印刷用紙:A4縦 1ページの行数:45 1行の文字数(半角で):110   −−以下 指導案本文−−                第6学年  算数科学習指導案                               日 時 平成8年9月6日(金) 5校時                               学 級 6年3組 男21名 女15名 計36名                               授業者 伊藤 誠規 1,単元名 「場合の数」 (東書6年上 P88〜P96) 2,単元について  (1)教材について     本単元では、4年生で学習した、資料の分類整理の仕方を基にして、起こりうるすべての場合を適切な観点か    ら分類整理して、順序よく列挙することができるようにすることをねらいとしている。     ここでは、はじめに4枚のカ−ドを並べて1つの絵を作る場合、何通りの並べ方があるかを考える。次に、メ    ダルを投げるときの表、裏の出方の考察。最後に、順序に関係のない組み合わせを調べる学習をする。     落ちや重なりのない分類整理のよさは、日常生活の様々な場面において順序や並べ方、組み合わせといったも    のを考えたり工夫できることにある。また、起こりうる場合を調べる手順や整理する方法として、樹形図、表、    多角形の辺と対角線などを用いることの便利さを理解することもこの教材のよさである。  (2)児童について     子ども達は、4年生で、資料を落ちや重なりがないように項目を整理して表にまとめることを学習してきてい    る。また、体育の授業などで試合の組み合わせを考えたり、表にまとめたりして実際に活動してきている。     診断テストで、カ−ドを並べる場合、何通りの並べ方があるかという問題については、半分以上の子が実際に    書いて数え正答を導いていた。ジャンケンを2回続けて出すだし方の問題は正答が7名と少なかった。4つの中    から2つ選ぶ組み合わせの問題では、やはり実際に書いたり線で結んだりして23名の子があたっていた。間違    っている子には、問題の意味が分からなかったり、ジャンケンで同じものを続けて出す仕方を数え忘れていたり、    組み合わせで、同じ組み合わせを消さずに残していたためといった原因が見られた。     学習プリントを用いての授業も慣れてきており、授業の流れや発表の仕方も身についてきている。ただ、練り    上げの段階では、まだ自分の思っている意見を述べる子が少なく、一部の子で意見の交換がされたり、先生が間    に入って話し合いを促したりしている。  (3)指導について     本単元は、1つの小単元で構成されている。1つの小単元でもその内容は微妙に異なるので、児童が混乱しな    いように具体的な操作や個に応じた指導を心がけていきたい。     つかむ段階では、取り上げることがらを身近にある簡単なものとし、何をどのように求める問題かをはっきり    するようにしたい。     見通しの段階では、どうしたら確実に落ちや重なりがなく起こりうるすべての場合を数え挙げることができる    かを考え、特定のものを固定して、他を変化させることに着目するようにしたい。     ためす段階では、表や樹形図といった整理の仕方を経験させ、いろいろな方法の中でやりやすい方法を見つけ    出していくようにする。ここでつまずいている子にはヒントカ−ドにより自力解決の手助けをしたり、個別に支    援していく。     練り上げる段階では、他の子どもの発表を聞く時に、友達の考えのよさを発見することを支援して、意見の交    流を図りたい。     組み合わせの考えは、どちらを先に表すか順序は問題にしないということにあり、順序を問題にしてきた今ま    での問題とは異なる。そこで同じ組み合わせを一つと考えさせて、うまく整理できるように支援したい。 3,単元の目標 +−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+ | 関心・意欲・態度 | 数学的な考え方 | 表現・処理 | 知識・理解 | +−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+ |・順列や組み合わせの数に|・順列や組み合わせを調べ|・順列や組み合わせを落ち|・順列や組み合わせを落ち| | 興味をもち、具体的な場| るとき、図などを工夫す|や重なりなく調べることが|や重なりなく調べる方法が| | 面で用いようとする。 | れば落ちや重なりがない|できる。 |分かる。 | | | ように調べられることに| | | | | 気づく。 | | | +−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+ 4,指導計画と評価計画 (全6時間) +−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |時| 目 標 | 指 導 内 容 | 評 価 計 画 | +−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | ☆診断テスト | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | (1)場合の数 (P88〜95)・・・5時間 | +−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |2|・いくつかのことがらを落ち|・4枚のカ−ドを並べるとき|(関・意・態) ◎(知識・理解) | | | や重なりなく並べる方法を| の並べ方 |・進んでカ−ドの並べ方を調べ、順列を落ちや| | | 理解する。 |・表や樹形図を用いた調べ方| 重なりなく調べる方法が分かったか。 | +−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |1|・起こりうる場合が2つのも|・メダルを3回続けて投げる|(表現・処理) | |本| のをいくつか並べる順列を| 場合の表と裏の出方 |・順列を調べるとき、図や表にあらわすことを| |時| 調べる方法を理解する。 | | 通して、落ちや重なりがないように調べるこ| | | | | とができる。 | +−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |2|・組み合わせの場合の数を調|・4チ−ムの中ですべてのチ|◎(考え方) (表現・処理) | | | べる方法を理解する。 | −ムと試合をする組み合わ|・いくつかのものから2つずつ組み合わせをつ| | | | せ | くるとき、その総数を図などを工夫すれば落| | | | | ちや重なりがないように調べられることに気| | | | | づくか。 | +−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | (2)まとめ (P96)・・・1時間 | +−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |1|・場合の数の問題を解くこと|・学習成果の診断 |(表現・処理) | | | ができる。 | |・順列や組み合わせを落ちや重なりのないよう| | | | | に問題を解くことができるか。 | +−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ 5,本時の指導  (1)本時の目標     起こりうる場合が2つのものを並べる順列を、落ちや重なりがないように調べることができる。  (2)本時教材のよさ     本時は、メダルを3回続けて投げるという子ども達にとっても考えやすい活動の問題である。メダルは表と裏    の2つの出方があることは子どもにとって容易に考えられると思われる。     前時では、ある特定のものを固定して、他を変化させることに着目して、一定の手順で調べていく方法を理解    してきており、本時でも前時までの考え方や方法をいかして問題に取り組むことができることも本時の教材のよ    さである。また、表と裏の出方を調べる方法はいろいろあり、さまざまな方法の中からよりやりやすい方法を見    つけ出していくと思われる。     本時の学習をすることにより、起こりうる場合の数に興味をもち、様々な日常生活の場面で活用できると思わ    れる。  (3)本時指導の工夫     本時では、メダルには1回ごとに表が出るかもしれないし裏が出るかもしれないという考えを持つことが大切    である。そこでつかむ段階で、実際にメダルを子どもに3回続けてなげてもらい、その出方を観察すると共に関    心を向けるようにしたい。    @「方法を具体的に確認し、複数の方法に複数の支援をする」     見通す段階では、前時までに学習していたように1回目の出方を表か裏に決めて、見通しを持たせるようにし    たい。     また、いろいろな方法で考えるように励まし、練り上げにつなげるようにしたい。     ためす段階でつまずいている子どもには、ヒントカ−ドや個別的な支援により、自力解決の手助けをしたい。    A「発表と中心発問から練り上げる」     練り上げる段階では、聞き手には、発表者の考えのよさを見つけてあげるよう励ましたい。また、中心発問    『どのやり方が分りやすいですか。』という問いかけにより、本時のねらいにせまっていきたい。 (4)展 開 +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−+ |段階| 学 習 内 容 ・ 活 動 | 子どものよさを生かす工夫(◎:評価) |備 考| +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−+ | | | | | | |1,問題の把握と課題の設定 | | | | | (1)問題を把握する。 |・わかっていることや聞かれていることなどを話し合|学習プ| |つ | | う。 |リント| | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−+ | | | || メダルを続けて3回投げます。このとき、おもてとうらの| | | |か ||出方は全部で何通りありまか。 | |紙板書| | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−+ | | | | ・何の問題かを考える。 |・実際に何人かにメダルを投げてもらい、どんな出方| | |む | | があるか調べる。 |メダル| | | | 例ア、表、裏、表 イ,裏、表、裏 | | | | (2)課題を設定する。 | ウ、表、裏、裏 など | | | | +−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+ | | | | |課題:2通りの出方をするものを並べる順序をすべて調べよう。 | | | | | +−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+ | | |5分| |◎本時の学習課題を把握できたか。 (挙手・発表)| | +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−+ | | | | | | |2,見通しの設定 |・前時までの学習を思い返して、落ちや重なりなく調| | |見 | ・課題解決の見通しをたてる。 | べる方法を考える。 | | | | 《方法》 | | | |通 | 表と裏を記号にする。 |・それぞれの方法についてある程度全体で確認してか| | | | (例表○、裏●) | ら自力解決につなげたい。 | | |す | 樹形図にする。 |・解決の方法については、子ども達に選択させる。 | | | | 表にまとめる。 |◎課題解決のための見通しを持つことができたか。 | | |5分| 1回目を表か裏に決めて考える。| (挙手・発表)| | +−−+−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−+ | | | | | | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | |3,自力解決|| 自力解決からまとめまでの流れ | | | | | |+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ | | | | ・見通しに||ア,樹形図で |イ,表で |ウ,その他 | | | | | |+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ | | |た | 従って問|| 1回目が表の時 | 1回目が表の時 | バラバラに調べる|・ひとつの方| | | | 題を解く。| 1回目 2回目 3回目1回目 2回目 3回目 | 表 表 表 |法が終わっ た | | || |+−−−−−−−−+| | | | |め | || ○||○ ○ ○ || 裏 裏 裏 |ら別の方法で| | | | || |+−−−−−−−−+| | | | | | || ○ ●||○ ○ ● || 表 表 裏 |も解いてみる| | | | || |+−−−−−−−−+| | | | |す | || ○ ||○ ● ○ || 表 裏 表 |ようにする。| | | | || |+−−−−−−−−+| | | | | | || ● ○||○ ● ● || 裏 裏 表 |・早く終わっ| | | | || |+−−−−−−−−+| | | | | | || ●| | | |た子は、自分| | | | ||1回目が裏の時も4|1回目が裏の時も4通| |の調べ方の説| | | | ||通り。合計8通り |り。合計8通り。 | 全部で8通り。|明を書くよう| | | | |+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ | | | | || 解き方の根拠となる考え |にさせる。 | | | | |+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ | | | | ||・前時の学習から。