印刷用紙:B4横 1ページの行数:77 1行の文字数(半角で):116   −−以下 指導案本文−−                   第2学年 算数科学習指導案                                      日 時 平成8年9月27日(金)5校時                                      児 童 2年C組 男19名 女16名 計35名                                      指導者 佐  藤  久 仁 子 1 単元名  3けたの数のひき算 2 単元の目標   ○筆算形式による3位数の減法計算のしかたについて理解し、それを用いる能力を伸ばす。     〔関心・意欲・態度〕・数のしくみに着目したり既習の計算方法を活用したりして、筆算形式による3位数の減法計算の                方法を考えようとする。     〔数学的な考え方〕 ・筆算形式による3位数の減法計算を2位数の減法計算をもとに発展的に考えることができる。     〔表現・処理〕   ・筆算形式による3位数の減法計算ができる。     〔知識・理解〕   ・筆算形式による3位数の減法計算のしかたが分かる。 3 単元について (1)教材について   本単元で取り扱う減法計算は3位数までのものであり、繰り下がりが2回に及ぶ場合にまで発展させ、減法計算の基本的な理  解と技能を確実なものにすることをねらいとしている。   指導にあたっては、筆算形式による3位数の減法計算も2位数の減法計算と同じように、位ごとの基礎計算を繰り返すことに  よって差が求められることや、十の位への繰り下がりは一の位への繰り下がりと同じ考え方で処理できることを理解させること  が重要である。   本単元では、3位数どうしの減法を中心に取り扱うが、大きく以下の4つのステップに分けて展開する。    @繰り下がりのない計算と一の位への繰り下がりのある計算    A十の位への繰り下がりのある計算    B十の位、一の位への繰り下がりのある計算    C一の位への繰り下がりのため、十の位へも波及的に繰り下がりがおこる計算   このステップは、前単元「3けたの数のたし算」において既に学習している。   @について、2位数に関しては第3単元「2けたの数のひき算」で取り上げている内容であるため、筆算の原理や手順を確か  めながら発展的に考え、学習を進めることができる。A、Bについては加法に比べ多少の難易の差はあるが、@と同様に考える  ことができる。また、CについてはA、Bの考え方を適用して考えることができる。前単元に引き続き、本単元においてもこの  ように既習事項をふまえ発展的に考えるという指導展開・学習態度が要求される。それは、このような継続が、数学的な考え方  に基づいて問題解決に取り組もうとする姿勢をいっそう育むことができるからである。 (2)児童について   児童はこれまでに「2けたの数のひき算」の学習をしてきており、一の位への繰り下がりまでは既に学習している。レディネ  ステストの結果を見ると、2けたの計算の場合も3けたの場合も、繰り下がりのないひき算の計算では正答率が100%となって  いる。また、未習問題の十の位へ繰り下がりがある計算も88%の児童は正答しており、2けたの数の場合を応用して計算するこ  とはほぼできていると言える。   しかし、繰り下がりがある計算の場合には、2けたの場合、3けたの場合共に、20%近い児童に誤答が見られる。誤答の原因  は単純な計算ミスが多く、ひき算の計算の場合は、けた数にはあまり関係なく、繰り下がりがある場合に間違いやすいと考えら  れる。   学習の様子を見ると、計算問題の発表などにはどの児童も意欲的であるが、理論的な発言になると特定の児童に偏ってしまう  という傾向にある。わかっていても自信がなくて発言できない、なぜそうなるのか理由を考えられないという児童が多い。 (3)指導について   本単元の指導では、特に次の点に留意して取り扱うようにする。    @被減数、減数の位を上下にそろえて書く。    A下の位から位ごとに計算する。    B一の位へ繰り下がる場合の処理。    C十の位へ繰り下がる場合の処理。    D一の位、十の位へともに繰り下がる場合の処理。    E一の位へ繰り下げたために十の位へも繰り下がる(繰り下がりが波及する)場合の処理。   このうち、@〜Bは。2位数の減法計算ですでに学習している。Cは、繰り下がりが十の位に移っただけであるから、Bの手  順の適用で解決できる。   D、Eは、3位数の計算になってはじめて出てくる内容で、繰り下がりが2回の計算である。この計算では、繰り下がりの操  作が2回連続すること、繰り下がる数を重複して記憶していなければならないことなどのため、児童に抵抗のある計算であるか  ら、数カードなどを用いて実際に繰り下がりの操作をさせて、理解を徹底させるようにする。   本単元の指導段階は、それぞれの段階で習得した計算の原理・手順の基本的理解と類推的理解とを円滑に接続させ、順次計算  方法に関する理解を拡張していくように各段階での指導のねらいを明確におさえて、重点的、能率的な指導が進められるように  配慮することが大切である。