第4学年 算数科学習指導案

期 間 平成11年9月6日(月)〜9月24日(金)
場 所 久慈市立小久慈小学校
児 童 第4学年(1学級)男18名、女16名、計34名
授業者 川 口 成 也 (長期研修生)

1 単元名    式と計算(東京書籍「新しい算数」)

2 単元について

これまでに児童は、整数の加法、減法の計算、加法の交換法則、結合法則、整数の乗法計算(2位数、3位数に2位数をかける)、乗法の交換法則、結合法則、乗数の増減と積の変化の関係を学習してきた。これらの学習を受け、4年生では整数の四則計算を一応完成することになっている。

本単元は、2段階の問題の数量関係を、( )を用いて1つの式で表す方法とその計算順序、四則混合の式の意味と計算順序、また、整数についての分配法則について理解させることをねらいとして構成されている。

指導にあたっては、問題の数量関係を1つの式でまとめさせ、「たしかめカード」を用いて立てた式がどのようなことがらや関係を表しているか吟味、検討する活動をとおして、式は計算の法則をもとにして組み立てられていることを理解させていきたい。

3 単元の目標

関心・意欲・態度 2、3段階の問題を1つの式で表そうとする
数学的な考え方 2つ、3つの式を1つの式で表すよさに気づく
表現・処理 四則混合計算や( )を用いた式の計算ができる
知識・理解 四則混合計算や( )を用いた式の計算のしかたがわかる

4 指導計画(8時間扱い、*は指導試案に基づいた授業実践である)

@ ( )を用いた加減2段階の計算順序…………1時間*
A ( )を用いた加減乗除2段階の計算順序……1時間*
B 四則混合2段階の計算順序…………………1時間*
C 四則混合3段階の計算順序…………………1時間*
D 分配法則………………………………………1時間*
E 式と計算の問題演習…………………………1時間
F 乗法と除法、加法と減法の相互関係…………1時間
G 式と計算の問題演習…………………………1時間

5 本時の学習

・第1時「( )を用いた加減2段階の計算順序」

(1) 目標

関心・意欲・態度 2段階の問題を( )を使って1つの式で表して解決しようとする
数学的な考え方 ( )を使って2つの式を1つの式で表す方法を説明することができる
知識・理解 ( )を使って2つの式を1つの式で表す方法がわかる

(2) 展開

過程 学習活動及び内容 学習形態 指導上の留意点
つかむ 1 問題を把握する 一斉 *学習シート
150円のノートと450円のはさみを1つずつ買います。
1000円はらうとおつりはいくらですか。
・問題の解決に必要な数値(150、450、1000)を確認する
2 課題をつかむ 一斉 ・既習(2年生)の学習を想起させ、課題意識をもたせる
1つの式で表して計算するしかたを考えよう
みとおす 3 解決方法を考える
・150+450=600 1000-600=400
・1000-150=850 850-450=400
個別
一斉
・既習の方法(分解式)を用いて解決させ答えを出すために何算を用いるか、答えがいくらになるか確認する
4 立式する
・1つの式で表す
個別 ・150、450、1000の3つの数字を用いることを確認する
たしかめる 5 自分の式をたしかめる
・1000-(150+450)
・1000-150+450
・150+450-1000
・1000-150-450
個別 *「たしかめカードA」
・式、計算順序、ことがらを書き込ませ、よいと思う式ならその理由を書かせる
・他の式についても「たしかめカードA」を用いて確かめさせる
6 自分の式を紹介する ペア ・「たしかめカードA」に書き込んだことをもとに自分の立てた式を説明させる
7 よいと思う式を選ぶ
・1000-(150+450)
・1000-150-450
・班ごとによいと思う式を選ばせる
・選んだ理由を発表させる
8 選んだ式をたしかめる
出したお金 代金 = おつり
1000 −(150+450)=1000-600
=400
一斉 *「たしかめカードB」
・ことばの式でまとめさせる
・( )を使った式の計算順序をまとめる
まとめる 9 適用問題を解く
・1000-(700+50)
・1000-(700-50)
・1000+(700-50)
個別
・答えを導き出す途中の経過を正しく式で表すようにさせる
一斉 ・等号の左と右の大きさが等しいことを確認する

