育    てていきたい。 3 単元の目標 (1) 単元の主目標     人と他の動物とを比較したり資料を活用したりしながら,男女のからだの様子の    違いと母体内での胎児の成長をとらえさせるとともに,人も他の動物と同様に,生    命は連続していることに気づくことができる。 (2) 学習指導要領との関連 +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | @目標 | | (1)生物の発生や成長をそれらにかかわる条件に目を向けながら調べ,見いだ| | した問題を意欲的に追究する活動を通して,生命を尊重する態度を育てると| | ともに,生命の連続性についての見方や考え方を養う。 | | | | A内容 | | A(3) 人と他の動物を比較したり資料を活用したりして,人の発生や成長な| | どを調べることができるようにする。 | | ア 人は,男女によって体のつくりなどに特徴があること。 | | イ 人は,母体内で成長して生まれること。 | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ 4  活動の概要及び目標と評価 +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ |次|時| 学 習 者 の 活 動 | 教 師 の 支 援  | 関心・意欲・態度 | 科学的な思考  |観察実験の技能表現|知 識 ・ 理 解| +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ | | |・親からうまれたばかりの動物の子どもを見た経験について話|・児童の要求に応じて繰り|・動物のうまれると| |・動物がうまれる時| | |第| | し合う |返しVTRを視聴できるよ|きの様子に興味を持| |の様子の違いを自分| | |一| |・VTR(馬の誕生,めだかの誕生場面)を視聴する。 |うにする |ち,進んでいろいろ| |なりの方法で記録す| | |次| | 「メダカは卵でうまれてくるけど,ウマはウマのすがたでう|・誕生だけでなく,その後|な資料で調べようと| |ることができる | | | | | まれている」 |の動物の様子や母親の子に|する | | | | |動|1| 「ウマの赤ちゃんに何か膜のようなものが見える」 |対する愛情についても気づ| | | | | |物| |+−@−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+|かせていきたい | | | | | |の| || 親からうまれるときのすがたは,動物によってどうちが|| | | | | | |う| ||うのだろうか || | | | | | |ま| |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | | | | | |れ| |・いろいろな動物について,親からうまれるときのすがたを資| | | | | | |る| | 料で調べる | | | | | | |す+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ |が| |+−A−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+|・卵でうまれる動物につい| |・動物には,卵でう| |・動物には卵でうま| |た| ||動物のうまれるときのすがたは,動物によってどのように||ては,親が卵の世話をする| |まれて子どもがかえ| |れるものと親と似た| |を| ||ちがうのだろうか。調べたことをまとめよう ||かどうか,親が卵からかえ| |るものと,子どもが| |形で生まれてくるも| |し| |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+|った子どもを世話するかど| |親と似たすがたでう| |のがあることを理解| |ら|2|・調べた動物について,記録したことを発表し合う |うかについても確認させる| |まれるものがあるこ| |することができる | |べ| | 「カメは卵でうまれてくる」 |・動物のVTRをできるだ| |とを,類別して考え| | | |よ| | 「サルやライオンは親と似たすがたでうまれてくる」 |け用意し,視聴させる | |ることができる | | | |う| |・親が卵をうむ動物では子どもは卵の中からしか養分をもらえ| | | | | | | | | ないこと,親と似たすがたでうまれる動物は母親の乳を飲ん| | | | | | | | | で育つことをVTR等の資料からとらえる | | | | | | +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ | | |+−B−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+|・VTR(TDKビデオ教| |・どの動物も,雌の| |・動物では雌の体内| |第| ||動物の子どもの生命は,どのようにして誕生するのだろう||材小学校理科)を視聴し,| |卵と雄の精子が受精| |で卵がつくられ,雄| |二| ||か ||イヌの雌と雄のからだの違| |することによって生| |の体内では精子がつ| |次| |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+|いについて理解させる | |命が誕生し,子ども| |くられることを理解| | | |・イヌの資料を提示し,雌と雄のからだの中のつくりの違いを|・精子,卵,受精などの用| |がうまれると考える| |することができる | |動| | とらえる |語については教師側から簡| |ことができる | | | |物|1|・精子,卵,受精について理解する |単に説明を加える | | | | | |の| |・イヌの母親の子宮の中の子どもの成長について資料を活用し| | | | | | |め| | ながら調べる | | | | | | |す| |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | | | | | |と| ||動物のめすの卵とおすの精子が結びつく(受精)と受精卵|| | | | | | |お| ||となり,生命が誕生して成長を始める || | | | | | |す| |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | | | | | |と+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ |生| |+−C−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+|・イヌ以外の動物について|・動物の雌と雄の体| |・いろいろな動物の| | |命| ||動物のめすとおすのからだのつくりを本やビデオなどで調||特に,外形からおすとめす|のつくりの違いに興| |雌と雄のからだの外| | |の| ||べ,くらべてみよう ||を判別できるものを中心に|味を持ち,観察した| |形の特徴を調べて,| | |た| |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+|図等の表現を用いながらま|り図鑑などを活用し| |その違いを記録にま| | |ん| |・いろいろな動物について,雌と雄のからだの大きさ,色や模|とめさせる |たりして進んで調べ| |とめることができる| | |じ|2| 様,からだの各部の違いなどについて調べ,記録する | |ようとする | | | | |ょ| | 「ライオンのおすにはたてがみがあるけど,めすにはたてが| | | | | | |う| | みがない」 | | | | | | | | | 「ニワトリのおすとめすとではとさかの形が違う」 | | | | | | | | | 「オットセイのおすとめすとでは体の大きさが違う」 | | | | | | | | | 「コガモのおすとめすとでは羽の模様が違っている」 | | | | | | +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ | | |+−D−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+|・受精の理解については,| |・男女で,体型や乳| |・男女では,外見的| | | ||人の女性と男性のからだは,どこがちがうのだろうか ||VTR(NHK 驚異の小| |房の大きさ,性器の| |に体型や乳房の大き| | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+|宇宙人体 生命誕生)を活| |つくりなどに違いが| |さ,外性器などに違| |第| |・人の女性と男性のからだの表面の違いについて話し合う |用する | |あるのは,子をうむ| |いがあることがわか| |三| | 「女性は丸みをおびたからだつきだが,男性はがっしりして|・受精卵についてのVTR| |ことと関係があると| |る | |次| | いる」 |を視聴した後,黒い紙に,| |考えることができる| | | | | | 「女性は乳房がふくらむ」 |02oの針の穴を開け,そ| | | | | | |1| 「男性はひげがはえる」 |れが卵子の大きさであるこ| | | | | | | |・人の女性と男性のからだの中の違いについて資料を活用し,|とを告げる。そしてこれが| | | | | | | | 調べる |どのようにして人間の形に| | | | | | | | 「女性のからだの中には卵巣や子宮がある」 |なっていくのかについての| | | | | |人| | 「男性のからだの中には精巣がある」 |問題追究の意欲を喚起する| | | | | | | |・卵子と精子が女性の体の中で結びつくことを受精といい,そ| | | | | | |の| | れが人の生命の誕生であることをVTRを通して知る | | | | | | | | | 「母親のおなかの中で胎児はどのようにしているんだろう」| | | | | | |女+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ | | |+−E−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+|・前時の男性と女性の内性| |・子宮内の胎児のか|・子宮内の胎児のか| | |性| ||お母さんのおなかの中に,赤ちゃんのからだはどんなふう||器の違いの学習から,本時| |らだが下を向いてい|らだの向きについて| | | | ||に入っているのだろう ||から子宮の中の胎児の様子| |る理由について自分|自分なりに理由付け| | |と| |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+|について学習することを確| |なりに推論すること|をしながらノートに| | | | |・母親のおなかの中の胎児の体の向きを想像し,自分の考えを|認する | |ができる |まとめることができ| | |男| | 持つ |・子宮の中には胎児の他に| | |る | | | | | 「子宮から出てくるときに,頭が下にある方が都合がいいん|へその緒,胎盤,羊水等が| | | | | |性|2| じゃないかな」 |存在することを資料から気| | | | | | | |・VTRや他の資料で胎児の体の向きを確認しながら羊水や胎|づかせ,それらがどのよう| | | | | |と| | 盤等の存在を知り,子宮のしくみについて目を向ける |に密接に関わっているのか| | | | | | | |・自分たちが調べたい問題について話し合う |を調べようとする姿勢を喚| | | | | |生| | 「胎児は羊水の中でどうやって呼吸をしているのだろう」 |起する | | | | | | | | 「胎児はどうやって栄養をからだの中に取り入れているのだ| | | | | | |命| | ろう」 | | | | | | | | | 「胎児は子宮の中でどのように大きくなっていくのだろう」| | | | | | |の+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ | | |+−F−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+|・他の動物の資料も提示し|・人の誕生と母体内| |・母体内での子ども|・子宮内における胎| |た| ||人の子どもは,母親の子宮の中でどのように大きくなって||比較させながら学習をすす|での子どもの成長に| |の成長過程を調べな|児の大きさや形の変| | | ||いくのだろう ||めていく |興味を持ち,進んで| |がら,変化の大きな|化等について資料を| |ん| |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+|・粘土模型を作成した後,|子どもの様子を想像| |特徴をとらえて記録|活用しながら理解す| | | |・受精から出生までをいくつかの段階に分け,それぞれの段階|「人の発生と発育模型」を|したり資料を調べよ| |することができる |ることができる | |じ| | における胎児の大きさ,体の特徴,母親の思いについて資料|活用し,胎児の大きさや形|うとしたりする | | | | | | | を活用しながら調べたり,家の人に聞いたりしてきたことを|の変化についての理解を深| | | | | |ょ|3| 発表し合う |めさせる | | | | | | | |・資料を提示し,子宮の中での胎児の大きさや形の変化等につ| | | | | | |う| | いて確認する | | | | | | | | |・粘土で実際の大きさの模型を作り,胎児の体の大きさの変化| | | | | | | | | をとらえる | | | | | | | | | 「最初の方と比べるとずいぶん大きくなったね」 | | | | | | | | | 「最初の方の形は人のようなかたちはしてないよ」 | | | | | | | | | 「胎児が子宮の中で成長していく秘密は何だろう」 | | | | | | +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ | | |+−GH(本時H)−−−−−−−−−−−−−−−−−−+|・自分の調べたいことをは|・胎児が子宮の中で| |・へその緒,羊水,| | | | ||胎児が成長し続けることができるのは子宮の中にどんなし||っきりさせ,資料を調べた|成長していく秘密に| |胎盤の中から自分が| | | | ||くみがあるからなのだろう ||り,親に聞いたりするよう|ついて,自分から進| |調べたいことを決定| | |第| |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+|にさせる |んで資料等を用いな| |し,その機能につい| | |三| |・胎児は栄養や酸素を子宮内のどの部分から取り入れているの|・栄養や酸素を胎児はどの|がら調べようとする| |て自分なりに工夫し| | |次| | か予想したことを話し合う |ように取り入れているのか| | |ながらまとめること| | | | |・へその緒,羊水,胎盤について,資料を通して調べる活動を|という観点から出発して,| | |ができる | | | | | 行う |へその緒,羊水,胎盤のそ| | | | | | | | 「あんなに大きくなるための栄養をどうやってからだの中に|れぞれの機能について気づ| | | | | | | | 取り入れているのだろう」 |かせるようにする | | | | | | |4| 「おしっこや便はどうしているんだろう」 |・羊水,へその緒,胎盤が| | | | | |人| | 「羊水の中でどうやって呼吸するんだろう」 |胎児にとってなくてはなら| | | | | | | | 「へその緒に何か秘密があるんじゃないかな」 |ないものであることをVT| | | | | |の| | 「胎盤はどういうはたらきをしているのだろう」 |R等の資料からとらえさせ| | | | | | |・|・グループごとに調べたことを発表し合い,胎児が子宮の中で|る | |・子宮内の胎児の成| |・胎児が子宮内で栄| |女| | 成長していく秘密についての理解を深める | | |長には羊水やへその| |養や酸素をどのよう| | | |「羊水はクッションのようなはたらきをしている」 | | |緒,胎盤等が密接に| |に取り入れているの| |性| |「栄養や酸素と老廃物の交換はへその緒を通して行われてい | | |関わっていると考え| |かをへその緒や胎盤| | |5| るそうだ」 | | |ることができる | |と関係づけながら理| |と| |「胎児は母親の子宮の中で大切に育てられているんだね」 | | | | |解することができる| | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | | | | | |男| || 胎児は胎盤からへその緒の中の血液を通して栄養や酸素|| | | | | | | | ||を取り入れ,二酸化炭素などのいらなくなったものを外に|| | | | | | |性| ||出している。