|・前時の学習から。 |・思いつくまま。 | | | (1回目を固定して (1回目を固定して整 ・発表する子 | | || 整理する) | 理する) | |には、自分の| | | | |+−−−−−−−−−+−−−−+−−−−−+−−−−−−−−−+ | | | | | | 考えを説明で| | | | |+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+ | | |た | || 予想される子どものつまずき |きるように準| | | | |+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ | | | | ||・同じ並べ方をつく|・すべての場合を思い|・すべての場合を思|備を促す。 | | |め | || ってしまう。 | つかない。 | いつかない。 |◎見通しに従| | | | |+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ | | | | || 解き方別による教師の支援 |って問題を解| | | | |+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ | | |す | ||・途中までの樹形図|・途中までの表を図示|・個別的に助言等を|き、答えを求|ヒント| | | || を図示したヒント| したヒントカ−ドを| して、落ちや重な|めることがで|カ−ド| | | || カ−ドを提示する。 提示する。 | りのないようにす|きたか。 | | |15分| || | | る。 | (学習プリント) | | | |+−−−−−−−−−+−−−−+−−−−−+−−−−−−−−−+ | | +−−+−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−+ | | |+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | | || それぞれの解き方のよさ |・発表の時に| | | | |+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ | | | |4,練り上げ||・樹形図に表すと順|・表に表すと、見やす|・すぐに取り組むこ|は、自分の考|小黒板| |練 | (1)方法別に|| 序よく調べること| くなり、間違えにく| とができる。 |えの根拠も発| | | | 発表する。|| ができる。 | い。 | |表できるよう| | | | |+−−−−−−−−−+−−−−+−−−−−+−−−−−−−−−+ | | |り | (2)練り上げ| | に支援する。| | | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | | をする。 | | ・聞き手には、 | | | | |+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+ | | |上 | | || 練り上げでの検討 |友達の考えの| | | |+−−−+−++−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ | | | |中心発問 ||・順序よく整理して|・樹形図と表は共通点|・間違えやすくなる|よさを見つけ| | |げ |どの方法が分|| いる。 | があるようだ。 | ようだ。 |るように促す。 | | || |+−−−−−−−−−+−−−−+−−−−−+−−−−−−−−−+ | | | |かりやすいで| | ・中心発問をもとに合理| | | || | +−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ | | |る |すか。 | |樹形図や表に表すと分かりやすいようだ。 性に着目してまとめに| | | |+−−−−−+ +−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ | | | | | | せまる。 | | | | |+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | | ||まとめ:2通りの出方をするものを並べる順序を調べる時も樹形図| | | | | || や表をつかうと分かりやすい。 |(挙手・発表) | | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | |12分| | ◎起こりうる場合が2通りのものを並べる順列を調べる方法が分かったか。 | | +−−+−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−+ |確 | | | | |か |5,練習問題による定着 |・つまずいている子どもに対しては、1つ目を固定す| | |め | ・練習問題を解く。 | ることに着目して、個別的に支援する。 | | |る | |◎起こりうる場合が2通りのものを並べる場合の数を、 | |5分| | 落ちや重なりなく調べることができる。(学習プリント) | +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−+ |振 | | | | |り |6,学習内容のまとめ |・感想を書かせ一人ひとりの授業でのがんばりを認め、 | |返 | ・「分かったこと」「よさ」「がんばった| 次の学習の意欲化を図りたい。 | | |る | こと」等について振り返る。 |◎友達の考えのよさや学習内容のよさを振り返ること| | |3分| ・次時の学習について知る。 | ができたか。 (発表・学習プリント)| | +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−+  (5)評 価      起こりうる場合が2つのものを並べる順列を、落ちや重なりがないように調べることができたか。    A:いろいろな方法で、順列を調べることができる。    B:樹形図、または表をつかって順列を調べることができる。    C:思いつくまま、順列を調べることができる (6)板書計画 +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |+−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−+ | ||問題 | |課題 | | || | +−−−−−−−−−+ | |+−−−−−−−−+ 方法 | |+−−−−+−−−−++−−−−−−−−−++−−−−+ | ||子どもの考え 子どもの考え まとめ ||子どもの考え | || | |+−−−−−−−−−+| | | || | | | | | |+−−−−+−−−−+ +−−−−+ | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+