さらに(2)で述べたように、ひき算の場合、繰り下がりがあると単純な計算ミスをしやすいとい  う傾向があるので、どの時間も練習問題を十分に行いながら、習熟を図っていきたいと考えている。   本時の指導においては、数カードや図を用い、筆算の方法と合わせて考えさせることによって、理解をより深めさせるように  したい。また、本時は解決方法をまとめていく段階で3〜4人の小集団による話し合いをさせる。小集団で話し合いをさせるこ  とで児童相互の意見を交換し合い、自分たちで問題を解決していくという意欲を高めるとともに、全体の場では自信がなくて発  言できない児童に発言の機会を多くもたせることができると考える。また、小集団内で意見を出しあったり、教えあったりする  ことが低位児の理解の手助けになることもねらっていきたい。 4 単元の関連図 5 指導計画(全8時間扱い)   第1小単元 3けたの数のひき算(7時間) ・3位数−1〜3位数(繰り下がりなし、一の位へ繰り下がりあり)の筆算のしかた−−−−−−−−−−−2 ・3位数−2〜3位数(十の位へ繰り下がりあり)の筆算のしかた−−−−−−−−−−−−−−−−−−−1本時 ・3位数−2〜3位数(十の位、一の位へ繰り下がりあり)の筆算のしかた−−−−−−−−−−−−−−−1 ・3位数−1〜3位数(十の位、一の位へ波及的繰り下がりあり)の筆算のしかた−−−−−−−−−−−−2 ・「れんしゅう」−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−1   第2小単元 まとめ(1時間) ・「まとめ」−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−1 6 本時の指導(3/8時間) (1)本時の目標   ○3位数−2、3位数(十の位へ繰り下がりあり)の筆算のしかたを理解し、その計算ができる。    〔関心・意欲・態度〕・既習の減法計算と十の位へ繰り下がりのある計算との違いが分かり、2位数の減法の筆算を3位数               の場合に拡張して適用しようとする。    〔表現・処理〕   ・3位数−2、3位数(十の位へ繰り下がりあり)の筆算ができる。 (2)展開 +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−+ |段階 学 習 活 動 | 支 援 と 留 意 点 | 評価・準備 | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−+ | |1 問題を把握する。 | | | | |+−−−−−−−−−−−−+ | | | |と||427−163の計算をしよう。| | | | | |+−−−−−−−−−−−−+ | | | | | 427 | | | |ら| −263 | | | | | |・前時までに学習した筆算の計算の仕方を想起し、| | | |・これまでに学習したものとどこが違うか。 | 本時の問題と比較できるようにする。 | | |え|・前時と同じように計算できるか。 | | | | | | | | | |2 学習課題を確認する。 |・十の位でひき算ができないことを確認し、課題へ| | |る|+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| とつなげる。 | | | ||十の位がひけないときの計算の仕方を考えよう|| | | |4|+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−+ |見|3 見通しをたてる。 | | | |通|・十の位の6をどのように引いたらいいか。 |・何の位から繰り下がりをすればいいか考えさせる| | |す|・どんな方法で、計算をするか。 |・数カード、図、筆算などで考えさせる。 | | |1| | | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−+ | |4 自分でやってみる。 | |位取り表 | |考|@数カードA図 B筆算 |・一つの方法が終わった児童には、他のやり方でも|付箋紙 | | | 百 十  一 427 | やってみるよう指示する。 |ノート | | |−−−−+−−−−+−−−− −163 |・操作の過程が分かるように図示させる。 | | |え| □ |□ □□|□□ 264 | | | | | □ |□ □□|□□ | | | | | □ | □□|□ | | | |る| □ | □□|□ | | | | | | □□|□ | | | | | | | | | | |5| | | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−+ | |5 練り上げる。 | |ホワイトボー| |学| |+−−−《練り上げの構想》−−−−−−−−−+|ド | | |1妥当性の検討をする。(一斉) ||1・操作の手順に間違いはない。 || | | | ・それぞれの考え方を発表する。 || ・答えがあっている。 || | |び| ・操作の手順に間違いはないか検討し、答えの確|| ・自分は○と同じやり方だ。 || | | | 認をする。 || ||[評] | | | ・自分のやり方はどれか確認する。 ||2・十の位が引けないので百の位から繰り下げ|| 小集団の中| |合|2関連性の検討をする。(小集団) || ている。 ||で自分の意見| | | ・3〜4人の小集団を作り、それぞれの考え方の|| ・百が十の位にきて、10になっている。 ||を言うことが| | | 同じところについて話し合う。 || ・百の位は、1繰り下げて3になっている。||できたか。 | |う| || ↓ ||(机間巡視)| | |3解決方法のまとめをする。(一斉) ||3一斉 || | | | ・それぞれの小集団の意見を発表する。 || ・どのやり方も同じやり方だ。 ||[評] | | | ・十の位が引けないときにはどのようにして計算|| ・十の位が引けないときは百の位から1繰り|| 十の位が引| | | するのかを話し合う。 || 下げて計算すればいいようだ。 ||けない時の計| | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+|算の仕方がわ| | | |・ホワイトボードの図と筆算を関連づけて解決方法|かったか。 | |15| | を確認していく。 |(発表) | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−+ | |6 本時のまとめをする。 | | | |ま|+−まとめ−−−−−−−−−−−−−−−−−+|・空欄の部分を児童に補わせて完成させる。 |紙板書 | | ||十の位がひけない時は、 から1繰り下|| | | |と||げて計算する。 || | | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | | | | | | | |め|・計算の仕方をまとめる。 | | | | |+−〈427−163の計算のしかた〉−−−−−−+ |・教師と一緒に、口頭でまとめていく。 | | |る|| 427 一の位 7-3=4 | | | | | || −163 十の位 百の位から1繰り下げる。 12-6=6 | | | || 264 百の位 繰り下げた1を引いて3。 3-1=2 | | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | | |7 練習問題を解く。 | | | | | @ 638(一斉) A 819 B 327|・@の問題は一斉に黒板上で解き、その後ABの問| | | | −274 −795 − 75 | 題を解くようにする。 | | | | | | | | |8 自己評価をする。 | |「算数がんば| |20|・「算数がんばりカード」に記入する。 |・3〜4人の児童に発表させがんばりを認め合う。|りカード」 | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−+ (3)評価   ○3位数−2〜3位数(十の位へ繰り下がりあり)の筆算のしかたを理解し、その計算ができたか。    〔関心・意欲・態度〕既習の減法計算と十の位へ繰り下がりのある計算との違いが分かり、2位数の減法の筆算を3位数に              拡張して適用しようとしたか。                 (ノート、自己評価カード)   〔表現・処理〕   3位数−2〜3位数(十の位へ繰り下がりあり)の筆算ができたか。(ノート、発表) 7 板書計画 +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | +−−−−+ +−−−+ +−−−+ | |++もんだい+−−−−−−−−−−−−+++めあて+−−−−−−−−+++まとめ+−−−−−−−−−−−+ | ||+−−−−+ ||+−−−+ ||+−−−+ | | || 427-163 の計算のしかたを考えよう。||十のくらいがひけないときの計算のしかたを考えよう。 十のくらいがひけない ときは、百のくらいから1くり下げて計算する。 |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−++−−−−−−−−−−−−−++−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | | 427 ・百のくらいからくり下げている。 | | −163 ・答えが同じ。 | | +−−−−−+ | | |れんしゅう| | | +−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−+ | | | 百 十  一 | @ 638 A 819 B 327 | | |−−−+−−−−+−−−|+−−−−−−−−−+ −274 −795 − 75 | | |□ |□ □□|□□ || | | | |□ |□ □□|□□ || 427 | | | |□ | □□|□ || −163 | | | |□ | □□|□ || 264 | | | | □□ □ || | | | +−−−−−−−−−−−−++−−−−−−−−−+ | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+