印刷用紙:B4縦 1ページの行数:52 1行の文字数(半角で):82   −−以下 指導案本文−−                 第4学年社会科学習指導案                         平成8年10月18日(金)5校時                         男 11名 女 10名 計21名                         指 導 者  佐々木 泰人 1.単元名 くらしの中のごみと水−−−−−水はどこから 2.単元について (1)教材について  4学年における目標は、「地域における社会的事象を具体的に観察し、地図や各種の 資料を効果的に活用することができるようにするとともに、社会的事象の特色や相互の 関連について考えることができるようにする。」である。また、内容の(1)には、「 地域の人々にとって必要な飲料水、電気、ガス等の確保、及び廃棄物の処理についての 対策や事業が計画的、協力的に進められていることを見学したり調べたりして、これら の対策や事業は地域の健康な生活の維持と向上に役立っていることを理解できるように する。」と述べられている。そこで、単元は、私たちの生活にとって欠くことのできな い水の確保について調べその対策や事業は人々の健康な生活への願いを生かし、地域の 協力によって計画的協力的に進められていることを理解できるようにする。  そのために、子どもたちにとって、身近なものである水道の蛇口調べを通して水が普 段からたくさん使われていることに気づかせ、さらに水の使用量の増加や、水がどこか ら送られてくるのか調べ浄水場の仕組みやはたらきについて認識させたい。地域の人た ちの水の確保するための願いや努力を考えさせ、これからの水の使い方について自分た ちにできることは何かを考えさせ、地域社会の成員として自覚と発展を願う態度を育て ていく教材である。 (2)児童について  子どもたちは、これまで、公共施設の利用、ごみの処理の仕方は町福祉センタ−や一 関市にあるごみ処理工場の見学を通して健康で安全な生活を維持し、生活の向上を図る ために地域社会における組織的な活動が計画的協力的に行われてきたことを学習してき た。  特に、ごみの処理の学習については、3学年から分別することによってごみは資源と して再利用できることを体験的に学んできた。 水についての子どもたちの意識は水道 の蛇口をひねれば、出るのが当然であり、いつでも使えるというような気持ちでいる。  子どもたちの水についての認識は、その水が、「どこから」「どのようにして」自分 の家や学校まで届くのかといった水道経路や浄水場のしくみ、水道事業所のはたらきに ついてまでは考えがいたっていない。このように子どもたちの水に対する実態をみると 、水に関するアンケ−ト調査では水を大切にしなければならない気持ちはもっているが 、なぜ、大切にしなければならないかについてはわかっていない状況にある。また、自 分なりに資料を見つけてきたり、調べることはできない。自分の考えと友だちの考えを 比べたり、その考えのよさを見つけ、話し合いを深めていくことが不十分である。 (3)指導にあたって  水は人間の生活にとって欠くことのできないものであるが、あまりにも日常的な生活 の中で、特に意識して使っていないものでもある。あって当たり前という感覚があるの が現状である。しかし、子どもたちの住むこの花泉町では、夏になると度々、配水量が 取水量に追いつかず、水源井戸及び配水池の水位が低下し、水位の回復には時間が必要 である状況がみられた。そのため、上水道の給水制限が町から出されることがある。  そこで、水の確保について、実感として受け止め、考えさせるために、まず、身近な 学校の水道水の蛇口に視点をあて、水の使われ方について調べ、学校の中だけでも大量 の水か使われていることに気づかせたい。  次に浄水場の見学を通して、そのしくみやはたらきをしらべるとともに、飲み水は多 額の費用を要すること、そこで働く人達が努力していることについてもとらえさせてい きたい。また、水道作りの歩みを調べる中で地域の人たちの水道ができるまでの苦労や 願いについて気づかせていきたい。そして、水源の確保と限られた資源としての水にい て自分たちの生活と関わりをもたせて、考えさせることによって水を大切に使う心がけ やくらしが必要なことに気づかせたい。  最後に、くらしの中でつかわれた水については自分たちの身近にある家、学校などの 排水管を追跡して下水の流れる経路について調べさせていきたい。そして、下水処理場 の資料を手がかりに下水処理場のしくみや、水の再利用について見直すようにさせてい きたい。その際、下水処理場で水や汚泥をリサイクルしていることから、資源のリサイ クルについても目を向けさせ、水が大切な資源であることに気づかせたい。 関連図 +−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−+ |5年(社会) | |3年(社会) | +−−−−−−−−−−−−+ |・食料生産をささえる| |・わたしたちの+−−+本単元 | | 人々 | | くらしと町 | | 4年社会 +−−+・見直そうわたしたち| +−−−−−−−+ |・くらしの中のごみと水 | | の国土 | +−−−−−−−+ | 水はどこから | +−−−−−−−−−−+ |4年(社会) +−−+ | +−−−−−−−−−+ |・ごみはどこへ| +−−−−−−−−−−−−+−−+4年(社会) | | | |・くらしを高めるね| +−−−−−−−+ |がい | +−−−−−−−−−+ 3.単元目標  ・健康なくらしをするためには、水の確保が欠かせないことに気づいて、自分も協力してみ  ようとしている。(関心、意欲、態度、)  ・地域の様子を観察したり、施設を見学したり、地図や資料で確かめ、自分の考えを発表す  ることができる。