印刷用紙:A4縦 1ページの行数:40 1行の文字数(半角で):100   −−以下 指導案本文−−   第6学年算数科学習指導案                             日 時  平成8年10月16日(水)2校時                             児童数  男子6名 女子2名 計8名                             指導者  中 嶋 一 良 1 単元名  立体の体積と表面積 2 単元について  (1) 教材について     これまで子供達は、4学年で面積の概念と正方形や長方形の面積の求め方、5学年では平行四辺形、三    角形、台形、円やおうぎ形の面積の求め方を学習している。また、立体については、4学年での直方体、    立方体の概念と性質を学習し、それらをもとにして、6学年で角柱や円柱、角錐や円錐の概念とその基本    的な性質を学習している。さらに、立体の体積については、5学年で直方体や立方体の体積の求め方を中    心として、体積の概念とその単位の理解から体積を求める公式を導く学習を行っている。     これらの学習を基盤として、本単元では、角柱や円柱、角錐や円錐の体積や表面積の求め方やそれらの    公式について学習する。ここでの学習では、単に公式を覚えて体積や表面積を求めるだけでなく、いろい    ろな体積や表面積を求める時に公式をあてはめる過程を大切にしていきたい。そのためには、既習事項を    もとにして順序よく考えさせたり、見取図から展開図を想起させたりしながら、子供達自身が自ら解決し    ていこうとする姿勢を持たせる学習展開が必要であると考える。  (2) 児童の実態     どの子供も算数に関する興味・関心があり、「学び合い」の場では積極的に発表するが、自分の考えに    自信の持てない時や、難しい問題に出会った時は、まちがいを恐れるためか消極的になることがある。レ    ディネステストでは、ほとんどの子供が、面積や体積は求積公式で求めることはできた。しかし、求積公    式を応用して面積、体積を求める問題になると、まちがう子供がいた。このことから、子供達は公式は覚    えているが、その公式を応用する力が不十分であるということが分かる。     そこで、本単元の理解を十分にするためにも、既習事項の求積公式をもとに、具体物を利用して実験や    実測をさせたり、見取図からどんな展開図になるか考えさせたりしていく。また、「学び合い」の場を活    発にするためにも、授業中つまずいている子供や、まちがっている子供には十分気を配り、「発表するこ    とはよいことだ」という価値観を持たせるようにしていく。  (3) 本単元で育てたい学び合いの姿   ・自分の考えた求積方法を、順序よく分かりやすく発表する。   ・友達の求積方法と自分の求積方法を比較し、自分の考えを修正したり、深めたりする。   ・既習事項、実験や実測、展開図などから話し合いを深め、よりよい考えにまとめていく。  (4) 教材の関連と発展 3 単元の目標  ○角柱や円柱、角錐や円錐の体積や表面積の求め方を理解し、それらを求めることができる。  (関心・意欲・態度)・立体図形の体積や表面積に着目し、それらを求めようとする。  (数学的な考え方) ・既習の立体の体積の求め方をもとに、角柱や円柱、角錐や円錐の体積や表面積の             求め方を考えることができる。  (表現・処理)   ・角柱や円柱、角錐や円錐の体積や表面積を求めることができる。  (知識・理解)   ・角柱や円柱、角錐や円錐の体積や表面積の求め方が分かる。 4 指導計画 (13時間) +−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | 小単元 | 学 習 活 動 | 学び合いでのまとめ方 | +−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |@角柱、円柱|・面積や体積の求積公式の復習と、見 | | | の体積 |取図と展開図の対応関係を考える。 | | |(4時間) |・四角柱の体積の求め方を考える。 |・2通りの考えが予想されるが、既習の直方体| | | | の体積の求め方をもとにしているという共通| | | | 点に着目させる。 | | |・三角柱の体積の求め方を考える。 |・2通りの考えが予想されるが、四角柱と三角| | | | 柱の体積の求め方の共通性に着目させながら| | | | 底面積×高さで求められることに気付かせる| | |・円柱の体積の求め方を考え、柱体の |・2通りの考え方が予想されるが、円柱の体積| | | 求積公式についてまとめる。 | も、既習の角柱の体積の求め方をもとにして| | | | いるという共通性に着目させる。 | +−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |A角錐、円錐|・角錐の体積の求め方を考える。 |・具体物を使って、いろいろな実験や実測をし| | の体積 | | て求めようとすることが予想されるが、既習| |(3時間) | | の四角柱の体積を活用して求められることに| | | | 気付かせる。 | | |・円錐の体積の求め方を考える。 |・前時の角錐の体積の場合と同じように*とい| | | | う反応が予想されるが、実測させ、円錐も角| | | |錐の体積と同様に求めることができるという | | | |ことに気付かせる。 | | |・練習問題を解く。 | | +−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |B立体の表面|※角柱の表面積の求め方を考える。 |・4通りの考え方が予想されるが、側面全部の| | 積 | (本時) | 面積を1つの長方形の面積と見て考えればよ| |(5時間) | | いことに気付かせる。 | |本時・1/5|・円柱の表面積の求め方を考える。 |・円柱の場合も展開図を活用して、底面積と側| | | | 面積に分けて考えればよいことに気付かせる| | |・角錐の表面積の求め方を考える。 |・角錐の場合も展開図を活用して、底面積と側| | | | 面積に分けて考えればよいことに気付かせる| | |・円錐の表面積の求め方を考える。 |・円錐の場合も展開図を活用して、底面積と側| | | | 面積に分けて考えればよいことに気付かせる| | |・練習問題を解く。 | | | |・「コラム」をみんなで考える。 | | +−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |Cまとめ |・立体の体積と表面積の求め方につい | | |(1時間) | て、学習成果のまとめをする。 | | +−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ 5 本時の指導                                           (1) 目標   ・角柱の表面積の求め方が分かる。  (2) 授業の視点   ・「学び合い」段階で、それぞれの考えを比較させ、その中からより算数的に価値のある考えをみつけ出    していく。また、その時の支援が有効かを見ていく。  (3) 展開 +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |段階 学 習 活 動 | 教 師 の 支 援 | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |1 問題を把握する。 |・問題を書いたプリントを用意してノ−トに貼| | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | | || 右の図のような三角柱の表 || らせる。 | |つ||面全体の面積を求めましょう。 ||・前単元で作った三角柱を渡し、本時はその表| | || || 面全体の面積について考えることを確認させ| | || 7p * || る。 | |か|| || | | || || | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | | |2 課題を把握する。 |・表面全体の面積を求めるということは、どこ| | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | |む||角柱の表面全体の面積の求め方を考えよう。| | の面積を求めることなのか確認させる。 | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | |3 見通しを持つ。 | | | | ・どのようにすれば表面全体の面積を求めること| | | | ができるか考えてみる。 |・展開図で求める考えが出てこない場合は、教| |5| @1つ1つの面積を求めて、それをたしていく。| 師側で展開図を提示し、利用するよう促す。 |分| A展開図に直してから面積を求める。 | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |4 自力解決をする。 | | | | ・自分の考えた方法で面積を求めてみる。 |・考えがうまくまとまらない子供には、展開図| |や| @上の底面積+下の底面積+側面一つ一つの面積| を示し、5つの面積を求めればよいこと気付| |っ| 3×4÷2+3×4÷2+7×5+7×4+7×3=96 | |  | |                答え 96〓 | かせる。     | |て| A底面積×2+側面一つ一つの面積 | | |み| (3×4÷2)×2+7×5+7×4+7×3=96 答え 96〓| | |る| B上の底面積+下の底面積+側面全体の面積 | | | | 3×4÷2+3×4÷2+7×(5+4+3)=96 答え 96〓 |・答えを計算する際には、電卓を使用してよい| | | C底面積×2+側面全体の面積 | ことを指示する。 | |11| (3×4÷2)×2+7×(5+4+3)=96 答え 96〓| | |分| | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |5 学び合う。 |・発表する際には、展開図を使って説明させ、| | | (1) 自分の考えた方法を発表し合う。 | 対応するところをはっきりさせる。 | | | | | | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | | (2) それぞれの考えのよさについて話し合う。 || どの考えが、早く正確に面積を求めるこ|| |学| ・BとCは側面3つの面積を1つの面積と見て||とができるでしょう。 || | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | | いる。 | | | | ・Cが一番早く面積を求めることができる。 |・Cの考えが一番合理的に面積を求めることが| |び| | できることに気付かせる。 | | | (3) 「側面積」「表面積」という用語を知る。 |・側面の3つを1つと見るよさに気付かせた後、 | | | 「側面積」「表面積」という用語を教える。 |合| (4) 四角柱の表面積を求める。 | | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | || | | | || 右の図のような四角柱の | | |う||表面積を求めましょう。 * |・四角柱の場合でも、側面4つを1つの面積と| | || | みなし、2つの台形の面積と合わせれば求め | || | ることができることに気付かせる。 | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | |式 側面積:6×(5+5+4+8)=132 | | | | 表面積:(5+8)×4÷2×2+132=184 | | | |               答え 184〓 |     | | | | | |24| (7) 「今日のおすすめ」になる考えを選びノ−ト|・より早く正確に求められる考えを、「今日の| |分| に書く。 | おすすめ」として選び、ノ−トに書かせる。| +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | |6 まとめる。 | | |ま| ・角柱の表面積の求め方についてまとめる。 |・課題と関連付けてまとめる。 | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | |と|| 角柱の表面積は、「底面積×2+側面積」で|| | |め||求めることができる。 || | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | |る|7 自己評価をする。 | | | |8 次時の学習を知る。 | | |5| ・次時は円柱の表面積の求め方を学習することを| | |分| 知る。 | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+  (4) 評価   ・角柱の表面積の求め方が分かったか。   ・友達の求積方法と自分の求積方法を比較し、自分の考えを修正したり、深めたりすることができたか。 (5) 板書計画 +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | 立体の体積と表面積 +−−−−−−−−−−−−+ |問題 (展開図) |右の図のような四角柱の | |+−−−−−−−−−−−−+ | | ||右の図のような立体の表面| |表面積を求めましょう。 | ||全体の面積を求めましょう| | * | ||     |     * 側面積 | | || | +−−−−−−−−−−−−+ || | 式 ・・・・・  答え 184〓 |+−−−−−−−−−−−−+ | |課題 底面積 +−−今日のおすすめ−−−+ |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | ||角柱の表面全体の面積の求め方を考えよう。 | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | |見通す | | | @1つ1つの面積を求めて、それをたしていく。 | | | +−−−−−−−−−−−−+ | A展開図に直してから面積を求める。 +−−−−まとめ−−−−−+ |式 (3×4÷2)×2+7×(5+4+3)=96 |三角柱の表面積は、底面積|  |  −−−−−−−−−−−−−−−−−−− −−−         |×2+側面積」で求めること| |                         |ができる。 | | 底面積×2 + 側面積 = 表面積 | | | 答え 96〓 +−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+