印刷用紙:B4縦 1ページの行数:42 1行の文字数(半角で):90 第 2 学 年   算 数 科 学 習 指 導 案                              指 導 者  長 谷 川  滋 T 単元名   ひき算−2 U 単元について    2つの数a,bがあって,a−b=□となるとき,□にあてはまる数を求めることをひき算と   定義する。ひき算は,@ 初めにあった数量からある数量を取り去ったりある数が減少したりし   たとき,残りの数量を求める A 2つの数量の違いを求める B 必要とする数量に不足な数   量を求める C ある番号や順番からいくつか前の番号や順番を求めるときなどに使われる。ま   た,ひき算のしかたとしては,数えひき,減加法,減々法,補加法,筆算,暗算などがあるが,   本単元では筆算形式による計算方法の定着を図っていく。筆算形式は,数の構成と十進位取り記   数法をもとにしたものであり,同じ位の数字の差を求めて計算していくことを基本にしている。   その際,同じ位の数字を縦にそろえて並べ計算しやすくしたものが筆算形式の計算方法である。   筆算形式による計算の利点は,@ 整数だけでなく,小数などにも用いることができる。A 計   算の経過を示すことができる。B 計算の誤りを容易に訂正することができることなどである。    これまでに子どもたちは,第1学年で11〜18から1位数をひいて繰り下がりのある減法計   算のしかたをおはじきや算数ブロックを具体的に操作しながら学習し,減法についての理解を深   めている。また,第2学年では,筆算形式をもとに2位数ひく1位数,2位数で繰り下がりのあ   る計算方法について学習している。本単元では,これまでに学習した2位数の減法の筆算による   計算の原理や手順の理解を基礎とし,3位数に関する減法の計算方法について学習していく。    子どもたちのこれまでの学習の様子を見ていると,計算のきまりや方法を形式的には身につけ   ているもののそれらの意味をしっかり把握し説明することは十分とは言えない。問題の要素抽出   や関係把握はある程度できるが,課題解決の際,既習の学習内容を想起し,見通しをもち自らの   力で筋道立てて考えて行くことが不得意な子も見られる。自分の学習を絶えず振り返り,よりよ   い解決方法を見いだしたり,自分の考えを修正したりする姿も見られるようになってきたが,時   間的に余裕のない子も見られる。減法計算そのものについては,興味をもち意欲的に取り組んで   いるが,計算の速さに個人差が見られる。筆算形式的については,2位数までの減法計算を通し   てほとんどの子がその方法のよさを理解し,進んで用いようとしているが,繰り下がりのあると   きに繰り下げた1を忘れる間違いをする子が時々見られる。    指導にあたっては,具体的事象を提示し問題把握を容易にするとともに,具体物・半具体物を   必要に応じて用い,理解を確かなものにしていく。計算方法については,前単元で学習した2位   数までの減法の筆算による計算の原理や手順の理解を基礎として,類推的思考をはたらかせなが   ら,3位数に関する減法の計算方法の理解を発展的,拡張的に導くようにする。特に@ 一の位   十の位,百の位にわけて考えること A 一の位から順に計算すること B 10や100のま   とまりを大切にし,繰り下がりに気をつけることをしっかりおさえさせるようにする。また,繰   り下がりのある場合の筆算形式については,抵抗の見られる子もあると思われるので,数字カー   ドやおはじきなどの半具体物を効果的に用い,視覚的にとらえさせながら理解を深めていく。さ   らに,形式的な計算方法の理解だけで終わることなく,十進数の構造についても理解させながら   計算の仕組みをしっかり身につけさせたい。 V 単元の目標  ・ 3位数までの減法で,繰り下がりのある計算のしかたが分かる。  ・ 3位数までの減法で,繰り下がりのある計算ができる。  ・ 一の位,十の位に繰り下がりのある計算方法を,筋道立てて考えることができる。  ・ 筆算形式を用いて計算するよさに気付き,進んで用いようとすることができる。 W 単元の指導計画  (9時間)    学 習 内 容       指  導  上  の  留  意  点   1,3位数から1〜   3位数から1〜3位数をひく減法で,繰り下がりのない計算方法   3位数をひく減法  を筆算をもとに理解させる。   で,一の位へ繰り   3位数から1〜3位数をひく減法で,一の位へ繰り下がりのある   下がりがある場合  計算方法を,筆算をもとに理解させる。   の計算のしかた       (2時間)   2,3位数から1〜   3位数から2,3位数をひく減法で,十の位へ繰り下がりのある   3位数をひく減法  計算方法を,筆算をもとに理解させる。    で,一の位,十の   3位数から2,3位数をひく減法で,一の位と十の位へ繰り下が   位へ繰り下がりの  りのある計算方法を筆算をもとに理解させる。  (本時)      ある場合の計算の   一の位と十の位へ繰り下がりのある計算方法に習熟させる。   しかた        3位数から1〜3位数をひく減法で,波及的に繰り下がりのある       (4時間) 場合の計算方法を筆算をもとに理解させる。  3,まとめ(1時間)  単元のまとめを行い,学習内容の習熟を図る。  ☆ 計算練習      2,3位数の加減計算に習熟させる。       (2時間)  X 本時の指導  1,教材と子ども   本時では,3位数ひく2位数で一の位,十の位へ繰り下がりのある計算のしかたについて学習す  る。数は違うが構造が同じで身近な問題を2問同時に提示する。どちらも3位数と2位数のひき算  で一の位,十の位へ繰り下がりのある問題とし,問題を構造的にとらえさせる。つぎに,わかって  いること,聞いていることを明らかにさせ,立式へと導く。立式はどちらも求残の問題であること  から容易に求められるであろう。課題把握については,前時の十の位に繰り下がりのある3位数ひ  く2位数の式と比べさせることにより,繰り下がりが2回あること,筆算で計算していくことを確  認する。次に,課題解決の見通しをたてさせる。答えがおおよそいくらぐらいになるか考えさせる  とともに,大切な考えとしては,これまでの計算のしかたを想起させ,一の位,十の位,百の位に  分けて考えること,一の位から順に計算すること,10のまとまり,100のまとまりを大切にし  繰り下がりに気をつけることなどを押さえる。また,方法としては,筆算で行うことを中心としな  がら,視覚的にとらえるためにも数字カードやおはじきなどにも取り組ませたい。よりよい見通し  が立てられたかどうか自分の見通しを見直させたのち,学習プリントをもとに,問題1から順に課  題解決に取り組ませる。筆算で計算していく子が多いと思われるが,必要に応じて数字カードやお  はじきなどの半具体物を用いてより確実に計算原理や手順を理解させるようにする。また,計算の  方法をみんなに説明できるように筆算のしかたの説明をことばで書かせるようにする。自分の力で  解決できない子については計算の手順を示した補助カードを与えたり,個別指導を加えたりし少し  でも自力解決できたという成就感を持たせたい。課題解決が一応終わった子については,初めに予  想した答えとあっているか,計算に間違いはないか,よりよい方法かといった観点で自分の解決の  様子を見直させる。数字カード,おはじき,筆算という順序で計算方法を確認し,一の位,十の位  へ繰り下がりのある場合も十の位だけに繰り下がりのある場合と同じように計算できることを確認  する。計算練習については,できるだけ多くの問題に取り組ませるようにするとともに計算方法を  ことばで説明できるようにさせたい。比較検討では,前時に学習した十の位だけに繰り下がりのあ  る計算と比較させ,共通点・相違点を明らかにさせる。さらに,桁数が多くなっても同じように計  算していけることをつかませたい。  2,ねらい   ・ 3位数までの減法で,一の位と十の位へ繰り下がりのある計算のしかたが理解できる。   ・ 3位数までの減法で,一の位と十の位へ繰り下がりのある計算ができる。   ・ 一の位,十の位へ繰り下がりのある計算方法を筋道立てて考え,説明することができる。    ・ 筆算を用いて計算するよさに気付き,進んで用いようとすることができる。  3,展 開 +---+-----------+---------------------+---+-------------------------------------+-------+ | 段| 学習過程 | 学 習 活 動 | 時| 留    意    点     | 準 備| | 階| | | 間| | | +---+-----------+---------------------+---+-------------------------------------+-------+ | | 問題提示 | 1,提示された問題に |  | ・2つの問題を同時に提示し,題意を確 | 問題文| | 導|       | ついて話し合う。  | 5| 実につかませる。 | | | | +-------------------------------------+ +-------------------------------+ | | | | | いろがみを356まいもっています。 | |  みかんが132こあります。 | | | | 入| | 89まいつかいました。のこりは,  | | 48こたべました。のこりは | | | |  | | なんまいになりますか。      | | なんこになりますか。  | | | | | +-------------------------------------+ +-------------------------------+ | | |  | 問題把握  | ・何の問題ですか。  |  | ・どちらも3位数ひく2位数であること | | |  |       |            |  | をつかませる。さらに,上位の子には, |    | |  |       |            |  | 繰り下がりのある問題であることにも気 | | |  |       |            |  | づかせたい。   | | |  | 要素抽出  | ・わかっていることは |  | ・わかっていること,きいていること, | | |  |       | ・きいていることは  |  | 式については,容易に求められると思わ | | |  | 立式    | ・式は        |  | れるので,短時間で確認する。 | | | | | | | | | |  | 課題把握  | 2,本時の学習課題に |  | ・前時に学習した式と比較させ,本時は | 既習の| | |       |  ついて話し合う。  |  | 繰り下がりが2回あること,筆算をもと | 式 | |  |       |            |  | に計算方法を考えていくことを明らかに | | |  |       |            |  | させる。 | | +---+-----------+---------------------+---+-------------------------------------+-------+ | | 課題解決の | 3,課題解決の見通し | 5| ・これまでの減法の計算原理と手順をも | 学習 | |  | 見通し   |  をたてる。     |  | とに,各自に見通しを立てさせる。   | プリン| |  |       | ・答えは       |  | ・概算で答えを予想させる。  | ト | |  |       | ・大切な考えは    |  | ・十進数の構造に着目し,一の位,十の | | |  |       |            |  | 位,百の位ごとに分けて考えること,一 | | |  |       |            |  | の位から順に計算すること,10 や100の |    | |  |       |            |  | まとまりを大切にし繰り下がりに気をつ | | |  |       |            |  | けることを確認する。 | | | 展|       | ・方法は       |  | ・筆算はもちろん,計算の原理を視覚的 | | |  |       |            |  | にとらえさせるためにも数字カード,お | | |  |       |            |  | はじきなどの活用にも目を向けさせたい | | |  |       | ・順序は       |  | ・個に応じて決めさせるが,筆算ともう | | |  |       |            |  | ひとつ半具体物を用いる方法に取り組ま | | |  |       |            |  | せる。 | | | | 見直し   | ◆ 見通しの見直し  |  | ・自分の立てた見通しについて,誤りは | | |  |       |            |  | ないか,よりよい方法はないかといった | | |  |       |            |  | 観点で見直させる。    | | | | | | | | | |  | 解決の実行 | 4,見通しにしたがっ | 20| ・問題1,2の順に取り組ませる。   | 学習 | |  |       |  て各自課題解決を図 |  | ・筆算で行う子が多いと思われるが,計 | プリン| |  |       |  る。        |  | 算方法の説明を各位ごとに書かせるよう | ト | |  |       |            |  | にする。また,数字カードやおはじきで | 数図 | |  |       |   356  132 |  | 確かめるようにさせる。自己解決できな | カード| |  |       |  − 89 − 48 |  | い子には,計算の手順を示した補助カー | おはじ| | 開|       | --------------------|  | ドなどを与えるとともに,半具体物を用 | き | |  |       |   267   84 |  | いて計算の方法を理解させるようにする | 補助 | |  | 見直し   | ◆ 課題解決の見直し |  | ・課題解決を行った後,概算した答えと | カード| |  |       |            |  | ほぼあっているか,間違いはないか,い | | |  |       |            |  | つでも同じように計算できるかといった | | |  |       |            |  | 観点で見直させる。  | | | | | | | | | |  | 一般化   | 5,計算のしかたをま |  | ・一の位,十の位で繰り下がりのある減 | | |  |       |  とめる。      |  | 法計算もこれまでと同じように筆算で計 | | |  |       |            |  | 算できることを確認する。 | | | | | | | | | |  | 適用,定着 | 6,練習問題に取り組 | 10| ・できるだけ多くの問題に取り組ませ, | 学習プ| |  |       |  む         |  | 習熟を図る。             | リント| | | | | | | | |  | 比較検討  | 7,前時の学習と比べ | | ・前時の学習との共通点・相違点を明ら | 既習の| |  |       |  る。        |  | かにさせる。             |  計算| +---+-----------+---------------------+---+-------------------------------------+-------+ | 終| まとめ   | 8,まとめ      | 5| ・本時の学習を振り返えらせ,感想を発 | 学習プ| | 結|       |            |  | 表させる。              | リント| +---+-----------+---------------------+---+-------------------------------------+-------+