印刷用紙:B5縦 1ページの行数:46 1行の文字数(半角で):74   −−以下 指導案本文−−   第3学年算数科学習指導案                   日 時 平成8年10月1日(金)5校時                   児童数 男4名 女9名 計13名                      授業者 渡 辺  義 則 1.単元名  わり算のひっ算 2.単元の目標  ○筆算形式による2〜4位数を1位数でわる除法計算のしかたについて理解し、   それを用いる能力を伸ばす。  (1)除法の筆算形式による計算のよさに気づき、進んでそれを用いようとする            (関心・意欲・態度)  (2)筆算形式による除法の計算は、上位から位ごとに計算を進めていけばよい    ことに気づく。 (数学的な考え方)  (3)2〜4位数÷1位数の計算を筆算で正確にできる。乗除2段階、除法2段    階の計算ができる。2位数÷1位数=2位数、及びこれに帰着できる除法の    暗算ができる。 (表現・処理)  (4)2〜4位数÷1位数の筆算のしかたが分かる。何倍かを求めるのに除法を    用いることが分かる。 (知識・理解) 3.単元設定の理由  (1)単元について除法の意味と、乗法九九を1回適用してできる除法計算(あ    まりのない場合)については、第3単元で学習している。また、第6単元で    は、乗法九九を1回適用してできる除法であまりのある場合の計算方法を取    り上げ、あわせて除法の筆算形式による計算方法も学習してきている。本単    元では、その発展として、除数が1位数の場合について、除法の筆算形式に    よる計算の原理と手順を理解し、1位数でわる除法計算の一応の完成を計る    ことをねらいとしている。わり算の筆算のよさは、暗算による念頭処理が難    しい場合、上位ででたあまりを記録して次の位の被除数と合わせることによ    り、思考の負担が軽減され、誤りが少なくなる点にある。わり算は日常生活    で適用する機会が多い。計算が複雑になっても筆算で簡単に処理できるとい    うよさを子どもたちは感じ取り、日常生活で活用していくことができると考    える。  (2)児童について3年生になってから子どもたちは、九九を1回適用する除法    計算(あまりなし、あまりあり)、除法の筆算形式の学習をしてきている。    準備テストによると、除法の計算方法については、ほとんどの子が習得して    いる。除法の筆算形式については、2名の子を除いてほとんどの子が習得し    ている。未習の除法の筆算については、商のたつ位が分からないためのつま    づきがほとんどであった。算数はあまり好きな教科ではないという子どもが    ほとんどであるが、計算や図形の問題は好きという子は多くいる。学習意欲    に関しては、1学期の最初の頃に比べると、問題を解こうとする意欲は出て    きており、解き方の発表も進んで行いたいという子どもが増えてきた。問題    に対する自分の考えを持っていても、積極的に発表しようという点がやや不    足気味の子が数名いる。また、自分の考えをなかなか持てない子が2名おり    、教師の支援を必要としている。  (3)指導にあたって除法の筆算形式による計算では、〈たてる〉〈かける〉〈    ひく〉〈おろす〉という4操作を順々に行い、次の位へとひきつぎ、4操作    を繰り返すことによって答えを求める。この操作は慣れてしまえば機械的に    できて、決して困難ではないが、初めて学ぶ児童にとっては、4段階で1節    を完成するというしくみは、これまでにない複雑さを感じるであろう。それ    を克服するためには、単に演算のできあがった形式を示して、それによって    計算させるだけでなく、それぞれの操作の意味を具体物の等分の操作と対応    づけてよく理解させ、その形式にしたがうことがもっとも能率的であること    を児童に分からせたい。この段階の除法でもう1つ大切なことは、商のたつ    位を見つけることである。除数と被除数の首位とを比べて、後者が前者より    大きいか、等しければ、商は被除数の首位からたち、後者が前者より小さけ    れば、商は被除数の左から2桁目からたつ。このことは教科書の図解を見比    べさせて理解させたい。 4.単元の学習計画  (指導時間数 14時間) +−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+ | | | 評 価 | | 小 単 元 | 学 習 内 容 +−−+−−+−−+−−+ | | |関心|考え|表現|知識| | | |態度|方 |処理|理解| +−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−+−−+−−+−−+ |1.わり算の |・2位数÷1位数=2位数であ|○ |○ | | | | ひっ算1 | まりなしの筆算 (本時)| | | | | | 5時間+−−−−−−−−−−−−−−+−−+−−+−−+−−+ | |・2位数÷1位数=2位数であ| |○ |○ | | | | まりありの筆算 | | | | | | +−−−−−−−−−−−−−−+−−+−−+−−+−−+ | |・3位数÷1位数=3位数の筆| |○ |○ | | | | 算 | | | | | | +−−−−−−−−−−−−−−+−−+−−+−−+−−+ | |・3位数÷1位数=3位数、及| | | | | | | び4位数÷1位数=4位数の| | |○ | | | | 筆算・ | | | | | | +−−−−−−−−−−−−−−+−−+−−+−−+−−+ | |・学習内容の適用と習熟 | | |○ |○ | +−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−+−−+−−+−−+ |2.わり算の |・3,4位数÷1位数=2,3|○ |○ |○ | | | ひっ算2 | 位数の筆算 (2時間)| | | | | | 4時間+−−−−−−−−−−−−−−+−−+−−+−−+−−+ | |・3,4位数÷1位数の簡単な| |○ |○ | | | | 筆算 | | | | | | +−−−−−−−−−−−−−−+−−+−−+−−+−−+ | |・乗除混合、連除の問題を1つ| |○ |○ | | | | の式に表すこと | | | | | +−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−+−−+−−+−−+ |3.