印刷用紙:B4縦 1ページの行数:50 1行の文字数(半角で):100 第 6 学 年 算 数 科 学 習 指 導 案   盛岡市立城北小学校   教諭  伊 藤 茂 美 1 単元名   立体 2 単元について    立体図形については、低学年からものの形についての観察や構成などの操作をとおして平面図形と区別し   たり、直方体・立方体などが平面図形から構成されていることなどについて気づかせてきている。4学年で   は、直方体・立方体についての基本的な性質を理解させるとともに、辺や面の平行・垂直関係の理解と合わ   せて、その理解を深めてきた。以上の学習を受けて、本単元では、柱体・錐体に学習を発展させ、柱体・錐   体の底面、側面など、図形の構成要素や要素間の関係、高さなどについて理解させるとともに、展開図や投   影図などを用いて、立体図形についての理解をさらに深めていく。          3次元に存在する立体図形を2次元である平面にかきあらわす方法として、見取り図、展開図、投影図の   3つがある。見取り図とは、1つの視点からその立体を描写し、隠れて見えない線も点線でかきあらわした   ものである。教科書等でもこのかきあらわし方が多く、児童にとって馴染のかきあらわし方である。展開図   とは、立体をいくつかの辺で切り開き平面に広げたものである。円柱や円錐の場合を除き、辺でつながって   いなければならない。切り方によって様々な展開図が考えられるが、念頭操作がしやすい、作図作業が簡単、   組立作業が簡単等の視点から典型的な形が決まってくる。投影図とは、空間の3次元性に基づいて、ある立   体を3つの座標面に垂直に投影した図である。小学校では、基本的な立体図形だけを取り扱うので、真正面   から見た立面図と真上から見た平面図だけを扱う。    子供たちは図形の学習が好きであり、4年生の直方体や立方体の学習で、展開図のかき方も学習している   ので意欲的に取り組むものと思われる。しかし、ほとんどの児童は直感で図形を見ているため、面の形や位   置関係に注意しながら展開図をかくといった筋道だった考えは苦手である。また、展開図はかけたとしても、   そのよさや重要性にてらしてよりよい展開図を選択するのは難しいと思われる。    そこで、指導にあたっては、実物を与え「どの辺をきって平面に広げていくか」念頭操作をさせてから図   に書かせていきたい。また、話し合い活動を大事にして、展開図のよさや重要性を児童が発見できるように   進めていきたい。 3 単元目標 (1) 角柱や円柱、角錐や円錐の概念や基本的な性質、円柱や錐体の底面、側面などについて理解するとともに、 身のまわりからそれらの図形を見つけだそうとする (2) 角柱や円柱、角錐や円錐の展開図を読んだり、かいたりすることができるようにするとともに、その構成 活動などをとおして構成要素の位置関係などについて理解する (3) 角柱や円柱、角錐や円錐などの立体について、立面図や平面図にあたるものを読んだり、かいたりするこ とができるようにする 4 指導計画(15時限)  第1次 柱体と錐体の仲間分けをし、それぞれの立体について特長、性質を調べる−−−−−−−−−3時限  第2次 各立体の展開図をかいて作る−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−8時限   ・ 角柱の展開図と製作       (2)本時 1/2   ・ 円柱の展開図と製作       (2)   ・ 角錐の展開図と製作      (2)   ・ 円錐の展開図と製作       (2)  第3次 真正面、真上から見た形について調べる−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−3時限  第4次 まとめ−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−1時限 5 本時の指導 (1) ねらい  ・ 角柱の展開図の書き方を三角柱をもとにして考え、よりよいかき方に気づくことができる   ・ 三角柱の展開図をかくことができる (2) 展 開 +−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−+ |段| | |時| | | |  学習活動・・・・・・・・・・  |   教師の働きかけ・・・・・・・・ | | 指導上の留意点・・・・・・ | |階|      |   |間| | +−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−+ | |1 問題文を読み、題意をつ|・ 紙で作ったサイコロを提示し|4|・ 展開図のイメージが持てな| | | かむ          | 展開図がどういうものであった| | い児童のために、立方体を切| |導|             | か想起させる。       | | り開いて見せる。     | | |             |☆ 4年生の学習が発表に表われ| |              | | |2 学習課題を把握する  | ていることを認め、学習の意欲|3|・ 三角柱だけでなく、どんな| | |+−−−−−−−−−−−+| を高める          | | 角柱でも書ける展開図を考え| |入||角柱の展開図のかき方を||・ 三角柱を提示し、立方体との| | ることを確認する     | | ||考えよう       || 共通点や相違点を探らせる  | |・ 個人の考えを出させるため| | |+−−−−−−−−−−−+|               | | に全体の見通しは行わない | +−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−+ | |3 自己活動をする    |・ 定規を使わず、フリーハンド|8|・ 事前に発表用の紙を渡して| | | ・ 側面が全部つながって| で大体の形をかかせる。   | | おき、展開図を書けた児童か| | |  いる展開図      |・ 1つも考えつかない児童には| | ら黒板に張らせる     | | | ・ 側面が2つに分けられ| 実物を与え、辺で切らせて見つ| |              | |展|  ている展開図     | けさせる。         | |・ 1つでも展開図がかけた児| | | ・ 側面が3つに分けられ|・ たくさん考えられる児童には| | 童には、1面だけ移動させて| | |  ている展開図     | その理由についてもまとめさせ| | 他の展開図がかけないか考え| | |  | る。            | | させる          | | |  |☆ 自己活動を通して気づいた解| |・ たくさんかけている子や他| | |             | 決のアイデアや既習事項の適用| | の子とは違った展開図をかい| | |             | を賞賛し、話し合い活動におけ| | ている子に説明させ、そのア| | |             | る発表の促しにする     | | イデアをほめる      | | |             |☆ つまずきや行き詰まっている| |・ 教えるのではなく、その子| | |  | 子と共に考え、乗り越えたこと| | がどうしたいのかを聞き、実| | |  | を共に喜ぶ         | | 現させれる方向で助言する | |開|             |・ 自己活動の振り返りをさせる| |・ 6段階の考えのレベルから| | |             |               | | 自己活動で自分が達したレベ| | |             |               | | ルを選ばせる。      | | |4 考えを発表し話し合う |・ 発表の方法を説明する   |20|・発表する児童には実物を与 | | | (1) 発表を聞き理解する |☆ 自分の考えと比較しながら発| | え切り開く辺に色をつけさせ| | |  | 表を聞かせ、それぞれの考えの| | ながら説明させる     | +−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−+ +−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−+ |段| | |時| | | |  学習活動・・・・・・・・・・  |   教師の働きかけ・・・・・・・・ | | 指導上の留意点・・・・・・ | |階|      |   |間| | +−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−+ | |        | 素晴らしさを認めたうえで、わ| |・ 考えの根拠や見通しも入れ| | |  | からないことはどんどん質問さ| | た発表を心がけさせる   | | |  | せる            | |             | |展| (2) 考えや方法のよさ、関|・ 側面のつながりを観点に、出| |・ 似ている展開図を見つけさ| | |  連性について検討する | された展開図を仲間分けする | | せることによって、側面のつ| | |  |               | | ながりに着目させ、仲間分け| | |  |☆ それぞれの展開図は、どのよ| | の観点をはっきりさせる | | |  | うなよさがあるか考えさせる | | | | |  |☆ 立方体の展開図に似ている展| |・ 立方体の展開図を横向きに| | |    | 開図がどれであるか考えさせる| | 置き、底面と側面の区別をつ| | |  |               | | けさせる         | | | (3) 三角柱の展開図をかき|・ 作業の遅い児童を援助する | |・ ・以外の展開図でかいてい| | |  組み立てる      |☆ 作業によってわかること、感| | る児童には「なぜその展開図| | |             | じることを発表させる    | | を用いたのか」説明させる | | | (4) よりよい考えを選択す|・ なぜその書き方を選んだのか| |・ いろいろな考えとみんなの| | |  る  | 発表させる。        | | 話し合いによって1つのより| | |  |☆ リボンの模様を書き込むこと| | よい考えが作り出されたこと| | |  | を説明し、面のつながりのわか| | の素晴らしさを伝える   | | |  | りやすさにも気づかせる | |     | | |5 本時のまとめをする  |               | |・ できるだけ児童の言葉でま| | |+−−−−−−−−−−−+|               |5| とめていく        | |開|| 角柱の展開図では、側||               | |              | | ||面を全部つなげて書き、||・ 展開図に表すことのよさにつ| |・ 展開図に表すことによって| | ||その上下に底面を1つず|| いて考えさせる      | | どういうことがわかってくる| | ||つつければよい。   ||               | | か考えさせる       | | |+−−−−−−−−−−−+| | | | +−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−+ | |6 学習の振り返りをする |・ 学習してわかったこと、友達|5|・ 1時間内の自分の伸びを的| |終| ・ 学習内容、学び方を振| や自分の考えのよかったところ| | 確にとらえさせ、数学的な考| | |  り返り自己評価する  | などを感想として書かせ発表さ| | え方のよさに気づいたり自己| | |             | せる            | | のよさ友達のよさについて取| | | ・ 感想を発表する   |☆ 表を見ながら自分の学習を評| | り上げている点に視点をあて| | |             | 価し、途中の自己評価との比較| | て認め賞賛する      | |末|             | から深まりを自覚できるように| |              | | |             | する            | |              | +−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−+