印刷用紙:B4縦 1ページの行数:45 1行の文字数(半角文字で):100         養護・訓練(構音障害)学習指導案                                  平成7年9月29日(金)6校時                                  胆沢第一小学校 ことばの教室1                                  指 導 者    関澤 由美子       1、対象児 1年 女 2、本児の状況   ・障害名  口蓋裂に伴う構音障害   ・症状 (H7、6、8検査)          口蓋化構音〜サ行、ザ行、タ行、ダ行、シャ行、ツ、チャ行、キャ行、ギャ行          口腔内圧をつくれず、子音の弱音化〜パ行、バ行、ピャ行、ビャ行    前舌化〜ラ行 、省略〜リャ行、置換〜キャ行→ニャ行、側音化〜ヒャ行   ・性格及び行動          学級では友達ともよく遊び、自分からどんどん話す。何か言われても負けずに言い返す。         担任がよく分からないので言い直しをしてもらっても、いやがらないでやってくれる。          ことばの教室では、いろいろなことに興味をもち、積極的に課題にとりくんでいる。   3、題  材   パ行音「パ、ピ、プ、ペ、ポ」を正しく発音しよう 4、題材について    ・ パ、ピ、プ、ペ、ポの子音は無声音pで、両唇破裂音である。有声子音bと共に構音の容易な音     として、幼児の最も早い時期に獲得される音である。      口唇を閉じて口腔内に呼気をため口唇を一挙に開けることによつてその呼気を放出して音がつく     られるが、この際、顎の開きや舌の動きには全く影響はない。    ・ 本児は口蓋裂の医学的処置は適正になされてきてはいるが、構音器官の機能は、通常児と比べ劣     っている。構音上の問題では、歯裏音(サ行、ザ行、シャ行)や歯茎音(タ行、ダ行、ツ、チャ行)     の構音点が後退して口蓋化構音になったり、鼻咽腔閉鎖機能不全があるため口腔内圧をつくれず、     子音の弱音化を生じさせたりしている。これらのことが本児の発音を分かりにくくしている原因に     なっている。      本児のパ行の指導は、手順をふみながら音節、無意味語、単語と進めてきたが、1音ずつではパ     行の音は明瞭になってきたものの、他の音と連結すると、後続母音が弱くなる傾向がある。    ・ 従って、最終的には日常の音読や会話でも使えるようにするため、話す速度が多少落ちても、後     続母音まで意識した発音にすること、自分の発音に対し、正誤弁別できる耳を育てること、の二点     を留意して指導していきたい。        5、指導目標      正しい発音のしかたを身につけさせ、日常会話で使えるようにさせる。 6、指導計画 (16時間)    (1) パ行音「パ、ピ、プ、ぺ、ポ」の音づくり‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥3時間    (2) パ行音「パ、ピ、プ、ペ、ポ」の発音指導‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥10時間        無意味語、単語(語頭、語尾、語中) 7時間               短 文                3時間(本時2/3)   (3) パ行音の音読、会話での習熟練習 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥3時間          7、本時の指導  (1) ねらい       はっきりした発音の「パ、ピ、プ、ペ、ポ」を、短文の中で使うことができる。  (2) 展開 +−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−+ | |  学習内容と学習活動 |    指導上の 留意点 |  準 備 | +−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−+ | | | | | | |1 あいさつをする。 |・明るい声で言わせたい。 | | |導| | | | | |2 機能訓練をする。 |・ストロー吹きは、静かに、長く、吹かせる。時計、コップ | | |     ストロー吹き、口じゃんけん |ストロー、表 | | |3 母音アイウエオの練習をする。 ・口形を大きくし、息を鼻にまわさないよう | | | |         (3音連結)| 注意させる。 |母音口形図 | | |            | | | |入|4 めあてと、学習順序を確認す |・めあて  | | | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | | |  る。 | |みじかいぶんのなかで、「パピプペポ」| | | | | | |をはっきりいおう。 | | | | | | +−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | |10分    | | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−+ | | | | | | |5 「パ、ピ、プ、ペ、ポ」の発音練習       | | |展| | | | | | (1) 音節で |・これまでの学習を想起し、正しい音を確か| | | |   ・単音節 | める。      | | | |   ・連続で |・口の中に充分に息をため、一気に破裂させ|練習カ−ド | | | | るようにする。 | | | | |・後続母音を意識させる。 | | | | (2) 単語で  | | | | |     (語頭、語尾、語中) |・パ行が不明瞭なときは言い直しをさせる。| | | | | (自己弁別で)| | | | (3) 短文で |・パ行音に印をつけ、意識化させてから練習 |短文カード | | | | させる。 | | | |6 ゲ−ムをする。 |・ハタ取りゲ−ムでパ行の練習をする。 |ゲーム版 | |30分 | |サイコロ、ハタ | +−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−+ | | | | | |終|7 学習の反省をする。 |・めあてについて反省させる。 | | | | |・頑張ったことを褒める。 | | | | | | | | |8 次時の学習予告 |・次時も引き続き、みじかい文の練習である| | | | | ことを知らせる。 | | |末|9 あいさつをする。 | |連絡カ−ド | | | | | | | 5分    | | | +−+−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−+