また,羊水には胎児を守るためのクッション|| | | | | | | | ||としてのはたらきなどがある || | | | | | |と| || このように胎児は誕生するまで母親の子宮の中で大切に|| | | | | | | | ||育てられている || | | | | | |生| |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | | | | | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ |命| |+−I−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+|・たくさんの生命が受け継|・生命の連続性につ| | |・生命の連続につい| | | ||自分たちの生命はどのように受け継がれてきたか考えよう||がれて,現在の自分が誕生|いて関心を持ち,進| | |て,自分はたくさん| |の| |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+|してきたことをとらえさせ|んで自分の考えを発| | |の人と関わりながら| | | |・家族の系統図を示して自分たちの生命はどのようにして受け|るために,家族の系統図の|表しようとする | | |生まれてきた事実を| |た| | 継がれてきたのかを話し合う |例を示し,それをもとに話| | | |理解することができ| | |6| 「たくさんの人がいたから自分は生まれてくることができた|し合わせる | | | |る | |ん| | んだ」 |・将来自分たちも子供をつ| | | | | | | | 「お爺さんとお婆さんがいなかったら自分はここにいない」|くり,育てていくのだとい| | | | | |じ| |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+|う意識を促し,生命尊重の| | | | | | | ||たくさんの人と関わりながら自分の命がある。動物も人も||態度を育てていきたい | | | | | |ょ| ||生命は次の生命につながっている || | | | | | | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | | | | | |う+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ | | |+−J−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+|・一人一人の知識理解が確|・今までの学習を振| |・今まで学習してき| | | | ||人の誕生と男女のからだについてまとめよう ||実なものになるように必要|り返り,進んで学習| |たことを自分なりに| | | |7|+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+|に応じて助言,指導する |のまとめをしようと| |工夫しながらまとめ| | | | |・これまでの学習を振り返り,人の生命の誕生などについて,| |する | |ることができる | | | | | 感じたことを中心にまとめる | | | | | | +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ 5 本時の指導  (1)本時の目標     母体内で胎児が成長していくためには,子宮内のへその緒や羊水,胎盤が互いに関連し合いながら大きな役割を果たし    ていることをとらえ,母体のつくりの巧みさに気づくことができる。  (2)指導上工夫したこと     「胎児が成長し続けていけるのは子宮の中にどんなしくみがあるからなのだろう」という前時からの課題に対し,児童    の多くは成長を続けていくためには栄養と酸素が必要であることに着目し,栄養と酸素はへその緒から取り入れているの    ではないかという予想をたてるものと考える。それは,へその緒こそが唯一胎児と母体とをつなぐものだからである。し    かし,その予想の中身はかなり断片的なものであり,へその緒と胎盤,羊水が密接に関連し合い,胎児を守りながら胎児    の成長に必要なものを供給,あるいは反対に不必要なものを排除しているはたらきに気づくまでには至っていない。そこ    で,本時までに「へその緒」「羊水」「胎盤」について調べたいことを自己決定させ,それぞれの機能について個々に資    料で調べる活動を行わせる。     