印刷用紙:B4縦 1ページの行数:42 1行の文字数(半角で):88 第2学年 生活科学習指導案 指 導 者  佐 野 久 美 子 T 単元名 わたしたちの町 T(小単元名 おつかいをしよう) U 単元について   子どもたちは,2年生になって活動の範囲が自分の家のまわりからどんどん広がっている。そ  れとともに,家庭でも学校でも,これまでの親や上級生などに依存していた活動から徐々に自分  たちで独立した活動をするようになってきている。しかし,子どもたちは自分たちの生活と自分  のまわりの人々とのかかわりについては意識が薄い。そこで,友だち同士で自分たちの近所の生  活体験を紹介しあったり,体験してみたりすることを通して,近所における生活を見つめ直させ  ていくことが大切となる。   本単元では,買い物の活動を通して,子どもたちに近隣の人々と自分とのかかわりを見いださ  せるとともに,それらの人々と適切に対応できることをねらいとしている。子どもたちは,自分  が必要とするものをこれまでは親から用意してもらうことが多かったが,最近では,自分たちの  生活に必要なものを自分で買う機会が増えている。また,お使いなど進んでしている子どもも多  い。しかし,自分の欲しいものを欲しいままに無計画に買ったり,あらかじめ値段のよく分かっ  た決まったものを買ったりすることが多く,店の人と積極的に話しかけたり,相談するなどして  かかわりを持ちながら買い物をしようとする子どもは少ない。   活動を進めるにあたっては,まず自分たちの買い物の経験を思い出させ,自分たちがよく買い  物に行く店を発表しあいながら,自分たちの生活が多くの店とかかわっていることに関心を持た  せ,買い物学習への意欲づけを図る。次に一人一人に実際に自分の使うものの買い物を体験させ  一人で買い物ができるようにさせる。さらに,家の人のお使いを学校の近所の小売店,スーパー  マーケットで行う活動を通して,それぞれの店の人と会話を交わさせ,適切な応対ができるよう  にするとともに,買い物の仕方を分からせ,自分のくらしがたくさんの人々とかかわっているこ  とに気付かせたい。さらに,それぞれの目的に応じてお金を用意することを通して,自分の金銭  の使い方を見直させ,物を大切にする心も育てていきたい。また,買い物をして気付いたことや  感想を絵や文で表現させて活動のまとめとしていきたい。   買い物をする店は子どもたちがよく利用している学校のそばの文房具店,小売店,スーパーマ  ーケットで行う。買う品物については,日常生活に必要な物に限定することにより,無駄遣いを  させないようにしたい。また,品物の値段を自分で予想させ,自分の金銭に対する感覚を見直さ  せたい。活動を進める中で,店の人に対する対応の仕方,お金の支払い方,品物の選び方等でつ  まずいたり,トラブルを起こしたりすることがあると思われるが,活動の途中で意欲を無くすこ  とがないように十分配慮しながらも,できるだけ子どもたちが店の人や,友だちとのかかわりの  なかで自分の力で解決していけるように,教師が適切な助言をしていきたい。 V 単元の目標  ○ 主目標    日常生活に必要なものを計画的に買い物をすることができるようにするとともに,店の人々   と適切な対応ができ,正しい金銭感覚を身につけ,物を大切にすることができる。  ○ 観点別目標                   《関心,態度》                    買い物の仕方に関心を持つことができる。                         金銭の使い方を見直そうとする。    積極的に店の人とかかわろうとする。   《思考》                    自分が買うものの値段の見通しをたてることができる。    小売店での買い物の仕方を考えることができる。 スーパーマーケットでの買い物の仕方を考えることができる。    《表現》                      小売店の人と適切に対応することができる。 スーパーマーケットの人と適切に対応することができる。    買い物をして,気付いたことを絵や文に表すことができる。  《気付き》   小売店での買い物の仕方がわかる。 スーパーマーケットでの買い物の仕方がわかる。 金銭やものを大切にすることに気付く。 自分たちの生活が多くの人とかかわっていることに気付く。 W 活動計画         (6時間)    自分の買い物をしよう。(3)        ・ 自分がよく行く店を紹介する。                          ・ 自分の物を買いに行く計画をたてる。                          ・ 自分のものを買いに行く。                          ・ 買い物をしての感想をかく。    お使いをしよう。(3)           ・ 家の人に頼まれた買い物をする計画を                            たてる。                      (本時)・ 学校の近所の商店で買い物をする。                          ・ スーパーマーケットで買い物をする。 X 本時の活動 1 教材と子ども   学級の子どもたちの買い物の様子を調べてみると,ほとんどの子どもが一人で文房具の買い  物やお使いをした経験がある。子どもたちが一人で行ったことのある店のほとんどは学校の近  所の文房具店や自分の家のすぐ近くのやおや,スーパーマーケットであり,一番よく利用され  る店は文房具店であり,そのほかの店は利用される機会が少ない。買い物の際,代金やおつり  を落とした経験のある子ども,頼まれたものを忘れてしまったことの経験のある子ども,お金  が足りず買えなかった経験のある子どもがいて,買い物に抵抗感をもっている子どもも何人か  見受けられる。