印刷用紙:B5縦 1ページの行数:46 1行の文字数(半角で):88   −−以下 指導案本文−−   第5学年 算数科学習指導案 日 時 平成8年10月8日(火)5校時 児童数 男5名 女9名 計14名 授業者 高 橋 王美子 1、単元名 8整数の見方 2、単元の目標 ○ 整数は観点を決めればいくつかの集合に類別できることを理解するとともに、整数の性質 について理解を深める。   (関心・意欲・態度)・倍数、公倍数、約数、公約数、偶数、奇数などの性質を、既習の整 数の性質をもとにして調べようとする。   (数学的な考え方) ・倍数、公倍数、約数、公約数などを求めたり、整数を偶数、奇数に              類別したりするには、既習の整数の性質をもとにして考えればよい ことに気づく。   (表現・処理) ・倍数、公倍数、最小公倍数、約数、公約数、最大公約を求めたり、 整数を偶数と奇数に類別したりすることができる。   (知識、理解) ・倍数、公倍数、最小公倍数、約数、公約数、最大公約数の意味と素              の求め方や、偶数、奇数の意味と、整数は偶数と奇数に類別できる ことがわかる。 3、単元について (1)教材観     整数についての学習は、1年入学当初から始められ、すでに前学年までに億、兆などの    大きな数の学習をとおして、その命数法や位取り記数法のしくみに着目したり、四則計算    の原理の考察をとおして、十進数についての理解を深めてきている。また、数のとらえ方 についても、1つの数を他の数の和や差、積などとしてみることも扱っている。     ここでは、これらのことがらを基礎として、整数(0、および正の整数)の集合を対象    とし、倍、剰余およびその逆の観点から考察を加えて、整数の性質に関する理解の拡張を 図り、整数の概念の理解を深めようとするものである。     倍数や約数の学習は、異分母分数の大小比較やたし算、ひき算のときに必要な通分や約    分の際に直接的に役立つわけであるが、それに加えて、本単元では、倍数、約数といった    観点から整数を見直すことによって、整数の性質を理解させることにねらいをおいている。 (2)児童観     子ども達は今までに、整数について多くのことを学習してきており、その理解を深めて きている。     事前テストでは、倍数の基礎や公約数の基礎となる、わりきれる数を見つける問題では    ほとんどの子が正答であったが、9を整数倍した数を見つける問題では、全部できたのは    8名であった。約数の基礎となる、商が整数になるような除数を見つける問題は、9個全    部答えた子どもは皆無で、8個答えた子どもが1名、7個、6個、5個答えた子どもが2    名ずついた。又未習内容の、公倍数の意味を知っているかをみる問題では、正答が1名い た。     日常の学習では、1学期当初に比べて自分達で学習課題を作ったり、自分なりの考えで    問題を解こうとする意欲がだんだん出てきており、学習の指導過程にもなれ、授業の流れ が身についてきている。しかし、間違いをおそれる気持ちは、どの子どももまだ強い。     発表場面では、どの子どもも発表に参加できるようにはなってきているが、根拠を説明    したり、考え方のよさを見つけたりする点については、まだまだ教師の支援を必要とする。 (3)指導観     本単元では、倍数、公倍数、最小公倍数、約数、公約数、最大公約、偶数、奇数、剰余 数の考え方などの指導をとおして、次第に抽象的な整数の体系に目を向けさせていく。     この点から、特に、倍数、公倍数、約数、公約数の内容については、個々に取り上げた    数値を形式的に扱うことだけで終わることのない様、いつも背景に整数全体を考えて指導 する。     常に既習の内容を基礎にして、できるだけ身近なところに素材を求め、具体的な取り扱 いをとおしてねらいが達成できるよう留意したい。     本時は、日常の生活の中から、公約数を求める必要性や興味、関心を喚起させる問題を    取り上げ、自分なりの考えで解決させる。自力解決の場面では、色板を使ったり、作図し    たりする操作活動を取り入れながら、表にまとめ、そこから求められた結果を発表し合う。    そして、解決した手法の中から、特に、2つの整数の約数の集合を考え、それらの中の共    通な要素を見つけ出すという考え方のよさを味わわせながら、約数の意味や公約数の意味    を理解させる。 4、単元指導計画 10時間 +−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |小単元|時| ね ら い | 評 価 の 観 点 | +−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | @ |1|・倍数の意味とその求め方を理解|・倍数の性質を数直線を用いて調べよう | | 倍 |・| する。 | とする。 | | 数 |2|・公倍数の意味を理解する。 |・倍倍数、公倍数は無限にあることに気 | | と | | | く。(考) | | 公 | | |・倍数を求めることができる。(表) | | 倍 | | |・倍倍数、公倍数の意味がわかる。(知)| | 数 +−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |3|・公倍数の求め方を理解する。 |・公倍数を効率よく求めるには、大きい方| | | |・最小公倍数の意味とその求め方| の数の倍数をつくり、それを小さい方の| | | | を理解する。 | 数でわればよいことに気づく。(考) | | | |・3つの整数の公倍数の求め方を|・公倍数、最小公倍数を求めることができ| | | | 理解する。 | る。(表) | | | | |・最小公倍数の意味がわかる。(知) | +−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | A |1|・約数の意味とその求め方を理解|・約数の性質を、数直線を用いて調べよう| | 約 |・| する。 | とする。(関) | | 数 |2|・公約数の意味を理解する。 |・約数。公約数は有限個あることに気付く| | と |本| | 。(考) | | 公 |時| |・約数を求めることができる。(表) | | 約 | | |・約数、公約数の意味が分かる。(知) | | 数 +−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |3|・公約数の求め方を理解する。 |・公約数、最大約数を求めることができる| | | |・最大公約数の意味とその求め方| 。(表) | | | | を理解する。 |・最大公約数の意味が分かる。 | | | |・3つの整数の公約数の求め方を| | | | | 理解する。 | | +−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | B |1|・偶数、奇数の意味を理解する。 |・数直線から、偶数と奇数は交互に並| | 偶 | | | んでいることに気づく。(考) | | 数 | | |・偶数を2×a、奇数を2×a+1の| | と | | | 式に表すことができる。(表) | | 奇 | | |・偶数、奇数の意味がわかる。