本時では前時からの流れである「胎児の栄養と酸素の取り入れ方」の観点について,「羊水」「へその緒」「胎盤」と    いう順番でそれぞれ調べてきた子供に発表させることにより,それらは密接に関係し合っていることに気づかせるととも    に,本時までに自分たちが調べた内容について補い合いながら発表させることによって母体のしくみに対して追究してい    く姿勢をさらに促していきたい。     また,課題追究の過程において子供たちがイメージをつかみにくいような場面では,VTRや図の提示,演示実験等を    効果的に活用していくことによって母体のつくりの巧みさに気づかせていきたい。  (3)展開 +−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |段 階| 学 習 活 動 | 活 動 へ の 支 援 ・ 評 価 | +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |つ| |1 課題を確かめる | | |か| | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |む| | | 胎児が成長し続けることができるのは子宮の中にどんなしくみがあるからなのだろう。 | | |2| | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | | |・本時は栄養と酸素の取り入れ方を中心にしながら,へその| | | | |緒と羊水,胎盤のそれぞれの機能について理解を深めていく| | | | |ことがねらいであることを告げる。 | +−+−+−− −−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |み| |・本時までに「へその緒と栄養,酸素の関係」「へその緒の| |た|と| |つくり」「羊水と栄養,酸素の関係」「羊水のはたらき」「| | |お| |胎盤と栄養,酸素の関係」の5つの項目のうち,自分はどれ| | |す| |を追究していくのかを自己決定させ,個々に資料を活用しな| | | |2 調べたことを発表し合う |がらの追究活動を行わせる。その後,同じ項目を選んだ子供| | | |○へその緒,羊水,胎盤について調べてきたこと|同士でグループを編成し,本時の発表場面における役割分担| | | |をグループごとに発表してください |を行わせることで,どの子も発表場面で生かされるように配| | | |(1)「羊水と栄養,酸素の関係」の追究グルー|慮していく。 | | |し| プの発表 |・(1)のグループの発言の中の「ある程度成長すると」「| | | |・胎児はある程度成長すると羊水を飲むようにな|栄養の一部」に着目させ,羊水が胎児にとっての栄養補給の| | | |ります。これは誕生した後のお乳を飲むときのト|すべてでないこと,酸素についてはふれていないことに気づ| |し| |レーニングになるそうです。 |かせる。 | | | |・羊水は栄養の一部にもなるそうです。 | | | | |(2)「へその緒と栄養,酸素の関係」の追究グ| | | | | ループの発表 |・へその緒の内部の図(2本の動脈は赤で,1本の静脈は青| | | |・へその緒の中には3本の血管があって,栄養や|で描かれている)を提示し,栄養・酸素の通り道と老廃物・| | | |酸素は血液を通して母親から胎児へ送られます。|二酸化炭素の通り道は別々であることに気づかせる。 | | | |・へその緒の中の血液は二酸化炭素や他にいらな|〈準備〉 | | | |くなったものも運びます。それは胎児から母親に| へその緒の内部図 | | |ら|向かって送られます。 | | | | |(3)「胎盤と栄養,酸素の関係」の追究グルー|・胎児の成長に必要なものと不必要なものの運搬が母親と胎| |か| | プの発表 |児の血液を通して行われているにもかかわらず,胎盤は胎児| | | |・胎児とつながっているへその緒はさらに胎盤と|と母親の血液が絶対交じり合わないようにできていることに| | | |いうところにつながっています。 |着目させ,疑問を持たせたい。 | | | |・胎盤には母親の動脈と静脈が通っています。胎|・胎盤の内部を図示した資料(母親の血管と胎児の血管を色| | | |児はこの胎盤から母親の血液に含まれていた栄養|分けしたもの)を提示し,「胎盤の内部には空洞があり,母| | | |と酸素を受け取ります。 |親の血管と胎児につながるへその緒内部の血管が交じり合っ| | | |・胎児が出した二酸化炭素やいらないものはこの|ていないこと」に気づかせる。 | | | |胎盤を通して母親の血液の中に受け渡されます。|・「母親の血液と胎児の血液が交じり合っていないのに,ど| | | |・胎盤は胎児と母親の血液が絶対交じり合わない|うして血液中の必要なものと不必要なものとの交換が可能な| | | |ようにできています。 |のか」という観点での話し合いは,子供たちにとって難しい| |め| | |内容なのでVTR等の資料を活用して検証を行う。 | | | | |〈準備〉 | | |べ| | 胎盤の内部図,資料VTR | | | | |+−評価(発言)−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | | | ||A 胎児が栄養や酸素を取り入れるしくみについて,へ|| | | | || その緒と胎盤のはたらき及びへその緒と胎盤が密接|| | | | || に関係し合っていることが理解できる。 || | | | ||B 胎児が栄養や酸素を取り入れることができるのは,|| | | | || へその緒と胎盤が密接に関係し合っていることが理|| | | | || 解できる。 || |る| | ||C 胎児が栄養や酸素を取り入れることができるのは,|| | | | || へその緒と胎盤が関係していることを理解できる。|| | | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | |る|(4)「羊水のはたらき」の追究グループの発表|・必要によって演示実験を行い,水の中の方が外部からの刺| | | |・羊水には外からの刺激に対してクッションのよ|激を受けにくいことを児童の視覚に訴える。 | | | |うに胎児を守るはたらきもあります。 |・子宮の中は,胎児が成長するために必要なものと不必要な| | | |・まわりに羊水があるおかげで胎児は自由に運動|ものとのやりとりだけが行われているのではなく,外部から| | | |をすることができます。 |の刺激から胎児を守る等,成長を続けるには最適の環境であ| | | |・液体は空気中よりも温度を伝えにくいので,羊|ることに気づかせていきたい。 | | | |水があるおかげで外が暑くても寒くても胎児はの|・資料から真夏及び真冬の気温と水温との比較を行うことに| | | |んびり暮らすことができます。 |よって,水の温度変化の方が小さいことをとらえさせる。 | | | |(5)「へその緒のつくり」の追究グループの発| | | | | 表 | | | | |・へその緒は螺旋状にねじ曲がっています。 |・導線とコイルを用いての長さの比較をしたり,演示実験を| | | |・これは,へその緒の中にある血管はへその緒そ|行う等,視覚的にとらえさせていきたい。 | | | |のものよりも実際はずっと長いからです。 | | | | |・へその緒は螺旋状に曲がっているために,つよ| | | | |く何かに引っ張られても平気なつくりになってい|+−評価(ノート記述)−−−−−−−−−−−−−−−+| | | |ます。 ||A 本時で得た知識を関連づけながら記述している様子|| | | | || がみられ,自分の考えの変容も記述されている。 || | |ま|○それでは,今日の学習でわかったことをまとめ||B 本時で得た知識及び自分の考えの変容が記述されて|| | | |ましょう。 || いる。 || | |と| ||C 本時で得た知識のみが記述されている。 || | | |9 まとめる |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | |め|+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | | || 胎児は胎盤からへその緒の中の血液を通して栄養や酸素を取り入れ,二酸化炭素などのいらなくなったも|| | |る||のを外に出している。また,羊水には胎児を守るためのクッションとしてのはたらきなどがある。 || | | || このように胎児は誕生するまで母親の子宮の中で大切に育てられている。 || |38| |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |めひ |10 学習をふりかえる |・自分のことだけでなく,友達の活動についても振り返らせ| |るろ | |ることにより,友達の発言のよいところ等に気づかせ,次の| |5| | |自分の活動に生かそうとする姿勢を促す。 | +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ 6 板書計画 +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−+ | ||胎児が成長し続けていけるのは子宮の中にどんな| | | ||しくみがあるからなのだろう。 | |羊水       そ |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | ・クッションのはたらき     の | +−−−−−−−−−−−−−+ | ・羊水のおかげで自由に運動できる 他 | 羊水 | +−−−−−−−−−−−+ | ・暑くても寒くてものんびり の | 栄 ・栄養の一部 | |子宮内の胎児の図 | |       は | 養 ・ある程度成長すると羊水を飲むようになる | |       た | と | | | |へその緒       ら | 酸 へその緒 | | | | ・螺旋状にねじ曲がっている き | 素 ・3本の血管 | | | | ・何かに引っ張られても平気 | | を ・血液を通して母親から栄養と酸素をもらう | +−−−−−−−−−−−+ | | ど ・二酸化炭素やいらなくなったものは血液を | | | う 通して母親へ | | | | | 取 | | | | | り 胎盤 | | | | | 入 ・へその緒を通して胎児とつながっている |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | れ ・胎盤の中で、血液中の胎児にとって必要−−−−−−−−+| 胎児は胎盤からへその緒の中の血液を通して栄養や酸素を取り入れ,二酸化炭 | る なものと必要でないものが交換される |素などのいらなくなったものを外に出している。また,羊水には胎児を守るた | か ・母親の血液と決して交じり合わないつくり |めのクッションとしてのはたらきなどがある。|| | | | このように胎児は誕生するまで母親の子宮の中で大切に育てられている。 | +−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+