印刷用紙:B4縦 1ページの行数:71 1行の文字数(半角で):110 第6学年 算数科学習指導案 日時 平成6年9月14日(水) 2校時 児童 6年3組 30名(男子17名 女子13名) 指導者 鷹 觜 達 1、単元名 立体の体積と表面積 2、単元について ・立体の体積については、5学年で直方体や立方体の体積を、また立体については、4学年での直方体、立方体の概念及 び面や辺や頂点に関する性質を学習し、それらをもとにして、6学年で角柱や円柱、角錐や円錐の概念とその基本的な性 質を学習してきている。これらの学習を基盤として、本単元では、角柱や円柱、角錐や円錐の体積と表面積の求め方や公 式について学習する。まず角柱、円柱の体積では、直方体や立方体の体積の求め方を想起させ、高さ1cmの体積を元に して、それが底面積を表す数と同じになっていることに気付かせ、公式、底面積×高さを導かせる。角錐や円錐の体積で は、そのよりどころを、等底、等高の角柱や円柱と対比し、それらの体積のどれだけの割合になっているかを実験、実測 を通して帰納的に導いていく。角柱や円柱、角錐や円錐の表面積では、見取り図から展開図を常に想起させ、面積を求め るのに必要な長さがどれだけになっているかをしっかりと押さえさせ、指導していくことが大切である。 ・子ども達は、与えられた公式や知識を使って問題を解くことは比較的優れているが、新しく学習することに対して既習 事項を使って考えるということには、あまり積極的ではない。また、自分の考えに自信が持てず、確実に正答と分かって いないと挙手できない子も多い。意識調査を見てみると、「算数の勉強が好き」と答えた子が少なく、また、学習内容が 難しくなるにつれて「分からなくて困ることはない」という子も少なくなっている。しかし、その反面「みんなと勉強し てよかった」と感じている子も多く、さらに、「力を入れるともっと良くなると思う」と感じている子も多かった。 事前テストでは、同じ形の三角柱を合わせて直方体を作り体積を求めようとした子がほとんどだった。また、底面の面 積を使って体積を求めようとした子が8名いた。しかし、1段目の体積を求めてから三角柱の体積を求めようとした子は 1名しかいなかった。 ・指導に当っては、ただ単に公式を覚えさせそれを習熟させるのではなく、既習事項を使って自分で問題を解決しようと したり、操作活動を通して柱体と錐体の体積の関係を理解しようとする態度を大切にしたい。また、問題解決に対する意 欲を高めるために、日常的な問題の提示を心がけ、自力解決の場では、一人ひとりの考えを大切にし認め合うことで学び 合う喜びを味わわせていきたい。 3、単元の目標 (1) 角柱や円柱、角錐や円錐の体積を求める方法と公式について理解し、それを用いて体積を求めることができるよ うにするとともに、身の回りの具体物の体積を求めようとする。 (2) 角柱や円柱、角錐や円錐の表面積の求め方を理解するとともに、それを用いて表面積を求めることができるよう にする。 4、教材の系統 +−−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−−+ | 5 年 | | 6 年 | | 中 学 | +−−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−−+ |・体積、容積の概念 | ++・角柱や円柱、角錐や円錐の概| +−+・球の体積、表面積 | |・体積の単位(cm3 m3 ) | || 念や性質 | | | 4 | |・直方体、立方体の体積 | ||・角柱や円柱、角錐や円錐の展| | | V=−πr3、S=4πr2 | +−−−−−−+−−−−−−−+ || 開図 | | | 3 | +−−−−−−+−−−−−−−+ |+−−−−−−+−−−−−−−+ | +−−−−−−−−−−−−−−+ |・平行四辺形、三角形、台形、| |+−(本単元)+−−−−−−−+ | | ひし形などの面積 | ||・角柱や円柱、角錐や円錐の体| | +−−−−−−+−−−−−−−+ || 積の求め方と公式 | | +−−−−−−+−−−−−−−+ ||・角柱や円柱、角錐や円錐の表+−+ |・円周の長さや円の面積 | || 面積の求め方 | |・おうぎ形のまわりの長さや面+−−++−−−−−−−−−−−−−−+ | 積 | +−−−−−−−−−−−−−−+ 5、指導計画と小単元の設計 (1)指導計画(12時間) 1. 角柱、円柱の体積 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−3時間 ・三角柱の体積の求め方 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−1 (本時) ・角柱の体積の求め方と公式 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−1 ・円柱の体積の公式 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−1 2. 角錐、円錐の体積 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−3時間 ・角錐の体積の求め方と公式 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−1 ・円錐の体積の公式 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−1 ・学習内容の適用と習熟 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−1 3. 角柱、円柱の表面積 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−2時間 ・角柱の表面積の求め方 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−1 ・円柱の表面積の求め方 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−1 4. 角錐、円錐の表面積 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−3時間 ・角錐の表面積の求め方 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−1 ・円錐の表面積の求め方 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−1 ・学習内容の適用と習熟 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−1 5. まとめ −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−1時間 ・「まとめ」をする −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−1 (2)小単元 1. 