印刷用紙:B4縦 1ページの行数:49 1行の文字数(半角で):106   −−以下 指導案本文−−                第3学年  算数科学習指導案                                    日 時 平成8年9月27日(金)                                    児 童 3年C組 男子15名 女子19名 計34名                                    指導者 大平 祐子 1 単元名  「わり算のひっ算」 2 単元の目標  ○ 筆算形式による2〜4位数を1位数でわる除法計算のしかたについて理解し、それを用いる能力を伸ばす。 [関心・意欲・態度]  ・ 除法の筆算形式による計算のよさに気づき、進んでそれを用いようとする。 [数学的な考え方]  ・ 筆算形式による除法計算は、上位から位ごとに計算を進めていけばよいことに気づく。 [表現・処理]  ・ 2〜4位数÷1位数の計算を筆算で正確に出来る。  ・ 乗除2段階、除法2段階の計算が出来る。  ・ 2位数÷1位数=2位数、及びこれに帰着できる除法の暗算ができる。 [知識・理解]  ・ 2〜4位数÷1位数の筆算のしかたが分かる。  ・ 何倍かを求めるのに除法を用いることが分かる。 3 単元について (1)教材について   除法については、第3、6単元で、わり算の意味とかけ算九九を1回適用してできる除法計算(あまりなし、あ  まりあり)の意味と計算方法、及びその筆算形式について学習してきている。   本単元では、その発展として、除数が1位数の場合について、除法の筆算形式による計算の原理と手順を理解し、  1位数でわる除法計算の一応の完成を図ることをねらいとしている。 (2)児童について   事前テストの結果をみると、これまでに学習している乗法九九1回適用の除法計算については、正答率88.1  %である。また、未習の問題である「2位数÷1位数」(位ごとに割り切れる)の正答率は56.2%、「2位数  ÷1位数」(十の位で割り切れない)の正答率は37.5%である。   グル−プ学習では、進行係が中心になり、自分の考えを恥ずかしがらずに発表出来るようになってきているが、  友達の考えと自分の考えの共通点や相違点を見つけられない児童が多い。 (3)指導にあたって   除法の筆算形式による計算では、   @ 商をたてる。              <たてる>   A 除数と商の積を求める。         <かける>   B それを被除数から引く。         <ひく>   C その差の右に次の位の被除数をおろす。  <おろす>  という4操作を順々に行い、次の位へとひきつぎ、上の4操作を繰り返すことによって答えを求める。   この操作は一種のアルゴリズムで、慣れてしまえば機械的に出来、決して困難ではないが、はじめて学ぶ児童に  とっては、4段階で1節を完成するというしくみは、これまでにない複雑さを感じるであろう。それを克服するた  めには、単に演算のできあがった形式を示して、それによって計算させるだけでなく、それぞれの操作の意味を具  体物の等分の操作と対応づけてよく理解させ、その形式にしたがうことが最も能率的であることを児童に分からせ、  進んでこの形式を取り入れる方向にもっていくことが大切である。   この段階の除法でもう一つ大切なことは、商のたつ位を見つけることである。除数と被除数の首位とを比べて、  後者が前者より大きいか、等しければ、商は被除数の首位からたち、後者が前者より小さければ、商は被除数の左  から2けためからたつ。   このような整数の除法の筆算の手順の操作は、除数が2位数以上になっても、仮商の修正に手まどることを除け  ば、まったく同じである。   除法の計算は、加法、減法や乗法に比べて手続きが複雑であるうえに、立商には試行錯誤的なところがあり、し  かも首位から演算するというように、既習の計算の方法からはみ出す内容が多い。従って、児童がそれらの操作に  適応出来るように、この段階での指導には慎重に期したい。   そこで本時の指導では、「72枚の色紙を3人で同じ数ずつ分けると、1人分は何枚になりますか。」という、  2位数を1位数でわって、十の位でわりきれない問題場合から導入する。まず10枚束7束を3人で等分し(7÷  3=2あまり1)、次いであまりの1束(くずして10枚)と2枚を合わせた12枚を3人で等分する(12÷3  =4)という操作手順を学習し、この操作手順から筆算形式を導くことになる。ここで大事なことは、具体物の等  分操作と「たてる・かける・ひく・おろす」の4つの操作を対応づけることによって、数の操作の意味を具体的な  場面で裏付けることであると考える。 