印刷用紙:A4縦 1ページの行数:45 1行の文字数(半角で):96   −−以下 指導案本文−−              第3学年 算数科学習指導案                       日 時 平成8年10月15日(火)2校時                       児 童 3年4組(男子15名 女子17名 計32名)                       指導者 熊  林   善  憲 1.単元名    わり算のひっ算 (東京書籍 新しい算数3年下 p.15〜28) 2.単元について  1 教材について    第3学年の数と計算領域における目標を受けての除法の指導内容は、「除法の意味について理解し、   それを用いることができるようにする。    ア 除法が用いられる場合について知り、それを式で表したり、その式をよんだりすること。    イ 除法と乗法や減法との関係について理解し、立式や計算の仕方を考えたり計算の確かめをしたり      することに用いること。また、余りの意味について理解すること。    ウ 除法が1位数の場合の筆算形式について知り用いること。」  である。    第3学年では、これまでの乗法の学習をもとにしながら、第3単元で、除法の意味とかけ算九九を1   回適用してできるあまりのある場合の除法計算、及びその筆算形式について学習してきている。    本単元では、これまでの除法の学習の発展として、除数が1位数の場合について、除数の筆算形式に   よる計算の原理と手順を理解し、1位数でわる除法計算の一応の完成を図ることをねらいとしている。   さらに、ある数がもとにする数の何倍にあたるかを求める場合や未知数の基準量を求める場合にも除法   が適用されることを知り、除法の意味の拡張を図っていく。本単元での学習は、第4学年の(2〜5位   数)÷(2,3位数)の計算と「商」の用語理解や除法の検算のしかた、末尾に0のある除法の計算や   (整数・小数)÷(整数)の計算へと発展していく。  2 子供について    前提テストの結果、既習の九九1回適用であまりのない除法は96%、あまりのある除法は84%の   正答率であった。また、(何十)÷(何)の計算は87%の正答率であった。筆算の計算では、あまり   のない場合は78%、あまりのある場合で82%の正答率であった。乗法九九の間違いや「ひく」段階  の繰り下がりの計算間違いがあった。あまりのない筆算では、商をたてて暗算を行いわり切れたので「   かける→ひく」をしない子供がいた。そこで、「たてる→かける→ひく」といった筆算の計算のしかた   を想起させ、筆算の計算の定着が図られるよう時間を見つけ個別指導を行った。また、除法を解くため   の乗法九九の習熟は個人差が大きいので、朝自習などで補充を行った。    3年生で初めて学習した除法であるが、おはじき・数図などを使った具体的操作活動を通して、除法   の意味理解を深めたので、子供たちはあまり抵抗なく取り組むことができた。あめやお菓子を分けると   いった日常生活にも積極的に除法を活用しようとする態度も見られた。    自力解決の場面では、自分で考えて意欲的に解いていこうとする子供が多い。練り上げる・深めるの   場面では、自分の考えを発表し合い、友達の考えのよさに目を向けることができるようになってきてい   る。また、それぞれの考えの共通点を見つけたり、効率性・相互関係に着目したりしながら学習を進め   自分たちで課題を解決するようになってきている。しかし、自分の考えを発表することに自信をもてな   い子供もいるので、個別に励ましながら学習を進めてきている。  3 指導にあたって    本単元は除法の筆算形式の原理指導にあたる。単元の導入では、具体的操作活動を経験させながら、   具体物の等分の操作と筆算の「たてる→かける→ひく→おろす」という4操作のそれぞれの意味と対応   づけて理解が図られるように指導にあたりたい。除法の筆算は、既習の乗法九九の適用を首位から活用   すれば計算できることを理解させていく。また、被除数が3,4位数の計算のしかたについても具体的   操作と筆算とを関連づけて考えていくことにより同様にしてできることに気づかせていきたい。次学年   につながる内容でもある「商の見積もり」を見通しの段階に位置づけて指導していきたい。    練り上げの段階では、自力解決での考えをもとに自分の考えと友達の考えを相互評価し、具体物・半   具体物・式を比較して関連づけながら考えたり、図と関連づけて確かめ方にふれたりしながら、筆算で   考えていく数理的処理のよさをとらえさせていきたい。    本時は、除数が3,4位数で首位に商がたたない筆算を扱う。第1次で扱った筆算とは違ってここで   は、商のたつ位を見つけることが大切な学習となる。前時までの学習経験を生かした自力解決を重視す   るために、立式ができたならば積極的に筆算に取り組ませていきたい。