(知)| | 数 +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |2|・整数は偶数と奇数に類別できること|・整数は2でわったあまりに着目すれ| | | | を理解する。 | ば偶数と奇数に類別できることに気| | | | | づく。(考) | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |3|・学習内容の適用と習熟を図る。 |・倍数、約数を求めることができる。| | | | | (表) | | | | |・最小公倍数、最大公約数を求めるこ| | | | | とができる。(表) | | | | |・整数を偶数と奇数に類別できること| | | | | とができる。(表) | +−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | C |1|・学習成果の評価をする。 |・倍数、約数、最小公倍数、最大公約| | ま | | | を求めることができる。(表) | | と | | |・最小公倍数を適用して、ある数字の| | め | | | 範囲内にある数を考えることができ| | | | | る。(考) | +−−−+−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+ 5、本時の指導 (1)目標 約数の意味とその求め方、および公約数の意味を理解する。 (2)展開 +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |段階| 学習内容・活動 | 評価・支援 | +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |1問題の把握 |・掲示用色板を操作しながら問題を示し、| | つ |+−−−−−−−−−−−−−−−−+|視覚的にとらえさせる。 | | ||たて12cm、横18cmの画用紙に、同じ || | | か ||大きさの正方形の色板をすきまなく||・しきつめる正方形の色板の1辺の長さは| | ||しきつめます。きちんとしきつめら||整数に限定することを確認する。 | | む ||けるのは、1辺の長さが何cmの正方|| | | ||形のときですか。 || | | 5 |+−−−−−−−−−−−−−−−−+| | | |2課題の把握 |・前時での学習を思い出させ、学習課題を| | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−+確認させる。 | | || きちんとしきつめられるのは、1辺が何cmの|・前時で調べた結果を発表させ、| | ||ときかを求める方法を考えよう。 |学習への意欲を高める。 | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−+ | +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |3解決の見通し |・縦について調べた方法を思いだし、同じ| | 考 |(1)方法の予想をする。 |ようにして求めればよいことに気づかせた| | | ・横についてしらべる。 |い。 | | え | (色板で、図をかく、表に表す)| | | | ・縦と横を合わせて調べる。 |・縦と横2つの条件を同時に満足させる場| | る | (図で、表で、数直線で) |合を考えることに気付かせたい。 | | |(2)結果の予想をする。 |・縦について調べたことをもとにして、結| | 30 | 1cm 2cm 3cm 4cm |果を予想させるが、簡単に扱う。 | | | 6cm | | | |4自力解決 |・約数の意味が分かる。(ノート) | | | ア |・どの方法で解くかは、自分で選択させて| | | |から、自力解決につなげたい。 | | | |・解決が進まない子のために、前時で使用| | | イ |した正方形の色板を用意しておく。 | | | | | | | |・自力で調べられるよう、個別に支援をし| | | ウ |ていく。 | | | | | | | |・縦、横、両方の約数を比べて、共通な約| | | エ |数を見つけることに気付かせたい。 | | | |・数直線で調べると見つけやすいことに気| | | |付かせたい。 | | |5練り合い |・できるだけ全員の子が発表できるよう支| | |(1)各自の解決方法を発表し合う。 |援していく。 | | | |・自分の解決方法と比べながら聞いたり、| | |(2)友達と自分の考えを比べる。 |発表したりできるようにする。 | | | |・すきまなくしきつられる場合についてま| | |・まとめる |とめていく。 | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−+ | | || 縦、横、両方に共通な約数をみつければよい。 |(評)公約数の意味が分かる| | || (共通な約数を公約数といいます。) | (発表ノート) | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−+ | +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | 確 |6練習問題による定着 | | | か | 問1、6と9の公約数を全部いいまし|・問1は全員に解かせ、定着を図りたい。| | め | ょう。 |・つまづいている子には、約数の見つけ方| | る | |を手がかりにして考えさせる。 | | | 問2、18と24の公約数を全部いいまし| | | 5 | ょう。 | | +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | ま |7本時のまとめと次時の予告 | | | と | (1) 学習のまとめと自己評価をする。|・自分の言葉で感想を発表させ、がんばり| | め | |を認め合うようにしたい。 | | る | | | | | (2) 次時の学習内容を知る。 |・次時経の学習の意欲を持たせたい。 | | 5 | | | +−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ 6、板書計画 +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |+−−++−−−−−−−−−−−−++−−−−−−−−−++−−−−−−−−−−+| ||前 ||問題 ||課題 ||まとめ || ||時 || || || || ||の |+−−−−−−−−−−−−++−−−−−−−−−++−−−−−−−−−−+| ||ま |(もとにする考え) 色+−−−−−−−−+数直線 | ||と | 板| | | ||め |(予想) | | | || | | | | || | | | | || | | | | |+−−+自力解決 +−−−−−−−−+ | | +−−−−−−+ +−−−−−−+ +−−−−−−+ +−−−−−−+ | | |方法1 | |方法2 | |方法3 | |方法4 | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | +−−−−−−+ +−−−−−−+ +−−−−−−+ +−−−−−−+ | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+