印刷用紙:A4縦 1ページの行数:45 1行の文字数(半角で):96   −−以下 指導案本文−−          第2学年 算数科学習指導案                        日 時  平成 8年10月15日(火) 1校時                        児 童  2年3組(男子20名 女子19名 計39名)                        指導者  山 下  智 子 1.単元名   かけ算1 (東京書籍 新しい算数2年下 p.13〜21) 2.単元について  1 教材について    第2学年での数と計算領域における目標を受けての乗法の指導内容は、「乗法の意味について理解し   用いることができるようにする。    ア 乗法が用いられる場合について知り、それを式で表したり、その式をよんだりすること。    イ 乗法に関して成り立つ性質として乗数が1ずつ増えるときの積の増え方や交換法則などを知り     乗法九九を構成したり計算の確かめをしたりすることに用いること。    ウ 乗法九九について知り、1位数と1位数との乗法の計算が確実にできること。」   である。    第1学年では、2ずつ、5ずつ、10ずつまとめて数えたり、10を6つ集めた数は60であるといったひ   とまとまりの数と、まとまりの数からものの総数を求めるなどの活動をしてきた。さらに2年生になっ   て、長さ・かさの測定を通して、単位量のいくつぶんという見方や考え方を知るなど、乗法の素地的な   経験をしてきている。    本単元は、今までの学習をさらに発展させ、単位となる数量aをもとにして、aのn個ぶんが全体の   数量mとなることを明確にとらえ、これをa×n=mと表現する活動へと導く。次いで、倍の概念を導   入してn個ぶんをn倍ととらえ、乗法の意味が分かるようにする。さらに、これらをもとにして五の段   の九九、二の段の九九を導入し、その記憶と適用を図る。本単元の学習は、第12、13、14単元の三、四、   六、七、八、九、一の段の九九の構成・記憶と適用、乗数と積の大きさの考察、乗法の交換法則などの   学習を経て、第三学年における乗法の法則の学習や乗法の筆算形式の学習へと発展するものである。  2 子供について    前提テストの結果から、図を使って5ずつまとめられる子は97%、5ずつまとめた組がいくつでき   たかをつかむことができた子は100%、5ずつ、2ずつの数の増え方を理解している子は97%であ   った。また、3の6つぶんの合計を求める問題では68%の正答率であった。このことから、5とび、   2とびの簡単な数え方は大体の子ができているが、何のいくつぶんというような意味内容を理解してい   る子は少ないと思われる。    子供たちは、既習内容をもとにして、教師と一緒に学習課題を立て、見通しに従って自力解決に進む   ことが、少しずつできるようになってきている。しかし、練り上げる・深める段階では、自分の考えを   うまく説明できなかったり、出された考えの共通点をうまく言葉で言い表せなかったりする子も多く、   出された考えについて話し合い深めていくことはまだ不十分であると思われるので、支援していく必要   がある。  3 指導にあたって    乗法の意味を理解させるにあたって重要なことは、「同じ大きさの数量」として、どの数量をひとま   とまりとして意識するかということであり、さらにそのひとまとまりとしてとらえた数量がいくつある   かを明確にして、全体の数量を「単位量のいくつぶん」ととらえさせていくことである。そこで、具体   物や半具体物の操作を通して、単位量といくつぶんを確実につかませるようにする。また、五、二の段   の九九では、九九を構成することに重点をおき、その上で乗法の意味や九九の有用性を理解させ、いた   ずらに九九の記憶の指導のみに偏らないようにする。    練り上げる・深めるの段階では、考え方の良い点を見つけさせるために、聞き方に重点を置いて進め   ていきたい。そのために、自力解決の段階で、どの子も自分の考えをもてるようにしたい。そうするこ   とにより友達の発表を自分の考えと比較しながら聞くことができ、考えのよさに気づいていくと思われ   る。また発表を聞いた後に、自分の考えがだれと同じなのか、意思表示を行わせていき、話し合いに全   員が参加しているという意識をもたせていきたい。    本時は、乗法の答えの求め方を学ぶところである。さし絵やおはじきを使って、問題場面を具体的に   とらえさせ、「何のいくつぶん」をしっかりとらえさせてから、自力解決させたい。その上で、出され   た考えがどれも「1つぶんの大きさ」を「いくつぶん」だけたしていることに気づかせ、また、別な数   値を使った類題を解くことによって、累加で答えを出すことのよさに気づかせたい。 3.単元の目標  1[関心・意欲・態度]・乗法に関心を持ち、ものの個数をとらえるときに進んで乗法を用いようとする。  2[数学的な考え方] ・乗法が用いられる場合について「1つぶんの大きさ」「いくつぶん」をとらえ て考えることができる。  3[表現・処理]   ・乗法が用いられる場合を具体物や式で表すことができる。             ・乗法九九(五・二の段)を構成し、確実に唱えることができる。  4[知識・理解]   ・乗法が用いられる場合が分かる。             ・乗法九九(五・二の段)の構成のしかたが分かる。 5.本時の授業  1 授業仮説   ・見通しをもつ段階において、1つずつ数えるよりも、「1つぶんの大きさ」を使って考えるほうが、   もっと手際よく答えが出せそうだという見通しをもたせれば、自分なりの方法で解決することができる   であろう。(研究仮説1)   ・練り上げる・深める段階において、それぞれの考えの共通点を話し合わせれば、乗法の答えは、被乗   数を乗数の数だけ累加して求めることができることに気づくであろう。(研究仮説2)  2 本時の目標   ・[関心・意欲・態度]・日常の事象について、ある大きさのいくつぶんととらえ、乗法の式を用いて               意欲的に表そうとする。   ◎[数学的な考え方] ・乗法の答えは、加法を用いて求められることに気付く。   ◎[表現・処理]   ・乗法の答えを、被乗数を乗数の数だけ累加する方法で求めることができる。   ・[知識・理解]   ・乗法の答えは、被乗数を乗数の数だけ累加した場合と同じであることがわか               る。  3 本時の展開 +−+−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ |過|時| 学 習 活 動 | 教師の働きかけ | 予想される反応 | 指導上の留意点 | |程|間| | | | (◇)評価の観点 | +−+−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ |つ| |1.問題をつかむ。|1.