印刷用紙:B5縦 1ページの行数:53 1行の文字数(半角で):78   −−以下 指導案本文−−          第1学年算数科学習指導案                   日 時  平成8年 11月 6日 (水)                   児 童  男 1名 女 6名 計 7名                   指導者  工 藤  か お る 1、単元名     ひきざん(2) 2、単元について (1)教材について     減法計算は、これまでに1位数から1位数をひく計算や13−3,13−10などの    計算で、いずれも繰り下がりのない場合を扱ってきた。また、第11単元では1位    数に1位数をたして繰り上がりのある加法を指導したが、ここではその逆の減法    すなわち11から18までの2位数から1位数をひいて繰り下がりのある減法につい    て指導する。繰り下がりのある計算はこれがはじめてであり、減法計算の基礎と    して1学年の重要な内容である。     繰り下がりのある計算の考え方には、ふつう減々法と減加法の2つがある。減    々法は減数分解による方法(13−4→13−3−1とする方法)で、減加法は被減    数分解による方法(17−9→10+7−9→10−9+7とする方法)である。減加    法は、比較的無理なく児童に理解され、適用しやすい考え方であること、また、    減法の筆算にも連結する考え方であるので、これを第一に取り上げる。 (2)児童について     レディネステストの結果から、子供たちは繰り下がりのない減法計算はほぼ正    確にできるが、指や図を使っている子もいる。     3口の数の加法、減法、加減混合計算は左から順に計算することはわかってい    るが、+と−を見誤って誤答となった子がいた。全部できた後に必ず見直す事を    毎回指導しているが、速くできることにこだわったり、面倒に思って見直さなか    ったりする子に、このようなミスが見られる。     文章題による3口の数の加減混合問題では、問題の意味をとらえ立式できる子    がほとんどだが、前述の理由で誤答となった子がひとりと、まだ、文章そのもの    を確実に読んで、意味をとらえきれずにいる子がひとりいる。     未習の繰り下がりのある減法計算は6名が正答を出しているが、おそらく数え    ひきによるものと思われ、ひとりは白紙であった。数えひきでも正答はでるが、    繰り下がりのある減法では10のまとまりを意識した減加法や減々法の方が確実で    速く計算ができると思えるように指導していきたい。 (3)指導にあたって     本時は減々法による繰り下がりのある減法の計算方法の指導である。減々法は    端数から引き更に10から引くという操作が加わることや、計算の都度減数の分解    が変わってくるなどの難しさがあり、子供たちにとって複雑な計算である。前時    までに減加法が定着しつつある時点での減々法の学習は抵抗があると思われる。     本時は12−3を取り扱うが、減法には10のまとまりから引いていく減加法の他    に端数の方から引いていく方法もあることを、具体操作を通して計算の仕方を十    分に理解させ、減数が小さい場合には減々法の方が計算しやすいことに導きたい     本単元では減加法を基本的な考え方として減々法を補助的に取り扱っているが    計算の仕方はひとつではなく、どの方法でやれば計算しやすいか、場合に応じた    処理の仕方を選択していけるような力も伸ばしていきたい。 (4)関連と発展   <1年>          <2年>          <3年> +−第5単元−−−−+ +−第3単元−−−−+ +−第7単元−−−+ |・減法の意味,記号| |・2位数−1〜2位|+−→|・大きな数の減法| | (−,+) |+−→| 数の減法 || +−−−−−−−−+ |・1位数−1位数=|| |・減法の筆算計算 || | 1位数 || +−−−−−−−−−+| +−−−−−−−−−+| ↓ | ↓ | +−第7単元−−−−+| +−第6単元−−−−+| →|・口数の多い減法 || |・13-3,13-10などの||| +−−−−−−−−−+| | 減法 ||| ↓ | +−−−−−−−−−+|| +−第9単元−−−−+| ↓ || |・3位数−1〜3位|| +−第10単元−−−−+|| | 数の減法 || |・3口の数の減法,||| +−−−−−−−−−+| | 加減混合計算(繰+++ ↓ | | り下がりなし) || +−第16単元−−−−+| +−−−−−−−−−+| |・3位数+1〜3位|| ↓ | | 数=4位数の加法++ +−本単元−−−−−+| | と逆の減法 | |・十何−1位数=1|| +−−−−−−−−−+ | 位数の計算の考え|| | 方と習熟 || +−−−−−−−−−+| ↓ | +−第16単元−−−−+| |・簡単な2位数と1,|| | 2位数の減法(繰++ | り下がりなし) | +−−−−−−−−−+ 3、単元の目標  〇11〜18から1位数をひいて繰り下がりのある計算のしかたを理解し、それを   用いることができる。 (1)関心・意欲・態度   ・数の構成や10の補数などの学習経験を生かして、11〜18から1位数をひいて繰    り下がりのある計算のしかたを進んで考えようとする。 (2)数学的な考え方   ・18までの数の構成や10の補数に着目して計算のしかたを考えたり説明したりす    ることができる。 (3)表現・処理   ・11〜18から1位数をひいて繰り下がりのある計算ができる。 (4)知識・理解   ・11〜18から1位数をひいて繰り下がりのある計算のしかたがわかる。 4、学習計画(14時間扱い・本時 4/14) +−−−+−+−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+ |小単元|時| 目標 | 学習活動    | 評価計画    | +−−−+−+−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+ |13-9のけ 1 ・(11〜18)−1 ・13個なっている柿から|<関>10の合成・分解の学| |いさん|・|位数で繰り下| 9個取った残りの数を| 習経験を生かし、(11| | |2|がりのある減| 求める減少の事象をと| 〜18)-1位数で繰り下| | | |法(減数が7| らえ、立式する。 | がりのある計算のし | | | |以上)の計算|・13-9の計算のしかたを| かたを進んで考えよ | | | |方法を理解す| 考える。 | うとする。     | | | |る。 |・減加法による計算のし|<考>(11〜18)-1位数で繰り | | | | かたをまとめる。 | 下がりのある計算の | | | | | | しかたについて、半 | | | | | | 具体物などの操作を | | | | | | 通して説明すること | | | | | | ができる。     | | +−+−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+ | |3|・(11〜18)−1 ・減加法による計算の練|<表>(11〜18)-1位数で繰り | | |位数で繰り下| 習をする。 | 下がりのある減法計 | | | |がりのある減| | 算(減加法)ができ | | | |法(減数が7| | る。        | | | |以上)の計算| | | | | |が確実にでき| | | | | |る。 | | | | +−+−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+ | |4|・(11〜18)−1 ・箱に入った10個とあと|<関>10の合成・分解の学| | | |位数で繰り下| 2個のお菓子の絵を見| 習経験を生かし、(11| | |本|がりのある減| て、12-3の計算のしか| 〜18)-1位数で繰り下| | |時|法(減数が2| たを考える。 | がりのある計算方法 | | | |〜6)の計算|・減々法による計算のし| を進んで考えようと | | | |方法を理解す| かたをまとめる。 | する。 | | | |る。 | | | | +−+−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+ | |5|・(11〜18)−1 ・減々法による計算の練|<表>(11〜18)-1位数で繰り | | |位数で繰り下| 習をする。 | 下がりのある減法計 | | | |がりのある減| | 算(減々法)ができ | | | |法(減数が2| | る。 | | | |〜6)の計算| | | | | |が確実にでき| | | | | |る。 | | | +−−−+−+−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+ |ひきざんのも 1 ・文章題解決 ・問題を読み、求残や求 <表>(11〜18)-1位数で繰り |んだい|・|を通して減法| 差の事象をとらえ、立| 下がりのある減法を | | |2|の意味理解を| 式し解決する。 | 適用して問題を解決 | | | |深める。 | | することができる。 | +−−−+−+−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+ |けいさんのれ 1 ・計算カ−ド ・計算カ−ドなどを使っ <関>意欲的にカ−ド練習 |んしゅう |を使って繰り| たいろいろなゲ−ムな| に取り組もうとする。| | |5|下がりのある| どを通して、減法の計|<考>被減数と減数、差の| | | |計算に習熟す| 算練習をする。 | 関係に気づく。   | | | |る。 |・上記の活動を通して、| | | | | | 1つの数を2数の差と| | | | | | してとらえる。 | | | +−+−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+ | |6|・学習内容の|・「れんしゅう」をする| | | | |適用と習熟を| | | | | |図る。 | | | | +−+−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+ | |7|・ゲ−ムを通|・ゲ−ム(「おいこしげ| | | | |して繰り下が| えむ」)を通して加法| | | | |りのある計算| 計算に習熟する。 | | | | |に習熟する。| | | +−−−+−+−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+ 5、本時の展開 (1)本時の目標   ・(11〜18)−1位数で繰り下がりのある減法(減数が2〜6)の計算方法を理    解する。 (2)本時の指導にあたって   ・前時までで減加法がほぼ定着しつつあるため減々法のやりかたが出にくいと思    われるので、本時は減加法とは違った新しい計算のしかたを考えることを課題    とし、見通す場面で被減数ではなく減数の方を分けて考えていくことを確認し    て減々法を導きたい。 (3)本時の展開                ☆評価 +−+−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−+−−−+ |段階 時間 学 習 活 動 | 指導上の留意点 |個への配慮|資 料| +−+−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−+−−−+ |つ| |1、問題文を読み題意をつかむ|・実物を提示し関|・N・E(リ-ダ-) ・まんじゅう |か| |+−−−−−−−−−−−+| 心を向け学習に|大きな声ではっきり進 ・学習プリン |む| ||まんじゅうが12こあり|| 対する意欲を高|行 |ト | | | ||ます。3こたべるとのこ|| める。 | |・問題文の紙 | | ||りはなんこになりますか|| | |板書 | | | |+−−−−−−−−−−−+| | | | | | | ・立式する。 |・減少の問題であ|・題意をつかみにくい | | | ・立式のわけを発表する。| ることをおさえ|と思われるK・Sに支 | | | | ・前時までの学習との違い| て立式させる。|援 | | | | | を発表する。 |・既習の減加法と| | | | | | | 違い減数が小さ| | | | | | | いことに気付か| | | | | | | せる。 | | | | | |2、学習課題をつかむ。 |・今までとは違っ| | | | | |+−−−−−−−−−−−+| た方法で解決す| | | | | ||12−3のあたらしいけ|| ることを確かめ| | | | | ||いさんのしかたをかんが|| る。 | | | | |7||えよう。 || | | | | |分|+−−−−−−−−−−−+| | | | +−+−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−+−−−+ |見| |3、問題解決の見通しを立てる|・減加法のやりか| | | |通| | ・減加法のやりかたで解い| たをブロック、| | | |す| | てみる。 | 式、ことばで解| | | | | | | く。 | | | | | | ・今までと違う方法で答え|・今までは引かれ| | | | | | を出すにはどこの数を分| る数を分けたが| | | | | | けて取れば良いか考える| 引く数を分けれ| | | | | | | ば良いことをお| | | | | | | さえる。 | | | | | | ・問題解決のしかたを確か|・ブロック操作し| | | | | | める。 | たことを図、式| | | | | | | ことばのどれか| | | | | | | に表すことを確| | | | | | | かめる。 | | | | |8| |☆問題解決の見通| | | | |分| | しを持てたか。| | | +−+−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−+−−−+ |調| |4、問題を解決する。 |・数の構成に着目|・K・S |・ブロック| |べ| |・見通しに従って自力解決す| させるためにブ|ブロック操作を支援 ・ホワイトボ |て| | する。 | ロックケ−スを|・ブロック操作で迷っ -ド |わ| | | 使わせる。 |ている児童には3を2 ・マジック |か| | |☆意欲的に問題解|と1に分けどこから取 |る| | | 決に取り組んだ|れば良いかヒントを与 | | | | | か。 |える。 | | | | | | |(K・Y、U・Y) | | | | |5、課題を全体で話し合う。 |・大きな声ではっ|・発表した児童の良い | | |・自分の考えを発表する。 | きりと発表する|ところを認め誉める。 | | | | ことに気を付け| | | | | | | させる。 | | | | | |・似ている考えをまとめる。|・自分と似た考え| | | | | | | 違うところ、良| | | | | | | い考えなどを考| | | | | | | えながら発表を| | | | | | | 聞かせる。 | | | | | |・計算のしかたをまとめる。|・減加法と区別す| |・教師用ブロ | | | ○ブロック | るために減々法| |ック | | | | ○式 | に「ひくひくの | | | | | | | ひきざん」と名 | | | | | | | 前をつける。 | | | | | | |☆減数3を2つに| | | | | | | わけてひく計算| | | | | | | のしかたがわか| | | | | | | ったか。 | | | | | |・類題を解く。 |・減々法で計算し|・K・S K・Yを支 | | |20| 11−2 13−5 | ているか個別指|援する。 | | | |分| | 導をする。 | | | +−+−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−+−−−+ |ま| |6、学習のまとめをする。 |・ひく数が小さい| |・まとめの紙 |と| |+−−−−−−−−−−−+| ときは減々法の| |板書 | |め| ||12−3のけいさんは || 方が計算が簡単| | | |る| ||@3を2と1にわける || であるという良| | | | | ||A12から2をひいて10|| さにふれる。 | | | | | ||B10から1をひいて9|| | | | | | |+−−−−−−−−−−−+| | | | | | | ・練習問題を解く。 |・学習内容の定着|・K・Sの定着度を確 | | | | | と成就感を持た|かめる。 | | | | | | せる。 | | | | | | |☆問題がとけたか| | | | | | ・今日の学習を評価する。|・分かったか、楽| | | | | | | しかったか挙手| | | | | | | させる。 | | | | |10| ・次時の学習について知る|・次時への動機付| | | | |分| | けを図る。 | | | +−+−+−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+−−−−−+−−−+ (4)板書計画 +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |+−−−−−−−−−−+ 12−3 「ひくひくのひきざん」 | ||まんじゅうが12こあります。3こたべると / ||のこりはなんこになりますか。 ○○ | |+−−−−−−−−−−++−−−−−−−−−−−+ | | しき 12-3=9 | | 12−3=9 | | こたえ 9こ | | / |+−−−−−−−−−−+| ホワイトボ-ド | 2 1 | ||12-3のあたらしいけいさんのしかたをか | | ||んがえよう || | 11-2=   13-5= | |+−−−−−−−−−−+| | / |「ひくたすのひきざん」 | | | | ○○○○○○○ ○○○| |+−−−−−−−−−+| | ○○                 ||12-3のけいさんは || | 12−3 12を10と2にわける || @ 3を2と1にわける| | / |10 2 7と2で9 | || B 10から1をひいて9 | 7 +−−−−−−−−−−−++−−−−−−−−−+| +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+