印刷用紙:A4縦 1ページの行数:50 1行の文字数(半角で):96   −−以下 指導案本文−−   第4学年 算数科学習指導案  日 時 平成8年10月15日(火)2校時 児 童 4年4組(男子21名 女子20名 計41名)  指導者 鈴 木 俊 哉 1.単元名 面  積  (東京書籍 新しい算数4年下 p.20〜35) 2.単元について  (1) 教材について    第4学年の量と測定領域における目標を受けての面積の指導内容は、「面積の概念について理解し、   簡単な場合について、面積を求めることができるようにする。    ア 面積について単位と測定の意味を理解すること。    イ 面積の単位(平方センチメートル(cu)、平方メートル(u)、平方キロメートル(ku)、ア  ール(a)及びヘクタール(ha))について知ること。    ウ 正方形及び長方形の面積の求め方について知ること」   である。    子供たちは、第1・2学年の時に色板並べや図形の敷きつめ等の具体物の操作を通して、広さの概念   の素地を養う学習を積んできている。また、量の概念としては、長さ、液量、時間、重さについて、直   接比較、間接比較、任意単位、普遍単位の段階を踏んで、測定の仕方も学習している。    本単元では、これまでの学習を踏まえて、面積の概念、長方形や正方形の面積を求める公式の意味の   理解の活用、面積を表す各種の単位の理解について学習を進める。基本単位の必要性、有用性を認識さ   せながら、面積の普遍単位「cu」の理解と、これより大きい「u、a、ha、ku」の単位とそれらの単   位の相互関係の理解を図る。さらに、対象によって適切な単位を用いることができるという面積の量感   も養っていく。本単元の学習は、第5学年で長方形や正方形から平行四辺形、三角形、台形、円、おう   ぎ形、と拡張された図形の求積の基礎となり、また単位の考え方は体積にも関連し、さらに、縮図、拡   大図からの実際の面積を考えることなどへも発展していく。  (2) 子供について    子供たちは、今までに長さを中心に学習してきて、広さの概念というものができてはいない。前提テ   ストの結果を見ると、直観的に図形の広さを比べられたのは学級の92%、基準になるものを使って広   さを比べることができたのは98%であった。「mm→cm、cm→m、km→m」という単位の換算では、7   3%の子供が正答しており、全くできなかった子供は5%であった。まだ定着していない子供には、前   提テスト後に個別指導を行った。未習ではあるが、広さの違いをまわりの長さで判断した子供が63%   と多かった。    自力解決の場面では、だいたいの子供が自分の考えを持って進めていけるようになってきた。練り上   げの場面では、自分の考えに根拠を入れて説明することが多くなってきており、その考えに質問する子   供も増えてきている。それにともない、それぞれの考えを比べながらよりよい考えにしていこうという   姿勢が見られるようになってきた。また、友達の考えのよさに気づき、そのことを学習後の感想に書い   ている子供も見られてきた。しかし、自分の考えを発表することに自信をもてない子供もいるので励ま   していく必要がある。  (3) 指導にあたって    広さ比べを通しての面積の概念の学習では、直接比較、間接比較、任意単位、普遍単位の4段階の筋   道を丁寧に扱いたい。単位を設定する段階では、子供たちからいろいろな任意単位が出されると思うが、   簡単で便利に敷きつめられ、しかも数えやすいという観点から1辺1cmの正方形に着目させて普遍単位   へ導くようにしたい。単位の換算についての学習では、cm→m→kmの関係と、cu→u→kuの2乗関係   を確実に理解させるとともに、各単位を代表する正方形の1辺の長さを確実に記憶させておき、いつで   も使えるようにさせておきたい。    練り上げの場面では、子供たちに自分の考えと友達の考えを比較することを意識させて、話し合いを   進めさせたい。その中で、視点を「正確」「分かりやすい」「速くできる」「便利」というところに置   く発問の工夫をしていきたい。    本時の複合図形の求積では、単に面積を求めるだけでなく、解法が複数あり、その考え方や方法のよ   さを認めながら、幅広い考え方の育成を図るよう配慮したい。また、自力解決をした後、子供の発表し   たものをもとに、その方法のよい点や考え方の共通点を話し合わせながら、練り上げを図っていきたい。   そして、最終的には、複合図形を今まで習ってきた長方形や正方形に分割・移動することによって公式   を用いて面積を求められることに気づかせたい。 3.単元の目標  (1)[関心・意欲・態度] ・身のまわりにあるものの面積に関心を持ち、進んで面積を求めようとする。  (2)[数学的な考え方]  ・面積も長さやかさの場合と同じように、単位の大きさを決めてそのいくつ 分として数値化して求められることに気づく。  (3)[表現・処理]    ・面積の公式を用いて正方形、長方形の面積を求めることができる。  (4)[知識・理解]    ・いろいろな面積の単位や正方形、長方形の面積を求める公式がわかる。 4.学習指導計画(12時間)(p. 参照 本時…面積 10/12時) 5.本時の授業  (1) 授業仮説   ・ 四角形の複合図形を分けたり移動したりして、長方形や正方形に形を変えて面積を求めることがで    きそうだという見通しをもたせれば、自分なりの解決方法をもつことができるであろう。          (研究仮説1) ・ 練り上げる・深めるの段階において、多様な考えを比較・検討し共通性を見い出せば、複合図形の    面積も分割したり移動したりすることによって、長方形や正方形の面積の公式を用いて求められるこ    とに気づくであろう。(研究仮説2)  (2) 本時の目標   ・[関心・意欲・態度] ・いろいろな方法で、面積を求めようとする。   ◎[数学的な考え方]  ・複合図形の面積も長方形や正方形に分割したり移動したりすれば公式を用    いて求められることに気づく。   ◎[表現・処理]    ・いろいろな方法で、面積を求めることができる。   ・[知識・理解]    ・いろいろな方法での面積の求め方が分かる。  (3) 本時の展開 +−+−+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ |過|時| 学習活動 | 教師の働きかけ | 予想される反応 | 指導上の留意点 | |程|間| | | |(◇評価の観点) | +−+−+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ | | |1.問題をつかむ。1.問題文を提示し、内| |・長方形でもない正| |つ| | | 容をつかませる。 | |方形でもない複雑な| | | | |+−−−−−−−−−−+−−−−−−+ |図形を見せることに| |か| | ||右の形の面積を ++2cm | |より、何とか解決し| | | | ||求めましょう。6cm|++2cm | |てみたいという意欲| |む| | || | ++2cm | |をもつことができる| | | | || +−−+ | |ようにする。 | | | | || 6cm | | | | | | |+−−−−−−−−−−+−−−−−−+ | | | | |2.課題をつかむ。2.本時の課題について| |・既習の図形との相| | | | | 話し合わせる。 | |違点を明らかにし課| | | | |+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ |題につなげる。 | | | | || 長方形や正方形でない形の面積の求め方を| | | | | | ||考えよう。 | | | | |3| |+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ | | +−+−+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ |見| |3.課題解決のた|3.複合図形の面積の求| |・既習の形に変えて| |通| | めの見通しをも| め方を考えさせる。 | |いけば求積できると| |し| | つ。 | ・どのようにすれば答|・線で区切って、長方形|いう見通しをもてる| |を| | | えを見つけられそうで| にする。 |ようにする。 | |も| | | か。 |・出ているところを移し| | |つ| | | | て長方形にする。 | | | | | | |・大きな長方形から足り| | | | | | | ないところを引く。 | | | | | | |・もうひとつを組み合わ| | | |5| | | せて、2で割る。 | | +−+−+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ |自| |4.見通しに従っ|4.複合図形の面積を求|・プリントにそれぞれの|・問題の図の用紙に| |力| | て自力解決する。 めさせる。 | 考えでやってみる。 |補助線を引いて考え| |解| | | | |させたい。 | |決| | | | |・数えて求める子の| |を| | | | |ために透明シートに| |す| | | | |マス目を描いたもの| |る| | | | |を用意する。 | | | | | | |・1つの方法ででき| | | | | | |たら、他の方法も考| | | | | | |えるよう助言する。| | | | | | |◇いろいろな方法で| | | | | | |面積を求めようとし| | |10| | | |たか。