・第3時「四則混合2段階の計算順序」

(1) 目標

関心・意欲・態度 2段階の問題を1つの式で表して解決しようとする
数学的な考え方 2つの式を1つの式で表すよさに気付く
知識・理解 四則混合の計算順序がわかる

(2) 展開

過程 学習活動及び内容 学習形態 指導上の留意点
つかむ 1 問題を把握する
1こ90円のりんごを4こ買います。
500円はらうとおつりはいくらですか。
一斉 *学習シート
・問題の解決に必要な数値(90、4、500)を確認する
2 課題をつかむ
1つの式で表して計算するしかたを考えよう
一斉 ・前時の学習を想起させ、課題意識をもたせる
みとおす 3 解決方法を考える
・90×4=360 500-360=140
個別
一斉
・既習の方法(分解式)を用いて解決させ答えを出すために何算を用いるか、答えはいくらになるか確認する
4 立式する
・1つの式で表す
個別 ・90、4、500の3つの数字を用いることを確認する
たしかめる 5 自分の式をたしかめる
・500-(90×4)
・500-90×4
・90×4-500
・(90×4)-500
個別 *「たしかめカードA」
・式、計算順序、ことがらを書き込ませ、よいと思う式ならその理由を書かせる
・他の式についても「たしかめカードA」を用いて確かめさせる
6 自分の式を紹介する ペア ・「たしかめカードA」に書き込んだことをもとに自分の式を説明させる
7 よいと思う式を選ぶ
・500-90×4
・500-(90×4)
・班ごとによいと思う式を選ばせる
8 選んだ式をたしかめる
出したお金 代金 = おつり
500 − 90×4 =500-360
=140
一斉 ・選んだ理由を発表させる
*「たしかめカードB」
・ことばの式でまとめさせ、1つの式で表すよさに気付かせる
・四則混合の計算順序をまとめる
まとめる 9 適用問題を解く
500円のふでばこを1つと、1ダース480円のえんぴつを半ダース買いました。代金はいくらですか。
個別 ・除法と加法の2段階の問題においても四則混合の計算順序が適用できることを確かめさせる
ふでばこの代金 えんぴつの代金 = 代金
500 +  480÷2 =500+240
=740
一斉 ・答えを導き出す途中の経過も正しく式で表すようにさせる
・等号の左と右の大きさが等しいことを確認する

・第5時「分配法則」

(1) 目標

関心・意欲・態度 問題を1つの式で表して解決しようとする
数学的な考え方  分配法則が成り立つわけを説明することができる
知識・理解 分配法則が成り立つわけがわかる

(2) 展開

過程 学習活動及び内容 学習形態 指導上の留意点
つかむ 1 問題を把握する
としおさんは1まい60円の絵はがきを5まい買い、弟は1まい40円の絵はがきを5まい買いました。2人の代金はあわせていくらでしょう。
一斉 *学習シート
・問題解決に必要な数値(60、5、40、5)を確認する
2 課題をつかむ
計算するしかたを考えよう
一斉 ・前時の学習を想起させ、課題意識をもたせる
みとおす 3 解決方法を考える
・60×5=300 40×5=200 200+300
・60+40=100 100×5=500
・60×5+40×5
・(60+40)×5
個別
一斉
・既習の方法を用いて解決させ答えを出すために何算を用いるか、答えはいくらになるか確認する
・よい方法として簡潔な式で表すことを確
認する
4 立式する
・1つの式で表す
個別 ・60、5、40、5または60、40、5の数字を用いることを確認する
たしかめる 5 自分の式をたしかめる
・60×5+40×5
・(60+40)×5
・60+40×5
個別 *「たしかめカードA」
・式、計算順序、ことがらを書き込ませ、よいと思う式ならその理由を書かせる
・他の式についても「たしかめカードA」
 を用いて確かめさせる
6 自分の式を紹介する
ペア ・「たしかめカードA」に書き込んだことをもとに説明させる
7 よいと思う式を選ぶ
・60×5+40×5
・(60+40)×5
・班ごとによいと思う式を選ばせる
・選んだ理由を発表させる
8 選んだ式をたしかめる
としおの代金 弟の代金 = 代金
60×5  + 40×5 =300+200
=500
絵はがき1枚ぶんの代金 × まい数 = 代金
(60+40)  ×  5  =100×5
=500
一斉 *「たしかめカードB」・ことばの式でまとめさせ、どちらの式も答えが等しくなることを確認する
(60+40)×5=60×5+40×5
・分配法則をまとめる
(□+○)×△=□×△+○×△
まとめる 9 適用問題を解く
としおさんは1まい60円の絵はがきを5まい買い、弟は1まい40円の絵はがきを5まい買いました。2人の代金のちがいはいくらでしょう。
個別
としおの代金 弟の代金 = 代金
60×5  − 40×5 =300-200
=100
絵はがき1枚ぶんの代金 × まい数 = 代金
(60-40)  ×  5  =20×5
=100
一斉 ・答えを導き出す途中の経過も正しく式で表すようにさせる
・(60+40)×5=60×5+40×5
どちらの式も答えが等しくなることを確認する
・分配法則をまとめる
(□−○)×△=□×△−○×△
(注)                  の囲みは、手だてにかかわる学習活動及び内容と指導上の留意点を表す