印刷用紙:B5縦 1ページの行数:40 1行の文字数(半角で):72   −−以下 指導案本文−−   第3学年算数科学習指導案 日 時 平成8年9月20日(金)5校時 児童数 男16名 女 13名 計29名 指導者 上野 みつほ 1 単元名 かけ算のひっ算(1) 2 単元について  (1) 教材について     乗法九九については2学年で学習しているが、3学年ではその後を受け    て、第1単元で乗法九九についての理解をまとめたり、40×3や300    ×5のような、乗法九九に帰着して計算する乗法の暗算を学習している。     本単元では、それらの基礎的な学習をもとにして2位数、3位数に1位    数をかける計算を導入し、乗法の筆算形式とともに、その計算の原理や手    順について理解を図ることを主体としている。具体的には、十進位取り記    数法の原理の理解を基本として、事実に即して分配法則の考えを用いるこ    とと、「基準量のいくつ分」というように数量をとらえることの2つの点    においての理解が深まることを意図している。     本単元の学習は、後に、2位数・3位数×2位数・3位数の計算の基礎    にあたっているので、計算の原理や手順を確実に理解するとともに、技能    的にも十分高めておく必要がある。 (2) 児童について  本学級児童の算数の学力は他教科の学力に比べて劣っていて、苦手意識    があるせいか、課題の取り組み方にかなりの個人差がみられる。そのため    自力解決の場で教師の援助が必要な児童が4、5人いる。  また、自分の考えを進んで発表しようとする児童が少なく、自分の考え    たところまでや答えだけの発表でもよいことにして、できるだけ発表する    ことを指導してきた。計算練習は意欲的にやる児童が多い。 事前テストによると、かけ算九九や繰り上がりのたし算が正確にできな    い児童がいるので、繰り返し計算練習を続けていきたい。 予習課題については、ほとんどの児童がやってくるが、式や答えを見つ    けたりすることで終わっていて、やり方まで考えてくる児童は少ない。 (3) 指導にあたって 第一小単元では、乗法の計算による計算原理や手順を理解するのに最も    適切な基本型の素材で導入する。分配法則の考えをその図解と対比させて    計算の原理を考えさせ、原理の理解に基づき筆算形式を導入し、類推的に    計算方法を見いだしていくようにさせたい。次に、理解の徹底を図るため    2位数に1位数をかける計算の型を分類し易から難へ配列し、段階的に能    率的に練習効果を上げるようにしていきたい。     第二小単元では、乗法の意味の拡張と、3位数に1位数をかける計算を    理解させる。乗法の意味をテープ図で示し(基準の大きさ)×(基準の大    きさを単位とした数)=(全体の大きさ)の関係をとらえさせ、将来、小    数倍、分数倍へと発展させる素地としている。3位数に1位数をかける計    算の学習は、2位数に1位数をかける計算のときに準じて型を分類し、段    階的に指導していく。最後に乗法の結合法則を取り上げるが、ここではあ    くまでも具体的な場面を背景にして、結合法則がなり立つことを理解する    にとどめる。 予習課題としては、計算原理を理解するまでは、2年生時の復習的なも    のや乗法の意味を考えさせるものなど、計算原理が分かってきた段階では    本時の課題に直接結び付くもの、または本時の課題を予習課題として出し    ていきたい。習熟の段階では技能を高めるために本単元の学習内容の復習    を中心に出していきたい。前時に出す予習課題は、本時の課題意識を持た    せる内容のものとしたい。前時と本時の問題を比較させるかたちで提示し    ちがいをとらえさせたい。 3 単元の目標  〇 筆算形式による2、3位数に1位数をかける乗法計算の仕方について理解   し、それを用いる能力を伸ばす。 [関] 2、3位数×1位数の計算のしかたを既習の乗法計算のしかたをもと      に考えようとする。 [考] 2、3位数×1位数の計算のしかたや筆算のしかたを、数の構成や十      進位取り記数法をもとに乗法九九に帰着させて考えることができる。 [表] 2、3位数×1位数の計算を筆算で正確にできる。      乗法の結合法則を計算に用いることができる。  [知] 2、3位数×1位数の筆算のしかたが分かる。      乗法の結合法則が分かる。 4 教材の関連と発展  6 本時の指導  (1) 目標        2位数×1位数(部分積がみな2けたの場合)の筆算のしかたを理       解し、その計算ができる。  (2) 前時の予習課題       58×3の計算は42×3の計算とどこがちがうか見つけよう。  (3) 展開 +−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−− | | 学習活動 予想される児童の反応 | 教師の支援・[評価]・(資料) +−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−− | |1学習課題をつか | | |つ| む ・十の位の計算の答え |・予習課題で見つけてきた | | ・既習の計算との だけでなく、一の位の |ことを発表するようにする |か| 違いをみつける 計算の答えも2けたに | | | なる。 |・表現のしかたのちがいを |む| | |気づくようにする。 | |+−−−−−−−−+−−−−−−+ | <2けた、くりあがる> |7|58×3の筆算のしかたを考えよう| | |分|+−−−−−−−−+−−−−−−+ | +−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−− | | | | |み|2解き方をかんが | | ・一の位の繰り上がりを |と| える。 | |どのように処理したらよい |お| ・前時の筆算のし | |かを考えるようにする。 |す| かたをもとに発表 | | |3| する。 | | |分| ・答えの見当をつ ・50×3=150より大きい | | | ける ・60×3=180より小さい | +−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−− | |3課題を解く。 | | |し|・自分なりの方法 | | |ら| をノートに書く (1) 58 (2) 58 |・答えの見当からまちが |べ| | × 3 × 3 |いに気づくようにする。 | | |−−−−− −−−−| |る| | 174 154 |・早くできた子どもには |7| | |答えの確かめを分配法則を |分| (3) 58 (4) 58 |用いて考えるようにする。 | | | × 3 × 3 | | | |−−−−− −−−−| | | |1524 24 | | | | 150 | | | | −−−−| | | | 174 | | | | | +−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−− |た|4課題解決の方法 ・(2)は繰り上げた2をた|・自分の考えと比べながら |し| を確かめる |していない。 |発表を聞くようにする。 |か| ・結果を発表しあ ・(3)は答えの見当から |・比較検討を通して(1)の考 |め| う 大きすぎる。 |えでよいことを確認する。 |る|・気づいたことを ・(2)も(3)も16×4でやっ | | 話し合う た 繰り上がりを忘れて| |10| い る |[考]既習の計算の複合し |分| ・(1)の考えがよい |た計算であることに気づく +−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−− | |5学習課題につい | | |ま| てまとめる。 @ 58 A 58 |・理解が不十分な子どもに | | | × 3 × 3 |は50×3=150ということを 示 | | |−−−− −−−−+ |と| | 24 174 |して各位の数の大きさをと | | | |らえるようにする。 |め| @一の位…24 | | | | 4を一に位に書く。 | [知]2位数×1位数の筆 |る| | 繰り上がりの2は十 |算のしかたが分かる。 | | | の位に小さく書く。 | |8| A十の位…15 | |分| | 15に2をたして17。 | | | | 7を十の位、1を百の位| | | | に書く。 | | |・ 類似問題を解く | | +−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−− | |6 練習問題を解く | |・理解が不十分な子どもに |つ| ・共通問題 | |は個別に指導する。 | | ・発展問題 ・答えを確認する | [表]2位数×1位数の |か|7 予習課題をつか | |筆算ができる。 | | む | | | | +−−−−−−−+−−−−−−−+ | |う| |29×4の答えを筆算で求めよう| | ・本時の学習を適用できる |10| +−−−−−−−+−−−−−−−+ |ことに気づき意欲づけを図 |分| | |る。 | | | | +−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−