何倍かを |・ある数がもとにする大きさの| | | | | | もとめる計算| 何倍かを求める場合にも除法| |○ | |○ | | 3時間| が用いられること | | | | | | +−−−−−−−−−−−−−−+−−+−−+−−+−−+ | |・何倍かにあたる数と倍を表す| | | | | | | 数からもとにする大きさを求|○ |○ | | | | | める場合にも除法が用いられ| | | | | | | ること | | | | | | +−−−−−−−−−−−−−−+−−+−−+−−+−−+ | |・学習内容の適用と習熟 | | |○ |○ | +−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−+−−+−−+−−+ |4.まとめ |・学習成果の評価 | |○ |○ |○ | | 1時間| | | | | | +−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−+−−+−−+−−+ |5.暗算 |・2位数÷1位数=2位数の除| | | | | | 1時間| 法の暗算 | |○ |○ | | | |・10,100の倍数を1位数| | | | | | | でわる除法の暗算 | | | | | +−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−+−−+−−+−−+ 5.本時の学習  (1)本時の目標   ○2位数÷1位数の計算を既習事項をもとに進んで求めようとする。                          (関心・意欲・態度)   ○具体的な操作をもとに、2位数÷1位数の筆算形式を考えることができる。                          (数学的な考え方)  (2)授業の構想除法の筆算では、既習の加減法や乗法の筆算と逆に、上位から    計算を進めて順次下位に及ぶということの理解がポイントになる。導入では    、72枚の色紙(10枚束7束とばら2枚)を3人で等分するという問題場    面を提示する。まず10枚束7束を3人で等分し(7÷3=2あまり1)、    次いであまりの1束(くずして10枚)と2枚をあわせた12枚を3人で等    分する(12÷3=4)という操作手順をしっかり身に付けさせ、筆算形式    の計算手順を導きたい。解決の糸口が見つからない児童には、実際に色紙で    分ける操作を示範する。その際に、10枚束から分けると速く、しかも容易    にできるということに気づかせたい。  (3)本時の展開 +−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+ |段階 学 習 内 容・活 動  |指導上の留意点 ○個への手立て| +−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+ |つ|1.問題把握 |・分かっていること、何を求める| | |+−−−−−−−−−−−−−−+|問題かをしっかりつかませる。 | |か|| 72枚の色紙を3人で同じ数|| | | ||ずつ分けると、1人ぶんは何ま||○「同じ数ずつ分ける」「1人ぶ| |む||いになりますか。 ||んは何まい」などに着目するよう| | |+−−−−−−−−−−−−−−+|助言する。 | | |・どんな式になるか。 | | | | | | | |2.課題把握 |・既習の除法との相違点を話題に| | |+−−−−−−−−−−−−−−+|して、本時の課題をとらえる。 | | || 72÷3の計算のしかたを考|| | | ||えよう || | | |+−−−−−−−−−−−−−−+| | | | | | | |3.見通し |・予想を立てることのできない子| | |・どんな方法で求められるか。 |を把握して、個別的な支援の目安| | | 図を使って |にする。 | | | わり算を使って | | | |・答えはどのくらいになるか。 | | | | 20まい | | | | 30まい | | | | 24まい | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+ |や|4.自力解決 |○遅れている子に対して | |っ|・自分のやり方で答えを求める。 | 図を見るように指示したり、実| |て| |際に色紙を渡して分け方を考える| |み|@図にかいて分ける。 |よう助言する。 | |る| | | | |A10枚束 |○進んでいる子に対して | | | 7÷3=2あまり1 | 1つの方法だけでなくいろいろ| | | 10枚束1束とばら2枚 |な求め方を考えるよう助言する。| | | 12÷3=4 | | | | 10枚束2束とばら4枚で24枚| | | | | | | |B72=60+12 | | | | 60÷3=20 | | |15| 12÷3=4 | | |分| 20+4=24 | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+ |た|5.練り合い |・自分の方法と比較しながら聞く| |し|・各自の解決方法を発表する。 |ようにさせる。 | |か| | | |め|・発表された考えに共通しているこ| | |る|とを探す。 | | | |○どれも10枚束から分けている。| | | |○十の位から計算している。 | | | | | | | |・72÷3の筆算形式による計算の|・これまでの学習をもとにして、| | |しかたを考え、発表する。 |72÷3の筆算による計算のしか| | | |たを考えさせる。 | | | | | | |6.まとめ |・「たてる・かける・ひく・おろ| | |+−−−−−−−−−−−−−−+|す」の4つの操作の意味を具体物| | ||72÷3のひっ算のしかた ||の等分の操作と対応づけてよく理| | || 24 ◎十の位から一の||解させたい。 | | || −−−− || | | || 3)72 位へと計算する|| | | || 6 ◎「たてる・かけ|| | | || −−− || | | || 12 る・ひく・おろ|| | | || 12 す」を繰り返す|| | | || −−− || | |15|| 0 || | |分|+−−−−−−−−−−−−−−+| | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+ |つ|7.定着適用 | | |か|・みんなで練習問題を解く。 | | |う|・一人で練習問題を解く。 |・コース別の問題を準備しておく| | | |○遅れがちな子に対して | | | | 机間巡視をしながら個別指導を| | | | する。 | | | |○進んでいる子に対して | | | | コースごとに丸つけをし、プリ| | | | ントを進めさせる。 | | | | | |10|8.自己評価 | | |分|・感想を書き、発表する。 | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+  (4)評価    ○2位数÷1位数の計算を既習事項をもとに進んで求めようとしたか。    ○2位数÷1位数の筆算形式を考えることができたか。