印刷用紙:B5縦 1ページの行数:32 1行の文字数(半角で):68   −−以下 指導案本文−−   第5学年算数科学習指導案             日時 平成8年10月1日( )5校時             児童数  男12名 女10名 計22名             授業者    菊 地   研 1.単元名   分数のたし算とひき算 2.単元の目標  (1)異分母分数の加減計算のしかたを、既習の同分母分数の加減計算と    関連づけて考えようとする。(関心・意欲・態度)  (2)異分母分数の加減計算のしかたは、通分して同分母分数の加減計算    をもとにして考えればよいことに気づく。(数学的な考え方)  (3)通分, 約分, 異分母分数の加減計算ができる。(表現・処理)  (4)通分, 約分の意味とその方法, 異分母分数の加減計算のしかたが    わかる。(知識・理解) 3.単元設定の理由  (1)単元について    分数は3学年で導入され, そこでは単位量に満たない端下の量を,    単位量を等分してそのいくつぶんととらえることによって分数で表せ    ることを学習した。これを受けて4学年では、単位量をこえる量が整    数と真分数をあわせた形すなわち帯分数を用いると表せることを知り    、端下のある測定値−般の分数表示が可能になった。また、帯分数を    単位の分数のいくつぶんととらえることにより仮分数の意味を知り、    それらの相互変換のしかたを理解して分数の意味をいつそう深めてき    た。これらの理解に立脚して同分母分数の加減計算が指導され、分数    の構成的な理解や繰り上がりの処理のしかたなど、分数の加減計算を    すすめる基本的な知識を身につけてきた。一方、分数の数直線表示を    とおして分数の抽象化を図るとともに、単位分数をもとにして異分母    分数間の相等関係に着目してきた。ここでは、前学年において軽く触    れる程度に指導されていた異分母分数間の相等関係を正面から取り上    げ、相等関係(こある分数問の性質を一般化してとらえさせる。また    、この性質を活用して異分母分数の加法, 減法の計算方法を考えるこ    とを主要な目標としている。  (2)児童について  (3)指導にあたって 4、単元の学習計画 +−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+ |小 単 元|学 習 活 動 | 評価 | | | +−−+−−+−−+−−+ | | |関心|考え|表現|知識| | | |態度|方 |処理|理解| +−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−+−−+−−+−−+ |1.通分と|・等しい分数のつくり方、| | | | | | 約分 | 性質の理解 |O |O |O |O | | 5時間 +−−−−−−−−−−−−+−−+−−+−−+−−+ | |・異分母分数の大きさの比| | | | | | | べ方の理解 | |O |O |O | | |・通分の意味の埋解 | | | | | | +−−−−−−−−−−−−+−−+−−+−−+−−+ | |・通分のしかたの理解 |O |O |O |O | | |・3つの分数の通分のしか| | | | | | | たの埋解 | | | | | | +−−−−−−−−−−−−+−−+−−+−−+−−+ | |・約分の意味とその方法の| | | | | | | 理解 |O |O |O |O | | +−−−−−−−−−−−−+−−+−−+−−+−−+ | |・学習内容の適用と習熟 | | |O |O | | | | | | | | +−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−+−−+−−+−−+ |2.分数の|・異分母真分数の加法計算|O |O |O |O | | たし算と| の仕方の理解とその計算| | | | | | ひき算 | (本時) | | | | | | 5時間 +−−−−−−−−−−−−+−−+−−+−−+−−+ | |・異分母真分数、帯分数の| | | | | | | 加法計算(約分あり)の|O |O |O |O | | | しかたの理解とその計算| | | | | | +−−−−−−−−−−−−+−−+−−+−−+−−+  | |・異分母真分数の減法計算| | | | | | | (約分あり)のしかたの|O |O |O |O | | | 理解とその計算 | | | | | | +−−−−−−−−−−−−+−−+−−+−−+−−+ | |・異分母帯分数の減法計算| | |O |O | | | (約分あり)3口の異分| | | | | | | 母真分数の加減計算のし| | | | | | | かたの理解とその計算 | | | | | | +−−−−−−−−−−−−+−−+−−+−−+−−+ | |・学習内容の適用と習熟 | | | | | | | | | | | | +−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−+−−+−−+−−+ |4.まとめ|・学習成果の評価 | |O |O |O | | 1時間 | | | | | | +−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−+−−+−−+−−+ 5.本時の学習 (1)本時の目標   異分母真分数の加法計算のしかたは、通分して同分母真分数の加法を   もとにしてえればよいことに気づく。(数学的な考え方) (2)授業の構想   異分母分数のたし算は, 分母が違うのでそのままでは答えが出せないこ  とに気づかせることが大切である。そして、それぞれの分数の単位をそろ  えようと考えたときに、前時までに学習した通分の考えを使えばよいと見  通しをもつ。つまり、通分できれば同分母分数のたし算になり、計算でき  ると考えるのである。ここに、数学的な考え方として重要な「単位の考え  」が存在している。できるだけ児童が自力で解決していけるよう見通しを  もたせたい。遅れがちな子が異分母分数の加法の誤りとして考えられるの  は、通分する考えを持たずに分母どうし、分子どうしをたしたり、ひいた  りすることである。そこで、図解を示すことにより、分母をそろえること  の意味を明確にしていく。