子どもたちは,前小単元で文房具店に行き,自分の使うものの買い物をするこ  とができた。この買い物を通していろいろな商品の中から自分の買いたいものを探したり,店  の人にお金を払っておつりをもらったりする経験をした。   本時の買い物は,四ツ家商店街で家の人から頼まれた物の買い物を行う。四ツ家商店街は学  校のすぐ近所にあり,文房具店,やおや,呉服店,菓子店,電気屋,酒屋,本屋,薬店などが  ある。また,この商店街の前のとおりは一方通行であり交通の見通しがききやすい。今回はど  の店へ行けば自分の頼まれたものが買えるのか考えたり,店の人に尋ねたりして,買い物をさ  せたい。家の人に頼まれた物は,日常生活に必要なものではあるが,直接自分の生活とのかか  わりを見いだしにくい品物である。そこで,値段の見通しをたてたり,実際に買い物をするこ  とを通してお金や物の大切さを感じ取らせていきたい。活動にあたっては,事前に家の人から  日常生活に必要なものの買い物を子どもたちに依頼してもらう。その際,売っている店,値段  等を自分で考えて買い物ができるよう,必要最小限の依頼にするようお願いする。また,買う  品物は,2品とし1品はできるだけ子どもが一人で買った経験のない物を選んでもらう。   買い物の活動は,自分で自由に行くこととする。つまずきやトラブルは,活動の意欲を失わ  ないようにできるだけ店の人や友だちとのかかわりの中で,自分たちで解決させていきたい。  教師は,全体の交通の安全を掌握するとともに,買い物活動については買い物経験の少ない子  どもを中心に観察していく。全体の活動の様子については買い物後の感想発表,作品等で把握  していく。 2 目標   学校の近所の店で,家の人に頼まれた買い物をすることができる。  3 場所             地  図  略  4 準備 《事前》 買い物の意識調査(アンケート) 家庭への依頼        ・日常生活に必要な買い物を子どもたちに依頼する。        ・現金の準備(子どもたちに見通しを持たせて。)       店へのお願い(子どもたちへの対応について)  《本時》 買い物の場所の目印,手紙用紙,鉛筆,お金(それぞれの必要に応じて)       メモ(それぞれの必要に応じて) 5 展開   学習活動と内容       教師の働きかけ            具体的評価の視点 1 本時の活動のめあてをつか ○ 本時は,家の人に頼まれた買い物を 《関心,態度》  む。             することを確認し,持ち物を確認する 本時の活動のめあ                  ○ 道路を横断するときの交通安全につ てがわかったか。     おつかいをしよう。     いて確認をする。          (活動の様子の観                                      察)   2 買い物をする。      ○ 始めに,みんなで買い物の店の範囲 《思考》                   を確かめながら店の様子を見る。   買い物の仕方    ・品物の探し方       ○ 次に,それぞれ自分の頼まれた物が (店,品物の取り   ・お金の払い方        売っていると思われる店へ自由に買い 方,支払いの仕方    ・安全確認          物に行く。             を,考えること                  ○ 友だち同士で解決できる問題もある できたか。                   が次のような場合店の人と会話をしな (頼まれた通りに                   がら解決させていきたい。      買い物ができたか                   ・どの店で売っているかわからない。 どうか。)                   ・店のどこにあるかわからない。   《表現》                   ・値段がわからない。        店の人と適切な会                   ・買う量がわからない。       話ができたか。                   ・種類がわからない。        (観察,感想の手                  ○ 本時は特に1人での買い物経験の少 紙)                   ないK・Tの活動を中心に見ていき,                    全体の活動の傾向をさぐりたい。                      ・頼まれたものを買い物できたか。                     ・店の人と会話をしながら買い物でき                     たか。                 3 買い物をした感想を絵や文 ○ 買い物が終わった順に買い物をした     で表す。           感想を家の人への手紙で絵や文に表さ 《表現》                   せる。               買い物をして感想                   ・どのようにして買い物をしたのか。 や気付いたことを                   ・店の人とどんな言葉で会話をしたか 絵や文に表すこと                   ・困ったことはなかったか。     ができたか。                                    (感想の手紙)                                    《気付き》                                    買い物の仕方がわ                                   かったか。                                     (感想の手紙)