小学校2年 算数(たし算−2) 指導案 仁王小学校 用紙は A4 縦  1行 90字(半角) 1ページ 49行に設定してください。 第 2 学 年   算 数 科 学 習 指 導 案                                                        指導者   長谷川 滋  単元名   たし算−2  単元について   2つの数a,bがあって、a+b=□となるとき、□にあてはまる数を求めることを、たし算と  定義する。この単元において中心となるのは、筆算形式である。筆算形式は、数の構成と十進位取  り記数法を有効に用いたものであり、同じ位にある数字の和を用いて計算することを基本としてい  る。その際、同じ位の数字が計算しやすいように、位をそろえて並べたのが筆算形式の方法である。  このようにすることにより、桁数が多くなっても、1位数どうしの計算でその結果が容易に求めら  れる。筆算の利点は、整数だけでなく、小数や分数などにも用いることができる計算の経過  などを示すことができる。計算の誤りを訂正することが容易にできることなどである。   子どもたちは、第1学年でたし算がどんな場合に用いられるかということや、1位数どうしを中  心に、2位数でも繰り上がりのないたし算について学習している。また、第2学年になって2位数  と1位数、2位数と2位数のたし算(一の位で繰り上がりのある場合も含む)について学習してき  た。その際、筆算形式にもふれている。本単元では、前単元で学習した筆算をもとに数の範囲を拡  張し、2位数と2位数、3位数と1位数、2位数、3位数とのたし算で繰り上がりが2回に及ぶ場  合までの計算方法について学習し、加法計算の基本的な理解をいっそう確実なものにする。さらに、  次の単元では3位数と3位数の計算で繰り上がりが3回に及ぶ場合にまで発展する。   子どもたちのこれまでの学習の様子を見ると、計算のきまりや方法などを形式的には身につけて  いるものの、それらの意味についての理解は十分とは言えない。問題の要素抽出や関係把握はある  程度できるものの、課題解決の際、既習の学習内容を想起し、見通しをもち自らの力で筋道だてて  考えて行くことが不得意な子どもも見られる。自分の学習の後を絶えず振り返り、よりよい解決方  法を見いだしたり、自分の考えのまちがえを修正したりする姿も見られるが、十分とは言えない。  筆算形式については、ほとんどの子がその方法やよさを理解し、進んで用いようとしているが、桁  数の違うとき、位をそろえて書くことができなかったり、繰り上がりのあるとき1繰り上げたのを  忘れて加えなかったりする間違いが時々見られる。計算技能については、正確さ・スピードともに  個人差が見られ、適切な対応が必要である。   指導にあたっては、具体的事象を提示し問題把握を容易にするとともに、具体物・半具体物を必  要に応じて用い、理解をよりたしかなものとしていく。計算方法については、前単元で学習した2  位数のたし算の筆算による計算の原理や手順の理解を基礎として、3位数に関するたし算のしかた  の理解を発展的・拡張的に導くようにする。特に、十の位で繰り上がりがある場合の処理、一  の位、十の位でそれぞれ繰り上がりがある場合の処理、一の位で繰り上がったために十の位でも  繰り上がる場合の処理に留意して取り扱う。 については、繰り上がりが一の位から十の位に移っ  ただけであるが、 ・ は繰り上がりの操作が2回連続すること、繰り上がる数を重複して記憶し  なければならないことから、子どもたちにとって抵抗あるものと思われる。そこで、形式的な計算  方法の理解を徹底させることだけでなく、十進数の構造についても理解を確実にして、計算の仕組  みをしっかり把握させたい。--  単元の目標   ・ 3位数までの加法で、繰り上がりが十の位までの計算方法がわかる。   ・ 3位数までの加法で、繰り上がりが十の位までの計算ができる。   ・ 計算方法について、見通しを持ち筋道だてて考えることができる。   ・ 学習を見直しながら、筆算のよさに気付き、進んで学習しようとすることができる。   指導計画  (8時間)     3位数と1〜3位数の加法で、繰り上がりのない計算・・・・・・・・・・(1)     3位数と1〜3位数の加法で、一の位で繰り上がりのある計算・・・・・・(1)     2位数、3位数の加法で、十の位で繰り上がりのある計算・・・・・・・・(1)本時     2位数、3位数の加法で、一の位・十の位で繰り上がりのある計算・・・・(1)      1〜3位数の加法で、繰り上がりが波及する計算・・・・・・・・・・・・(1)     まとめと練習・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(3)     本時の指導  1,教材と子ども   本時では、2位数、3位数の加法で十の位で繰り上がりのある計算のしかたについて学習する。  数は違うが構造が同じで身近な問題を2問同時に提示する。どちらも3位数と2位数のたし算の問  題とし、問題を構造的にとらえさせる。つぎに、わかっていること、聞いていることを明らかにし、  立式へと導く。課題把握については、前時の繰り上がりのない3位数たす2位数の式と比べること  により、十の位で繰り上がりがあることに気付かせ、繰り上がりのある計算の仕方について学習し  て行くこととする。次に、課題解決の見通しを立てさせる。 大切な考え方としては、これまでと  同じように一の位、十の位、百の位ごとに分けて計算すること、答えのおおよその結果を考えるこ  と、繰り上がりに気を付けることなどをおさえる。方法としては、筆算で計算すること、おはじき  や数字カードなどを用いて行くことなどに気付かせ、各自のやりやすいものから取り組ませるよう  にする。自分の立てた見通しを見直させたのち、問題1・2の順に、課題解決に取り組ませる。ま  ず、およその答えを見積もらせる。つぎに、筆算で考えて行こうとする子どもが多いと思われるが、  必要に応じて筆算で計算した後、おはじきや数字カードなどの半具体物を用いて、より確実に計算  の原理や手順を理解させるようにしたい。また、計算の方法をみんなに説明できるようにさせるた  め、筆算の横に説明を書かせるようにする。自分の力で解決できないと思われる子どもについては、  補助カードやヒントカードを与え、少しでも自分の力で解決できたという成就感を持たせたい。課  題解決が一応終わった子どもについては、自分の計算方法について、概算した答えとほぼあってい  るか、間違いはないか、より良い方法はないかと言った観点で見直させる。みんなで計算方法を確  認した後、十の位で 繰り上がりのある計算もこれまでの一の位で繰り上がる場合と同じように計  算できることを確認する。習熟のための計算練習については、いろいろな形の計算にふれさせ、ど  の場合も十の位で繰り上がり同じように計算できることのよさを感じ取らせたい。