問題を提示し、内| | | |か| | | 容を把握させる。 | | | |む| | |+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+| | | | | || 5 入りのぎゅうにゅうのパックが3つ|| | | | | ||あります。 || | | | | || ぜんぶで何 ありますか。 || | | | | |+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+| | | | |・要素を抽出する。|・今日の問題はなんで|わ5 入りの牛乳が3|・絵や図を確かめなが| | | | |しょう。 |つあること。 |ら「1つぶんのおおき| | | | | |もぜんぶで何 か。 |さ」と「いくつぶん」| | | | | | |にあたる数量をはっき| | | | | | |りとおさえさせて「何| | | | | | |のいくつぶん」とまと| | | | | | |めるようにさせたい。| | | |・立式する。 |・どんな式になります|・5×3 | | | | | |か。 | |◇乗法の式を用いて意| | | |2.課題をつかむ。|2.本時の課題につい| |欲的に表そうとするこ| | | | |て話し合わせる。 | |とができたか。(関)| | | | |+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+| | | | | || かけざんのこたえのもとめかたを考えよ|| | | | | ||う。 || | | |5 | |+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+| | +−+−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ |見| |3.課題解決のため|3.5×3の答えの求| |・1つずつ数えるより| |通| |の見通しをもつ。 |め方の見通しをもたせ| |も、もっと手際のよい| |し| | |る。 | |方法はないかと考えさ| |を| | |・どんな方法で求めら| |せるようにしたい。 | |も| | |れそうですか。 |・かぞえる。 | | |つ| | | |・計算で出す。 | | | |3 | | | | | +−+−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ |自| |4.見通しにしたが|4.5×3の答えの求|・学習プリントにそれ|・5+3や3+3+3| |力| |って自力解決をする|め方を考えさせる。 |ぞれの考えでやってみ|+3+3と考える子が| |解| | | |る。 |いた場合、図に戻って| |決| | | | |何のいくつぶんかをも| |を| | | | |一度おさえさせたい。| |す| | | | | | |る| | | | | | | |7 | | | | | +−+−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ |練| |5.それぞれの考え|5.5×3の答えの求| | | |り| |を話し合う。 |め方を発表させる。 | | | |上| | | +−−−−−−−−+−−−−−−−−+ | | |げ| | | |@5とびに数える。 | |・自分の考えとどれが| |る| | | | 5、10、15。 | |同じか挙手させて、話| |・| | | +−−−−−−−−+−−−−−−−−+ |し合いへの参加意欲を| |深| | | +−−−−−−−−+−−−−−−−−+ |高めたい。 | |め| | | |Aたしざん | | | |る| | | | 5+5=10、10+5=15。| | | | | | | +−−−−−−−−+−−−−−−−−+ | | | | | | +−−−−−−−−+−−−−−−−−+ | | | | | | |Bたしざん | | | | | | | | 5+5+5=15 | | | | | | | +−−−−−−−−+−−−−−−−−+ | | | | |・答えを確認する。|・答えはどうなりまし|・牛乳はぜんぶで15 | | | | | |たか。 |です。 | | | | | | | | | | | |・それぞれの考えの|・それぞれの考えの似|・5ずつのまとまりを|・どの考えも5つぶん| | | |共通点を話し合う。|ているところはどこで|つかっている。 |ということを使ってい| | | | |しょう。 | |ることから、5+5+| | | | | | |5でもとめられること| | | | | | |をおさえたい。 | | | | | | | | | | |・類題に取り組む。|・4こ入りのド−ナツ|・4の3つぶんで |・4とびではかぞえに| | | | |3パックぶんの式と答|4+4+4=12だから|くいことをおさえ、累| | | | |えを求めましょう。 |4×3=12 答え12こ|加の方法へ導くように| | | | | | |する。 | | | | | | |◇累加で答えを求めら| | | | | | |れることに気付いたか| | |20| | | |(考) | +−+−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ |ま| |6.課題についてま|6.板書をもとに振り| |◇乗法の答えは、累加| |と| |とめる。 |返り、課題についてま| |で求められることが分| |め| | |とめさせる。 | |かったか。(知) | |る| | |+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+| | | | | || かけざんのこたえは、たしざんでもとめ|| | | | | ||られます。 || | | |3 | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | +−+−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+ |ひ| |7.練習問題に取り|7.学習の定着を図る| | | |ろ| |組む。 |・練習問題をやってみ| | | |め| | |ましょう。 | | | |る| | | 3×5 |・3の5つぶんで |◇累加で答えを求める| | | | | | 3+3+3+3+3=15 |ことができたか。(表)| | | | | 7×3 |・7の3つぶんで | | | | | | | 7+7+7=21 | | | | |8.学習をふりかえ|8.自分の学習をふり| | | | | |る。 |かえさせる。 |・プリントに自己評価| | | | | | |をする。 | | | | |9.次時の学習内容|9.次時の学習の予告| | | | | |を知る。 |をする。 | | | | |7 | | | | | +−+−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+