印刷用紙:A4縦 1ページの行数:41 1行の文字数(半角で):92   −−以下 指導案本文−−   第 6 学 年  算 数 科 学 習 指 導 案                            ・日 時 平成8年9月10日(火)                            ・児童数 6年1組 男12.女12 計24名                            ・指導者 森 重  真 行 1 単元名   反比例 (東京書籍 新しい算数 6年下P20〜29) 2 単元について (1)教材について    関数の考え方に関しては,児童は低学年から,乗法の学習などを通して具体的な事例に触れてきてお   り,前学年までにχなど文字を用いた式についても学習してきている。また,第6学年になってからは,   前単元で比例の意味と性質などについて学習してきている。    本単元では,前単元における比例の学習に引き続き,小学校における関数学習の総括として反比例の   学習に取り組み,比例の関係とつながりを持たせながら反比例の意味を理解し,簡単な場合について式   やグラフに表してその特徴を調べたり,反比例の関係に着目すると能率的に処理できる事象が多いこと   などを知ったりすることがねらいである。    本単元の学習を通して,事例から変化の特徴を見つけ,その特徴を式やグラフで表現するという関数   の考え方を,よりいっそう伸ばしていきたいと考える。    本単元の指導にあたっては,反比例の意味を具体的な事例を通して児童に理解させていくとともに,   反比例の式については,反比例の表の考察を通して対応する値の積が一定になるという反比例の特徴を   見つけるなかで,式としてまとめていきたいと考える。また,反比例のグラフについては,グラフの特   徴を概観する程度にとどめたいと考えるが,双曲線を児童が正確に作図するのは困難であると考えられ   るので,手作業での作図は折れ線グラフ程度とし,正確な作図ではパソコンのグラフィック機能を生か   して児童の作図作業を助けたいと考える。 (2)関連と発展   本単元における指導内容の関連と発展は,次のとおりである。 +−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−+ | 5 年 | | 6 年 | | 中 学 | +−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−+ |・具体的な数値の代表とし| |・比の意味と表し方 | |・2つの集合の要素の間| | て文字χやyを用いて式| |・比の値の意味と求め方 | | の対応関係 | | に表すこと | |・比の相当関係とその利用| |・変数と変域の意味 | |・文字χを用いて題意に即+++−−−−−+−−−−−−+ |・関数の意味 | | した式を立てること ||+−−−−−+−−−−−−+++・関数の式 | |・未知数χの値の求め方 |||・比例の概念と性質 |||・関数を表す表,グラフ| +−−−−−+−−−−−−+||・比例の式,グラフ |||・2乗に比例する関数の| +−−−−−+−−−−−−+++・比例の関係に着目した ++| 性質や式 | |・y=1.2×χ の式の意 ++| 問題の解決 ※ ||| | | 味と関数表による考察 ||+−−−−−+−−−−−−+|+−−−−−−−−−−−+ +−−−−−+−−−−−−+|+−−−−−+−−−−−−+| +−−−−−+−−−−−−+||・反比例の概念 || ※前単元での操作活動 |・y=χ×3.14の式の意 ++|・反比例の性質 ++ ・比例の表の作成 | 味と関数表による考察 | |・反比例の式,グラフ | ・比例の関係の考察 +−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−+ ・比例のグラフの作成 (3)児童の実態  資料 実態把握のためのテスト    児童はこれまでの学習を通して,さまざまな関数的なもの見方の素地を身につけてきた。    その学習の発展として,前単元で比例についての学習を行い,伴って変化する2つの量の関係を割合   という考えを使って考察しようとする態度がそなわりつつあるものと思われる。    本時の授業に関わって児童の実態を考えたとき,反比例のグラフの形について知っている者は少ない   のではないかと予想される。主な誤答例としては,グラフが右下がりの直線となると考える者がいるも   のと予想される。これは,χが増加すればyは減少するということには気づいてはいるが,グラフの具   体的な形にまでは考えは進んでいないためと思われる。この外にも,反比例のグラフはχ軸とy軸に接   すると考える者や,原点を通ると考える者もいるのではないかとも予想される。    このような児童の実態から,本時授業では,反比例の表を使ってグラフ用紙に点を打っていく操作活   動を行うことで,反比例のグラフは右下がりの直線にはならないこと,また,軸とは接しないこと等を   大切に取り上げて指導していきたいと考える。 3 単元の目標   (関心・意欲・態度)‥‥日常事象の中で,伴って変わる2つの数量を進んで見つけ出し,反比例               の関係に着目しようとする。   (数学的な考え方)‥‥‥伴って変わる2つの数量が,反比例に関係があるかどうかを判定すると               き,反比例の意味や性質を用いればよいことがわかる。   (表現・処理)‥‥‥‥‥反比例する2つの数量の関係を式やグラフにすることができる。   (知識・理解)‥‥‥‥‥反比例の意味を知り,反比例の式やグラフの特徴がわかる。 4 指導計画 (全8時間) ○第1次 反比例の性質 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 4時間 ・反比例の意味を理解する。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−2 ・反比例の性質を理解する。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−1 ・2つの数量の変化の関係から,反比例を判定する能力を伸ばす。−−−−−−−1 ○第2次 反比例の式 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 3時間 ・反比例する2つの数量の関係は,y=a÷χと表せることを理解する。−−−−1 ・反比例する2つの数量の関係は,グラフに表せることを理解する。−−−−−−1 (本時) ・学習内容の適用と習熟を図る。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−1 ○第3次 ま と め −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 1時間 ・まとめをする。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−1 5 本時の指導 (1)目 標  反比例の関係にあるχとyの組に対応する点をグラフに表し,反比例のグラフの特徴       を理解することができる。 (2)展 開 +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−+ |段階 学 習 内 容 ・ 学 習 活 動 | 指 導 上 の 留 意 点 と 評 価 | 備 考 | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−+ | |1 問題提示 | | | |つ| (1)問題の内容の把握 | | | | | +−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−+ |紙板書 | |か| | 反比例する2つの量の関係をグラフにかいて, |・提示した表では2つの| | | | |そのとくちょうを調べましょう。 | 量が反比例の関係にあ| | |む| | @面積18cuの長方形の縦と横の長さ | ることを確認しておき| | | | | A自分の考えた反比例の表 | たい。 | | | | +−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−+ | | | |2 学習課題の把握 | | | | | +−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−+ | | | 5| |反比例のグラフをかいて,とくちょうを調べよう。| | | |分| +−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−+※学習課題がつかめたか| | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−+ | |3 解決の見通し | | | |見| (1)結果の見通し |・反比例のグラフのおよその形を,概形を|作業用紙| |通| ・右下がりの直線 | 略図でかかせて予想させたい。 | | |す| ・折れ線グラフ | | | | | ・双曲線の形 | | | | | ・原点へグラフをつなぐもの | | | | 5| (2)方法の見通し |※反比例のグラフの形を予想でき,学習に| | |分| ・表を使ってグラフをかく | 見通しを持てたか。 | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−+ | |4 問題の解決 | | | |や| (1)操作活動での自力解決 | |学習 | | | ・@のグラフをかいて特徴を調べる| |プリント| |っ|+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−+ | | | || ア イ    ウ エ |・グラフは学習プリント|ペン | |て|| | にペンでかかせたい。|定規 | | ||| | | | | | | |み||| | | | | | | | ||+−−−− +−−−− +−−−− +−−−− |・机間巡視し,代表的な| | |る|| 直線 折れ線 曲線 原点を通る | 例の把握に努めたい。| | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−+ | | | | (2)考えをまとめる | | | | | ・どのように考えてそのようなグラ| | | |10| フにしたのかまとめる。 |※自分の考えでグラフがかけ,そのグラフ| | |分| ・グラフの特徴をまとめる。 | の特徴が書けたか。 | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−+ | |5 解決した内容の確かめ | | | | | (1)代表例の発表 |・代表的な例を数例発表させ,どのグラフ| | | | | がよいか話し合いたい。 | | |確| (2)比較や検討 | | | | | ・右下がりであること。 |・右下がりにはなるが,直線にはならない|グラフの| |か| ・直線にはならないこと。 | ので,比例のグラフの反対ではないこと|拡大図 | | | | を確かめたい。 | | |め| ・曲線になること。 |・グラフが直線になるかどうか確めるには| | | | | 2つの点の中間の点の位置を確かめれば| | |る| | よいことに気づかせたい。 | | | | ・0の点を通らないこと |・長方形の面積が18cuで,0cuとはなら| | | | | ないから,グラフは0の点を通らないこ| | | | | とに気づかせたい。 | | | | | | | | | (3)類 題 | | | | | ・自分の作った反比例の表をグラ|・各自のつくった反比例の表をパソコンを|パソコン| | | にする。 | 用いてグラフに表し,反比例のグラフの| 5台| | | | 特徴を確かめさせたい。 |グラフ作成| |20| | |ソフト | |分| |※反比例のグラフの特徴を理解することが| | | | | できたか。 | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−+ | |6 学習のまとめ | | | |ま| (1)まとめ | | | |と| +−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+・比例のグラフのまと|紙板書 | |め| | 反比例する2つの量の関係を表すグラフは曲線と| めと比較して反比例| | |る| |なり,0の点を通らない。 | のグラフの特徴をま| | | | +−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+ とめさせたい。 | | | 5| | | | |分| (2)学習のふりかえり |※反比例のグラフの特徴をまとめることが| | | | | できたか。 | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−+                            注)「※」は,評価の観点を表す (3)評 価  反比例の関係にあるχとyの組に対応する点をグラフに表し,反比例のグラフの特徴       を理解することができたか。 6 板書計画 +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |問題+−−−−−−−−−+ やってみる 確かめ | | | 反比例する2つの|| @面積18Cuの長方形の縦と横の長さ |A自分の反比例の表 | | | || +−−−−−+−+−+−+−+−+|+−−+++++++| | |量の関係をグラフにか|| |縦 χ(cu)|1|2|3|4|5||| |||||||| | | || +−−−−−+−+−+−+−+−+|+−−+++++++| | |いて,そのとくちょ|| |横 y(cu)|18|9|6|45|36||| |||||||| | | || +−−−−−+−+−+−+−+−+|+−−+++++++| | |うを調べましょう。|| +−−−−−−−+ | | | +−−−−−−−−−+| | | とくちょう | パソコンで | | +−−−−−−−−−+| | グラフの | ・右下がり | | |課題|反比例のグラフをかい|| | 拡大図 | ・曲線 | | | |て,とくちょうを調|| | | ・0を通らない |まとめ | | |べよう。 || | | |+−−−−−−−−+| | +−−−−−−−−−+| +−−−−−−−+ || 反比例する2つ|| |見通し | ア イ ウ ||の量の関係を表す|| | 結 | ||グラフは曲線とな|| | | | | | | | | ||り,0の点を通ら|| | +−−+−−+−−| | | | ||ない。 || | 方 +−−−−+−−−−+−−−−− +−−−−−−−−+| | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ 資料  実態把握のためのテスト +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |1 次の表のχとyは比例の関係にあります。 | | +−−−+−+−+−+−+ | | |χ |2|3|4|5| | | +−−−+−+−+−+−+ | | |y | |24| | | | | +−−−+−+−+−+−+ | | @表のあいているところにあてはまる数を言いましょう。| | Ayを表す式を書きましょう。 | | | |2 2つの量が比例するのはどれですか。 | | @円の半径の長さと直径の長さ | | A1mが90gの針金の長さとその重さ | | B正五角形の一辺の長さとまわりの長さ | | C底辺の長さ8cmの平行四辺形の高さと面積 | | | |3 次の表は面積が24cuの長方形のたての長さと横の長さ| | の関係をまとめたものです。 | | +−−−−−−+−+−+−+−+ | | |たて(χcm)|1|2|3|4| | | +−−−−−−+−+−+−+−+ | | |よこ(ycm)|24|12| 8| 6| | | +−−−−−−+−+−+−+−+ | | @横の長さはたての長さに比例していますか。 | | Aたての長さが1cmの2倍,3倍になると,それに対応す| | る横の長さはどのように変わりますか。 | | | |4 比例のグラフの,おおよその形をかきましょう。 | | | |5 反比例のグラフの,おおよその形をかきましょう。 | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+