印刷様式:B5縦 1ペ−ジの行数:35 1行の文字数(半角で):70      第4学年 算数科学習指導案                  平成 6年10月 7日(金)   5校時                  4年1組 男15名 女14名 計29名                  指導者      荒 川 享 司 1 単元名   11 小数    (新しい算数 4年下 P4〜P22) 2 単元について  小数は連続量を表すにあたって、ある単位より小さい量をもその単位で表す ことの必要性から生まれたものであり、整数を基礎として拡張された数であ る。第3学年では、小数を必要とする測定値の端数部分を表す数として、 1/10の位までの小数を導入した。さらに、これを用いた小数の仕組みや簡単 な場合の加減計算も学習してきている。                  このことをうけて、4学年の本単元では、小数の範囲を1/1000の位まで拡張 し、大小比較、数直線上への表示などを通して、数の相対的な大きさについ ての理解を深めるとともに、加減の筆算形式の理解と計算技能の習熟を図る ことを主なねらいとしている。さらに本単元の学習は、第16単元での小数× 整数・小数÷整数の計算へと発展していく。  児童は、前学年での学習から、簡単な場合の小数の加減計算や小数第1位の 小数の大小比較もできるようになっている。しかし、それらは、感覚的、直 観的であり、例えば、「コップ3.5 杯」を「コップ3杯と半分」というよう な具体的な量としてとらえことや整数と同じように十進法の仕組みであるこ ととらえている児童は少ない。また、児童の実態をとらえる上での「考え方 テスト」の結果から、感覚的思考より論理的思考ができる児童が多いことが 分かった。しかし、立式にあたっては、感覚的思考傾向が強く見られた。こ のような児童の実態を考えた時、ともすれば機械的な計算の仕方の理解のみ にとどまりがちになる本単元の指導にあたっては、計算の意味と方法を論理 的に明らかにしていく授業の展開に努めることが大切になると考えられる。  以上のことを踏まえ、指導にあたっては、身近な連続量の測定による端数処 理の必要性から1/100 の位、1/1000の位まで位を拡張していくようにする。 この際に、数直線やタイル図などの半具体物を使って、小数の仕組みや原理 を視覚的、論理的に理解させていきたい。小数の加減計算では、位をそろえ ること、位ごとに計算することなど、小数の仕組みについての理解の上で、 整数と同じ原理・手順でできることに気づかせていきたい。 3 単元の目標  (1) 1/100 の位(小数第2位)、1/1000の位(小数第3位)の小数について    その表し方、読み方及び相対的な大きさなどについて理解する。  (2) 小数の位取りの原理は整数の仕組と同じであることを理解するとともに    小数も十進数であることに気づき、その理解を深める。  (3) 小数についても、整数と同じように加減計算ができることを理解すると    ともに、計算の技能を高める。 4 単元の指導計画(13時間扱い)  第1次 小数の表し方−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−2時間   ・1/100 の位までの小数の表し方、読み方   ・1/1000の位までの小数の表し方、読み方   ・複名数で表された重さの測定値の小数による単名数表示の表し方  第2次 小数の仕組み−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−4時間   ・小数の仕組みと小数第3位までの小数の位取りの原理   ・小数の十進構造と相対的大きさ   ・小数の数直線表示と順序性  第3次 小数のたし算とひき算−−−−−−−−−−−−−−−−−6時間   ・小数第1位の小数どうしの加法計算            (本時)   ・末尾の桁数がそろっている場合の小数の加法計算   ・末尾の桁数がそろっていない場合の小数の加法計算   ・小数第1位どうしの減法計算   ・末尾の桁数がそろっている場合の小数の減法計算   ・末尾の桁数がそろっていない場合の小数の減法計算  第4次 まとめ−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−1時間   ・学習内容の適用と習熟 5 本時の指導  (1) 目標  ・これまでの学習との違いに気づき、小数第1位どうしの加法計算のしかた   を考えようとする。                          ・小数第1位どうしの加法計算を、具体的な式や図で表し、やり方を説明す   ることができる。                           ・小数第1位どうしの加法計算は、位をそろえて整数と同じように計算すれ   ばよいことがわかる。                         (2) 指導の重点   小数第1位どうしの加法計算について、小数の仕組み(十進数)を用いて、  位をそろえれば整数と同じように計算(筆算形式)することができることに  気づかせ、計算の仕方を理解させる。  (3) 展開 +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−− |段階      学習内容と学習活動 |   指導上の留意点 +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−− | |1 問題を把握し学習課題をつかむ | | |(1) 問題提示 | | |+−1.−−−−−−++−2.−−−−−−+・問題は相違点をもつ2問 |つ|重さ 2.5gの砂糖と3.4gの塩が を提示する。 1.は繰り上がりがない あります。 砂糖と塩をあわせると重さ 2.は繰り上がりがある は何gになりますか。 長さ4.5m赤いリボンと13.7m の白いリボンがあります。 あわせると長さは何になりますか。 | |+−−−−−−−−++−−−−−−−−+ | | | 1.と2.の式の比較から、 | |<典型的思考過程> | 相違点を導き、本時の課 | |1 問題を読む | 題をつかませたい。 | |2 求めいてることをつかむ |             |か|3 わかっていることをつかむ |             | |4 2と3 のつながりを考える |            | |5 立式する |             | | |・立式にあたっては、感覚 | | 1.         2. | 的思考傾向の児童にもわ | | 2.5 gと3.4gをあわせるから かるように、式のみでは  4.5mと13.7mをあわせるから   | なく、式の意味づけも図 |む|式は 2.5+3.4となります。 を使って示したい。    式は4.5+13.7となります。   | | |  2.5+3.4      4.5 + 13.7 |  | |   答え 5.9g    答え18.2m | | | −−−−−−− −−−−−− | | | |・課題設定時にフラッシュ | |(2) 学習課題の設定 | カ−ドを提示し、本時の |10|+−−−−−−−−−−−−−−−−+|  課題と同様の式を選別さ |分||4.5 +13.7のような計算の仕方を考え| | せることにより、課題を | ||よう。