印刷用紙:B4縦 1ページの行数:50 1行の文字数(半角で):116   −−以下 指導案本文−−               第2学年算数科学習指導案                                 日 時 平成8年10月22日(火)1校時                                 児 童 2年3組 男16名 女17名 計33名                                 指導者 三 浦 紀 久 果 1 単元名      三角形と四角形(東書・新しい算数2下 P12〜23) 2 単元について  (1)教材について      図形の指導では、基本的な図形や空間の概念について理解できるようにし、図形についての豊かな感覚を育てるととも     に図形の概念や簡単な図形の性質を活用して、適切に判断したり、的確に表現したり、処理したりできるようにすること     を主なねらいとしている。低学年において日常の生活における様々な経験との関連を十分に図るとともに、具体物や操作     から図形を抽象する過程を重視し、図形に関心や親しみをもたせるようにすることが必要である。      1学年では、児童の身の回りにある具体物について観察したり、構成したり、分解したりする活動を通して、図形に対     する親しみを深めながら、上学年での図形学習を進めるための基礎となる経験を豊かにしてきた。その活動の中で、「し     かく」「さんかく」「まる」といった名称を学習し、それぞれの形の特徴をとらえ見分けることも学習してきた。      さらに、2学年の第4単元では、長さの学習を通して、「直線」の意味を理解し、そのかき方を学習してきている。      本単元では、これまで日常的に話題としてきた「かたち」に対する概念を土台として、ものの形について具体的な操作     を通して考察し、基本的な図形の概念を理解できるようにすることが主なねらいである。その際、それぞれの図形の特徴     を理解し、向きや大きさを捨象してとらえられるようにすることが大切である。そこで、図形を構成する要素、辺や頂点     に着目させながら、具体的な操作活動を通して三角形、四角形の意味を理解させ、「さんかく」「しかく」としてとらえ     ていたものを明確にとらえ直せるようにする。さらに、かどの形として直角の意味を導入し、直角と辺の相等に着目させ、     最も基本的で児童に身近な四角形である正方形、長方形の意味を理解させる。その後、正方形、長方形を対角線で2等分     することによってできる特別な三角形である直角三角形の意味を理解させる。      ここでの学習をもとに、3学年で角の相等に着目して二等辺三角形、正三角形を学習し、4学年で辺の位置関係(平行、     垂直)に着目して、台形、平行四辺形、ひし形を学習する。ここで、基本的な平面図形の概念理解を完成する。また、向     きや大きさを捨象して図形をとらえる力は、中学年の基本的な平面図形の学習や高学年の合同や対称性の学習を支えるも     のとなる。  (2)児童の実態      1年生までは、日常「さんかく」「しかく」「ましかく」「ながしかく」などと感覚的に図形をとらえてきた。しか     し、子供たちの使っている“さんかく”“しかく”という用語は、さまざまなイメ−ジを持って使われている。例えば、     おにぎりや机のように角が丸まっているものも「さんかく」や「しかく」ととらえている子供と、角がきちんとしていな     いと「さんかく」や「しかく」といえないという子供がいる。レディネステストの結果を見ると、「さんかく」「しかく」     の弁別はほとんどの子どもができるが「しかく」に関しては図形の位置が変わると「しかく」と判断できない子供も数名     いる。      子供たちは、作業を取り入れた学習が好きであるため、本単元の図形の学習には興味をもって取り組めるであろう。結     果の予想に関しては、多くの子供は図形の特徴を感覚的にとらえることはできるようになっている。また、解決の見通し     では、何を手がかりにすればいいのかを既習事項や日常の生活経験と結びつけて全体で話し合い考える活動をしてきた。     その結果、自力で考えられない子供も、友達の考えによって解決の見通しを持つことができるようになってきた。自力解     決については、時間的に個人差は大きいが、ほとんどの子供たちが作業をし、解決の結果をノ−トに記録できるようにな     ってきた。学習の振り返りでは、観点を与えて記述式で行ってきており、1時間ごとの自己評価ができる子供が増えてき     ている。  (3)指導にあたって      本単元では、これまでに培った図形についての初歩的な理解の上に立って、三角形、四角形の概念理解、弁別、作図、     直角の意味、さらに長方形、正方形、直角三角形などの意味(定義、性質)や作図を指導することになる。      三角形や四角形を構成するときの導入には動物を囲む方法を用いる。導入が子供のお話作りにつながるようにし、子供     の発想が生かされる提示にすることで、興味、関心を持って本単元の学習に取り組めるようにしたい。     概念を形成させるためには、三角形、四角形を言葉で説明させることと、三角形、四角形でないものを選び出させること     が必要である。