小学校 4年 算数(小数) 指導案 緑が丘小学校 用紙は B4 縦  1行 100字(半角) 1ページ 50行に設定してください。      第4学年  算数科学習指導案      日 時 平成元年 10月 20日(金)               児童数 男16名 女17名 計33名    指導者 熊  谷   達  也 T 単元名 「小数」  U 単元目標 (1).1/100 の位(小数第2位),1/1000の位(小数第3位)の小数について,その表し方,読み方,及び相     対的な大きさを理解させる。                            [A(5)ア] (2).小数の位取りの原理は,整数の仕組みと同じであることを理解させるとともに,小数についても十進数     としての理解を深める。 [A(5)ア] (3).小数についても,加減計算が整数とほぼ同じようにできることを理解させ,小数の加減計算の能力を伸     ばす。   [A(5)ア,内(2)] V 単元について  3学年では測定値の端数部分を表す数として,1/10の位までの小数を導入し,これを用いて小数の仕組み   や小数の加減計算を指導してきた。そこで本単元では,小数を1/1000の位まで拡張し,小数を抽象数として   認めることができるようにすることを主なねらいとしている。 小数は 1/10,1/100,1/1000などを単位としており,小数を用いることによって,1の単位に満たない大き   さを詳しく表すことができる。小数は,整数と同じように十進位取記数法によっているので,ある位の右の   位は,その位の1/10の大きさを単位にしており,左の位は10倍の大きさを単位にしている。このことをよく   理解できるようにするとともに,小数の大小比較や計算も整数と同じ考え方でできることに着目させること   が大切である。なお,小数を数直線上に表して,整数と同じ系列の中に位置づけることも,小数の理解を深   める上で重要なことである。また,小数の加法,減法の計算は,位をそろえること,位ごとに計算すること   など,小数の仕組みについての理解の上に立って行うようにし,整数と同じ原理,手順でできることについ   て十分に理解できるようにすることが大切である。   しかし本学級の児童の実態は,事前調査の結果から考察すると次のような問題点があげられる。 ・小数を日常的に使ったり興味をもって調べたりしようとする意欲に欠ける傾向がみられる。 ・前提テストの結果から,小数の概念・原理の理解面で正答率が低いことがわかる。このことは,計算技     能等がいかにすぐれていても,それをいろいろな場面に適切に応用できないことを示す。 そこで,児童の小数を積極的に使おうとする意欲とその技能を高めるために,「小数の良さ」を十分理解   させることが大切であると考える。ここでいう「小数の良さ」を次のように考える。    (1).端数表示ができること。(またそのため小数が発明されたこと。)    (2).整数と同構造の仕組みをもつこと。    (3).整数と同原理で計算できること。 以上の点を考慮しながら,次のような観点で単元の構造化を図り指導計画を立てた。 ・第1次では,身の回りで使われている小数に目を向けさせ,たくさん使われているのは小数に良さがあ     るからではないかと考えさせ,これを単元の課題とする。 ・第2次では,測定値の端数表示及び複名数の単名数表示を通して,小数の必要性を追究させる。 ・第3次では,小数を抽象数として扱い,小数の構造が整数と同構造であることを追究させる。 ・第4次では,小数の加減法の原理が整数の加減法と同原理であることを追究させる。 ・第5次では,単元のまとめをする。 W 指導計画 (13時間)   第1次 単元の追究課題の把握 ------------------ 1時間 第2次 小数の必要性の追究 ------------------ 3時間    ・1/100 の位までの小数の表し方,読み方・・・・・・・(1)     ・1/1000の位までの小数の表し方,読み方・・・・・・・(1)    ・複名数で表された重さの測定値の小数に        よる単名数表示 ・・・・・・・(1)   第3次 小数の仕組みと位取りの原理の追究 ------ 3時間       ・小数の仕組みと1/1000の位までの位取り・・・・・・・(1)   ・小数の十進構造及び各位の相対的大きさ・・・・・・・(1)       ・学習内容の適用と習熟        ・・・・・・・(1) 第4次 小数の加減法の計算原理の追究 ---------- 5時間 ・末尾が揃っている場合の小数の加法計算・・・・・・・(1)(本時) ・末尾が揃っていない場合の小数の加法計算・・・・・(1) ・小数の減法計算 ・・・・・・・(1)      ・被減数に欠位のある減法計算     ・・・・・・・(1) ・学習内容の適用と習熟        ・・・・・・・(1) 第5次 単元のまとめ -------------------------- 1時間   X 関連と発展  Y 本時の指導   (1).ねらい     末尾のけた数がそろっている場合の小数の加法計算の方法を理解させ,その習熟を図る。 (2).展 開 +-----+-------------------------+-----------------------------------+---------------------------------------------------------+ | 過程|   教師の働きかけ |  児 童 の 動 き |       備           考 | +-----+-------------------------+-----------------------------------+---------------------------------------------------------+ | | 1.問題を把握させる。 | +-------------------------------+ | ・児童の身近な素材で導入をする。 | | と | | | キャンプに行くことになり,4つ | | ・数値は次のような観点で決めた。 | | | | | のはんを作りました。それぞれの | | A+B ・・・・・・・・・・・1/100の位でくりあがる。 | | ら | | | はんがもっていく米の重さは次の | | B+C ・・・・・・・・・・・1/100,1/10の位でくりあがる。 | | | | | 通りです。 | | A+C ・・・・・・・・・・・末尾が0になる。 | | え | | | A:2.34kg B:3.58kg | | A+D,B+D,C+D ・・・・空位がある。 | | | | | C:4.56kg D:5kg | | B-A ・・・・・・・・・・・くりさがりなし。 | | る | | | このことからどんなことが考えら | | C-B ・・・・・・・・・・・くりさがりがある。 | | | | | れますか。 | | C-A ・・・・・・・・・・・くりさがりなし。 | | 10| | +-------------------------------+ | D-A,D-B,D-C ・・・・被減数に欠位がある。 | |  分| | ・問題を読む。 | ・考えていくことを決めること及び数の性質(A〜Cは小数でD | | | | ・気づいたことを話し合う。 | のみ整数であること)に気づかせる。 | | | | ・考えていくことを話し合う。 | ・合わせる(加法)とちがい(減法)という点に問題意識をも | | | | あわせる−たし算 |  たせる。  | | | | ちがい −ひき算 | ・今後の学習内容の見通しをもたせる。  | | | | ・本時は小数どうしのたし算を学習し | ・本時の学習内容が小数どうしのたし算であることを理解させ | | | |  ていくことを決め,立式する。 |  ,必要な分だけを立式させる。  | | | | (1)2.34+3.58 (2)3.58+4.56 | | | | (3)4.56+2.34 | | | た | 2.課題を把握させる。 | | | | て | +-----------------------+---------------------------------+ | | | る | | 小数のたし算はどのように計算すればよいか。  | | | | 3分| +-----------------------+---------------------------------+ | | | | 3.自力解決をさせる。 | ・答えの見当について話し合う。 | ・一の位に目をつけさせ見当をつけさせる。 | | | | ・(1)2.34+3.58を筆算という見通しで | ・はやくできた子には自分の考えを説明する準備をさせる。 | | 考 | |  計算してみる。 | ・わからない子にはどこが難しいかをまとめさせる。  | |   | | | ・筆算でできるだろうという見通しを,子どもたちは十分にも | |   | | |  てるのではないかという予想のもとに計画をたてた。 | |   | 4.創造させる。 | ・考えを話し合う。 | ・わからなかったところや問題点をはっきりさせながら,話し | |   | | |  合いをすすめる。  |   | | ・筆算の答えのたしかめ方を各自工夫 | ・予想される反応として次のようなものが考えられる。 | |   | | する。 | ・位ごとの図・数直線・単位換算をして整数化する方法・相 | | え | | |   対的な大きさを用いて整数化する方法 | |   | | | ・はやくできた子には自分の考えを説明する準備をさせる。 | |  | | | ・わからない子には,ヒントカ−ドや個別指導で配慮する。 | |  | | ・考えを話し合う。 | ・それぞれの考えに対する意見や質問を取り,それぞれの有効 | |   | | |  性や問題点を簡潔性・明瞭性・的確性という観点で話し合う | |   | 5.中間まとめをする。 | | ・(1) の問題をもとにして 2.34 ・位をそろえる。 | |   | +-------------------+-----------------------------+ | 小数のたし算の原理をま + 3.58 ・1番右の位から | | る |  | 位をそろえて,筆算でできそうだ。 | | とめてみる。 5.92 たしていく。 | |   | +-------------------+-----------------------------+ | ・くりあがりは1| | | | |                      左へ | | | 6.中間まとめ(仮説)の | ・(2)(3)の問題を筆算によって解き, | ・早くできた子には,説明の準備をさせる。 | | 20|   検証を行わせる。 |  答えの確かめをしてみる。 | ・わからない子には,ヒントカ−ドや個別指導で配慮する。 | |  分| | | | | | | ・結果を話し合いによってまとめる。 | | | ま | 7.学習のまとめをする。 | | ・3問の解決の結果を通して一般化してまとめをする。 | | と | +-----------------------+---------------------------------+ | ・小数のたし算が2時間扱いなことを確認し,まとめは予想の | | め | | 小数のたし算も整数のたし算のように,位をそろえて筆算でで | | 形にしておく。 | | る | | きるのではないか。 | | ・本時のまとめが,次時の課題となる。 | | 5分| +-----------------------+---------------------------------+ | | | | | | | | ひ | 8.学習内容の比較検討を | ・2.34+3.58と234+358との共通点・相 | ・加法についての計算原理の上からも,小数と整数は同じ仕組 | |   |  行わせる。 | 違点を比べてみる。 |  みになっていることを確認し,先人の知恵のすばらしさに触 | | ろ | | |  れさせる。  | |   | 9.学習内容の定着を図る | ・練習問題を解く。 | ・教科書P14@A計8問をノ−トに行わせる。 | | め |   。 | | | |   | 10.学習内容の価値付け | ・自己評価をする。 | ・感想の観点は,わかったことと,次に考えてみたいことなど | | る |  を図る。 | ・感想を書く。 |  とする。 | | 7分| | | | +-----+-------------------------+-----------------------------------+---------------------------------------------------------+