式の変形だけではなく、面積図などを用いて学  習を確実なものにしていきたい。 (3)本時の展開 +−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+ |段| 学習内容・活動 |指導上の留意点 | |階| |及び個への手立て | +−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+ | |O同分母分数どうしのたし算 |・同分母分数どうしのたし算で| | | 2 1 2 3 | は、分母はそのままで、分子| | | −+− −+− | どうしをたすことを確認して| | | 5 5 8 8 | おく。 | | |1、問題把握 |・分数どうしのたし算であるが| | |+−−−−−−−−−−−−−+ | | ||下の図のような花だんが2つ| 今までと違い異分母であるこ| |つ|あります。花だんの面積は全体| とをとらえさせる。 | | |で何uですか。 |O遅れがちな子に対して | |か|+−−−−+ +−−−−+ |・異分母ということで立式でき| | || | | | | ないでいる子には、何算かを| |む|| | | | | 考えさせ、異分母のたし算を| | || u| | u| | 立式させる。 | | |+−−−−+ +−−−−+ |・今までとの違いに気づかない| | |+−−−−−−−−−−−−−+ | | | ・立式 | ときははじめに扱う同分母分| | | 1 2 | 数にもどして違いを考えさせ| | | −+− | る。 | | | 3 5 | | | | ・今までの分数のたし算との| | | | 違いを考える。 | | | | | | | |2、課題把握 |・異分母ではそのままの分数で| | |+−−−−−−−−−−−−−+ | |分||分母が違う分数のたし算の仕| たし算ができないことおさえ| | |方を考えよう | させておく。 | | |+−−−−−−−−−−−−−+ | | | | | | | | | | | | | | |3、解決の見通し | | | | 3 | 3 | | | ・−という答えにならない |・−という答えにならないと確| | | 8 | 8 | | | | 認することにより、分母に注| | | | 目させたい。 | | | ・分母を同じ数値に直してた|・通分の方法(計算、図など)| | | す。 | を思い出させる。 | | | ・単位の分数をそろえてから| | | | たす。 | | | | →通分してからたす。・・ | | +−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+ | |4、自力解決 |O遅れがちな子に対して | | | ・計算で求める。 |・単位をそろえさせることによ| | | 1 5 2 6 | り、計算が可能になることに| |や| −=− −=− | 気づかせる。 | |っ| 3 15 5 15 |・図によって、通分した分数の| |て| | 合計がいくつ分になったか数| |み| 5 6 11 答え 11 | えさせる。 | |る| −+−=− −u |・通分しやすい補助プリントに| | | 15 15 15 15 | よって援助する。 | | |・図で考えて求める。 |O進んでいる子に対して | | | +−−−−+ +−−−−+|・2つめの方法を考えさせる。| | | | | | || (計算→図、図→計算) | | | | | | ||・説明の足りない部分を考えさ| | | | u| |u || せる。 | | | +−−−−+ +−−−−+| | | | 5 6 11 答え 11 | | | | −+−=− −u | | | | 15 15 15 15 | | +−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+ | |5、練り合い | | |確|・解決方法を発表し合う。 |・なぜ分母をそろえたのかにつ| |か| | いてふれさせたい。 | |め|・計算と図に共通していること|・計算と図を比べることにより| |る| を確かめる。 | 分数の単位がそろっているこ| | | | と、答えはその合計であるこ| | | 3 | とを押さえさせたい。 | | |・−とならないのは、単位がそ|・単位がそろっていないと、正| | | 8 | しいたし算にならないことを| | | ろっていないからだというこ| 図によって明確にとらえさせ| | | とを図で確認する。 | たい。 | | |5、まとめ | | | |+−−−−−−−−−−−−−+ | | ||分母の違う分数のたし算は通|・分母をそろえることや、単位| | |分してから計算する | をそろえるという考え方は、| | |+−−−−−−−−−−−−−+ | | |・計算の仕方をまとめる | 「通分」でまとめたい。 | | | 1 2 | | | | − + − |・通分しながらたし算をするの| | | 3 5 | は初めてなので、考えさせな| | | 1×5 2×3 −+ | がら板書をノ−トにとらせ計| | | =−−−+−−− | | 算の仕方のまとめとしたい。| | | 3×5 5×3 |通分| | | | 5 6 | | | | | = − + − | | | | | 15   15 −+ | | | | 11 | | | | = − | | | | 15 | | | | | | | | | | +−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+ |使|6、練習問題を解く |@では本時の類題で計算の仕方| |う|・みんなで解こう | を確認する。 | | | @1 3 A1 1 |Aでは分母どうしをかけ合わせ| | | −+− −+− | ずに通分して計算する方法を| | | 2 7 2 4 | やってみる。 | | |・一人で解こう |O遅れがちな子に対して | | | | 異分母分数の通分がうまくで| | | | きていないとき援助してやる| | |7、感想を書く | | +−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+  (4)本時の評価   異分母真分数の加法計算のしかたは、通分して同分母真分数の加法   をもとにしてえればよいことに気づく。