曲線が含まれていたり、図形が閉じていなかったりした場合は、三角形、四角形とはいえないことがしっ     かりと分かることである。そのために、反例を提示して三角形や四角形の意味を確実なものにしていきたい。      さらに、長方形や正方形、直角三角形をとらえていくために新しく「直角」という構成要素の導入を図っていく。そこ     で、「直角」を作る活動や平面図形を弁別する活動など具体的な操作活動を通して、「直角」の大きさや特徴をつかんで     いく。そして、三角定規などの道具や身の回りのものと比較しながら、具体物のもつ機能性と有用性を明らかにすること     によって、垂直関係にある2辺をはさむ角をとらえさせたい。その後、長方形、正方形、直角三角形の図形について、具     体的な操作を通して構成要素を見つけ出し、図形の特徴を明らかにしていく。さらに、作図することによって図形の理解     を深めていきたい。  (4)教材の関連と発展 +−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−+ | 1 年 | | 2 年 | | 3 年 | +−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−+ | 第8単元 | | 第4単元 | | 第4単元 | |・直方体、立方体、円柱の初| |・直線の概念、かき方 | |・円の性質、かき方 | | 歩的理解 | +−−−−−−−−−−−−−+ |・球の性質 | |・四角形、三角形、円の初歩| +−−−−−−−−−−−−−+ | 的理解 | ↓ +−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−+ ↓ +−−−−−−−−−−−−−+ | 第15単元 | +−−−−−−−−−−−−−+ | 本単元 | |・2等辺三角形、正三角形の| | 第18単元 | |・平面図形を構成する要素 | | 概念、性質、かき方 | |・構成活動をとおした平面図| |・三角形、四角形の概念 | |・三角形の相互関係 | | 形の基礎的理解 | |・直角の概念 | |・角の概念 | |・平面図形の要素への着目 | |・長方形、正方形、直角三角| |・角の大小、相等の比較 | |・広さの概念の初歩的理解 | | 形の概念、かき方 | +−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−+                             ↓ +−−−−−−−−−−−−−+ | 第18単元 | |・直方体、立方体の初歩的概| | 念、構成要素(面、辺、頂| | 点) | |・平面図形と立体図形の関係| +−−−−−−−−−−−−−+ 3 単元の目標  ○関心・意欲・態度    ・図形の美しさに関心をもち、身の回りから三角形、四角形などの形を見つけようとしたり、用語を日常生活に生かそう     とする。  ○数学的な考え方    ・辺や角などの構成要素に着目して図形を弁別することができる。  ○表現・処理    ・三角形、四角形や正方形、長方形、直角三角形などを弁別したり、かいたりすることができる。  ○知識・理解    ・三角形、四角形や正方形、長方形、直角三角形などの定義や性質が分かる。 4指導計画(別紙 目標分析表) (1)三角形と四角形 −−−−−−−−−−−− 3時間 (2)直角 −−−−−−−−−−−− 1時間 (3)長方形と正方形 −−−−−−−−−−−− 4時間(本時2/4) (4)まとめ −−−−−−−−−−−−−−−− 1時間 5本時の指導  (1)ねらい   <数学的な考え方>     正方形は図形の置かれた位置に関係なく、構成要素によって決まるということに気づく。   <表現・処理>     正方形を弁別することができる。  (2)本時の指導にあたって      本時までに、四角形について考察を進めてきている。「4本の直線で囲まれた形」と定義した四角形を直角という観点     から考慮し、三角定規の角を使って確かめる活動を通して長方形の意味を学習した。さらに、長方形の性質である向かい     合っている辺の長さが等しいということは長方形の紙を折り曲げるなどの具体的な操作活動を通して学んできている。本     時でもこのような方法を生かし、操作活動を通して自分たちの力で正方形の定義と性質を見つけ出させることで、図形の     概念理解を深めていけるようにする。      まず、課題把握の段階で、折り紙の形をもとにして、それと似た形(正方形)を箱の中から探し出す時に、教師が意図     的に長方形、ひし形を取り出し、折り紙の形(正方形)との相違点(長方形は辺の長さ、ひし形はかどの形)を出させる     ことで、折り紙の形(正方形)の特徴に興味、関心を持たせる。そして、正方形の特徴を調べる観点を長方形の学習をも     とに、図形の構成要素(角の形、辺の長さ)に着目させることで、操作活動の支援とする。      また、自己評価については感想の視点を与えること、自分の選んだ解決方法と調べたことを記録しておくことで、振り     返る時の支援とする。  (3)展開 +−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−+ |過 程| 学 習 内 容 | 主な発問と予想される反応 | 教師の支援・評価 | 資 料 | +−+−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−+ | | |1,問題を把握する。 | |・折り紙の形の辺やかどの数に|・箱 | | | | +−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+ | 触れ、四角形であることをつ|(長方形、| |課|つ| | | | かませる。 | 正方形、| | | | | | | |・箱の中から折り紙の形と同じ| ひし形)| |題| | | | | | 形を取り出す際に、意図的に|・折り紙 | | |か| | | | | 長方形、ひし形を取り出し、| | |の| | +−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+ | それぞれの相違点を見つける| | | | | | ・違う。 | ことで折り紙の形(正方形)| | |把|む| |○違うところはどこですか。 | はどんな形なのか調べようと| | | | | | ・辺の長さが違う。(長方形) |する意欲を持たせる。 | | |握|〓| | ・かどの形が違う。(ひし形) |・折り紙の形(正方形)とそれ| | | |7|2,学習課題をつかむ。| | ぞれの形の違いを見つけるこ| | | |分| +−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+ | とで、図形の構成要素(かど| | | |〓| | 折り紙の形のような四角形はどんな形といったらいい| | の形、辺の長さ)に目を向け| | | | | |か、くわしくしらべてみよう。 | | させる。 | | | | | +−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | | | | | | | | | | | | | | | +−+−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−+ +−+−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−+ | | |3,解決の見通しをもつ|○どんなことに目をつけて調べればいい|・長方形の学習を想起させるこ| | | | | | ですか。 | とで、折り紙の形を調べるた| | |解| | | ・かどの形を調べる。 | めには構成要素(かどの形、| | | | | | ・辺の長さを調べる。 | 辺の長さ)に着目すればよい| | |決| | |○どんなかどの形になりそうですか。 | ことに気づかせる。 | | | |考| | ・直角になりそう。 |・かどの形や辺の長さがどのよ| | |の| | |○辺の長さはどうなりそうですか。 | うになるかを予想させること| | | | | | ・全部同じ長さになりそう。 | で、折り紙の形がどんな形と| | |計| | |○かどの形はどのようにして調べたらい| 言えるかイメ−ジを持たせた| | | | | | いですか。 | い。 | | |画|え| | ・三角定規を使う。 |・かどの形を調べるには、三角| | | | | |○辺の長さはどのようにして調べたらい| 定規を使うことを確認する。| | | | | | いですか。 | | | | | | | ・ものさしを使って長さを測る。 | | | | | | | ・紙を折って重ねる。 | | | +−+ +−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−+ |解|る|4,自力解決をする。 |○かどの形や辺の長さを調べてみましょ|・辺の長さをものさしを使って| | | | | | う。 | 調べている中で、誤差が生じ| | |決| | | (1)かどの形 | ている場合、「長方形」で学| | | | | | @三角定規を使う。 | 習した折って重ねる方法でも|・教師用三| |の| | | (2)辺の長さ | できることを助言する。 | 角定規 | | |〓| | @ものさしを使って長さを測る。|・自分の作業を振り返らせるた| | |実|13| | A折り紙を折って重ねる。 | めにどんな方法で調べたのか| | | |分| | | また、その結果を書かせる。|・三角定規| |行|〓| | | |・ものさし| +−+−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−+ | | |5,調べた方法・結果を|○どんな方法で調べて、どんなことが分|・実際に操作させながら、子供| | | | | 発表し合い、正方形の| かりましたか。 | たちの言葉で発表させる。 | | | | | 定義、性質を知る。 |(1)かどの形 | | | | | | | @三角定規を使う。 | | | |解| | | ・折り紙の4つのかどの形は直角。| | | | |確| |(2)辺の長さ |・ものさしで辺の長さを測った| | | | | | @ものさしを使って長さを測る。 | が2〜3oの誤差が生じた場| | | | | | ・折り紙は4つの辺の長さが15p| 合でも、その活動を認める。