印刷用紙:A4縦 1ページの行数:45 1行の文字数(半角で):98   −−以下 指導案本文−−        第5学年  算 数 科 学 習 指 導 案                       日 時 平成8年10月15日(火) 2校時                     児 童 5年1組(男子18名 女子15名 計33名)             指導者 小 友 福 子  1.単元名   四角形と三角形の面積 (東京書籍  新しい算数5年上 P80〜P95)  2.単元について  (1)教材について     第5学年の量と測定領域における目標をうけての面積の指導内容は、「基本的な平面図形の面積が計    算で求められることの理解を深め、面積を求める能力を伸ばす。」ことである。本単元では、主として     「平行四辺形、三角形、台形などの面積の求め方を知ること。」あわせて、「多角形の面積を三角形な   どに分けて求めること。が指導内容である。     平面図形の面積については、第4学年で長方形、正方形の面積の求め方を中心として、面積の概念と   その単位の理解から面積公式を導いている。また、5学年では、不定形のおよその容積を概形をとらえ て概測する方法や、多角形の概念や内角の和について学習してきている。これらの学習を基盤として、    本単元では、平行四辺形、三角形、台形などの基本図形の面積の求め方や公式、および一般の多角形を    いくつかの三角形に分けて求積する方法や、ひし形の面積の求め方について学習する。    この学習で大切なことは、公式を覚えて使うことだけでなく、どのような考え方で既に求め方がわか っている図形に帰着するのか、作りだした公式がどんな公式を土台にして導き出されたかという道筋を はっきり理解させ、公式の見方や自在に公式を活用する力を伸ばすことである。また、各図形の求積に 必要な最小限度の数値や要素を見抜き、児童が自らそれを求めて解決にあたるという態度を育てること も必要である。本単元の学習は、後の円の面積の求め方と公式、おうぎ形の面積の求め方の学習へ発展 していくものである。 (2)児童について    本単元を指導するにあたって事前テストを行ったところ、方眼に書かれた正方形と長方形を組み合わ   せた図形の求積問題については94%、また、同じく方眼に書かれた平行四辺形の求積問題についての   正答率は85%であった。このことから、方眼を数えたり、マス目から計算して求積することはほぼで   きていると言える。面積の単位換算問題の正答率は60%と低く、面積の単位の関係をよく理解してい ない児童が多い。長方形の求積問題の正答率は100%で、既習の面積公式を使うことはよくできてい   る。直角三角形の求積問題は76%で、直角三角形を2つ組み合わせて長方形になっていることになか なか気づけなかったためと思われる。この結果から、正答率の低かった単位換算について、再度指導し   た。    これまでの授業のなかで、課題をたてること、見通しをもつこと、自力解決することは、手助けを必    要とする児童が数人いるが、自分たちの力で学習を進めることができるようになってきている。練り上   げる段階の学習活動では、友だちの意見を聞いて自分の考えと比較することによって自分の考えが深ま っていくということを少しずつ体得してきているが、観点にそった話し合いを更に深めていくための主 体的な態度がまだ十分ではない。 (3)指導にあたって    本単元の指導にあたっては、面積を求める公式だけを暗記させるのではなく、自分のつくった公式が   どんな既習の図形に帰着させて導き出したものであるか、つまり、どんな既習の公式を土台として導き   出されたものであるかを明確に理解させたい。また、図形の求積法を1つとは限定せず、いろいろな手   法や手順で考えさせ、それらの異同を比較検討させてまとめていきたい。従って、既習の長方形、正方   形の面積の求め方を振り返らせ、同じ方法やその方法を利用したやり方で求められないか考えさせる。   また、学習したことは次の時間に生かして使えないかを常に考えさせながら、多様な方法で面積は求 められることに気づかせたい。    自力解決の段階では、前時までの学習内容を生かしながら、子どもたちに多様な面積の出し方を考え   させたい。また、練り上げの段階においては、子どもたちの考えのそれぞれの良さを認め合いながら、   考えを深めていきたい。しかし、子どもたちは面積の出し方を見つけても、そこから公式を導き出すこ   とは困難と思われるので、多くの方法をまとめていきながら、どの方法でも結果的には同じであること   に気づかせたい。    小単元「いろいろな四角形の面積」の内容である台形の面積の求め方と台形の面積公式を2時間授業   とする。自力解決の段階においては、台形の面積の出し方を、既習の長方形、正方形、平行四辺形、三   角形の図形に変形させていく方法で考えさせる。練り上げる・深める段階においては、その考えた方法   をみんなで理解しあい、その中から、新しい公式につながる関係を見つけさせていきたいと考える。自   力解決で考えたいろいろな求め方を比較しながら、公式を導き出すことに時間を十分にかけたいので、   本時は、練り上げの、それぞれの考えを発表し合うところから授業を進める。 3.単元の目標 (1)関心・意欲・態度  求積方法が未習な図形の面積を求めるときに、既習の図形と関連づけて考えよ              うとする。 (2)数学的な考え方   求積方法が未習な図形の面積は、既習の図形に変形したり、分けたりすれば求           められることに気づく。 (3)表現・処理     平行四辺形、三 5.本時の授業 (1)授業仮説  練り上げる・深める段階において多様な考えを発表させ、「どの求積方法にも共通しているのはなにか」 という視点を与えて話し合わせれば、台形の面積を、既習の図形の面積公式をもとにして、台形の面積 の公式をつくりだすことができるであろう。 (研究仮説2) (2)本時の目標  1関心・意欲・態度   台形の面積を求める公式を、台形の面積のいろいろな求め方からつくろうとする。  