(関) | +−+−+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ |練| |5.それぞれの考|5.複合図形の面積の求|@線で区切って、面積を|・多様な考え方を発| |り| | えを発表し合う。 め方を発表させる。| 計算する。 |表させ、よさを認め| |上| | | |++ 2×2=4 |る。 | |げ| | | |+++ 4×6=24 |・だれの考え方と同| |る| | | |++++答え 24〓 じか挙手で確認する | |・| | | |++++ |(分類する) | |深| | | |++ 6×2=12 |・自分の考えと比較| |め| | | ||++ 4×2=8 |しながら、他の考え| |る| | | |||++2×2=4 |方のよさにを確認し| | | | | |++++12+8+4=24 |あうようにする。 | | | | | | 答え 24〓 ・友達の考えのよさ | | | | | ・○○さんの考え方の|++ 2×2=4 |を認め合えるように| | | | | どんなところがよいで|+++ 2×4=8 |する。 | | | | | か。 |+−++2×6=12 |・自分が考えつかな| | | | | |+−−+4+8+12=24 |かった方法で解いて| | | | | | 答え 24〓 みようという意欲を | | | | | | |持たせるようにした| | | | | | |い。 | | | | | |A一部を移動させて、面| | | | | | | 積を計算する。 |◇複合図形の面積も| | | | | |++ |長方形に分割したり| | | | | |+++ 4×6=24 |すれば公式を用いて| | | | | || ++答え 24〓 求められることに気 | | | | | |+−−+ |づいたか。(考) | | | | | |++ | | | | | | ||++ 6×4=24 | | | | | | || ++答え 24〓 | | | | | | |+−++ | | | | | | |B全体から一部を引いて、 | | | | | | 面積を計算する。 | | | | | | |++++6×6=36 | | | | | | ||++|2×2=4 | | | | | | || ++2×4=8 | | | | | | |+−−+36-4-8=24 | | | | | | | 答え 24〓 | | | | | | |C組み合わせの形を2で| | | | | | | わって、計算する。 | | | | | | | 8×6=48 | | | | | | |++−−+48÷2=24 |・どの考えも長方形| | | | | ||++ | |や正方形に形を変え| | | | | || ++|答え24〓 て、その面積を求め | | | | | |+−−++ |る公式を使って、計| | | | | ・共通していることは|・どれも長方形や正方形|算で求めていること| | | | | 何ですか。 | に形を変えて面積を出|をおさえる。 | | |15| | | している。 | | +−+−+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ |ま| |6.課題について|6.板書をもとに振り返| |◇いろいろな方法で| |と| | まとめる。 | り、課題についてまと| |の面積の求め方が分| |め| | | めさせる。 | |かったか。(知) | |る| | |+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+| | | | | || 長方形や正方形でない形の面積も、区切った|| | | | | ||り、移動したりすれば、長方形や正方形の面積|| | | | | ||の公式を使って求めることができる。 || | | |5| |+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+| | +−+−+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+ | | |7.練習問題に取|7.練習問題を解かせる。 |・効率がよいと思う| |ひ| | り組む。 | | |方法で求積する。 | |ろ| | | | |◇いろいろな方法 | |め| |8.学習を振り返|8.自己評価をさせる。|・今日の学習を振り返っ|で面積を求めること| |る| | える。 | | て、カードに書く。 |ができたか。(表) | | | | | | |・満足感をもたせ、| | | |9.次時の学習内|9.次時の学習予告をす| |次時の学習への意欲| | |7| 容を知る。 | る。 | |づけを図る。 | +−+−+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+