印刷用紙:B5縦 1ページの行数:39 1行の文字数(半角で):78   −−以下 指導案本文−−   第6学年算数科学習指導案                    日 時 平成8年9月20日(金) 5校時                   児童数 男6名 女19名 計25名                   指導者 川 村 輝 彦 1 単元名   場合の数 2 単元について  1 教材について   あることがらの起こる可能性をどのようにして調べたらよいかについて、具体的  な手続きを考察する。いわゆる順列や組み合わせの考えの初歩である。   これまでの学年でも、分類整理する能力を伸ばすように努めてきているが、本単  元では、特に起こりうるすべての場合を適切な観点から分類整理して、順序よく列  挙することができるようにすることをねらいとしている。つまり、順列や組み合わ  せについての場合の数を求める方法を指導するのではなく、具体的な事象に即して、   落ちや重なりがないように、分類整理して順序よく列挙することができるようにす  るのである。したがって、取り上げることがらも身近にある簡単なものを素材とし  て扱うことにした。  2 児童について 事前テストの結果を見ると、全部のものを並べたときの並び方を調べるときの樹  形図の空欄部分に記号を入れる問題には、ほとんどの子が正答している。また、2  種類のものをいくつかとって並べたときの並び方を樹形図に表したり、樹形図から  何通りを求める問題については、正答率が低い。樹形図の見方が事前テストの段階  でよくできている子は6名ほどいる。しかし、いくつかのうちから2つ取る組み合  わせ方が表で表されていて、その表の見方の問題については、ほとんどの子はわか   っていないようである。   予習課題については、どの子も課題に忘れず取り組んできている。そして、その  取り組みにより授業での子供たちの発表も積極的になってきたが、取り組んできた  ことに自信がないと発表せずにいる子も少なくない。  3 指導にあたって 簡単なことがらについて、起こりうる場合を順序よく調べて、落ちや重なりのな  いように整理して数えることを扱う。それを調べる手順や整理する要領に関連して、   樹形図、表、多角形の辺と対角線などを用いることの便利さを理解させる。   はじめに、4枚のカードを並べて1つの絵を作る場合、何通りの並べ方があるか  考えさせる。試行錯誤では落ちや重なりがないことについての保証に欠けるので、  どうしたら確実に、起こりうるすべての場合を数えあげることができるかを考えさ  せる。そうして、特定のものを固定して、他を変化させることに着目した調べ方に  進み、場合の数を落ちや重なりをなく求める手段として表や樹形図による整理のし  かたを経験させる。   次いで、メダルを投げるときの表、裏の出方の考察で、起こりうる場合を組織的  に調べあげるのにも、表や樹形図を用いて処理する要領を学ばせる。   組み合わせについては、4チームでサッカーの試合をするときの試合の回数を調  べることを取り上げ、表による処理の方法や、多角形の辺や対角線に置き換えて調  べる方法を扱う。この場合は順序に関係ないことを明らかにし、上記の絵の順序や  メダルの表、裏の出方を調べるのと趣を異にすることをおさえさせる。   予習課題については、身近にある簡単なものを出していきたい。そして、課題に  取り組める子はわからない子にもわかりやすく説明できる段階までやってくる。ま  た、課題に取り組めない子はどこまでわかってどこからわからないのか話ができる  ようにさせたい。   本時は、何通りの並べ方があるか調べる時に、「速く」「落ちや重なりがなく」  「わかりやすい」ということをキーワードとして、練り合い活動をさせていきたい。    また、低位の子も積極的に取り組めるように半具体物を使わせたり、机間指導を  きちんと行いたい。 3 単元の目標  ○簡単なことがらについて、起こりうるすべての場合を落ちや重なりのないように整   理して調べることができる。  [関]順列や組み合わせの数に興味をもち、具体的な場面で用いようとする。  [考]順列や組み合わせを調べるとき、図などを工夫すれば落ちや重なりがないよう     に調べられることに気づく。  [表]順列や組み合わせを落ちや重なりなく調べることができる。  [知]順列や組み合わせを落ちや重なりなく調べる方法がわかる。 4 教材の関連と発展 6 本時の指導  1目 標     ・自分が考えてきた方法を発表することができる。           ・落ちや重なりがないように順序よく調べる方法を理解する。  2前時の予習課題 『4枚のカードの並べ方を工夫してかいてきましょう』  3展 開 +−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | 学 習 活 動 | 予想される児童の反応 |教師の支援・[評価]・(資料) | +−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |1問題をつかむ。 | | (掲示用カード)| | |+−−−−−−−−−+| |・前時までは、3枚のカードの並べ| | || 4まいのカードを|| |方であり、本時の問題は4枚のカー| |つ||ならべるときのなら|| |ドの並べ方を調べることであること| |か||べ方を工夫して調べ|| |を確認する。 | |む||ましょう。 || |・4枚のカードの並べ方の数は3枚| | |+−−−−−−−−−+| |のカードの並べ方の数と比べてどう| | |2学習課題をつかむ。 | |であるか聞く。 | |2|+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+| | |分|| 落ちや重なりがないように調べよう。 || | | |+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+| | +−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |3調べ方を考える。 | | | | |・調べてきて困ったこと|・途中でわからなくなった|・予習課題で、並べ方の数がまちが| |み| わからなかったことを|・書くのがたいへんだった|っていたり、途中でわからくなった| |と| 発表する。 | |児童にも、どのような方法で調べて| |お|・どんな調べ方をしてき|・思いつくまま自由に調べ|きたか発表するように話す。 | |す| たか発表する。 | る。 | | | | |・部分交換をして調べる。|・カードを記号化していく考えが出| | | |・ずらしていく。 |ない場合は、時間的にもっと速くす| | | |・1つを固定して、表や図|るためには、どうすればよいかを考| |5| | で表す。 |えさせ、カードを記号化していく方| |分| |・カードを略字、番号、記|向へ導いていきたい。 | | | | 号にして調べる。 | | +−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |4課題を解く。 | | | | |・自分なりの方法をノー|1思いつくまま自由にする|・考えのきっかけのつかめない子に| |し|トに書く。 | ・ABCD ・ACDB|はABCDと記号が書いてあるカー| |ら| | |ドをわたす。 (カード)| |べ| |2部分交換していく | | |る| | ABCD→BADC |・予習課題において考えてきた児童| | | | |には、説明を加えさせる。 | | | |3ずらしていく | | | | | ABCD→DABC |・123のやり方で調べ終わった子| | | | |には、他に速く調べる方法がないか| | |・他の方法でも解く。 |41つを固定して何通りか|話し合う。 | | | | 調べる。 | | | | | | | | | | |・4の考えが出ない場合は、1番目| | | | @ABCDすべて調べる|がAの場合、2番目はどんな並べ方| | | | AAだけを調べて、それ|があるか、またそのそれぞれについ| | | | を4倍して求める。 |て3番目はどんな並べ方があるか…| |15| | |と考えるよう助言する。 | |分| | |[表]自分なりの方法で調べること| | | | | ができる。 | +−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |5課題解決の方法を確か| |・誰のやり方と同じかまたは似てい| | | める。 | |るか考えながら聞くように話す。 | |た| ・調べ方を発表する。| | | |し| ・気づいたことを話し|・1は落ちや重なりがでる|・落ちや重なりが出ないようにする| |か| 合う。 | 可能性がある。 |ための調べ方としてどれがよいか話| |め| |・1、2、3は途中からわ|し合わせたい。 | |る| | からなくなりそう。 | | | | |・4は整理されていて分か|・樹形図がでない場合は、4の考え| | | | りやすい。見やすい。 |から樹形図の書き方を指導する。 | | | | | (樹形図説明用の表)| | | | | | |10| | |[考]落ちや重なりをなくするよう| |分| | | に順序よく調べる方法に気づく| +−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+ |ま|6学習課題についてまと|+−−−−−−−−−−+| | |と| める。 || ならべ方を調べる時||・文章でまとめた後、1番目にB、| |め| ||は、1つを固定して表||C、Dの場合についても、表や樹形| |る| ||や樹形図にまとめれば||図で調べるようにする。 | | | ||落ちや重なりなく調べ|| | |5| ||ることができる。 || | |分| |+−−−−−−−−−−+| | +−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |7練習問題を解く。 | | | | |+−−−−−−−−−−+ | | | ||遊園地の4つの乗り物の乗り方は何通りあり |・表や樹形図で調べるようにする。| |つ|ますか。 | |・樹形図のかきかたをきちんと指導| | |+−−−−−−−−−−+ | | |か| | | する。 | | |+−−−−−−−−−−+ | | |う||4まいの数字のカードを横に1列にならべて | (カード)| | |3けたの整数をつくると、何とおりの整数ができ | | | |ますか。 | | | | |+−−−−−−−−−−+ | | | |8予習課題をつかむ。 | |・コインを3回投げてどのような出| | |+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+|方をするか実際にやってみる。 | |8||表とうらの出方にはどんな場合がありますか。 ||・予習課題はどのような出方をする| |分|+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+|か、実際に投げて記録してくること| | | | |であることを話す。 | +−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−+