印刷用紙:B4縦 1ページ行数:58 1行の文字数(半角文字で):126 第 5 学 年 算 数 科 学 習 指 導 案 日 時 平成 8年 2月16日(金曜日) 児 童 男20名 女17名 計 37名 授業者 T1 村上 政悟 T2 高橋 学 1 単元名 倍数と約数 (新しい算数 5年下p32〜p40 本時p40) 2 単元の目標 (1) 倍数と公倍数,最小公倍数,約数と公約数,最大公約数,奇数と偶数などの整数の性質に関心をもち,整数に対する見方を広めよう    とする。(関心・意欲・態度) (2) 倍数は規則的な間隔をおいて続いていたり,約数は有限個であり,公約数は約数の一部であること,整数は偶数と奇数に類別できる    ことを説明できる。(数学的な見方・考え方) (3) 倍数と公倍数,約数と公約数を求めたり,整数を偶数と奇数に類別することができる。(表現・処理) (4) 倍数と公倍数,約数と公約数,偶数と奇数の意味が分かる。(知識・理解) 3 単元について 整数については,前学年までに億,兆などの大きな数の扱いをとおして,その命数法や位取り記数法のしくみに着目したり,四則の計  算の原理の考察をとおして十進法についての理解を深めてきている。また,数のとらえ方についても,一つの数を他の数の和や差,積な  どとしてみることも扱っている。 本単元では,これらのことがらを基礎として,整数の集合(ここでは,0及び正の整数だけを扱う)を対象とし,倍,剰余及びその逆  の観点から倍数と公倍数,約数と公約数などについて考察をくわえて,整数の性質に関する理解の拡張をはかり,整数の概念を深めるこ  とが学習内容の中心となる。 そこで,倍数と公倍数,約数と公約数及び偶数と奇数も整数についての理解を深める内容であることに留意して児童の主体的な学習へ  の支援を行いたい。 4 児童の実態 略 花巻市立湯本小学校5年1組のみなさん 5 ティ−ムティ−チングについて 本単元の授業時間を10時間とし,そのうち5時間をティームティーチングによる学習指導とする。  ティームティーチングのよさは,児童のよいアイデアや方法を見取り,授業に生かすことができたり,基本的な問題から発展的な問題ま で,児童により確実に定着させることができたりするととらえた。また,学習指導過程において,自力解決の段階と習熟練習の段階では主 に並列型指導を,振り返りの段階では主に交互型指導を行い,授業の流れに変化をもたらしていきたい。そのことによって,児童にほどよ い緊張感と安心感を与えながら,倍数と公倍数,最小公倍数及びカレンダ−の日付から曜日を求めることについての理解を確実なものにす るとともにその学習の楽しさを味わわせたい。 6 単元の学習計画(10時間) 第1次 倍数と公倍数(4時間) ・倍数の意味とその見つけ方 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1時間 ・公倍数の意味とその見つけ方 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1時間 ・最小公倍数の意味とその見つけ方 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1時間 ・3の倍数と9の倍数の性質 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1時間 第2次 約数と公約数(3時間) ・約数の意味とその見つけ方 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1時間 ・公約数の意味とその見つけ方 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1時間 ・最大公約数の意味とその見つけ方 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1時間 第3次 偶数と奇数(1時間) ・偶数と奇数の性質と意味 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1時間 第4次 まとめ(1時間) ・練習 まとめ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1時間 第5次 表を使って考える問題 (1時間) ・カレンダーを使って考える問題 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1時間 (本時) 7 単元の関連と発展 4 年 生 5 年 生 中 学 校 +−−−−−−−−−−−−−−+ ・ +−−−−−−−−−−−−+ ・・+−−−−−−−−−−−−+ |第2単元 | |本単元 | |・有理数,無理数の概念・| |・億,兆の位におよぶ大きな数| |・倍数,公倍数,最小公倍| |・整数,小数,分数に関・| |・十進法の意味 | → | 数の概念 | → | する四則計算の可能性・| |・大きな数の加減計算 | |・約数,公約数,最大公約| +−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−−+ | 数の概念 | |・偶数,奇数の意味 | |・整数の類別 | ↓ +−−−−−−−−−−−−+ ↓ +−−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−+ |第15単元 | |第10単元 | |・資料の分類整理と表し方 | |・約分,通分の意味とその| +−−−−−−−−−−−−−−+ | 求め方 | |・異分母・分数の加減計算| +−−−−−−−−−−−−+ 8 本時の学習にあたって カレンダ−を素材として,各曜日の日付を7でわった剰余などに着目してそのきまりに気づき,曜日を求めるものである。 