4 単元の関連図 5 指導計画(14時間扱い) 第1小単元 わり算のひっ算(1)−−−(5時間)   ・ 2位数÷1位数=2位数であまりなしの筆算                         (1)   ・ 2位数÷1位数=2位数であまりあり(各位でわりきれない場合と十の位でわりきれる場合)の筆算(1)   ・ 3位数÷1位数=3位数(各位ともわりきれない場合と百の位でわりきれる場合)の筆算     (1)   ・ 3位数÷1位数=3位数(商に空位を含む)、及び4位数÷1位数=4位数の筆算        (1)   ・ 「練習・1」                                       (1) 第2小単元 わり算のひっ算(2)−−−(4時間)   ・ 3,4位数÷1位数=2,3位数(首位に商がたたない)の筆算                (2)   ・ 3,4位数÷1位数(商に空位を含む)の簡単な筆算                     (1)   ・ 乗除混合、連除の問題を1つの式に表すこと                         (1) 第3小単元 何倍かをもとめる計算−−−(3時間)   ・ ある数がもとにする大きさの何倍かを求める場合にも除法が用いられること           (1)   ・ 何倍かにあたる数と、倍を表す数からもとにする大きさを求める場合にも除法が用いられること  (1)   ・ 「練習・2」                                       (1) 第4小単元 まとめ−−−(1時間)   ・ 「まとめ」 第5小単元 暗算−−−(1時間)   ・ 2位数÷1位数=2位数の除法の暗算   ・ 10,100の倍数を1位数でわる除法の暗算 6 本時の指導 (1)本時の目標   2位数÷1位数=2位数であまりなし(一の位でわりきれる)の筆算の仕方を理解し、その計算ができる。 ◎[関心・意欲・態度]   ・ 図や具体物を使うなどして、2位数÷1位数の計算の仕方を考えようとする。 ◎[数学的な考え方]   ・ 具体的な操作をもとに、2位数÷1位数の筆算形式を考えることができる。  [表現・処理]   ・ 2位数÷1位数=2位数であまりなし(一の位でわりきれる)の筆算ができる。  [知識・理解]   ・ 2位数÷1位数=2位数であまりなし(一の位でわりきれる)の筆算のしかたが分かる。 (2)本時の展開 +−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+ 段階   学  習  活  動 | 支 援 と 留 意 点 |評 価 ・ 準 備| +−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+ | 1 問題を把握する。 | | | | |+−−−−−−−−−−−−−−+| | | | || 72まいの色紙を3人で同じ|| 色紙 | |と||数ずつ分けると、1人分は何ま|| | | | ||いになりますか。 || | | | |+−−−−−−−−−−−−−−+| | | |ら|・ 分かっていること | | | | |・ 聞かれていること | | | |え|・ 立式する | | | | | 72÷3 | [評] | |る 2 課題を把握する。 ・既習の計算72÷9との違い、かけ算九九 ・既習の計算との違いに着 | |+−−−−−−−−−−−−−−+| | | | ||2けた÷1けたの計算の仕方を考|1回では答えが見つからないということを気 目できたか。(発表、挙手) |7|えよう。 |付かせたい。 | | | |+−−−−−−−−−−−−−−+| | | |分| | | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+ | 3 解決の見通しを立てる。 | | | |見|・答えの見当をつける。 | | | |通| 60÷3=20 | | | |す| 20より多い | | | | |・何を使って考えるか。 | | | |3| 図、線分図、式 | | | |分| | | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+ | 4 自力解決をする。 | [評] | | @(ア)図 | ・既習の方法を使って答え | | +−−−+| | | |考 □□□□□□ □□□ |・早く終わった児童には、別のやり方でも自 を見つけようとしたか。 | | | +−−−+| | | | | ↓ 力解決をするようにさせる。 |(観察、ノ−ト) | | | □□□□□□□□□□□□ | | | | | 答え、24まい・つまずいている児童には、色紙の図をかい| | | | て考えるように助言する。 | | |え @(イ)線分図 | | | | | 72 | | | | | 〓〓〓〓〓〓〓〓〓 | | | | | 20 20 20 | | | | | | | | |る| 答え、24まい| | | | | | | | | A式 | | | | | 72を60と12に分ける。 | | | | | 60÷3=20 | | | | | 12÷3=4 | | | | | 20+4=24 | | | | | 答え、24まい| | | | | | | | 10 | | | |分| | | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+ | 5.