2数学的な考え方    台形の面積を求める公式をつくるには、面積を求めるのに変形した図形の公式を もとにすればよいことに気づく。  3表現・処理  台形の面積を、公式を用いて求めることができる。  4知識・理解      台形の面積を求める公式がわかる。 3展開(1時目/2) +−+−+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+ |過|時| 学習活動 | 教師の働きかけ | 予想される反応 | 指導上の留意点 | |程|間| | | | ◇評価の観点 | +−+−+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+ | | |1.問題をつかむ|1.問題を提示し、内容| |・方眼紙の台形を提示し| | | | | をつかませる。 | |て、下位の児童にも答え| | | | |+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+|の見通しがもてるように| | | | ||右のような台形の面積を求めましょう。 ||する。 | |つ| | || || | | | | || || | | | | || || | | | | |+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+|・前時までに三角形の面| |か|3|2.課題をつかむ|2.本時の課題について| |積の求め方を学習してい| | | | | 話し合わせる。 | |るので、短時間で課題を| | | | |・今日の課題は何でしょ| |つかませたい。 | | | | | う。 | | | |む| | |+−−−−−−−−−−+−−−−+ | | | | | ||台形の面積の求め方を考えよう。| | | | | | |+−−−−−−−−−−+−−−−+ | | +−+−+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+ |見| |3.課題解決のた|3.台形の面積の求め方|・マス目を数える |・既習の長方形や正方形| |通| | めの見通しをも| を考えさせる。 |・長方形に変形して|平行四辺形、三角形であ| |し| | つ。 |・どのようにすれば面積|・正方形に変形して|れば公式を用いて面積が| |を| | | を出せそうですか。 |・平行四辺形に変形|求められることに気づか| |も| | | | して |せたい。 | |つ|7| | |・三角形に変形して| | | | | | | | | | | | | | | | +−+−+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+ |自| |4.見通しにした|4.自分の方法で自力解|・方眼に書かれた台|・どの児童も2つ以上の| |力| |がって、自力解決| 決をさせる。 |形を移動させたり、|考えに取り組むことがで| |解| |をする。 |・やってみましょう。 |組み合わせたりして|きるようにさせたい。 | |決| | | |既習の図形に変形し|・全員に台形の紙を4、| |を| | | |て計算する。 |5枚渡すが、できるだけ| |す| | | |・台形の紙を切って|切らないで、図に補助線| |る|15| | |既習の図形に変形し|を引いて考えさせたい。| | | | | |て計算する。 |◇台形の面積を面積の求| | | | | | |め方が既習の図形と関連| | | | | | |づけて、いろいろな方法| | | | | | |で求めようとしたか(関| +−+−+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+ | | |5.それぞれの考|5.面積の出し方を発表| |・それぞれの考え方を発| |練| |えを発表し合う。| させ、考え方を理解さ| |表させ、質問や付け足し| |り| | | せる。 | |などで理解を図る。 | |上| | |・みんなが考えた面積の| |・共通理解を図るところ| |げ| | | 出し方を発表しましょ| |までとする。 | |る| | | う。 | | | |・| | | | | | |深| |6.感想発表 |6.1時の感想を発表さ|・自分なりに頑張っ|・2時目で学習すること| |め|20| | せる。 |たことを発表する。|を確認して、本時につま| |る| | | | |げたい。 | | | | | | | | +−+−+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+ (3)本時の展開 +−+−+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+ |過|時| 学習活動 | 教師の働きかけ | 予想される反応 | 指導上の留意点 | |程|間| | | | ◇評価の観点 | +−+−+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+ | | |1.前時想起 |1.前時の学習を想起さ|・課題を確認する。|・前時の学習課題や内容| | | | | せる。 |・発表を聞き、前時|を板書をもとに振り返る| |練| | | |の学習を想起する。|・自分なりの考えをもと| |り| | | | |に発表し合い練り上げて| |上| | | | |いくことを確かめ、学習| |げ| | | | |の見通しが持てるように| |る| |2.それぞれの考|2.面積の出し方の特徴| |する。 | |・| | えの発表を聞き|を考えさせる。 | | | |深| | 観点にそって話| | | |め| | し合う。 |@(倍積) 平行四辺形にして |・平行四辺形の形をその| |る| | | |ままで、面積を2倍にし| | | | | |て出している。 | | | | | |・前に習った三角形の面| | | | | |積の出し方と同じ考え方| | | | | |をしている。 | | | | |(3+9)×4÷2=24 |・1つの式で出せる。 | | | | |A(等積)ア.平行四辺形にして |・平行四辺形に形を変え| | | | | |ている。 | | | | | |・高さを半分にしている| | | | | |・高さが奇数だと考えに| | | | | |くい。 | | | | | |・1つの式で出せる。 | | | | | (3+9)×2=24 | | | | | | イ.長方形にして |・長方形に形を変えてい| | | | | |る。 | | | | | |・方眼がないと考えにく| | | | | い。 | | | | | ・1つの式で出せる。 | | | | | | | | | | 2×12=24 4×6=24 | | | | | ウ.三角形にして |・三角形に形を変えてい| | | | | |る。 | | | | | |・1つの式で出せる。 | | | | | (3+9)×4÷2=24 | | | | | | | | | | | |B(分割)ア.三角形にして |・前に習った形に分ける| | | | | |のが簡単。 | | | | | |・式がいくつにもなって| | | | | |計算がめんどうである。| | | | | | | | | | | | | | | | | 3×4÷2+9×4÷2=24 | | | | | | イ.三角形、長方形、平行四辺形にして | | | | | | 2×4÷2=4 3×4=12 | | | | | | 4×3=12 6×4÷2=12 | | | | | | 4×4÷2=8 12+12=24 | | | | | | 4+12+8=24 | | | | | |・それぞれの考え方の長 ・上の辺3p がど|・長所と短所を見つけら| |練| | |所と短所について考えさ|・下の辺9p|の式|れないときは、方眼がな| |り| | |せる。 |・高さ 4p|にも|くても簡単にできそうな| |上| | | |・÷2 −+使わ|考え方は、という視点で| |げ| | | |れている。 |考えさせたい。 | |る| | |・台形の面積の求め方の|・平行四辺形、長方|・上底、下底、高さがそ| |・| | |共通点を話し合わせる。|形、三角形のどの面|のままの長さになってい| |深| | | |積の求め方も |る求め方で考えさせたい| |め| | | |・上の辺と下の辺を| | |る| | | |足している。 | | | | | | |・高さをかけている| | | | | | |・2で割っている。| | | | | | |・どれも(3+9)| | | | | | |×4÷2になる。 | | | | |・共通点を見つけ|・言葉の式に表させる。| |・自分たちで公式をつく| | | |る。 |+−−−−−−−−−−+−−−−−−−+ |りあげたという気持ちを| | | | ||台形の面積 | |大事にしたい。 | | | | ||(上の辺+下の辺)×高さ÷2=面積 | | | | | | |+−−−−−−−−−−+−−−−−−−+ | | | | |・公式の表し方、|+−−−−−−−−−−+−−−−−−−+ |・上底、下底の用語を教| | | |上底、下底、高さ||台形の面積を求める公式 | |える。 | | | |の関係を知る。 ||(上底+下底)×高さ÷2=面積 | |・高さが台形の外にある| | | | |+−−−−−−−−−−+−−−−−−−+ |場合についても面積公式| | | |・類題に取り組む|・面積を求めさせる。 | |が適用できることを教え| | | | |+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+|る。 | | | | ||右の図のような台形の面積を求めましょう||・高さが台形の外にある| | | | || +− ||場合も公式が適用できる| | | | || | ||ことを確認する。 | | | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | | | | | (4+6)×7÷2=35 | | | | | | 答え 35〓 | | +−+−+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+ | | |4.課題について|・今日の学習のまとめを| |◇台形の面積を求める公| |ま| |まとめる。 |させる。 | |式がわかったか。(知)| |と| | |+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+| | |め| | ||台形の面積は、公式「(上底+下底)×高|| | |る| | ||さ÷2」で求めることができる。 || | | | | |+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−+| | +−+−+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+ | | |5.練習問題に取|・学習の定着を図る。 |◇台形の面積を、公式を| | | |り組む。 |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+|用いて求めることができ| |ひ| | ||台形の面積を求めましょう。 ||たか。(表) | |ろ| | || || | |め| | || || | |る| | || || | | | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | | | | | (9+4)×4÷2=26 | | | | | | 答え 26〓 | | | | |6.学習を振り返|6.自分の学習をカード ・振り返りカードに|・振り返りカードには、| | | |る。 | に書くように指示する|書く。 |学習内容、学習態度、感| | | |7.次時の学習を|7.次時の学習の予告を| |想を書かせる。 | | | |知る。 |する。 | | | | | | | | | | +−+−+−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−+