(思考、判断、観察、技能、表現)  ・広い他地域との協力や計画的な事業によって自分たちが支えられていることを理解するこ  とができる。(知識、理解) 4.指導計画(11時間) +−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−+ |小単元| ね ら い | 主な学習活動 | 指導・支援 |時| +−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−+ |水のあ|学校にある蛇口調べを|学校ではどこに蛇口が|(評)学校での水の使| | |るくら|して、平面図に整理す|あるか調べる。 |われ方が分かる。関心| | |し |る中で、学校での水の|学校ではどんなことに|平面図に整理する中で|1| | |使われ方がわかる。 |水か使われているか考|たくさんの水が使われ| | | | |える。 |ていることに気づかせ| | | | | |る。 | | | +−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−+ | |水の使用量が年々増え|水の使用量が年々増え|(評)水の使用量が増| | | |ていることがわかる。|てるのはどうしてか考|え続けていることがわ| | | | |える。 |かる。(理解) |1| | | | |グラフや資料をもとに| | | | | |年々増え続けているこ| | | | | |とをわからせる。 | | | +−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−+ | |自分たちが使っている|大量の水はどこから送|(評)自分たちの使っ| | | |水は、他の市町村を水|られてくるのか考える|ている水がどこから送| | | |源としてダムや浄水場| |られてくるかわかる。| | | |、配水池等を通りなが|水のたびマップを作り|(観察) |1| | |らひかれてきているこ|気づいたことを発表す|水のたびマップを通し| | | |とがわかる。 |る。 |て浄水場を見学する視| | | | | |点を決める。 | | +−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−+ |じょう|浄水場の仕組みや働き|浄水場の働きや仕組み|(評)浄水場の仕組み| | |水場を|について調べる。きれ|について調べはなし合|や働きがわかる。 | | |たずね|いな水は、多額の費用|う。 |(観察、知識、理解)| | |て |や働く人たちの努力の| |水道事業所の人たちの|2| | |もとに作られているこ| |努力にも気づかせる。| | | |がわかる。 | | | | | +−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−+ | |水道の施設ができる前|水道ができる前の様子|(評)水道ができるま| | | |の水を手に入れるため|を調べる。 |での苦労や計画的に水| | | |の大変な苦労や水道を|水道ができる前の人々|道が進められてきたこ| | | |望む人々の願いに気づ|の苦労や悩みについて|とがわかる。(理解)|1| | |く。地域の人々が計画|話し合う。 |水道の歴史からできる| | | |的に水道の施設や拡張|町の水道作りの歩みを|までの苦労についてわ| | | |を進めてきたことがわ|調べる。 |からせる。 | | | |かる。 | | | | | +−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−+ | |川の上流にあるダムや|ダムの働きについて調|(評)ダムは水道に欠| | | |水源涵養林の様子を調|べる。 |かせない大切な働きが| | | |べる。これらには、雨|森林の働きについて調|あることがわかる。 | | | |水を貯える等の水道に|べる。 |(理解) |1| | |欠かせない大切な働き|ダムと水道の関係につ|水源林の働きが「緑の| | | |があることがわかる。|いて調べる。 |ダム」と呼ばれるわけ| | | | | |を調べくらしとの関わ| | | | | |りについて考える。 | | | +−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−+ | |これからの水道につい|地域の人たちは水を大|(評)限られた資源と| | | |て使用量の増加に合わ|切にするためにどのよ|しての水を大切に使う| | | |た水源の確保だけでな|うに工夫しているか調|心がけやくらしが必要|1| | |く、限られた資源とし|べる。 |なことがわかる。 | | | |て水を大切に使う心が| |(知識、思考、判断)|本| | |けやくらし方が必要な| |水の使用量の増加と水|時| | |ことをがわかる。 | |の供給の関係について| | | | | |気づかせる。 | | +−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−+ |下水の|くらしの中で使われた|私たちが使って汚れた|(評)くらしの中で使| | |ゆくえ|水は、下水道に流れて|水はどこに行くのか調|われた水は下水道に流| | | |いくことに気づき、最|る。 |れ、最後には下水処理| | | |後には下水処理場に送| |場に送られることがわ| | | |られることがわかる。| |かる。(技能、表現、| | | | | |知識、理解) |1| | | | | 家(学校)の排水管| | | | | |を追跡し、下水の流れ| | | | | |る経路についてわから| | | | | |せる。 | | | +−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−+ | |下水処理場のしくみと|下水処理場のしくみと|(評)下水処理場のし| | | |そのはたらきの大切さ|その仕事の大切さにつ|くみについてわかる。| | | |に気づくとともに下水|いて調べる。 |(思考、判断、技能、| | | |をできるだけ汚さない| |表現) |1| | |ようにするくらしの工| |図式的にまとめてとら| | | |夫にも関心をもつこと| |えさせる。 | | | |ができるようにする。| | | | | +−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−+ | |一度使われた水が下水|きれいになった水はど|(評)一度使われた水| | | |処理場できれいにされ|のように再利用されて|がきれいにされ、再利|1| | |再利用されていること|いるのか調べる。 |用されていることがわ| | | |がわかる。 | |かる。(知識、理解)| | +−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−+ 5.本時の指導 (1)目 標   これからの水道について、使用量の増加に合わせた水源の確保だけ でなく、限られた資源として水を大切に使う心がけやくらし方が必要なことに気づくこ とができる。 +−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−+ | 学習活動と学習内容 | 支 援 |環境教育との関わり| 資料 | +−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−+ |1.浄水場のしくみについ|・大森浄水場のしくみ| |場水場の| | てふりかえる。 | をふりかえる。 | |構造図 | | | | | | | | | | | | | | | | |2.水不足で困ることを考|・水不足になったら困|・くらし | | | える。 | ることを発表させる| 水は人間の生活に| | | ・食事 | | とって欠くことの| | | ・洗濯 | をわからせる。 | できない大切なも| | | ・お風呂 | | のであることを考|資料 | | | | える。 |グラフ | |3.花泉町の水道水の使用|・水の使用量と給水量| | | | 量の増加から問題点に気| の関係を図で提示す| | | | づく。 | る。 (資料活用)| | | | |・水の使用量が年々増| | | | | え続けているのに対| | | | | して、これから先の| | | | | 花泉町の使用量の増| | | | | 加から問題点に気づ| | | | | かせる。(思考、判| | | | | 断) | | | | | | | | | | | | | |3.本時の課題を把握する| | | | |+−−−−−−−−−−+|・水資源の節約に関心|・くらし | | || 水不足にならないた||をもち無駄づかいをや| 限りある水資源を| | ||めには、どうしたらよ||めたり、水の使い方を| 有効に使うための| | ||いだろうか。 ||工夫したりしようとす| 水の利用について| | |+−−−−−−−−−−+|る。(関心、意欲、態| 考える。 | | |4.学習課題について考え|度) | | | | る。 | | | | |(1)グル−プごとに考え|(評)課題について自| | | | る。 | 分の考えを持つこと| | | | | ができる。 | | | |(2)考えたことを発表す|・課題については生活| | | | る。 | 面における節水と町| | | | ・生活面での節水 | の水を増やすための|・くらし | | | ・蛇口の水をきちんと| 対策面に類別して提| 限りある水資源を| | | とめる。 | 示していく。 | 有効に使うための| | | ・水を大切に使う。 | | 水の利用について| | | | | 考える。 | | | ・水を増やす対策 |・水を増やす対策につ| | | | ・井戸をほる | いての考えが子ども| | | | ・水道を広げる工事 | から出されない時に| | | | ・配水池を増やす | は、水道づくりのあ| | | | | ゆみから気づかせる| | | | | | | | |(3)節水について確かめ|・今年の夏に町内で給| | | | る。 | 水制限があったこと| | | | | を知らせ、去年と今| | | | | 年の給水量からわか| | | | | らせる。 | | | |(4)水を増やす対策につ|・水道づくりのあゆみ| | | | いて確かめる。 | からどのように町で| | | | | は水を増やしてきた| | | | | のかわからせる。 | | | | | | | | |5.本時のまとめをする。|・花泉町には堤がたく|・くらし |資料 | | | さんあることをとり| 堤は県南特有のも|堤の地図| | | あげ、昔から水不足| のであることがわ| | | | にそなえてきた地域| かる。 | | | | の人のちえであるこ| | | | | とをわからせ、これ| | | | | から先の水道を使う| | | | | 心がけやくらし方に| | | | | 気づかせる。 | | | | | | | | +−−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−+−−−−+ (4)板書計画           +−学習課題−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−+| 水不足にならないためには| |堤の利用について | |水の使用量と給水量||どうしたらよいだろうか。 | | | |のグラフ |+−−−−−−−−−−−−−+ +−−−−−−−−−+ | | | | 節水について 水を増やす対策 +−−−−−−−−−+