練り上げる。 | 《練り上げの構想》 画用紙 | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | | | | |[評] | | (1)妥当性の検討をする。(一斉) (1)・じぶんは〇と同じやり方だ。 | ・既習をもとに答えの見つ | | ・それぞれの考えを発表する。 | ・どの方法でも答えは同じになっ | け方を説明できたか。 | | | ・自分の考えは、提示された考え | ている。 ||(発表、挙手) | | | のどれに近いかを確認する。 | | ・10のまとまりから分け | | ・答えの確認をする。 | | ていくことのよさに気付い | | 答え、24まい | | たか。(観察、ノ−ト) | | | | | ・筆算形式を考えることが | (2)有効性・関連性の検討をする。 (2)・図では、10のたばから分けて | できたか。(挙手) | |学| (小集団) | いる。 || | | | ・3〜4人の小集団を作り、それ | ・式では、十のまとまりを分けて || | | | ぞれの考えの共通点を話し合う。 | から残りをばらで分けている。 || | |び| | ↓ || | | (3)解決方法の選択をする。(一斉)(3)・どのやり方も、10の束からば || | | | ・それぞれの小集団の意見を発表 | らへと分けている。 || | |合| する。 | ・上の位から順に計算を進めると、 | | | | ・かけ算九九1回では答えが見つ | 筆算でも答えを見つけることがで || | | | からないときにはどのようにして | きる。 || | |う| 計算するのか話し合う。 | || | | | ・筆算形式による計算の仕方をま | || | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | | | とめる。 | | | | | | | | | 6 類似問題 | | | 20 | | | | | −−−−− | | | |分| 7)91 | | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+ | 7 まとめる | | | | |+−−−−−−−−−−−−−−+| | | |ま|| 2けた÷1けたの計算は、十の | | | |と| 位から計算する。 || | | | |+−−−−−−−−−−−−−−+| | | |め| | | | |る 8 練習問題を解く | | | | | | | | | 9 自己評価をする ・3〜4名の児童に発表させ、頑張りを認め 評価カ−ド | | ・算数かんばりカ−ドに記入する。 合う。 [評] | |5| | ・自分なりの反省が持てた |分| | か。(カ−ド) | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+ (3)評価  2位数÷1位数=2位数であまりなし(一の位でわりきれる)の筆算のしかたを理解し、その計算ができたか。 [関心・意欲・態度]  ・図や具体物を使うなどして、2位数÷1位数の計算の仕方を考えようとしたか。(観察、ノ−ト) [数学的な考え方]  ・具体的な操作をもとに、2位数÷1位数の筆算形式を考えることが出来たか。(挙手) [表現・処理]  ・2位数÷1位数=2位数であまりなし(一の位でわりきれる)の筆算ができたか。(観察、ノ−ト) [知識・理解]  ・2位数÷1位数=2位数であまりなし(一の位でわりきれる)の筆算のしかたが分かったか。(ノ−ト、カ−ド) 7 板書計画 +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |問題 課題 まとめ | +−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−+ | | 72まいの色紙を3人で | 2けた÷1けたの計算の仕 |2けた÷1けたの計算は、| | 同じ数ずつ分けると、1人 方を考えよう。 | 十の位から計算する。 | | | | +−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−+ | 分は何まいになりますか。 | +−−−−−−−−−−−+ | | みんなで | | +−−−−−−−+ | | 《図》     《図》 《式》 | 24 | | | +−−−−−++−−−−−++−−−−−+| −−−−− | | 式  72÷3 | || || || 3)72 | | 予想 20より多い | || || || 6 | | | | || || || −−−−− | | | (60÷3=20) | || || || 12 | | | | || || || 12 | | | +−−−−−++−−−−−++−−−−−+| −−−−− | | 答え | 0 | | | | | | | +−−−−−−−+ | | | | | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+