小学校4年 社会(火事をふせぐ) 指導案 仁王小学校 用紙は A4 縦  1行 90字(半角) 1ページ 49行に設定してください。 第4学年社会科学習指導案 指導者  深 田  好 昭   単元名    火事をふせぐ ■火事を早く消すしくみ■   単元について  〇 子どもたちは、前単元「わたしたちのくらしと水」で、水源地や浄水場の見学を行いながら、   盛岡市では、市民の健康な生活を維持するための大切な水を、周辺の町村と協力しながら、組織   的、計画的に各家庭に送り届けていることを学習した。子どもたちは、その過程で、日常何気な   く水を使っていること、家庭や学校・地域では様々なことに多量の水を利用していること、それ   らの水にはたくさんの資金と労力が注がれていることに驚きを示すとともに、自分たちの生活を   支えている人々の協力体制に強い関心を示すようになってきた。    そこで、本単元では、安全面に視点をあて、火災の消火活動を素材としながら、人々の安全な   生活を維持するためには、市の人々やいろいろな機関の連携・協力が必要であることを理解させ   る。  ○ 火災の多くは、私たちの不注意によって起こるものであり、生命や財産を脅かす災害である。  そのような災害に対処するため、盛岡市では、昭和45年までは市独自の常備消防を組織していた   しかし、初動消火・救急活動の促進のためには、その組織では不十分でであり地域住民に不安を  与えるということから、昭和46年6月1日に、1市7町4村の協力による盛岡地区広域行政事務  組合消防本部が組織された。現在は、1消防本部2消防署10分署8出張所2分駐所で組織されて   おり、四百十数人の署員が年間百回余り発生する火災に対処している。消防署では、消防自動車   通信施設や各種の特殊器具を保有し、常に緊急時に備えている。    また、防火にも力を入れており、学校や各種建築物の防火査察や危険物の貯蔵状況の点検等を   常時行っている。そして、火災現場への出動訓練や器具の取り扱い訓練、地域内の防火水槽や消   火栓の点検を行い、火災が発生した場合、早く確実に消火する体制をとって、地域住民の安全な   生活の維持に寄与している。  ○ 子どもたちは、火災発生時に、119番に電話をすると消防自動車や消防署の人々が来て消火に  あたることを当然のことと考えている。また、防火水槽や消火栓などの施設が設置されているこ   とには、あまり注意を向けていない。    そこで本単元では、校内や自分たちの生活している地域の防災施設の観察や消防署の見学を通   して、火災から人々を守るため、関係諸機関が相互に連絡を取り合って火災防止の対策をたてた   り、火災発生に備え、緊急に対応できる訓練をしたりしていることを理解させたい。そして、安   全な生活をするための、市民としての協力の仕方を考える態度を養いたい。    指導にあたっては、次の点に留意する。     ・視点を明確にして、校内や地域の防火施設の観察や盛岡消防署の見学をさせる。     ・見学にあたっては、施設の構造や設備、車両や機材、署員の仕事の様子を具体的に観察さ      せる。     ・消防署見学や各種資料をもとにしながら、学校や地域の防火施設の様子、火災発生時に短      時間で出動できる理由、関係機関の相互協力体制等を一人一人の子どもの興味・関心や考      え方に応じて追究させる。     ・消防署の見学や消防官の話を通して、防火の大切さを感じ取らせる。     ・学習の様子を自己評価させ、助言や賞揚によって、一人一人に成就感・進歩感を持たせる   単元目標  1.学校や地域には、防火に必要な様々な施設が設置されていることをわからせる。  2.消防署では、火災発生に備え、緊急に対応するための訓練や、火災防止の対策を行っているこ   とをわからせる。  3.火災発生時には、関係機関が相互に連絡を取り合いながら、火災を最小限にとどめようとして   活動していることをわからせる。  4.安全なくらしをするために、市民としての協力の仕方を考えることができるようにさせる。  5.火災から人々の安全を守るための施設や人々の働きを観察し、それを効果的に表現し活用する   ことができるようにさせる。   指導計画(14時間)  1.学習計画‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥1時間   ○火事を早く消すしくみ‥(2) 本時1/2  2.学校や地域の防火施設‥‥‥‥3時間   ○消防の対策‥‥‥‥‥‥(1)  3.消防署の見学‥‥‥‥‥‥‥‥3時間   ○消火のための協力‥‥‥(1)  4.火事を消す仕組み‥‥‥‥‥‥6時間   ○火事を防ぐために‥‥‥(1)    ○消防署の様子‥‥‥‥‥(1)     5.まとめ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥1時間   本時の指導  1.教材と子ども   ○ 消防署では、消火のための機械・器具の取り扱い訓練や点検、体力作りを日常的に行うとと    もに、すぐ出動できるように建物の構造の工夫を行い、施設設備を完備している。そして、通   信司令室では、24時間火災発生の通報を受け取る体制をとり、その通報を受け取ると、そこか   ら消防署内はもちろん関係諸機関に直ちに出動司令を出す。司令を受けた署員は、30〜40秒で    出動できる体制にある。   ○ 子どもたちは、消防署の見学によって次のような事実を確認した。     ・消防署員がてきぱきと行動していること     ・消防自動車が毎日点検されていること     ・通信司令室があること     ・仮眠室や休憩室があること     ・すべり棒が設置されていること     ・ヘルメット、消防服、長靴が一人分ずつ整理されていること    しかし、それらが、火災が発生した時に速やかに消火にあたるための体制であることには、あ   まり気付いていない。    そこで、火災発生の通報を受けてから出動までの時間が短いわけを、消防署で観察したこと・   資料・子どもの経験をもとにして、追究させていく。問題の追究過程においては、一人一人の考   え方や興味・関心に応じた活動を導入し、予想の検証方法を選択させる。    なお、本時は、次の2名を抽出児として位置付け、追究の様相を把握し指導に生かしたい。   2.ねらい    消防署では、火災が発生した時に短時間で出動するために、さまざまな体制をとっていること   をわからせる。  