(くりあがりのある) | | 明確にしたい。 | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | (繰り上がりのある計算) +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−− +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−− | |2 課題を解決するための見通しを立てる。 |・問題解決を見通しをもっ | |(1) 結果の予想 | てさせるために、結果の |考|・18以上になりそうだ。 | 予想をさせる。     |え|(2) 解決方法の見通し |・感覚的思考傾向のある児 |る|・筆算をする。 | 童も、いずれかの方法で | |・整数と小数に分けてたし算をする。 | 取り組むことができるよ |3|・0.1をもとにして考える。 | う、具体的な解決方法を |分| (基準単位をにして計算する) | 提示したい。      +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−− | |3 課題を解決する。 |<自力解決>への支援 | |(1) 課題解決 |・感覚的思考傾向の児童に | |・筆算 | は、図を使って考えるよ | |   4.5 45+137と同じように | うに支援したい。    | | +13.7 位をそろえてたす。 |+−−+−−+−−−−+ | |−−−−−−− || | | | |く|  18.2 ||十の位 一の位1 /10の位 |     || | | | | | |+−−+−−+−−−−+ | |・小数と整数に分けて |||●●●● ●●●●●|     || | | | | | |+−−+−−+−−−−+ | |  4+13=17 ||●|●●● ●●●●●|     || | | | | |  0.5+0.7=1.2 || | |●● | | | |+−−+−−+−−−−+ |ら|  17+1.2=18.2 |  | | |・筆算を用いて解いた児童 | |・0.1をもとにして(基準単位をmして) には、位をそろえる意味| | |  4.5は0.1が 45個() | や繰り上がりの意味(小 |べ| 13.7は0.1が137個() | 数の原理)を説明できる | |−−−−−−−−−−−−−−−−− | | |   合計で0.1が182個() | よう支援したい。    | | 182を10でわって 答え18.2 |             | | | |る|(2) 中間のまとめ |・自力解決で出されたもの | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+  をよりよい方法へと練り 4.5 + 13.7の計算は整数の計算と 上げ中間のまとめをする。 同じようにできる。 | |+−−−−−−−−−−+−−−−−−−+ | ||1.位をそろえてかく |  4. 5 |    中間のまとめ | || | ++ |+−−−−−−−−−−− | ||2.右の位から順にたす|+13.1 7 | | 1 基本的な考え方   | || |−−−++−− |+−−−−−+−−−−− |19||3.上の小数点にそろえて、和に小数点をうつ 18. | 2  2 手順 3解答の書き方 |分|+−−−−−−−−−−+−−−−−−−++−−−−−+−−−−− +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−− +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−− | |4 定着問題を解く。 |             | |(1) 定着問題 |・定着問題は、中間のまと | | 1. 2.4+3.7   2. 3.6 + 5.9 | めの解答の書き方にした |た| 3. 41.8+ 16.3 4. 27.2+ 1.9 | がって書かせる。 |し| 5. 8.5 +13.7 |・計算が速く終わった児童 |か| | には、別のプリントを配 |め|(2) 自己評価(認知面) | 布し習熟を図る   。 | |+−−−−+−+−+−+−+−+ | |る|| |1.|2.|3.|4.|5.| |・認知面からの自己評価を | |+−−−−+−+−+−+−+−+ | | ||ひとりで| | | | | | | 行う。間違った解答をし | |+−−−−+−+−+−+−+−+ | |10||みんなと| | | | | | |た児童には、どこで間違 | |+−−−−+−+−+−+−+−+ | |分||先生と | | | | | | | えたのかを考えさせる。 | |+−−−−+−+−+−+−+−+ | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−− | |5 学習のまとめをする。 |             |ま|(1) まとめ |・まとめは、中間のまとめ | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | ||小数のくりあがりのあるたし算は整数| | をもとに一般化した形で |と||の計算と同じようにできる。 | | 行う。         | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | | |め| ・自己評価をする(情意面) |・情意面からの自己評価は | | | 教師側の本時の指導と支 |る| | 援の反省、個別化の資料 | | | にする。 |3|(2) 次時の予告 |・小数第2位の計算を学習 |分| | することを予告する。  +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−− 板書計画 +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− |+−−−−++−−−−++−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ ||問題1. ||問題2. ||学習課題 | || || |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ || || |+−−−++−−−++−−−++−−−−−+ |+−−−−++−−−−+|児童の||児童の||児童の|中間のまとめ| | 式     式 | 考え|| 考え|| 考え|| | | +−−−++−−−++−−−++−−−−−+ | +−−−−−−−−−−−−−−−+ |   答え    答え |     定着問題 | | +−−−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−