| | |決| | | A折り紙を折ったり重ねたりする。|・子供たちの発表から折り紙の| | | |か| | ・折り紙は4つの辺の長さが全部同| 形について調べた結果を明確| | | | | | じ。 | にすることで、学習のまとめ| | | | | | | につなげたい。 | | |の| | | |・4つの角が直角で、4つの辺| | | |め| | | の長さがすべて等しい折り紙| | | | | |○長方形と比べてみましょう。同じとこ| の形は「正方形」であること| | | | | | ろはどこですか。 | を伝える。 | | |検| | | ・4つのかどがみんな直角ということ| | | | |る| |○違うところはどこですか。 |・前時に学習した長方形との比| | | | | | ・辺の長さ。 | 較をすることで、正方形を明| | | | | | | 確にする。 | | | | | | | | | | | | | | | | +−+−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−+ +−+−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−+ | | |6,正方形の特徴を知る|○これは正方形といえますか。 |・安定した位置にある正方形だ|・掲示用正| |討|〓| | ・いえる。 | けでなく向きを自由に変え、| 方形 | | |13| | | 教師が操作し、確かめること| | | |分| | | によって置かれた向きや大き| | | |〓| | | さには関係ないことをつかめ| | | | | | | るようにする。 | | +−+−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−+ | | |7,学習のまとめをする|○どんな形を正方形といえばいいのです|・子供たちが発表した言葉で教| | | | | | か。 | 師がまとめる。 | | | | | +−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | | | | | 4つのかどがどれもちょっかくで、4つの辺の長さ| | | | |一| | |がみんな同じになっている四角形を正方形といいます。 | | | | |ま| +−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | |般| |8,適用問題を解く。 |○かどの形や辺の長さに気をつけて、次| | | | | | | の図形の中で、長方形や正方形を見つ|+−−−−−−−−−−−−+| | |化| | | けましょう。 ||図形の置かれた位置に関係|| | | | | +−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+ ||なく長方形や正方形を弁別|| | |・|と| | | ||することができるか。 || | |適| | | | || <発表・挙手> || | | | | | | |+−−−−−−−−−−−−+| | |用| | | | | |・プリント| |・| | +−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | |発|め|9,本時の学習を振り返|○今日の学習で分かったことは何ですか| | | | | |る。 | もっとやってみたいことは何ですか。|+−−−−−−−−−−−−+| | |展| | | ||正方形は4つの角が直角に|| | | | |10,次時の学習について|○これまでに勉強した長方形や正方形を||なっている四角形で、4つ|| | | |〓| 知る。 | 書きましょう。 ||の辺の長さがすべて等しい|| | | |12| | ||ことが分かったか。 || | | |分| | || <発表・ノ−ト> || | | |〓| | |+−−−−−−−−−−−−+| | +−+−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−+  板書計画 +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ 表+−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | おり紙の形のような四角形はどんな形といったら| | | | | |いいか、くわしくしらべてみよう。 | | | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | | | | | | | | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | | 作戦 予想 +−−−−−−−−−−−−−−−+ | | ・三角じょうぎ かどの形 ・ちょっ角 | 4つのかどがどれもちょっ角で、 | | |4つのへんのながさがみんな同じ| | | ・ものさし |になっている四角形を正方形とい| | | へんのながさ・ぜんぶ同じながさ |います。 | | | ・紙をおって、かさねる +−−−−−−−−−−−−−−−+ | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+