3.展 開 ---+---------------------+-------------------------------------------------+-----------+ | | 学習内容と学習活動 |     指 導 上 の 留 意 点       | 資  料 | +---+---------------------+-------------------------------------------------+-----------+ |  | 1.火災発生の通報を| ・消防署の見学で観察した消防署の人たちの仕事の様 | 絵(事務・ | |  |  受けてから出動まで| 子や3階で仕事をしていたことを想起させる。   | 動) | | 問|  の時間について話し| ・学校の避難訓練で自分たちが避難に要した時間を想 | | |  |  合い、本時の追究問|  起させる。 | | | 題|  題を把握する。  | ・出動司令が出てから出動までの動きを動作化させる | | |  |  ・動作化     | ・KYに消防服一式を着せて、意欲を高めたい。   | 消防服一式 | | の|           | ・消防署のおじさんの話から、一分程度で出動する事 | | |  |  ・実際の出動   |  実をつかませ、問題意識を高めさせる。      | 録音 | | 把|           | ・動作化してかかった時間と実際の出動にかかった時 | | |  | 消防署の人たちは、な|  間とを比較させ、いつでも一分程度で出動できるこ | | | 握| ぜいつでも早く出動で|  とに着目させて本時の追究問題を把握させる。 | | |  | きるのだろう。   |   | | +---+---------------------+-------------------------------------------------+-----------+ | 問| 2.早く出動できる理| ・提示した資料や見学ノートをもとにして早く出動で | 見学ノート | |  |  由について考え、話|  きる理由を予想させる。 | | | 題|  し合う。 | | | |  |  (1) 自分の考えた理| ・机間巡視を行い、追究の状況や子どもの考えを把握 | | | の|   由をノートに記入|  する。つまずいている子どもには、見学をした消防 | | |  |   する。     |  署の施設・設備を想起させることによって理由を考 | | | 追|  (2) 考えたことを発|  えさせる。 | | |  |   表する。    | ・子どもの発表内容は、板書で整理し、その後に考え | | | 究|  <予想される反応>|  た根拠を述べさせる。 | | |  |  ・すべり棒    | ・HKやKYに発表させ、追究の意欲化を図る。 | | |  |  ・仮眠室や待機室 | | | |  |  ・通信司令室 | | | |  |  ・24時間体制 | | | |  |  ・消防自動車の点検| | | |  |  ・訓練 | | | +---+---------------------+-------------------------------------------------+-----------+ |  | 3.早く出動できる理 | | | |  |  由について話し合っ | | | |  |  たことを調べて確か | | | |  |  める。 | | | | 問|  (1) 調べる内容や方 | ・板書をもとにしながら、調べる内容を明確にさせる | | | | 法について話し合 | | | | 題|   う。 | | | |  |  ・消防署の施設 | | | | の|  ・日常の点検や準備 | | | |  |  ・24時間体制 | | | | 追|  ・訓練       | ・調べる方法として考えられるものを自由に発表させ | | |  |            |  検証資料に対する関心を高める。 | | | 究|  (2) 話し合った内容 | ・調べたい内容から調べさせる。 | | | | を調べる。 | | | |  |            |    消防署の施設 日常の点検や準備  | 絵(施設)| |  |            | ・すべり棒        ・消防自動車      | 表(消防自| |  |            | ・仮眠室、待機室、放送  ◎消防自動車の点検内容 |  動車の点| |  |            | ◎絵をもとにして、施設が  を表やおじさんの話か |  検) | |  |            |  なぜそこにあり、そうな  らまとめさせる。   | VTR(おじさ| |  |            |  っているかまとめさせる。 | んの話) | |  |            |  火災に対処できる体制     訓   練    | 日課表 | |  |            |  ・24時間体制       ・訓練、練習     | 表(仮眠の| |  |            | ◎表(仮眠の時間)や日課 ◎VTRや表(訓練の内容 |  時間) | |  |           |  表から24時間いつでも出  から、出動や消火活動 | 表(訓練の| |  |            |  動できることを読み取ら  の訓練が行われている |  内容) | |  |            |  せる。          ことを読み取らせる。 | | |  |  (3) 調べたことを発 | ・発表後、VTRで出動の模様を視聴させ、話し合った | VTR(出動の| |  |   表する。     |  内容を確かめさせる。           |    様子 | +---+---------------------+-------------------------------------------------+-----------+ | ま| 4.本時の学習内容を | ・本時の学習内容や学習の仕方について自己評価させ | | | と|  まとめ次時の学習の |  発表させて、変容の様子をとらえさせる。 | | | め|  方向をつかむ。 | | | +---+---------------------+-------------------------------------------------+-----------+