その求め方については,操作活動や思考実験などから,そのきまりを発見し,活用して問題を解決する資質と能力を養うことをねらいと している。 したがって,学習指導過程においては,児童を学習の主体に立たせるという観点を重視して,誰でもが見通しをもてる場や児童の自力解 決の場を重視し,二人の教師が支援活動を行いながら,できるだけ複数の解法を考えさせたい。その後,解決のアイデアを発表し,それぞ れの解法のよさを感得しめ合いながら,さらにカレンダ−の日付から曜日の求め方を習熟練習(基本問題,発展問題,問題作り)し, カ レンダ−の日付の見方・考え方を広げ,日常の生活に進んで役立てようとする態度を養いたい。 9 本時の学習 (1) TTの打ち合わせ 1) T1が主に進行を,T2が主に板書と最後のまとめを担当する。 2) 本時は倍数の学習の5時間目(4/10までは昨年の10月に実施)である。この内容は,児童の実態に応じて弾力的に扱ってよい 内容である。授業を行ううえでは,カレンダーの見方のおもしろさを味わわせたい。 1) TT指導の重点としては,自力解決の段階の支援活動と応用段階において,T2が基本問題を,T1が発展問題を担当し,習熟と定    着を図ることとする。 (2) 学習目標(10/10校時) 1) 同じ曜日の日付の数の間には,どんなきまりがあるのかを調べようとする。(関心・意欲・態度) 2) 7の法(法則)としたときの剰余などに着目して,問題を解決していける。(数学的な見方・考え方) (3) 準備するもの 問題紙板書 カレンダ−(数種類) ホワイトボード(A3画用紙) 類似問題 基本問題 発展問題 (4) 展開 +−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |段| | | 教師の動き,指導・支援活動等 | | | | 学 習 活 動 |予想される児童の反応+−−−−−−−+−−−−−−−+ 手 だ て 及 び 留 意 点 | |階| | | T1 | T2 | +−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |1 一単位時間の学習内| |・ 問題の意味を理解し,場面を | 10月に学習した倍数を想起させ,本時| | | 容を提示する。 | | イメージできるようにする。 | の学習の内容を確認させる。 | | |+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+ | 教材・教具の工夫 | | || +−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | | || 右のカレンダ−で28日,30日は, | 日 月 火 水 木 金 土 | | |・ 絵板書,具体物を用意し,問題のイメー| | ||何曜日になるか考えよう。 | 1 2 3 4 5 6 7 | | | ジをそれぞれがもてるように配慮する。 | |課|| | 8 9 10 11 12 ||| | | |+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+ | | | |2 提示問題から学習内| カレンダ−の前半の| | | |題| 容を把握する。 | 日付と曜日 | 援助型指導 |・ 認知的動機づけから,問題を自主的に考| | | 分かっていること | 28日と30日は何曜日|・提示と進行 |・観察 | えさせる時間を与える。 | | 求めること | か |・引き出す |・板書 | | |把| | +−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |3 提示問題から学習課| |・ 本時の学習課題をつかむこと | 学習課題を明確化するとともに各自が,| | | 題を把握する。 | | ができるようにする。 | はっきりと自覚できるようにさせる。 | |握| | | 援助型指導 | | | | | |・引き出す |・観察,板書 | | | |+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−+| ・ 個の思いが生かされるような設定の仕方 | |5|| 日づけと曜日の間にはどんなきまりがあるか考えましょう。 | | を考慮する。 | |分|+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−+| * 算数リ−ダ− | +−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |4 解決の見通しを立て| 答え土曜日,月曜日 |・ 解決方法やおおよその結果を | 問題を総括的にとらえさせるなどして,| | | る。 | 方法 | 見通すことができるようにする | 関連する既習の学習を想起させ,考えさせ| | | 結果の見通し | 曜日を続けて順に| 援助型指導 | る。 | | | 解決方法の見通し | に唱える |・進行 |・板書 |・ 結果の見通しと解法のイメージがもてる| | | | を書いてみる |T1グループ |T2グループ | ように配慮する。 | | | 7の倍数に着目 |・机間巡視 |・机間巡視 |・ 自分の力で解決できるように学習環境を| | | | わってみる | | | 整える。 | | | +−−−−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |課|5 自力で解決する。 | 唱える |・ 各自の考えのもとに自力解決 | 操作活動や思考実験などをとおして,自| | | 操作活動を取り入れ| | ができるようにする。 | 主的・主体的に学習できるようにさせる。| | | ながら |日 月 火 水 木 金 土| | A3の画用紙に直接解法を記入する。 | | | 思考実験をしながら|15 16 17 18 19 20 21| * 並列型指導 | | | | |22 23 24 25 26 27 28|T1グループ |T2グループ |・ T1,T2はそれぞれ個に応じた支援活動| | |* 複数の解決方法を考|29 30 |・支援活動 |・支援活動 | を十分に行う。 | |題| える。 | |・解き方を類別 |・解き方を類別|・ 座席表に解法の類型化をする。 | | | |7 14 21 28 は土曜日|し座席表に記入 |し座席表に記入| (一人一人のよさを認め,褒めたり,励ま| | | |30は2日後で月曜日 |・ホワイトボー |・ホワイトボー| したりする。ピグマリオン効果を期待) | | | | |ドに記入させる|ドに記入させる|・ 共感的理解や受容的な態度に心がける。| | | |28÷7=4よりあまり| | | | | | |なし よって土曜日 | | |・ T1,T2は解決方法の発表について簡単| |追| |30÷7=4あまり2 | | | に打ち合わせを行う。 | | | |よって日,月より月曜日| | | (類型化した解決方法の発表について)| | | +−−−−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |6 各自の考えを発表し| 順に唱えてみる解|・ 解決方法について積極的に話 | 個々の児童生徒の考えをもとに,解決さ | | | 合い,相互の考えを検| 法を知る。 | し合いをすることにより,解決 | せる中で、納得を伴った理解が図られるよ | | | 討する。 | を書いてみる解| の方法のよさを感得することが | うにし,達成感や成功経験を味わわせる。 | |究| 解決方法の発表 | 法を知る。 | できるようにする。 | * 算数リ−ダ−| | | よさを感得できる考| 7の倍数から解く| 援助型指導 |・ 発表した児童の解法には,数理的な処理 | | | えの選択 | 方法を知る。 |・話し合いの進|・黒板のホワイ | のよさがあることを感得させる。 | | | | 7でわってみる解|行(練り合い)|トボードに注目 |・ 違っている児童には軌道修正してあげる | |27| | き方を知る。 |・引き出す |・引き出し | 概念を形成のため客観性,一般化を図る | |分|7 類似問題を行う。 | 他の方法 |・支援活動 |・支援活動 | (習熟練習の問題選択へつなげる) | +−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |8 学習したことを確認|・ どの方法が一番分|・ 解決方法を確認できるように| 7の法の学習内容を,できるだけ簡潔に | |ま| する。 | かりやすいのか。 | する。 | まとめさせる。 | |と| ・ まとめ | ○番の方法,考え| 援助型指導 |・ どの考えにもよさがあり,簡潔,的確, | |め| | である。 |・進行 |・板書 | 明瞭であることにふれる。 | |3| | |・引き出す |・補足 | * 算数リ−ダ−| |分| | | | | | +−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |9 確認したことをもと| 類似問題から基本|・ 習熟,定着問題に取り組むこ | 類似問題から基本問題または発展問題を | | | に習熟,定着を図る。| 問題,発展問題を自| とができるようにする。 | 自主選択して習熟練習を行い,カレンダ− | | | 基本・発展問題 | 主選択する。 | * 並列型指導 | の問題のおもしろさや解いたときの喜び,| | | 振り返り | 基本問題 発展問題|T1グループ |T2グループ | 成就感,満足感を味わわせる。   | | | | 発展問題 問題作り|・発展問題の練|・基本問題の練 |・ 基本問題から発展問題へ,発展問題から| |応| | |習と支援活動 |習と支援活動 | 基本問題への取り組みも認める。 | | | | |・問題作り | | | | | +−−−−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |用| | 認知面から |・ 反省や感想などから学習のよ | 学習内容を振り返り,次時への意欲を喚| | | | 情意面から | さ,友達のよさを紹介すること | 起させる。 | | | | | ができるようにする。 |・ 学級担任T2教諭が進行し,今日の授業 | | | | | 交互型指導 | をまとめる。 | |10| | |・引き出す |・進行 | | |分| | | |・引き出す | | +−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ (5) 学習の評価 1) 同じ曜日の日付の数の間には,どんなきまりがあるのか調べようとしたか。(関心・意欲・態度) 2) 7の法としたときの剰余などに着目して,問題を解決していけたか。(数学的な見方・考え方)