印刷用紙:B4縦  1ペ−ジの行数:83 1行の文字数(半角で):130           第 5 学 年 算 数 科 学 習 指 導 案                     日 時 平成6年9月16日(金)3校時                                            児 童 釜石市立小佐野小学校5年2組 男子18名 女子19名 計37名            指導者 佐 々 木  啓 子 1 単元名 単位量あたりの大きさ (東京書籍 新しい算数 5上) 2 単元について 2年の乗法の導入,3年の除法の導入などで,分離量で無意識に単位量あたりの考えを前提とする学習をしてきている。また,連続量として は,5年で,どちらが安いかを比べるときに,1mあたりの値段を求めて比べることも学習してきた。 本単元では,人数と面積,長さと時間というような異種の2量で決まる量の比べ方や表し方を考えていく中で,単位量あたりの考えの意味を 理解させるとともに,人口密度,速さ,作業の速さなどに単位量あたりの考えを用いて処理する能力を伸ばすことがねらいである。 本単元の指導にあたっては,第1小単元で,「ならす」という具体的な操作を通して,平均の意味をとらえさせる。第2・第3小単元では, これまでの量の比較の「そろえる」という考えを基に一方の量をそろえ他方の数量の大小によって比較することから,前小単元の平均の意味を 基に,一様に分布していると考えた場合の1uあたり,1時間あたりの量で比較することへと考えを進めていくことによって,単位量あたりの 考えをしっかり理解させたい。また,両者の比較・検討から,単位量あたりの考えのよさにも気づかせたい。  解決の検討をする集団解決の場では,自力解決に用いた考えの根拠を明確に説明するためのパタ−ンをいくつか与え,自分の考えを説明させ る。次に,自分や友達の考えの特徴やよさなどを「たしかめカ−ド」に書かせることによって,それぞれの考えの理解を図らせ,よさを認め合 いながらよりよい考えに高める話し合いの充実を図り,よりよい解決法を追究する態度を育てていきたい。 3 単元の目標 《関心・意欲・態度》 ○ 進んで平均や単位量あたりの考えを用いたり,速さや道のり・時間などを調べようとしたりする。 《数学的な考え方》 ○ 事象を比べるとき,「単位量あたり」の考えが有効な場合のあることに気づき,その利用のしかたとしての単位量あたりの大きさを説明   できる。 《表現・処理》 ○ いろいろな場合の平均を求めたり,単位量あたりの考えを用いて比較したり,速さの公式を使って速さを求めたりすることができる。 《知識・理解》 ○ 平均の意味やその求め方,単位量あたりの意味や速さの意味が分かる。 4 指導計画 (14時間)  第1次 平均 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−2時間 1/14 ・「平均」の意味とその求め方の理解 2/14 ・平均をもとにした全体の量の求め方の理解 第2次 単位量あたりの大きさ −−−−−−−−−−−−−−4時間 3/14 ・条件が異なる場合のこみぐあいの比べ方の理解 4/14 ・「人口みつ度」の理解 5/14 ・単位量あたりの大きさとその用い方の理解 6/14 ・学習内容の適用と習熟(練習・1) 第3次 速さ −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−7時間 7/14 ・速さの比べ方の理解 8/14 ・速さの概念とその表し方・速さを求める公式の理解 9/14 ・道のりを求める公式の理解 10/14 ・速さが一定の場合の時間と道のりの関係の理解 11/14 ・時間を求める公式の理解 12/14 ・作業などの速さについての理解 13/14 ・学習内容の適用と習熟(練習・2) 第4次 まとめ −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−1時間 14/14 ・学習成果の診断(まとめ) 5 本時の指導  (7/14)  1. 目標 [関心・意欲・態度] 単位量あたりの考えを用いて,進んで速さの比べ方を考えようとする。 [数学的な考え方] 速さを比べるときに,単位量あたりの考えが用いられることに気づく。 [知識・理解] 速さの比べ方が分かる。   2. 展開 +−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |段階 | 学 習 活 動 と 主 発 問 | 予 想 さ れ る 児 童 の 反 応 |  支 援 及 び 手 立 て | +−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |1 問題を読み理解する。 | |・問題を提示し,分かっていることに−線| | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ 求めることに〜線を引かせ,既知事項・| | 問 ||  走ったきょりと時間 || 求答事項をとらえさせる。 | | || 右の表は,明さんたち3人が走ったきょりと +−+−−−−−+−−−−+|| | | 題 || 間を表したものです。 | |きょり(m)|時間(秒)||| | | || +−+−−−−−+−−−−+|| | | の || ア.明さんと正さんでは,どちらが速いですか。|明| 100 | 20 ||| | | || イ.正さんと清さんでは,どちらが速いですか。+−+−−−−−+−−−−+|| | | 理 || ウ.明さんと清さんでは,どちらが速いですか。|正| 100 | 18 ||| | | || +−+−−−−−+−−−−+|| | | 解 || |清|  80 | 18 ||| | | || +−+−−−−−+−−−−+|| | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | | | ○分かっていることは何ですか。 |・3人の走ったきょりと時間 | | | 問 | ○求めることは何ですか。 |・だれが速いか | | | | ○明さんと正さんで,速いのはどちら |・正さん |・ア,イが容易に比較できるわけをしっか | | 題 | ○正さんと清さんで,速いのはどちら |・正さん | りおさえる。 | | | ○明さんと清さんで,速いのはどちら |・分からない |・ウは,きょり・時間のどちらも同数でな | | の | |・きょりも時間も両方とも違うから,すぐ| いので,きょりだけ,時間だけでは比較 | | | | 分からない | できないことを明確にさせる。 | | 理 |2 課題を把握する。 | | | | | ○今日の課題は何を考えるのですか。 |・きょりも時間を違うときの速さの比べ方|・ア,イとウとの比較の相違点から,課題 | | 解 | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | をとらえさせる。 | | | |きょりも時間をちがうときの速さの比べ方を考えよう。| | | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | +−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |3 解決の結果や方法について予想する| |   | | 解 | |・明さん |・こみぐあいの比較の学習の想起と提示問 | | 決 | 答えを予想しよう。 | | 題のア,イから,解決の見通しを立てさ| | の | ○どのようにしたら比べられそうです |・A−きょりをそろえて | せる。 | | 計 | か。 |・B−速さをそろえて |・結果の大小比較でどちらが速いか,判断| | 画 | |・C−1mあたりに走る時間で  | 基準をしっかりおさえさせる。 | | | |・D−1秒あたりに走るきょりで | | +−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |4 見通しに従って解決する。 |・A−きょりを400mにそろえる |・自分の考えた方法に基づいて自力解決さ | | | |  明 20×4=80 清 18×5=90 | せ,「たしかめカ−ド」に解決方法を書 | | | ○自分の考えた方法で比べましょう。|   80<90 答え 明 | き込ませる。 | | 解 | | |・電卓を用いて計算の効率化を図らせる。| | 決 | |・B−時間を180秒にそろえる | | | の | |  明 100×9=900 清 80×10=800 | | | 実 | |   900>800 答え 明 |・他の解決法で挑戦させたり,解決法を振| | 行 | | | り返らせて説明の仕方を文章表現させた| | | |・C−1mあたりにかかる時間 | りする。 | | | | 明 20÷100=0.2 清 18÷80=0.225| | | | |  0.2<0.225 答え 明 | | | | | | | | | |・D−1秒あたりに走るきょり | | | | | 明 100÷20=5 清 80÷18=4.4 | | | | |   5>4.4 答え 明 | | +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |考|5 考えを発表し合い,それぞれの考え | |・考えの根拠を明確にするための説明のパ| | | | を理解し,よさを認め合う。 |・A−きょりをそろえて | タ−ンに従って説明させる。  | | |え| |・B−速さをそろえて |・友達の考えやそれぞれの考えの特徴やよ | | | | ○考えを発表しましょう。 |・C−1mあたりに走る時間で | さを「たしかめカ−ド」に書かせること | | |の| |・D−1秒あたりに走るきょりで | により,考えの理解を図り,自分の考え | | | | ○それぞれの考えの特徴やよさについ|・それぞれの考えの特徴やよさについて発 | をもって話し合いに参加させる。 | |解|理| て発表しましょう。 | 表する。 | | | | | | |・どの考えにもよさがあることに気づかせ | | |解| | | る。 | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |考|6 それぞれの考えの関連や,的確さ・| |・的確さ・簡潔さ・明瞭さの観点について | |決|え| 簡潔さ・明瞭さの観点について比較・| | 自分で比較・検討した結果を「たしかめ | | |の| 検討の話し合いをし,考えを高める。| | カ−ド」に書かせてから,話し合いの充 | | |比| ○問題に合っていて正しい考えですか |・正しい考えです。 | 実を図る。 | | |較| ○それぞれの考えで似ているところや |・C,Dは,単位量あたりで考えている。 |・それぞれの観点について,根拠を明確に | |の|・| 違うところはありませんか。 |・A,Bは,どちらかにそろえている。 | させながら比較・検討し,当てはまる考 | | |検| ○簡単で速いか,少ない式で分かりや |・単位量あたりの大きさで比べる方が簡単 | えを選択するだけでなく,より簡潔によ | | |討| すいかについて考えたことを発表し | で速い。 | り分かりやすくできないかを話し合わせ | | | | ましょう。 |・Dは数の大きい方が速く分かりやすい。 | る。 | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |検| |7 よりよいと思う考えを選択し,類題| |・検討したことを見つめ直し,よりよいと | | | | を解決し一般化を図る。 | | 思う考えを選択させ,その根拠も「たし | | | | ○よりよいと思う考えを選んで,他の|・選択−考えD | かめカ− ド」に書かせる。 | | | | 問題でも使えるか確かめよう。 | 理由−簡単で速く,分かりやすいから |・選択した考えで類似問題を自力解決させ | | |考| +−−−−−−−−−−−−−−+ |・選択した考えで問題2を自力解決する。 | その考えが他の場合でも使えることを確 | |討|え| |問題2 | | ・1分あたりに走る距離 | かめさせることによって,一般化を図ら | | |の| | 15分間に300m走る自転車と | | 15分間 300÷15=20 | せ,考えのよさに気づかせる。 | | |選| |8分間に200m走る自転車では | | 8分間 200÷ 8=25 |・違う考えでも試みることによって答えの | | |択| |どちらが速いですか。 | |    20<25 答え 8分間の自転車| 確かめをさせるとともに,思考の柔軟性 | | | | +−−−−−−−−−−−−−−+ | ・1mあたりにかかる時間 | を図らせ。 | | | | | 15分間 15÷300=0.05 | | | | | | 8分間 8÷200=0.04 | | | | | | 0.05>0.04 答え 8分間の自転車| | | | | ○確かめてみて,どんなことが分かり|・単位量あたりで比べるのは,簡単で速く |・単位量あたりの考えのよさと有用性に気 | | | | ましたか。 | て分かりやすく,いつでも使えて便利。 | づかせる。 | +−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |8 学習のまとめをする。 |・速さは,1mあたりにかかった時間や1|・学習過程を振り返らせ,分かったことや | | ま | ○今日の学習で分かったことと感想を| 秒間あたりに走ったきょりを調べると,| 感想を自分の言葉でまとめさせる。 | | と | 書きましょう。 | くらべることができる。 | | | め | | | | | |9 練習問題を解く。 | |・適用問題で習熟を図らせる。 | +−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+