小単元の目標 第1小単元 (関心・意欲・態度)角柱や円柱の体積の求め方を興味をもって考えようとする。 (数学的な考え方) 直方体や立方体の体積の求め方をもとに、角柱や円柱の体積の求め方を考えることができる (表現・処理) 角柱や円柱の体積を求めることができる。 (知識・理解) 角柱や円柱の体積の公式がわかる。 2. 小単元の設計 +−−−−+−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | 第1時 | 第 2 時 | 第 3 時 | +−−−−+−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | 目 標 | |角柱の体積の求め方を公式に表し、それ|円柱の体積の求め方を理解し、公式にす| | | |を用いて体積を求めることができる。 |ることができる。 | +−−−−+−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | つかむ | 本 |1、問題把握 |1、問題把握 | | | 時 |+−−−−−−−−−−−−−−−−+|+−−−−−−−−−−−−−−−−+| | | 展 || 次の角柱の体積を求||| 次の円柱の体積を求|| | | 開 || めなさい。 ||| めなさい。 || | | 案 || ||| || | | に || ||| || | | 示 || ||| || | | す |+−−−−−−−−−−−−−−−−+|+−−−−−−−−−−−−−−−−+| | | |2、課題把握 |2、課題把握 | | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−+|+−−−−−−−−−−−−−−−−+| | | ||角柱の体積を求める公式を考えよう|||円柱の体積を求める公式を考えよう|| | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−+|+−−−−−−−−−−−−−−−−+| | 考える | |3、見通す。 |3、見通す | | | |4、自力解決 |4、自力解決 | | 深める | |5、比較検討 |5、比較検討 | | | |6、類題 |6、類題 | |まとめる| |7、まとめ |7、まとめ | | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−+|+−−−−−−−−−−−−−−−−+| | | ||角柱の体積は、次の公式で求められ|||円柱の体積は、次の公式で求められ|| | | ||ます。 |||ます。 || | | || 角柱の体積=底面積×高さ ||| 円柱の体積=底面積×高さ || | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−+|+−−−−−−−−−−−−−−−−+| | | |8、適用問題 |8、適用問題 | | | |9、ふり返る |9、ふり返る | +−−−−+−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ 6、本時の指導 (1)目標 三角柱の体積の求め方を理解することができる。 (2)下位行動目標 1.「三角柱の体積は、1段目の体積に高さをかけてやればよい。」とまとめることができる。 2.1段目の体積を求めてから高さをかけるやり方で類題を解くことができる。 3.1段目の体積を求めてから高さをかけるやり方は、三角柱のまま体積を求めることができると言うことができる。 4.それぞれのやり方のちがいや良いところを言うことができる。 5.直方体をもとにして三角柱の体積を求めることができる。 6.直方体をもとにして考えればよい、と言うことができる。 7.「三角柱の体積の求め方を考えよう」という課題を立てることができる。 8.問題文を読んで三角柱の体積を求める問題であると言うことができる。 R1角柱の概念を知り展開図をかくことができる。 R2公式を用いて三角形の面積を求めることができる。 R3公式を用いて直方体や立方体の体積を求めることができる。 (3)本時の指導の方向性 事前テストでは、同じ形の三角柱を2つ合わせて直方体を作り体積を求めた子が多く、底面に高さをかけて求めると いう公式的な考え方をした子も数名いた。しかし、公式的な考え方をした子の多くは、ただ単に直方体の公式の形をま ねただけで、なぜそうなるのかを説明できた子はいなかった。また、直方体の公式につながる1段目の体積を求めてか ら高さをかけるというやり方をした子は1名しかいなかった。そこで今回は見通しの段階で、直方体の体積を求めたと きのことを想起させ、1段目の体積がわかれば三角柱の体積も求められることを理解させるとともに、底面積に高さを かけるということは1段目の体積が何段重なっているか、ということであることを理解させたい。また、個別指導を要 する子には、ヒントカ−ドを配るなど配慮したい。 (4)展開 +−+−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−+ |段| | 学 習 活 動 |時| | | | |学習内容+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+ | 指導上の留意点 | 備 考 | |階| | 教師のはたらきかけ | 予想される児童の反応 |間| | | +−+−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−+ |つ|問題把握|1、問題の内容をつかませ| |3|+−−−−−−−−−+|学習プリント| |か| | る。 | | ||日常的な問題を設定||紙板書 | |む| |・問題文を読ませる。 | | ||することにより必要|| (問題文)| | | |+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+ | ||感を持たせ、学習意||立体模型 | | | || 善成君と令子さんがショ−トケ−キを買ってきま| | ||欲を高めさせたい。||8. | | | ||した。どちらのショ−トケ−キのほうが大きいです| | |+−−−−−−−−−+| | | | ||か。 | | | | | | | ||<善成君> <令子さん> | | | | | | | || | | | | | | | || | | | | | | | || | | | | | | | || | | | | | | | || | | | | | | | || | | | | | | | || | | | | | | | |+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+ | | | | | | |・どうやって大きさを比べ|・体積を求めて比べる。 | | | | | | | ますか。 | | | | | | | |・今まで勉強したこととど|・今までは、直方体や立方 | | | | | | | んなことが違いますか。| 体の体積を求めていたけ | | | | | | | | れど、今日は三角柱の体| | | | | | | | 積を求める勉強だ。 | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | |課題把握|2、学習課題をつかませる。 | |・ひとりひとりに課題を|7. | | | |+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+| | 立てさせ、子どもの言|+(評価1) +| | | ||三角柱の体積の求め方を考えよう。 | | | 葉で学習課題を設定す||自分の言|| | | |+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+ | | る。 ||葉で課題|| |考|見通し |3、解決の見通しを持たせ | | | ||を立てる|| |え| | る。 | | | ||ことがで|| |る| |・どちらのショートケーキ |・下の面積が同じだから、 | | ||きたか。|| | | | のほうが大きく見えます | 同じ大きさだ。 | | |+−−−−+| | | | か。 | | | |紙板書 | | | |・どんな方法でやればいい |・高さが1cmの三角柱の | |・直方体の体積を求めた |6. | | | | ですか。 | 体積を求めて、それに高 | | ときのことを想起させ | | | | | | さをかけてやればよい。 | | 1段目の体積が分かれ | | | | | |・2つ合わせて直方体の形 | | ば、あとは同じ形の三 | | | | | | を作り、それを2でわる | | 角柱が高さの分だけ重 | | | | | | | | なっていることに気付 | | | | | | | | かせる。 | | | | | | | |・1段目の体積は、直方 | | | | | | | | 体をもとにして考えれ | | | | | | | | ばいいことに気付かせ | | | | | | | | る。 | | | |自力解決|4、各自に問題を解決させ | | | |5. | | | | る。 | | | |+(評価2) +| | | |・まず善成君の体積を求め | | |・速く終わった子には他 ||自分のや|| | | | てみよう。 | | | のやり方にも取り組ま ||り方で体|| | | |・三角柱の体積を求めてそ | | | せる。 ||積を求め|| | | | れを式に表してください。 | | ||ようとし|| |深|比較検討|5、発表させる。 |(1段目を求めてから高さをかける) ||ているか。| |め| |・どのような形で考え、ど |6×4×1÷2=12 | | |+−−−−+| |る| | のように計算したのか発 |12×5=60 | | |ヒントカ−ド| | | | 表してください。 |(2つ合わせて直方体にして求める) | | | | | |6×4×5÷2=60 | | | | | | | |(底面積に高さをかける) | | | | | | | |6×4÷2×5=60 | | | | | | | | 答え 60cm3 | | | | | | | | −−−−−−−−−−+ | | | | | |・それぞれの考え方で似て |・直方体に直して考えてい | |・底面積に高さをかける | | | | | いるところやちがってい | る。 | | ということは、1段目 | | | | | るところはどこですか。 |・1段目の体積と底面積が | | の体積が何段か、とい | | | | | | 同じ数になっている。 | | うことと同じであるこ | | | | | | | | とに気付かせる。 | | | | |・それぞれのよいところは|・2つ合わせた方法は、1 | |+−−−−−−−−−+ |4. | | | | どこですか。 | 回で計算できる。 | ||それぞれのやり方の| |3. | | | | |・1段目を求めてからやる| ||良さを認め充足感を| | | | | | | 方法は、三角柱のままで| ||持たせる。 | | | | | | | 計算できる。 | |+−−−−−−−−−+ | | | | | | | |・1段目を求めてからや | | | | | | | | る方法は、三角柱のま | | | | | | | | まで計算できることに | | | | | | | | 気付かせる。 | | | | |6、類似問題を解かせる。 |・6×4×1÷2=12 | | |2. | | | |・令子さんのショ−トケ− | 12×5=60 | | | | | | | キの大きさを求めてみよ | 答え 60cm3 | | | | | | | う。 | −−−−−−−−−−−+ | | | | | |・1段目の体積を求めてか |・どちらも同じ大きさだっ | | | | | | | らやってみよう。 | た。 | | | | |ま|まとめ |7、まとめをさせる。 | | |・自分の言葉でまとめさ|1. | |と| |+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ | | せる。 |+(評価3) +| |め| ||三角柱の体積は、1段目の体積に高さをかけてやれ| | | ||自分の言|| |る| ||ば求めることができる。 | | | ||葉でまと|| | | |+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+ | | ||めること|| | |ふり返る|8、本時の学習をふり返ら | | |+−−−−−−−−−+ ||ができた| | | | | せる。 | | ||自己評価と相互評価| ||か。 || | | |・ふり返りカードに書きな | | ||を発表させることに| |+−−−−+ | | | | さい。 | | ||よって、次時の意欲| | | | | |・感想を発表してください。 | ||付けをはかる。 | | | | | | | | |+−−−−−−−−−+ | | +−+−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−+