学習内容の価値  付けでは、本時の学習を振り返らせ、同じ点としては、これまでの筆算形式と同じようにやれるこ  と、十の位で繰り上がるが一の位で繰り上がるときと原理は同じであることをおさえる。 2,ねらい  ・ 十の位で繰り上がる筆算形式の計算方法がわかる。  ・ 十の位で繰り上がる筆算形式の計算ができる。  ・ 十の位で繰り上がる計算方法を、見通しをもち筋道だてて説明できる。  ・ 自分の学習を見直し、進んで学習することができる。 3,展開 ------------------------------------------------------------------------------------------ 段階 学 習 内 容 学 習 活 動 時間 指 導 上 の 留 意 点 準 備 ------------------------------------------------------------------------------------------ 導 1,提示された問題に 7 ・2つの問題を同時に提示し、題意 入         ついて話し合う。    を確実につかませる。       問題文      本をきのう144ページ、きょう    ・2つの問題を構造的にとらえさせ     95ページよみました。本は、ぜん    どちらも3位数たす2位数であるこ     ぶで なんページよみましたか。     とをつかませる。さらに、上位の子       赤いいろがみが374まい、青い    どもには、繰り上がりのある計算で     いろがみが83まい あります。     あることにも気付かせる。     あわせて なんまいありますか。     ・わかっていること、聞いているこ 学習                           と、式については、容易に求められ  プリント           ・何の問題ですか     ると思われるので、学習プリントを          要素抽出 ・わかっていることは、  もとに、短時間のうちに各自に取り                 ・聞いていることは、   組ませる。式については、数人に発     立式     ・式は、         表させ確認する。  展 課題把握   2,本時の学習課題に   ・繰り上がるのが十の位であり、そ            ついて考える。     の計算方法について考えていくこと                        を確認する。    課題解決の見 3,課題解決の見通し 8 ・これまで学習した加法の計算原理 学習     通し      をたてる。       と手順をもとに、各自見通しをたて  プリント                        させる。  開 数学的アイデ ・大切な考えは、     ・十進数の構造に着目し、一の位、    ィア                  十の位、百の位ごとにわけて考える                        こと、答えの概算をし大きな間違い                        をしないようにすること、繰り上が --                         りに気を付けることなどをおさえる。    解決の手段  ・方法は、        ・筆算はもちろん、計算の原理をよ                        りわかりやすく考えたり、説明しや                        すくしたりするために、おはじきや                        数字カードなどの活用にも目を向け                        させる。    解決の順序  ・順序は、        ・順序については、子どもの思考の                        特性に合わせながら各自に選択させ                        る。                                            ・自分で十分に見通しを立てられな ヒント                        い子どもについては、ヒントカード  カード                        を用い、少しでも見通しを持たせる。     見直し    ◇見通しを見直す。    ・自分の立てた見通しについて、誤                        りはないか、足りないものはないか、                        よりよい方法はないか、といった観                        点で見直させる。     課題解決の実 4,見通しに従って各 15 ・問題1、問題2の順に取り組ませ。学習    行       自課題解決をはかる。  る。筆算で行う子どもが多いと思わ プリント                        れるが、上位の子どもには、各位ご             144        との計算方法の説明を書かせたい。            + 95        また、筆算での計算方法や原理を、             239        おはじきなどを用いて確かめさせる。                        自己解決できないでいる子どもには             374        筆算の手順を示した補助カードを与 補助カード            + 83        えるとともに、数字カードなどの半 ド             457        具体物を使って考えさせる。    見直し    ◇課題解決の見直し    ・課題解決を行った後、概算した答                        えとほぼあっているか。間違いはな                        いか。よりよい計算方法はないかと                        いった観点で見直させる。     一般化    5,計算のしかたをま   ・各自の考えを発表させ、筆算でま おはじき             とめる。        とめる。     適用     6,練習問題を解く。 10 ・十の位で繰り上がる、いろいろな 学習                        計算に習熟させる。        プリント    比較・検討   7,これまでの学習と 5 ・これまでの筆算形式が同じように            の共通点・相違点を    つかえること、一の位で繰り上がる            明らかにする。     時と原理が同じであることに気付か                        せたい。  終 まとめ    8,まとめ        ・本時の学習を振り返り、感想を述  結                     べさせる。 ------------------------------------------------------------------------------------------