印刷用紙:B4縦 1ぺージの行数:73 1行の文字数(半角で):202 第5学 年 算 数 学 習 指 導 案 日 時 平成6年9月26日〜10月15日 児 童 男19名、 女16名 、計 35名 授業者 研修主事 村 上 政 悟 1 単元名 倍数と約数 (新しい算数 5年下p32〜40) 2 単元の目標 倍数と公倍数、最小公倍数、約数及び公約数、最大公約数、奇数と偶数などの整数の性質に関心をもち、 整数に対する見方を広めようとする。(関心・意欲・態度) 倍数は規則的な間隔をおいて続いていたり、約数は有限個であり、公約数は約数の一部であること、整数 は偶数と奇数に類別できることを説明できる。(数学的な考え方) 倍数と公倍数、約数と公約数を求めたり、整数を偶数と奇数に類別することができる。(表現・処理) 倍数と公倍数、約数と公約数、偶数と奇数の意味が分かる。(知識・理解) 3 単元について 整数については、前学年までに億、兆などの大きな数の扱いを通して、その命数法や位取り記数法のしくみ に着目したり、四則の計算の原理の考察を通して十進法についての理解を深めてきている。また、数のとらえ 方についても、1つの数を他の数の和や差、積などとしてみることも扱っている。 本単元では、これらのことがらを基礎として、整数の集合(ここでは、0及び正の整数だけを扱う)を対象 とし、倍、剰余及びその逆の観点から考察をくわえて、整数の性質に関する理解の拡張をはかり、整数の概念 を深めることが学習内容の中心となる。 そこで、倍数、約数も整数についての理解を深める内容であることに留意して児童の主体的な学習への支援 をしていきたい。 4 児童の実態 略 北上市立飯豊小学校5年1組のみなさん 5 支援活動について 用語の形式的な学習にならないように、身近なところに素材を求め、新たな問題を生み出していくような具 体的な活動を通して抽象的な整数の体系に目が向くようにする。 例えば、表に表したり数直線に表すことで倍数と公倍数、約数と公約数の理解を深めていき、それらの活動 を通すことで計算によって求めていけるように支援していきたい。 また、カレンダーなどの問題を通して、きまりを見つけて問題を解決するよさに気づくようにし、自分たち の生活に生かそうとする態度を養いたい。 6 単元の学習計画(10時間) 第1次 倍数と公倍数(4時間) ・倍数の意味とその見つけ方、および公倍数の意味 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2時間 ・公倍数の見つけ方 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1時間 ・3の倍数と9の倍数 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1時間 第2次 約数と公約数(3時間) ・約数の意味とその見つけ方、および公約数の意味 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2時間 ・公約数の見つけ方 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1時間 第3次 偶数と奇数(1時間) ・偶数と奇数の性質と意味 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1時間 第4次 まとめ(1時間) ・練習 まとめ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1時間 第5次 表を使って考える問題 (1時間) ・カレンダーを使って考える問題 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1時間 7 単元と関連と発展 4 年 生 5 年 生 中 学 校 +−−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−+ |第2単元 | |本単元 | |・有理数、無理数の概| |・億、兆の位におよぶ大きな数| |・倍数、公倍数の | | 念 | |・十進法の意味 | |・約数、公約数の概念 | |・整数、小数、分数に| |・大きな数の加減計算 | |・偶数、奇数の意味 | | 関する四則計算の可| +−−−−−−−−−−−−−−+ |・整数の類別 | | 能性 | +−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−−+ |第15単元 | +−−−−−−−−−−−−+ |・資料の分類整理と表し方 | |第10単元 | +−−−−−−−−−−−−−−+ |・約分、通分の意味 | | とそのしかた | |・異分母・分数の加減計算| +−−−−−−−−−−−−+ 8 本時の学習目標 (1/10校時) 2種類の本を別々に並べ、同じ長さにすることに興味をもち、具体物などを用いて、意欲的に解決する。 (関心・意欲・態度) 倍数の意味や公倍数の意味が分かる。(知識・理解) 展 開 +−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+ |段| 学 習 活 動 と 主 発 問 | 予想される児童の反応 |「関心・意欲・態度」の育成上の| |階| | |留意点 | +−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+ | |1 一単位時間の学習内容を把| |・解決できる問題より少し難しい| |問| 握する。 既習事項との関連| | 問題を提示する。 | | |+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+ |・認知的な不調和が喚起されるよ| |題|| ずかんのあつさは2 、国語辞典のあつさは3 です。 | | うにする。 | | ||右はしがそろうのは、ならべた長さが何 のときですか。 | |・問題を自主的に考えさせる。 | |提|+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+ |・解決できそうな問題提示と絵板| | |2 提示問題から学習内容を把|・ずかんのあつさ2 、国語辞典 | 書の活用を図る。 | |示| 握する。 | のあつさ3 |・絵板書、具体物を用意し、問題| | | 分かっていることは何ですか|・右端がそろうのときの長さ | のイメージをそれぞれがもてる| |5| 求めることは何ですか | | 配慮する。 | +−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+ | |3 提示問題から学習課題を把| |・学習課題の明確し、各自自覚で| |課| 握する。 課題の明確化 | | きるようにする。 | | |+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+ |・個の思いが生かされるような設| | || 2つのならべた長さを同じにすることができないか考えよう。| | 定の仕方を考慮する。 | |題|+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+ | | | |4 問題の答えや求答方法を予| |・意欲的な追究活動や学ぶ価値が| | | 想する。 |・できる 5 、6 、12 | あることを理解させる。 | |把|・答えの見積り |・ 実際に並べてみる |・関連既習事項を想起させる。 | | |・解法の見通し | かけてみる | | | | | (1冊の長さ)×(冊数) |・見通しをもつ力を育てるために| |握| | 数直線 | 時間を十分取って考えさせる。| | | | 表 | | | | | 帯び図 |・ここでは、理由根拠等にあまり| |7| | | 深入りしない。 SD1| +−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+ | |5 問題構造を視覚化するなど| 具体物を並べてみる |・操作活動や思考実験をしながら| | | して解決試案を作成する。 | | 自主的・主体的に学習する。 | | |・使える資料や既習事項に基づ| ずかん | | |課| いて考えようとする。 |2×1=22×2=42×3=6 |・解決の見通しを立てさせ、複数| | | |国語辞典 | の解決試案を考え、実行させる| | | |3×1=33×2=63×3=9 | | | | | |・学習シートを用意し、解決試案| | | | ずかん 123456789 | に書き込めるようにする。 | | |6 解決試案に基づき自力解決| +++++++++ | | |題| をする。 | 国語辞典 123456789 |・視聴覚教具の活用を積極的に行| | |・思考実験しながらアイデアを| | う。 (ホワイトボードなど)| | |・具体的な操作活動を取り入れ| | | | | ながら豊かな発想、多様な考|−−−−+−+−+−+−+−+ |・一人一人のよさを認め、褒めた| |解| えができるようにする。 | ずかん|2|4|6|8|10| | り、励ましたりする。 | | |・複数の解法の発見 |−−−−+−+−+−+−+−+ | (ピグマリオン効果を期待) | | |・疑問点など積極的に聞く。 |国語辞典|3|6|9|12|15| |・支援活動 個に応じた指導 | | | |−−−−+−+−+−+−+−+ | 解法の類型化 | |決| | | | | | | |・一人一人のよさを発見し、座席| | | |ずか+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+- | 表に記入する。 | | | |ん +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+- | | |15| |国語+--+--+--+--+--+--+--+-- |・共感的理解や受容的な態度に心| | | |辞典+--+--+--+--+--+--+--+-- | がける。 | | | | 答え 6 、12 、18 、・・・| SD2 | +−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+ | |7 解決の妥当性の根拠を考え |・模型ずかんと模型辞典を利用し |・協同的解決を行う。 | |整| る。 | た解法を知る。 | 理解 納得 疑問へ | | |・解決方法の発表 |・かけ算を利用した解法を知る。 | | |理|・子供の葛藤を生かす。(切り |・数直線を利用した解法を知る。 |・納得を伴った理解が図られるよ| | | 返し発問 Why理由根拠) |・帯び図を利用した解法を知る。 | うにして、達成感や成功経験を| |表|・よい考えの選択(ゆさぶる発 |・ならべた長さが同じになる見つ | 確認する。 | | | 問) | け方が一番分かり易いのは、何 | | |現| | 番の方法、考えである。 |・各自の思考を振り返る。 | | |8 学習の成果として言葉でま |(倍にして計算し、同じ数になる | 数理的処理のよさを感得する。| |10| とめる。(小まとめ) | ときを見つければよい) | (簡潔さ、明瞭さ、的確さ、一| | | | | 人一人のよさ) SD3| +−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+ | |9 共通性や類似性をみつける |+− 適用問題 −−−−−−+ |・自らの既有の知識体系に位置づ| |習| || ずかんのあつさは3 、伝| | け、有能感や充実感の確認をし| | |10 適用問題(類似的な問題) ||記のあつさは4 です。右は| | ながら知識の再構成化を行う。| |熟| を解き一般性を図る。 ||しがそろうのは、ならべた長| | | | | ||さが何 のときですか。 | |・選択した方法、考えで実行する| |練| |+−−−−−−−−−−−−−+ |「よし、もう一度やってみよう」| | | | | | |習|11 習熟練習をする。 |・練習問題を解く |・一般化、よりよい解法を求める| | | 倍数と公倍数の求め方 | | | |5| | |・時間がない場合、割愛する。 | +−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+ | |12 一般性を確認し、学習のま |+−まとめ−−−−−−−−−+ |・倍数や公倍数の求め方を知るこ| |価| とめをする。 || いくつかの整数の共通な倍| | とにより、学び取った喜びを確| |値| ||数を、これらの整数の公倍数| | 認しながら自己実現の喜びや成| |づ|13 学習の価値づけを図り、次 ||という。 | | 就感、及び満足感を味わわせ、| |け| の学習の見通しをもつ |+−−−−−−−−−−−−−+ | 新しい内発的な学習意欲の喚起| | |(知識・理解、思考力・判断力 | | につなげる。 | |3|・表現力、技能) | | | +−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+