練り上げでは、筆算の手順やそ   の意味を図や具体物の操作をもとに説明し合い、首位に商がたたない場合でも次の位までとれば(2位   数)÷(1位数)の時と同じように計算できることに気づかせていきたい。教材の特性を考慮し基本的   学習過程(課題設定〜自力解決〜練り上げ〜まとめ)を分割して2時間扱いとし、本時は「練り上げ〜   まとめ」を行うこととする。2時間設定の第2時を行うので、ひろめる段階において練習問題のさせ方   を工夫していきたい。練習問題を合格した子にはチャレンジ問題を用意し、進んで問題に取り組んでい   くようにしていきたい。 3.単元の目標  1〔関心・意欲・態度〕・除法の筆算形式による計算のよさに気づき、進んでそれを用いようとする。  2〔数学的な考え方〕 ・筆算形式による除法の計算は、上位から位ごとに計算を進めていけばよいこと              に気づく。  3〔表現・処理〕   ・(2〜4位数)÷(1位数)の計算を筆算で正確にできる。             ・乗除2段階,除法2段階の計算ができる。             ・(2位数)÷(1位数)=(2位数),及びこれに帰着できる除法の暗算がで  4〔知識・理解〕    きる。             ・(2〜4位数)÷(1位数)の筆算のしかたが分かる。             ・何倍かを求めるのに除法を用いることが分かる。 4.学習指導計画(14時間) (p. 参照 本時…わり算のひっ算 7/14時) 5.本時の授業  1 授業仮説   ・ 練り上げる・深めるの段階で、それぞれの考えの共通点を話し合わせれば、首位に商がたたない場   合は次の位までとって除法を始めることに気づき、既習の除法の筆算と同じ手順で計算できるであろ    う。  (研究仮説2)  2 本時の目標   ◎〔関心・意欲・態度〕・既習の計算との相違に着目して、(3,4位数)÷(1位数)=(2,3位               数)(首位に商がたたない)の計算のしかたを考えようとする。   ◎〔数学的考え方〕  ・商のたつ位置を、具体的操作と結びつけて説明できる。   ◎〔表現・処理〕   ・(3,4位数)÷(1位数)=(2,3位数)(首位に商がたたない)の筆        算ができる。   ・〔知識・理解〕   ・(3,4位数)÷(1位数)=(2,3位数)(首位に商がたたない)の筆               算のしかたが分かる。  3 展開(1/2時目) +−+−+−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+ |過|時| 学習活動 | 教師の働きかけ | 予想される反応 | 指導上の留意点 | |程|間| | | | (◇評価の観点) | +−+−+−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+ | | |1.既習の筆|1.既習の筆算のしかた| |・2つの計算を子供と一緒| | | | 算のしかた| を振り返らせる。 | |に筆算で計算し、商が首位| | | | を振り返る| ・72÷3 |・わられる数と答えの|からたつことを確認する。| | | | | ・627÷5 |けた数は同じ。 | | | | |2.問題をつ|2.問題をつかませる。| | | | | | かむ。 |+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+| | |つ| | || 258まいの色紙を4人で同じ数ずつ分けると|| | | | | ||1人ぶんは何まいになって、何まいあまりま|| | | | | ||すか。 || | | | | |+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+| | | | | ・題意をと| ・求めること |・1人分の枚数とあま| | | | | らえる。 | |りの数。 | | |か| | | ・分かっていること |・色紙258枚を4人で同| | | | | | |じ数ずつ分ける。 | | | | | ・立式する| ・何算になりますか。|・4人で同じ数ずつ分|・前時までの既習問題と同| | | | | |けるからわり算です。|じく、等分除の問題である| | | | | ・どのような式になり|・258÷4 |ことに着目するよう助言す| | | | | ますか。 | |る。 | |む| |2.課題をつ|2.本時の課題について| | | | | | かむ。 | 話し合わせる。 | | | | | | | ・今までのわり算とど|・答えが百の位にたた|・既習の72÷3、627÷5の | | | | | んなところが違います|ない。 |計算と比べることで、商が| | | | | か。 | |首位にたたないことに気づ| | | | |+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+|かせ、課題をたてるように| | | | || 答えが百の位にたたないわり算の計算のし||する。 | | | | ||かたを考えよう。 || | | |15| |+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+| | +−+−+−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+ | | |3.課題解決|3.258÷4の計算の出し| |・被除数を240や280と考え| | | | のための見| 方の見通しをもたせる| |ると答えは2けたになりそ| |見| | 通しをもつ| ・答えはどのくらいに|・60枚より多い。 |うだという見通しをもてる| |通| | | なりそうですか。 |・70枚より少ない。|ようにする。 | |し| | | ・どのような方法で解|@筆算 |・前時までに筆算のよさを| |を| | | けそうですか。 |A計算ブロック |学んでいるので、子供たち| |も| | | |B図 |は先ず筆算で解いていこう| |つ| | | |Cわられる数を分けて|とするであろう。そこで、| | | | | | |自分の考えた方法で合って| | | | | | |いるかどうか別の方法で考| | |10| | | |えていくように助言する。| +−+−+−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+ | | |4.見通しに|4.258÷4の計算の出し|・それぞれの考えでや|・@の子には計算手順を図| |自| | したがって| 方を考えさせる。 |ってみる。 |の操作と対応して考えるこ| | | | 自力解決す| | |とを、A,Bの子には具体| |力| | る。 | | |的操作をもとに筆算で考え| | | | | | |ることを、商のたつ位置が| |解| | | | |間違っている子には図を操| | | | | | |作してみることを助言する| |決| |5.感想発表|5.1時の感想を発表さ|・自分なりにがんばっ|・2時目で学習することを| | | | | せる。 |たことを発表する。 |確認して、本時につなげて| |す| | | | |いきたい。 | | | | | | |◇既習の計算との相違に着| |る| | | | |目して、首位に商がたたな| | | | | | |い筆算の計算のしかたを考| | |20| | | |えようとしたか。 (関) | +−+−+−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+  (2/2時目)・・・本時 +−+−+−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+ |過|時| 学習活動 | 教師の働きかけ | 予想される反応 | 指導上の留意点 | |程|間| | | | (◇評価の観点) | +−+−+−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+ | | |1.前時想起|1.前時の学習を想起さ| |・前時の学習課題や内容を| | | | | せる。 | |板書をもとに振り返る。 | | | |2.学習の見|2.自分の考えを振り返| |・自分なりの考えをもとに| | | | 通しをもつ| らせる。 | |発表し合い練り上げていく| | | | | | |ことを確かめ、学習の見通| | | | | | |しがもてるようにする。 | | | |3.それぞれ|3.計算のしかたを発表| |・自分の考えがどの考えと| | | | の考えを発| し、よさを考えさせる| |同じなのかはっきりさせな| |練| | 表し合う。| +−−−−−−−−−++ |がら聞くように指示する。| | | | | |@筆算で | |・筆算の考えを始めに発表| | | | | | 64 | |し、他の考えを筆算の確か| | | | | | 4)258 | |めとして発表していくよう| |り| | | | 24 | |にする。 | | | | | | 18 | |+−−−−−−−−−−+| | | | | | 16 | ||・それぞれの考えのよ|| | | | | | 2 | ||さを確かめる。 || |上| | | +−−−−−−−−−−+ ||筆算・・・効率的、他|| | | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+|| の考えをまとめた形|| | | | | |AB計算ブロックや図を使って ||| || | | | | | 100枚束は2枚しかないから4人に分 |||計算ブロック || |げ| | | | けられない。10枚束20束にして5束と合|||図 ・・分かりやすさ|| | | | | | わせて25束を4人で分ける。1人分は6束||+−−−−−−−−−−+| | | | | | で1束あまる。64枚あまり2枚となる。 || | | | | | +−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+|・Cのわられる数を分ける| |る| | | ・それぞれの考え方に|・答えの最初の数は百|考えが出れば、筆算のしか| | | | | 共通していることは何|の位にはたたないで、|たと関連づけて取り扱うよ| | | | | でしょう。 |十の位にたちます。 |うにする。 | | | | | | | | | | | | ・筆算で考えていって|・いいです。一番左の| | | | | | よいでしょうか。 |位に答えがたたない時| | | | | | |は、次の位までとって|◇商のたつ位置を、具体的| | | | | |計算すれば、前習った|操作と結びつけて説明する| | | | | |筆算と同じやり方でで|ことができたか。 (考)| | | | | |きるからです。 | | | | | | | | | | | |4.258÷4の|4.筆算の手順をまとめ| | | | | | 筆算のしか| る。 | |・練り上げの時の話し合い| | | | たをまとめ|+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+|をもとに、具体的操作と筆| | | | る。 ||@ A B ||算を関連づけて整理するよ| |深| | || 6 64 ||うにする。 | | | | ||4)258 4)258 4)258 || | | | | || 24 24 ||・被除数の百の位の数と除| | | | || 1 18 ||数を比べて百の位に商がた| | | | || 2÷4 16 ||たないことを確認する。 | | | | ||百の位に答えは 25÷4 2 ||・教師と一緒に声を出し、| | | | ||たたない。 8をおろし||計算しながらまとめるよう| |め| | || 18÷4 ||にする。 | | | | |+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+| | | | | | ・被除数と除数の関係| | | | | | | から商のたつ位置を考| |・被除数の百の位の数と除| | | | | えさせる。 | |数を比べやすいように色別| | | | | ・625÷5 |・百の位 |にして提示することにより| | | | | ・525÷5 |・百の位 |商のたつ位置を判断できる| |る| | | ・425÷5 |・十の位 |ようにする。 | | | |5.類題に取|5.427÷5、2269÷7の計|・427÷5=85あまり2 |◇(3,4位数)÷(1位| | | | り組む。 | 算のしかたを考えさせ|・2269÷7=324あまり|数)=(2,3位数)の筆| | | | | る。 | 1 |算のしかたが分かったか。| | |27| | | | (知)| +−+−+−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+ |ま| |6.課題につ|+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+| | |と| | いてまとめ|| わられる数のいちばん左の位の数がわる数|| | |め| | る。 ||より小さいときは、つぎの位までとってわり|| | |る| | ||算をはじめます。 || | | | 3| |+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+| | +−+−+−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+ | | |7.練習問題|7.練習問題を解かせる|・3)218 | | |ひ| | に取り組む| | | | | | | | |・8)4904 |・早く解き終わった子は、| | | | | | |チャレンジ問題を解くよう| | | | | | |に指示する。 | |ろ| | | | |・個別に指導にあたり、つ| | | | | | |まずきを取り除くようにす| | | | | | |る。 | | | | | | |・練習問題の終わった子か| |め| | | | |ら、ふりかえりカ−ドに記| | | | | | |入する。 | | | |8.学習を振|8.自分の学習をカ−ド|・ふりかえりカ−ドに| | | | | り返る。 | に書かせる。 |書く。 |◇(3,4位数)÷(1位| |る| | | | がんばったこと |数)=(2,3位数)の筆| | | | | | 分かったこと |算のしかたができたか。 | | | | | | 感想 | (表) | | | |9.次時の学|9.次時の学習を知らせ| | | | | | 習内容を知| る。 | | | | |15| る。 | | | | +−+−+−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−+